明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

激安焼きとんグループの元祖? 武蔵小金井『百薬の長』

2023年04月30日 | 居酒屋・バー
年齢とともに飲食店巡りのキャリアも重ねたことで、根拠のない自信を得たのか、
今では見知らぬお店でも、恐れず入るようになった私。 ※ただし、値段の高そうな店は除く
かつては外観だけで避けていたお店も、実際にノレンをくぐってみたら、意外な良店だったりする。
今回紹介する、武蔵小金井の大衆酒場『百薬の長』も、そんなお店のひとつ。

場所は、駅北口のドン・キホーテ脇の道を進み、立ち食いそば店で右折し、さらに左折すれば、
お店のノレンと赤ちょうちんが見えるはず。


こちらのお店はだいぶ前に、駅に向かう途中で偶然発見し、「変わった屋号のお店だな」と記憶にとどめた。
そのときの店内は、いかにも常連らしい高齢男性の方々で賑わっており、
私なんて若輩者扱いされそうで、入店するのをためらい、そのまま数年たってしまった。
つい先日、小金井界隈を探索していたとき、お店の存在を思い出し、入ってみることにした。
なおこの店は、食べログでは掲載保留、つまり「閉店したかも?」扱いになっているが、普通に営業している。
以前、神楽坂の洋食店『MARIO』さんが掲載保留扱いになったときは、
「ちゃんと営業しているから、保留を解除しろ」と、運営側にメッセージを送ったのだが、
百薬の長さんは、今でもじゅうぶん混雑しているし、食べロガーには来てほしくないので、あのまま放置しておく。

店内は二の字カウンターで、以前通りかかったときと同様、店内は人生の先輩方で、ほぼ満席状態。
女性店主に、奥の方の空いている席に案内され、とりあえず「ホッピーセット」の白をオーダー。
こちらのお店は店主だけでなく、ふたりのお手伝いさんも含め、働いているのは全員女性である。

メニューは正面と背後の壁に掲示してあるが、常にお客さんがいるのでカメラを向けられず。
何回目かの訪問時に、厨房側の上に貼ってあるメニューをなんとか撮影。


上段が飲み物や一品料理、中段がお店のウリである串焼きの一覧、下段が日替わりメニュー各種。
もつ焼きは複数揃っているが、売り切れると中段の「ハツ」「タン」などの札が裏返る(一番右側など)。
モツについては、別の場所に貼ってある下記の表で、部位や詳細を解説している。この表については後述する。


最初のおつまみは、「煮込み」320円と、日替わりの「マカロニサラダ」260円をオーダー。
先に、外ホッピーと氷の入ったジョッキ、そしてコップの縁ギリギリまで注がれた焼酎、のホッピーセットが登場。


ぶきっちょな私はこぼしそうなので、女性店主の「代わりにお注ぎしましょうか」という提案に甘えることに。
コップを傾け、少しずつジョッキに注ぐのがコツらしい。周囲の皆さんも、器用に少しずつ注いでいる。
ホッピーセットは、外が280円、中の焼酎が290円、そして氷40円×2で80円の計650円。
焼酎はギリギリどころか、受け皿にもあふれており、合計すると推定150mlはありそう
チェーン店なら中5杯分、通常の酒場でも3杯分はありそうで、290円はかなりお得である。

その後、私の好物であるマカロニサラダが提供され、


さらに、これまた好物の煮込みがやってきた。ホッピーにはやっぱり煮込みだよね。


なお、煮込みは半額160円のハーフサイズもあり、私は毎回、どちらかを頼んでいる。


マカサラは、自家製ではないかもしれないが、マヨネーズが控えめのあっさりタイプ。
煮込みも同様に、それほど脂っこくなく、万人受けするテイストである。
最初の方に書いたように、年配のお客さんが多いので、塩分や脂分を抑えているのかな。

ホッピーセットを氷なし(セコイ!)でお替わりしたが、焼酎は多いので2杯でやめておき、
その後は順番が変だが、瓶「ビール中」550円をオーダー。銘柄はサッポロだった。
さらにおつまみとして、「うずらの串焼き」(商品名うろ覚え)120円と、


おでんから、「串もつ」100円と「玉子」170円を追加注文。


おでんは、串もつと「豆腐」180円以外は、すべて170円。出汁がこれまた、濃すぎず薄すぎず絶妙な塩梅。
うずらが意外とウマかったので、さらに2本追加。残った煮込みの汁に浸してもおいしい。


なお、こちらのお店には、焼酎は3杯、日本酒は5杯までというルールがある。
詳細はこちら。他の店で飲んできた酩酊客の場合、3杯未満でもストップがかかる場合もあるようだ。


実際はお店側がジャッジするため、絶対に3杯までしかダメ、というわけではなさそう。
私の場合は焼酎2杯に+ビール1本。もう1杯くらい許してもらえそうな雰囲気だったが、
さっきの貼紙に記されていたように、「健康を第一と考え」、酔う前に退散することにした。
下記の専用伝票が各席に置かれているため、明朗会計である。この日の支払い額は2980円であった。


滞在中、何人かのお客さんと話したが、常連ヅラしてエラそうに振る舞うような、メンドーな人はいなかった。
ただ、繰り返しになるが客の平均年齢は相当高く、自分も立派なオッサンなのに、年下に見える客はほとんどいない。
私自身は、高齢者ばかりの空間は競輪場で慣れているし、安く飲めて居心地もよかった。
なので、その後も通っているが、どの時間帯も年配客が多い(笑)。まあ飲みに来る元気があるのはいいことだ。

ここからは、その後に注文した商品を一気に紹介。
私の好きなウーロンハイはなく、「ウーロン茶」180円+焼酎290円になる。缶はミニサイズなので、焼酎が絶対に余るぞ。


おでんは、「はんぺん」と串もつ2本、


豆腐と串もつも頼んだことがある。串もつは、煮込みに入れても美味しい。


もつ煮でドロドロになった(?)、血液をサラサラにする、「新玉ねぎスライス」は230円。


ウインナー串120円は、甘口と辛口があり、写真は甘辛1本ずつ。


お店のウリである、もつ焼きも当然頼んでいる。下記は左から、「小肉」「れば」「かしら」をタレで注文。


こちらも左から、「れば」「てっぽう」「あぶら」「かしら」「豚バラ串」をお任せで。

※てっぽうとあぶらは、先に来たので食べかけ

下記もお任せで頼んだ、左から「ひも」「たん下」「小肉」。どの部位も小ぶりで食べやすい。


もつ焼きはオール100円。豚バラ串は、メニュー札の表記は150円なのだが、100円で計算していた。
さっきの表を再掲するが、「たま」「豚の玉子」「さお」などの珍しい部位の札は、いつも裏返っている(=品切れ状態)。


実は、上記の表と同じ文面を、数年前に閉店した、沼袋の『ホルモン』というお店でも見た。
こぶくろの「アンチサンガーリズム」の意味がわからず、調べたので覚えていたのだ。
ちなみに意味は、サンガーという女が提唱した産児制限、のアンチなので、精力増強のようなことだろう。
女性店主に沼袋ホルモンとの関係をたずねてみたところ、以下のように回答してくれた。
「よく知らないんだけど、私がこの店を引き継ぐ前、『百薬の長』ってお店が都内に10軒くらいあったらしいの。
今は、ここと小川(西武線)の2軒しかないけど、屋号を変えて営業している店があるのかも」。
小川にも同名の店があるのは知っていたが、昔は10軒もあったのか。

※小川店の外観

さらに店主は、「昔は国分寺に本店…みたいなのがあって、各店の店長が営業前に集まって、
そこで串打ちとかの仕込みをしてから、それぞれの店に持ち帰っていたらしいのよ」。と教えてくれた。
東京の呑み助なら絶対に知っている、『四文屋』という安くてウマい焼きとん屋がある。
西武線や中央線を軸に支店展開し、現在は北海道や大阪にも進出している一大グループだ
今もそうなのかはしらないが、東京の支店の店長は、毎日中野店で串打ちをして、自店に持ち帰っていた。
百薬の長は創業が1962(昭和37)年。今から60年も前に、四文屋と同じ手法のお店があったとは!?
沼袋ホルモンとの関係は不明だが、百薬の長さんは、当時の居酒屋業界では一大勢力だったのかも。
※国分寺店など、過去の『百薬の長』についてご存知の方、情報提供をお願いします

店主には別の質問もしてみた。私「ネットの記事で見たんですが、女将さん(私はこう呼ぶ)は4代目だそうですね?」
店主「よくわかんない。取材受けていた? そんな記憶ない」。あれっ? 記事の末尾には「取材」って記してあったのだが。
私「何代目かはさておき、このお店を引き継いだ理由は?」。私の予想は「前店主が親類」か「お店の常連客だった」だが…
店主「引き継いだ理由はまあ…成り行きで。私が来るまで、半年くらい休業していたの。
前の店長までは、全員家族関係だったようだけど、私は赤の他人。
常連客? こんな店来たことなかったし、(店主に)なったばかりの頃は、イヤでイヤで仕方なかった(笑)」そうだ。
さっきのネット記事の情報を信じると、店主が引き継いだのは今から18年前。
今でこそ、常連客を叱りつけることもある(叱られた客も嬉しそう)店主だが、
引き継いだ当初は、年配客ばかりの居酒屋で働くのは、確かにしんどかっただろう。
ただ、廃業の危機もあったお店に、突如現れた若い女性店長は、当時の常連たちを大いに喜ばせたはずだ。
そんな彼女を応援するような気持ちで、長年通い続けている客も大勢いるはずで、
彼らは女将さんを、居酒屋店主ではなく、孝行娘と認識しているのかもしれない。

長年、安価で頑張ってきた百薬の長さんだが、諸経費の高騰により、近日中の値上げが発表された。


お店での飲み食いを楽しみにしている常連客のためにも、無理せず適正価格で、営業を続けてほしい。
そして私も、人生の先輩たちのように、高齢になってもこの店に通わせていただきたいものだ。



百薬の長 武蔵小金井店
東京都小金井市本町5-12-15
JR武蔵小金井駅から徒歩約2分
営業時間 16時~22時 土曜は21時まで
定休日 日、祝
コメント (2)
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小倉監督最後のユニフォーム姿 -日大三高野球部2023-

2023年04月27日 | 高校野球
前回の高校野球ブログ、「小倉監督最後のノック」の続編にあたる今回。
ノックは3月22日だったが、私はその数日前にも、小倉全由監督のユニフォーム姿を目に焼き付けるべく、
母校グラウンドで行われた、練習試合の観戦に出かけている。

3月某日、いつものようにJR淵野辺駅から、徒歩で向かおうとした私の目の前に、一台のタクシーが停車。
降りてきたのはなんと、スーツ姿の小倉監督ではないか。グラウンドではなく、なぜ駅前に!?
少しだけお話しさせていただいたところ、小倉さんは今から出張に行くそうで、
「(今日の練習)試合は、(次期監督の三木さんなど)みんなに任せてあります」とのこと。
愚問だとはわかっていたが、「監督、本当に辞めちゃうんですか?」とたずねたところ、
少し困ったような表情をしながら、「…今まで応援ありがとうございます」と応えてくださったので、
私もあわてて、「イヤイヤこちらこそ、たくさんの素晴らしい思い出を、ありがとうございました」と、返答し最敬礼。
そのまま小倉監督は早歩きで、駅に向かっていった。急いでいたのをジャマをした形になり、申しわけなく思う。
結局この日は、残念ながら監督のユニフォーム姿は拝めなかったが、
任侠風スーツ姿(失礼)の小倉さんに、挨拶ができたので光栄である。 ※添付画像はイメージ

※Amazonのサイトより拝借

一応、その後は当初の予定どおり、母校まで足を運び(徒歩約45分)、練習試合を観戦。
このとき記したように、拙ブログは昨年から、三高野球部やマスコミが未発表の情報は掲載しない方針に変えたので、
相手や試合内容については明かせない。とはいえ、少しだけ書かせていただくと、
○相手は群馬の強豪 ○三高は通常と同様、投手が打席に立ち、相手校はDH制を採用
○ダブルヘッダーで実施され、第一試合は6-3で三高の勝利、第二試合は観ないで帰ったため不明
○第一試合終了後は昼食休憩。相手校父兄の休憩場所として、三高の学食を開放したのだが、
「グラウンドから遠い」だの「メンドくせえ」だの不満タラタラ。やっぱり群馬県民はガラが悪い(←偏見)。
最後のは余計だろうが、あまりのヒドさに書かずにいられなかった。しかも、発言主はほぼ母親だったし。
ちょっと前に、何かの間違いで全国制覇したからって、現在の父兄までデカい面するんじゃねえよ。

それから数日後の3月12日、古豪・松山商の120周年記念試合に招待され、三高野球部は愛媛県へ。
要するに練習試合なのだが、地元の愛媛朝日テレビが取材に訪れ、その様子をYouTubeで公開。 ※動画はこちら
第一試合は日大三9-3松山商、控え選手主体の第二試合も日大三6-2松山商と、三高が連勝。
小倉監督の試合前ノックや、勇退を直前に控えてのインタビュー、
さらに松山商OBで、「奇跡のバックホーム」で有名な矢野勝嗣さんによる始球式など、見どころの多い動画であった。

私は観ていないが、帰京後も三高は練習試合をこなし、全国の強豪相手に勝ったり負けたり。
そして迎えた3月31日。小倉全由の監督生活最終日に組まれたのが、関東一時代からのライバルである、帝京との練習試合。
小倉さんの最後のユニフォーム姿を見届けるべく、私も当然、母校グラウンドへ駆けつけた。
「最後のノック」が行われた3月22日には、下記のようにまだ咲いていなかった桜も、


9日後にはこのようにほぼ満開に。同じアングルの写真じゃなくてゴメン。


坂を下っていき、「日大三高入口」にたどり着くと、今度は上り坂が待っている。
しんどい坂だけど、このときに歩いた百草園前の急坂と比べたら、だいぶ楽である。


坂の上には我が母校のキャンパスがあり、校舎入口を横目にさらに進むと、


日大三高野球部の専用グラウンドが見えてくるが、ここからは「撮影禁止エリア」になる。


試合開始予定は10時。30分ほど前に到着したら、平日の午前中なのに、明らかに普段の練習試合より観客が多い。
私を含む、多くのファンが見守る中、小倉監督がユニフォーム姿で登場し、練習試合が始まった。
ただし、小倉さんは指揮を三木新監督に任せたのか、ベンチの脇の方に立っており、
しかも、関係者と思われる来訪者が来るたびに、ベンチ裏へ出向き挨拶を交わす。試合に集中させてあげたかったよ。

試合の方は、マスコミも報じていたように、3-3の引き分け
勇退するとはいえ、ただの練習試合にマスコミ各社が駆けつけるのは、小倉さんだけであろう。
試合経過は、初回に帝京が2点を先制し、5回に三高が池内の2ランで追いつく。
8回表に帝京が1点勝ち越すと、その裏に三高が佐々木のホームランで再び同点。
その後、一死満塁のチャンスを迎え、打席にピッチャーの安田が入る。
三木新監督から「さあ安田~ここはじっくり行くぞ~」と大声で指示が飛ぶ。自軍ながら「じっくり行く」が怪しいな、
と思ったら案の定、3球目にスクイズを敢行するも、小フライになり失敗。この回は結局1点どまり。
スクイズ失敗よりも、小倉さんはやらなかった口三味線(故意ではないかもしれんが)の方が、個人的にはガッカリさせられた。
三高は最終回にもチャンスを作ったが、最後の打者が三振を喫し、3-3のまま試合終了。

三高のエース安田が最終回まで完投したのに対し、帝京は惜しげなく4人のピッチャーを投入。
10時試合開始のこの日も、ダブルヘッダーだと認識していたので、帝京は次の試合、誰が投げるのか心配になったが、
試合終了後すぐに、両チームが集合し記念撮影が始まったため、1試合しかやらないことが判明。
あくまで私の感想だが、帝京は「小倉さんの最後の試合だし…」と、あまり勝利に執着していないように見えたが、
三高は相手の忖度を拒否し、引き分けてみせた(?)。選手たちに「勝たねば!」という重圧もあったのかな。
とにかく、小倉全由監督の最後の試合が終わった。負けなくてよかったよ。

試合終了後の記念撮影では、小倉監督が目標にしていた、帝京の前監督である前田三夫さんも登場。
東京の高校野球を長年牽引してきた、名将同士の2ショットも実現。今回もまた、日刊スポーツから画像を拝借。

(C)日刊スポーツ

「前田さんがわざわざ他校に足を運ぶのは、小倉さんだけじゃないですか」という私の意見に、
観戦仲間のひとりが、「前田さんを相手するのも小倉さんくらいだよ」だって。それは言うたらアカン(笑)。
記念撮影後は、小倉監督最後の胴上げ。さっきから述べているように、グラウンド内は撮影禁止なので、
私は遠慮したのだが、周囲の三高ファンだけでなく、帝京の父兄まで撮影している。
ならば私も…とあわててシャッターを押すも、時すでに遅く、さらに撮影者の腕も悪く、胴上げ終了後の瞬間しか撮れず。


撮影終了後も、何人かの関係者がベンチ裏に行き、小倉さんに挨拶したあと、記念撮影をお願いしていた。
終始立ちっぱなしで、小倉さんも疲れているはずだが、笑顔で撮影に応じている。
なので、図々しいのは百も承知だが、私も知人の野球部OBの威厳を借りて、ベンチ裏へ。
小倉さんに挨拶し、記念撮影をお願いしたその瞬間、いろんな思い出が一気に甦ったのか、
恥ずかしながらが涙がブワッと込み上げてきた。せっかくの記念撮影なのに!
泣き顔では失礼なので「ちょ、ちょっとすみません」とお詫びしながら目元を拭くが、自分の意思では涙は止まらぬ。
結局、歯を食いしばって涙をこらえたため、睨んだような表情での写真となってしまった。

※一応、スーツ着用で行きました

小倉監督、あのときはお待たせしてしまい、誠に申し訳ございませんでした!
ちなみに、カメラのシャッターを押してくれたのは、高校野球好き芸人のいけだてつやさん。

※人力舎HPより拝借

いけださん、あのときは撮影していただき、本当にありがとうございました!

関係者及び部外者(私)との撮影や歓談を済ませ、小倉監督は合宿所へ戻っていき、我々もグラウンドをあとにすることに。
試合終了時のスコアボードがまだ残っていたので、撮らせていただいた。


帰りは当然、さっき上った学校前の坂を下ることになる。
来るときは気付かなかった、散った花びらによる「桜ロード」を目にして、ちょっと感傷的になってしまった。


卒業式のある学生時代ならまだしも、まさかこのトシになって、桜を見てさみしくなるとはねえ。

この日、どこの馬の骨ともわからぬ男と撮影をしていただいた、小倉さんに感謝の気持ちを込めて、
監督が最後に率いた、二宮主将の現チームには、ヤジを飛ばさないことを決意。
「そもそも、普通の高校野球観戦者はヤジなんて飛ばさねえよ」という正論はさておき、
夏の大会までは、観戦時は罵倒することなく、チームには声援のみを送ろうと思っている。
まあ、相手校のアンフェアなプレイや、審判の疑惑の判定などは、今までどおり容赦なくヤジるけどね(←やめとけ)。

4月に入ると、春季東京都大会が開幕。
シード校など有力校の敗退も見られる中、第三シードの日大三は順調に勝ち上がり、ベスト4に進出。
今週土曜日に行われる、準決勝の相手は関東一。小倉前監督が初めて監督を務めた高校である。
両チームの対戦を、小倉さんも楽しみにしていることだろう。当日は私も八王子球場で、精一杯拍手と声援を送る予定だ。
準決勝の勝利、そして春季都大会制覇を目指し、ガンバレ三高!

最後に、前回の高校野球ブログでも記したし、淵野辺駅でも記念撮影のときにも、ご本人にお伝えしたが、あえてもう一度。
小倉全由さん、長年にわたる教員及び指導者生活、本当にお疲れさまでした。
日大三高の校訓である、「明・正・強」を体現するような野球部の活躍には、
高校時代帰宅部で、野球部とは無関係の私も、何度となく励まされてきました。
血潮湧き立つ、たくさんの素晴らしい思い出を、ありがとうございました。


次回高校野球ブログは、春季都大会について書く予定。三高の優勝報告ができるといいのだが。
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訪問のきっかけはSNS 立川『おや麺』

2023年04月22日 | ラーメン、つけ麺など
数日前、ちょっと理解しがたいネットニュースを見かけた。
とあるラーメン店が、公式ツイッターにチャーシューの画像と一緒に、
「おいしいチャーシューができました。お店でお待ちしてます」のようなコメントを投稿したのだが、
その画像は、無関係な店のチャーシューだったそうで、苦情が殺到し謝罪するハメになったようだ。

飲食店がSNSを利用する最大の理由は、自身の店の宣伝のはずで、他店の画像を使う意味がわからん。
画像をパクってまで投稿した理由は、自家製チャーシューがダメなのか、あるいはただ単に「いいね」が欲しかったのか。
当該ツイッターには、「詐欺行為だ」「ラーメン屋やめろ」などと厳しい意見が投稿されている。
ラーメン屋をやめろとは思わないが、SNSはやめた方がいいんじゃないかね。誤字も多いみたいだし(苦笑)。
問題のお店は、とある有名ラーメン店の出身で、師匠にあたる方も、弟子の騒動をツイッターでお詫びしていたのだが、
そちらも、いいトシした大人が「ほんとにすいません」なんて言葉遣いでビックリ。「マジでサーセン」と大差ないよ。
お店は繁盛しているようだけど、謝罪もできない非常識な人間ということが露呈したし、師匠もSNSをやめた方がいい。
弟子の店も師匠の店も、私の住居からは遠いので訪問したことはないが、とりあえず今後も行かないと思う。

今回問題になった店の他にも、SNSの投稿文を見ただけで、行く気をなくした飲食店は結構ある。
嫌悪感を抱くのは、だいたい下記の4パターン。皆さんも、思い当たるお店があるでしょ?
1 過度な自慢 2 他店の批判 3 突然の自分語り 4 誤字脱字
実際に、1~4まで実例を挙げたいのだが、前置きがいつも以上に長くなるので、今回は断念。
ダメなSNSについては、いつか改めて語ることにして、ここからは本題の『おや麺』を紹介していく。

今回タイトルどおり、私がおや麺さんに行こうと思ったきっかけは、お店のツイッター
営業時間や臨時休業、新メニューor限定メニューのお知らせなど、普通のラーメン店も投稿する情報の他、
“タツノオトシゴには「タツノイトコ」と「タツノハトコ」っていう仲間がいるそうです”(4月21日)などと、 
昔のTV番組「トリビアの泉」のような、ちょっとためになる豆知識が、投稿文の先頭に載っていたのである。
面白かったので、さかのぼって読んでいったところ、不定期ながら、ずいぶん前から続けている模様。
お店の情報やラーメンとは無関係な情報を発表し続ける、異色といえば異色だけれども、
さっき挙げた自慢、批判、自分語り、誤字脱字とは、ほぼ無縁のツイッターに好感を抱くと同時に、
投稿主が作るラーメンにも興味が出てきたので、食べに行ってみることに。

こちらのお店が開業したのは、昨年の12月。場所は立川市の高松町で、立川駅北口からは少し歩く距離。


最寄り駅は、モノレールの立飛か高松だろうが、乗り換えや待ち時間を考慮すると、立川駅から歩いた方が早い気がする。
店主の小山(読みはおやま、店名『おや麺』の由来でもある)さんはかつて、市内の別のラーメン店で店長を任され、
その後は他業種のお店で働きながら、定休日には間借り営業でラーメンを提供し、昨年末に独立を果たしたそうだ。
お店のウリは、鶏100%のスープで作る中華そば(※お店ツイッターより)。
基本のメニューは、醤油、塩、まぜそば、つけ麺の4種に、日によって限定メニューがある。
店頭に掲示されているメニューを撮ったが、いつものように失敗。冒頭のダメ店主のように、どこかからパクればよかった。


最初の訪問では、基本の「中華そば・醤油」850円と、サイドメニューの「チャーシュー丼」350円を注文。
チャーシャー丼は、温玉、ピリ辛(ラー油)、タルタルの3種から選べるが、玉子好きの私は当然、温玉を選択。
店内は厨房前にカウンター席が5つほど、その手前の入口付近に、長テーブル席という配置。
数分後にまずは中華そば、ほぼ同時にチャーシュー丼が登場。


鶏出汁使用のスープは、同じ立川の『チキント』みたいな白湯ではなく、このとき少し紹介した、
千歳烏山『トリコ』の清湯よりは、鶏由来の旨味や匂いもあり、両者を合わせたようなコクがある。


具材は、大きな肩ロースチャーシュー、柔らかい(1本だけ硬かった)メンマ、ネギに小さなナルト。ナルトがいいね!
麺は断面が四角に近い、歯応えの強いタイプ。醤油ダレの塩分はやや強めで、若い頃の私が好きそうな(笑)タイプ。
チャーシュー丼には、濃い味付けの細切れ肉がゴロゴロと入っていた。


ご飯の量とのバランスを考慮すると、チャーシューがやや多く、醤油スープも濃いのでWパンチだ。
玉子を崩せば、さらに「ライス」200円を追加したくなる。ああ、黄身ちゃんは、いつだって美しい…。


とはいえ、チャーシューが多いのはお店のご厚意だろうし、中華そばも含め、マジメに作っているのは伝わってきた。
店主らしき方と助手らしい若者、ふたりの接客態度も良かったし、好印象を抱いて「ごちそうさまです」。

数日後、ツイッターで豆知識を確認したのち、おや麺さんを再訪問。
前回が醤油味だったので、今度は「中華そば・塩」850円の「特製」+250円をオーダー。
数分後、スープの色が透明な、特製・塩中華そばが登場。


今回は横アングルも撮影。書き忘れていたが、麺類はお盆に乗せられて提供される。


スープには当然、塩ダレを使用しているのだが、醤油ダレよりまろやかでクセがなく、私は塩味の方が気に入った。
珍しく、麺リフト画像も撮影。四角い断面がわかっていただけ…ないかな。


特製は通常の具材に、味玉、豚バラと鶏のチャーシュー、鶏つくね2個が加わる。+250円ではお得だよ。


チャーシューは、最近流行りの低温調理タイプ。過去に何度も書いているように、
「醤油煮込みタイプ」至上主義の私は、前回食べたチャーシュー丼の細切れチャーシューの方がお気に入り。
つくねは生姜がほんのり香り、味玉の黄身はかなり柔らかく、スープにこぼれちゃった。
愛しの黄身ちゃんを回収するため、やむなく(?)スープを最後まで飲み干したが…また主治医に怒られるな。

そしてつい最近、市外で飲んだ帰りに、3度目の訪問をしてきた。
酩酊していたくせに、「瓶ビール(小瓶)」450円と「おつまみ三点盛」500円を注文。
プレミアムモルツの334mlを飲み始めた頃、想像とは異なる三点盛りがやってきた。


味玉、メンマ、チャーシュー(鶏)の組み合わせは予想どおりだが、少しずつ手が加えられてあった。


味玉にはネギとチャーシュー、メンマには自家製ラー油とあられ、鶏チャーシューには赤玉ネギと粒辛子マヨが添えてある。
提供する側は面倒だろうけど、飲む側としては、こういうひと手間はちょっと嬉しい。
すぐにビールを飲み終えたので、シメの「鶏白湯つけ麺」950円を作ってもらう。
麺は200グラムと300グラムを選べるが、別の店でも飲み食いしていたので、200をチョイス。
しばらくすると、いつものようにお盆に乗せられた、つけ麺一式がやってきた。


鶏白湯出汁のつけダレを、レンゲでひと口すすってみたら、おお、結構しょっぱい!


タレには赤玉ネギのみで、具材はすべて麺の方に盛ってある。残った味玉半個も追加した。


麺は全粒粉入りなのか、表面に粒々が見える。中華そばのよりも太い分、歯応えはさらに強め。
つけダレはしょっぱいだけでなく、鶏油由来の臭みを少し感じた。レモンが付いてきたのも納得。
濃い味付けゆえ、麺はスルスル食べられたが、酔いが回ってきた。200グラムにしておいて正解。
麺を数本残す程度になったところで、「割りスープをください」とお願いしたら、ポットごと提供された。


まずは、ポット内のスープだけレンゲに注いでみたところ、最初に食べた醤油味のときに記したように、
清湯だけど、やや白湯に寄せた色合いのスープ、という印象。


中華そばにも使っていると思われるこのスープは、当然塩分こそないものの、なかなかコクがあり、
酩酊&満腹でなかったら、つけダレの器にガバガバ注ぎ、大量に飲んでしまったかもしれない。
基本メニュー4種のうち、まぜそば以外の3種を食べてみたが、私のおススメは塩中華そばだ。

さっき書いたように、店主の応対はなかなか良好で、たとえ調理中であったとしても、
帰り際には必ず、退店する私の方に視線を移してから、「ありがとうございました!」と挨拶してくれる。
そんな店主に対し、人見知りの私が珍しく、「あ、あの、店主さんですよね…」と声をかけてみた。
「ハイ、そうです」と応えた店主に対し、私が伝えたのは「い、いつもツイッター見てます。勉強になります」であった。
ラーメンの感想とか、他にいうコトあるだろう…と思ったし、たぶん店主もそう思ったはず(苦笑)。
店主さん、あのときはツイッターの感想しか告げられませんでしたが、ラーメンおいしかったですよ

最後に、私がこれまで見てきたツイッターから、特に感銘を受けた【おや麺豆知識・傑作選】を発表。
“日本で一番最初に拳銃所持が許可された職業は郵便配達員” (4月1日)
“「女子高生」を伊藤ハムが商標登録してた時期がある” (3月20日)
“Googleで「一回転」っていれると画面が回る” (1月30日)
“立ちくらみの正式名は「眼前暗黒感」” (10月29日=正式開業前)
“警察に通報が入りました。建物の敷地内での喫煙、ポイ捨てはご遠慮願います”  (4月3日) 

どれも、私自身は知らなかった情報ばかり…って、最後のは違うか。喫煙客、ちゃんと守れよ
3月14日の投稿では「そろそろネタ切れです。」と告白していたが、どうか今後も楽しませてほしい。



中華そば おや麺
東京都立川市高松町1-30-13
JR立川駅から徒歩約20分、多摩都市モノレール立飛駅からは、推定徒歩8~10分
営業時間 11時半~16時、18時~22時
定休日 水曜
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ラーメンの王様・チャーシューメン その2

2023年04月17日 | ラーメン、つけ麺など
年齢的に仕方ないとはいえ、どんどん食が細くなっていく自分に、恐怖すら感じてしまう今日この頃。
ただし、量こそ入らなくなったが、食の嗜好については、若い頃とさほど変わっておらず。
年を取ると、脂っこいものは避けるようになると聞いたが、私はいまだに焼肉屋ではカルビを何皿も頼むし、
もつ煮込み、豚角煮、クリームコロッケ、フィッシュアンドチップなど、脂モノも油モノも苦にせず食べられる。
そしてラーメンも、淡麗系のあっさりタイプよりも、チャーシューがどっさり入るこってりタイプが好きである。
今回はそんな、ラーメンの王様・チャーシューメンへの変わらぬ愛を示すため、
これまで私が食べてきた、傑作チャーシューメンをいくつか紹介したい。

なお、タイトルが「その2」になっているのは、約4年前に同内容の記事を書いたからである。
下記画像は、閉店した京王多摩川『山水亭』のチャーシューメン。こちらの詳細も含め、前回分はこちら


上記商品と似たようなチャーシューメンを出しているのが、『北大塚ラーメン』。


屋号どおり、所在地はJR大塚駅の北口だが、最近は王子に2号店を出したとか。
私が本店で食べたのは、コロナ禍前の2019年2月。もう4年もたってしまった。
モンゴル出身のご夫妻が営んでいて、券売機で食券を購入し、カウンター席に座る。
メニューは、基本のラーメンに、チャーシューを乗せるか辛口にするか、あるいは双方を追加するかの4種。
私は「チャーシュー麺」850円+「小ライス」100円を注文した。現在はもう少し値上げしている。
茹で上がった麺とスープの入った丼に、奥さんが丁寧に肉を並べていき、チャーシューメンが完成。


まずはスープをひと口。しょっぱさと脂っこさは当然感じたが、ほんのり甘味もあって飲みやすい。
あえて表現すれば、肉じゃがのツユに、もう少しコクと塩分を加えたような、不思議なスープだった。
チャーシューは見た目どおり、柔らかく絶品。肉の下にはゆで玉子が半分隠れていたので、
小ライスに取り分けてラーメン丼を作成。券売機には半ライスしかないが、全ライスが欲しくなったよ。


ゆで玉子は、+100円で丸ごと1個追加されるが、このラーメンには生玉子が合うと思う。
麺は、あまり印象に残らなかったが、仕上がりがソフトだった。チャーシューを盛る時間がかかったからね(笑)。


ジャンル的には醤油ラーメンだが、しょっぱすぎず甘すぎず、東京風でも中華風でもモンゴル風でもなく、
他にはない不思議な醤油スープで味わうチャーシューメンであった。
相変わらず繁盛しているようだけど、ご夫妻はお元気だろうか。久々に食べに行かなくては。

最初に掲載した山水亭は、チャーシューと同様に角煮も美味しい、熊本ラーメンのお店で、
かつては『永柳』『肥後のれん』『てっぺん』など、同じ系統のお店がいくつかあったのだが、みんな閉店してしまった。
『桂花』は今も残っているが、母体は別のラーメン店だし、以前よりだいぶ値上げしてしまったのが残念。
その点、桂花から独立した西荻窪の『ひごもんず』は、お店公式サイトによると、あまり値上げせず頑張っている様子。
実はこちらのお店も、コロナ禍前の2019年8月に食べたのが最後なのだが、
注文したのは、たぶん初めて食べる「チャーシュー麺」であった。当時は930円で、現在は950円。


上記画像は、店内に掲示してあったメニュー見本だが、実際に出てきた商品は、写真とは異なり、
チャーシューが他の具材の下に敷かれて、見えない状態。なんかもったいないぞ!


まあ、私は「映え」はあまり意識しないし、写真と同じサイズのチャーシューが5枚入っていたので、文句はない。
ただ、麺とスープはともかく、チャーシューの味自体は、看板商品の角煮より淡泊なため、
ひごもんずではやはり、「角煮ラーメン」の方がおススメかも。

※公式サイトより拝借

ちなみに、下記は別の場所に貼ってあったサイドメニューの一覧だが、


「黒豚入り焼売」は3ヶ150円なのに、5ヶだと290円らしい。5個の方が割高ではないか!
もっとも、3個の方はサービス価格なのかもしれないし、現在は5ヶ250円と、1個あたりの価格を統一したようだ。
ここ数年で、大半のお店が値上げしたのに、焼売は価格維持、麺類も微々たる額しか上げていない、
ひごもんずさんの企業努力には頭が下がる。ここも、近いうちに再訪しなくては。

※2024年追記 ひごもんずに再訪し、ブログ書きました

いろんなチャーシューメンを食べてきたが、私が知る限り最大のチャーシューは、松戸の『そい屋』。
味噌ラーメン専門店のようだが、名物は下記の「蔵出しびっくりチャーシュー味噌ラーメン」1090円。


丼全体を覆ってしまう、本当にびっくりチャーシューである。
デカく分厚いお肉だが、しっかり煮込まれており、柔らかく食べやすかった。厚みがわかる画像がなくてゴメン。
一応、麺リフトならぬチャーシューリフトも撮影したが、大きさが伝わるだろうか?


チャーシューの下には味噌ラーメンらしく、コーンやもやしがどっさり。


肉と具材を食べ切るのに苦労したため、「蔵出し味噌」を使用したスープやメインの麺は、正直覚えていない。
実は、上記画像を撮影したのは2016年。隣駅の北松戸に用事が…要するに松戸競輪のついでに立ち寄ったのだ。
3年後、再び松戸に来たときは、激安居酒屋『大都会』松戸店で泥酔したため、寄らずに帰京。
さらに2年後、2021年5月に松戸を訪れた際は、競輪場より先にそい屋さんへ向かったのだが、お約束の臨時休業(泣)。

※お店は不定休

最近調べたところ、その4ヶ月後に閉店していた模様。もう一度食べたかったなあ。
先着5杯などの限定商品ではなく、あんなに大きな肉片を通常提供していた、そい屋さんのことは忘れないよ。

最大の次は、私が大好きな言葉である、「最安」のチャーシューメン。
八王子の『いち川食堂』『ちとせ』も、650円という安価で提供しているが、

※いち川食堂の「チャーシューメン」

最安はおそらく、以前ここで「驚安の殿堂的中華食堂」と評した、八坂『宝来屋』さんの550円だろう。
昨年12月の訪問時は、価格変更はなかったが、つい先日チャーシューメンを食べに訪問した際は、
「4月より一部メニューの見直しと価格改訂」のお知らせが掲示されていた。


これまでが安すぎたし、値上げは当然であるが、着席し卓上のメニューを確認したところ…
ご覧のとおりどれも安価で、一見、値上げした形跡がない


私はプロなので(←なんのプロだよ?)、どの商品が値上げしたのかはだいたいわかったが、
「タンメン」450円→500円、「カントンメン」550円→600円、裏面の「カレーライス」450円→500円など、
ごく一部のメニューを50円上げただけで、「ラーメン」は350円、「餃子」も300円と以前の価格を維持。
私が頼んだ「チャーシューメン」も、550円のままであった。本当にいいのだろうか。


独特の香辛料を感じる醤油スープに、決して少なくない細麺が軽やかに泳ぎ、
しっとりと身が詰まり、厚さもじゅうぶんなチャーシューが4枚入る。ナルトやメンマもいい脇役だ。


強烈なインパクトはないけれど、マジメに作られたのがわかる、心落ち着くチャーシューメンである。

退店後、ご主人がたまたま店外に出てきたので、価格について少しだけ会話した。
今回の値上げは、苦渋の決断だった様子なので、「どうか気にせず、そして無理をなさらず」とお伝えした。
「10月頃にまた、玉子関連のメニュー(玉子丼やかつ丼?)を上げるかも」とおっしゃっていたが、10月まで我慢するのがスゴイ。
それに引き換え、こってりスープ以外はちっともウマくない、並ラーメンでさえ940円で、
チャーシューメンは1160円と、宝来屋さんの倍以上も取る、ラーメンチェーン『T』の価格は、やはり理解しがたい。

最後は、立川一…ではなく、私が日本一好きかもしれないラーメン店、『パワー軒』のチャーシューメンを紹介。
チャーシューメンという商品はないが、追加トッピングの食券を購入して作ってもらう。
パワー軒さんも、2月に麺類を100円値上げし、追加チャーシューも、以前は「S」が4枚280円、「W」が8枚480円だったが、
Sが4枚で330円、Wが6枚で480円に変わっていた。まあ、この時勢だし仕方ないよね。 ※1枚100円で追加可能
先日注文したのは、昔から食べている「塩豚骨」930円の中盛+100円に、「豚バラチャーシューW」480円。
チャーシューが多いと予想し、バランスを考慮し麺を増やしたのだが、出てきたチャーシューメンは、私の想像を超えていた。


海苔、木耳、味玉(サービス)などと一緒にチャーシューが盛られているが、どの肉もサイズが大きい。
1枚アップで撮影してみたが、大きいだけでなく厚みもあるチャーシューを、6枚も増やしてしまったのだ。


具材の下に隠れているチャーシューを掘り起こし、7枚並べて撮影してみた。


なかなか壮観であると同時に、「オレ、食べ切れるのかよ?」という不安が脳裏をよぎる。
なお、塩豚骨には最初から2枚入っているので、実はもう1枚底に沈んでおり、チャーシューは全部で8枚だった。
サイズも厚さも、通常のラーメン店の2倍はありそうなので、8×2×2で実質32枚入りの計算になる。
麺と一緒に食べていたら、足りなくなるのは必至で、中盛にして正解だった…はずなのだが、
塩豚骨の麺は、中盛だと250~270グラムだったはずだが、まるで替玉でもしたかのように、食べても食べても減らない。
時間はかかったが、なんとか麺と具材は食べ切ったものの、腹がキツくて帰路は歩く気にならず、
最寄りの泉体育館駅から立川駅まで、モノレールを利用してしまった。 ※そもそも、立川駅まで30分歩く客は少ないはず

退店直前、店主に「チャーシュー、大きくなってますよね?」とたずねたところ、
「2月に値上げしちゃったから、その分お客さんに還元しようと思って、前より大きくしたんだ」とのこと。
麺類は100円上がったとはいえ、チャーシューのサイズが以前の倍では、お店の儲けは変わらないのでは?
「お客様に喜んでもらいたい」という、店主の心意気が込められたチャーシューを、今後もじっくり噛みしめるとしよう。
ただ、少食の方や私と同世代のナイスミドルには、パワー軒さんでのチャーシュー増しは、4枚の「S」を推奨しておく(笑)。

以上、7年前~最近まで、私が食べたチャーシューメンを5杯、紹介してきた。
そんな私が、生涯でもっともチャーシューメンを食べたお店は、八王子の『壱発』だと思われる。
下記画像は昨夏、八王子球場の帰りに食べた、「チャーシューメン」950円+中盛100円である。


確か、スープまで残さず食べ切り、店員さんから「いい食べっぷりで!」の掛け声をいただいたはず。
もういいトシなので、他の客からの視線がイタいのだが。

約4年ぶりの【チャーシューメン賛歌】となったが、また4年後くらいに第3弾を発表できるよう、
素晴らしいチャーシューメンの情報を募集するとともに、自分が4年後も健康であることを願うとしよう。
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「家系」の新たな魅力を発見! 東小金井『武蔵家』

2023年04月07日 | ラーメン、つけ麺など
濃くてしょっぱくてメシも進む、横浜発祥の「家系」ラーメン
これまで、『武道家』『ぱたぱた家(現:ぱったぱた)』『大山家』『せい家』と、4軒も紹介しているように、
家系を愛してやまない私ではあるが、以前と比べると、食べる頻度がだいぶ減ってきている。
年に一度の健康診断で、「過度な塩分や糖質は控えろ!」と、毎年医師に怒られている身分としては、
しょっぱウマいスープを、ご飯にぶっかけて食べるのが前提(※個人の見解です)の家系ラーメンは、さすがに後ろめたい。
今年、家系を食べたのはわずかに(?)3軒。お店は上記の武道家とぱったぱた、そして今回テーマの『武蔵家』である。

※2018年頃、武蔵家・武蔵境店にて

東京には、武蔵家という屋号の有名ラーメン店がふたつあり、発祥の地から「新中野系」と「吉祥寺系」に分けられる。
今回紹介する武蔵家は新中野系であり、私が愛する武道家も、こちらの出身である。
どちらも、ちゃんとお店でスープを炊いており、それぞれの系列に多くの支持者がいる。
両者の違いは、味については個々の好みもあるので、どちらが上などとは書けないが、
吉祥寺系は、『キッチン男の晩ごはん』など、ラーメン以外の飲食店経営や、ラーメンの通販、
SNSの活用、インスタント商品の開発、他店・他業種とのコラボや、全国各地のイベントへの出店、
さらには有名ブロガーや評論家たちの歓待など、商売上手な印象がある。
一方の新中野系は、店舗こそ多いものの、SNSは活用どころかHPすらなく、
私の知る限り、イベントなどにも縁はなく、マスコミやブロガーらへの忖度はほぼ皆無で、
来店した客へのラーメン提供のみを、黙々とこなしている印象があり、
私が支持するのは当然、ストイックな新中野系・武蔵家である。

武蔵家を支持したいもうひとつの理由が、価格の安さである。
新中野の本店は現在、「ラーメン並」が700円らしいが、支店はだいたい650円。 ※吉祥寺系本店は「ラーメン」780円
しかも、本店・支店共通で、お替わりし放題のライスが無料だ。
そんな武蔵家のラーメンだが、実は私、いまだに本店を訪れたことはなく、初めて食べたのが武蔵境店。
スープは当然、豚骨醤油の濃厚テイストだが、弟子の武道家と比べると、濃すぎず食べやすい。
ただし、クリーム色したエセ家系のスープに慣れた方だと、あまりの濃さに悶絶するかも。
麺や具材は、一般的な家系と変わらぬ品質で、無料のご飯も、武道家ほどパサパサではなく、常識範囲の硬さ。
ちなみに、ここ武蔵境店が、私にとって家系初の「自分でよそる」ご飯無料サービスの店であり、
喜び勇んで盛っていたら、こんなバカ盛になってしまった。無論、残さずちゃんと食べ切ったが。


もっとも、武道家では毎回、ご飯を3杯食べていたので、合わせればこの程度の量になるはず。
最近の武蔵境店は、お替わりは店員への申告制になったので、あのようなバカ盛は難しくなった。
下記は、最初に掲載した画像の日に作った「家系丼」だが、高血圧・高脂肪の私には、ご飯量はこれでじゅうぶんだろう。


上記の食事以降は、武蔵境駅で下車する機会が少ないため、武蔵家も数年ご無沙汰したが、
3年ほど前、私がよく訪れる秋津に支店が誕生。さっそくラーメン+ライスを食べた。


再訪時には、秋津店限定商品の「魚介豚骨ラーメン」750円を頼んでみた。スープの茶色が、普段よりも濃い。


味は確かに魚介豚骨だが、豚骨由来の旨味が薄れてしまっており、私は通常スープの方が好みだ。

そして昨年、別の場所でたらふく飲んだあと、締めラーメンを求め東小金井駅で下車。
当初は、北口の『くじら食堂』に入るつもりだったが、無料ライスの誘惑に負け、南口の武蔵家・東小金井店へ。
初訪問の東小金井店は、学生らしき若者客が多数で、厨房の男性店員も若い。
注文したのは、ラーメン並650円+「味玉」100円+「玉ネギ」100円に、無料のライス。
先にライスが出てきたので、さっそく卓上のふりかけを使い食べ始める。


数分後にはラーメンも登場。刻み玉ネギが大量に盛られていた。血液サラサラでいいね!?


入れ忘れたのかと思った味玉は、丼の底に沈んでおり、発見まで時間がかかった。


最初のライスはすぐに食べ終え、2杯目をお替わりし、玉ネギ主体の家系丼を作ってみた。


ネットで調べたところ、「東小金井店は他の支店より味が薄い」という書き込みもあったが、
私は特に薄いとは感じず、武蔵家らしい濃厚スープを満喫できたが、「店員の態度がちょっと…」という投稿には同意。
それより、この日気付いたのが、武蔵家の「のり玉ふりかけ」がウマい、ということ。
数日後、ふりかけご飯を味わいたくなり、隣駅の武蔵境店に行ってみた。

久々の武蔵境店は、23時台と遅い時間帯にもかかわらず、店内に待ち客が発生する盛況ぶり。
それでも、店員さんたちはイラつくことなく応対。以前は普通だった接客態度が、明らかに良くなっている。
こういう仕事ぶりならば、ライスのお替わりも遠慮なくできる…いやいや、深夜の糖質摂取は控えなくては。
無料ライスは当然いただくが、ご飯を食べ過ぎないよう、スープなしの「あぶらそば」600円を選択。
ただし、「あぶらそば限定マヨネーズ」50円も付けてしまったので、健康面ではやはりアウトだ。
最初に、ラー油やマヨネーズなどの調味料が運ばれ、次に、チャーシューが1枚乗ったライスが登場。


このチャーシューは、あぶらそばに付くのか、マヨネーズに付くのか、気まぐれサービスなのかは不明。
その後、あぶらそばも到着。混ぜやすさを考慮したのか、丼内のチャーシューは切り分けられている。


武蔵家の油そばは、ラーメンにも使う醤油ダレに油を加えたものを、麺に和えたと思われる。
しょっぱいけれど獣臭さがなく、食べやすいのだが、スープがないためライスはあまり進まない。
それでも、50円でかけ放題のマヨネーズを、ラー油とともにたっぷり使い、


さらに切り分けチャーシューもご飯に乗せ、いつものように家系丼も作成し、ガツガツ喰った。


ところで、この日の目的はふりかけご飯だったはずだが、武蔵境店の卓上からは、ふりかけが消えていた(泣)。
とはいえ、武蔵境店の接客良化を確認できたし、来店はムダではなかった。

それより問題は、私の心をつかんだ、例ののり玉ふりかけである。
秋津店にも設置されていなかったし、念のため千歳烏山の武蔵家でも、
店舗の外から店内カウンターを、チロチロと覗き見したけれど(←不審者?)、やはりふりかけは用意していない模様。
あのふりかけを味わうには、再度東小金井店に足を運ぶしかないようだ。

なので先日、東小金井店に2度目の訪問。夕方の時間帯で、店内は私と中年男性店員だけ。彼が店長かな?
若いアンちゃんじゃないからマシかと思いきや、彼も愛想は悪く、しかも私が食券を渡しても調理を始めない(苦笑)。
まあ、仕事の段取りもあるだろうし、時間に余裕はあったのでヨシとする。
このとき買った食券は、ラーメンと「九条ネギ」150円の計800円。無料ライスも当然もらう。


ライスにはご覧のとおり、待望していたのり玉ふりかけをかけた。
念のため、ふりかけ容器のアップ画像も。市販の商品より、明らかに玉子パーツが多い。


その玉子マシのり玉を、ライスだけでなくラーメンにも入れてみたところ、


乾燥玉子が戻って「かき玉状態」になり、さらに、ふりかけには鰹節も含まれているため、魚介風味もプラス!
秋津店の魚介豚骨ラーメンが、豚骨と魚介がケンカしているように感じたのに対し、
ふりかけによる魚介&豚骨は、双方の旨味を消すことなく、むしろ相乗効果でウマさが増幅!
今回の投稿で、私がもっとも訴えたかったことは、
家系ラーメンの新たな推奨トッピング、それはのり玉ふりかけである! だ。

ライスをたいらげ、ふりかけ入りスープもだいぶ飲み干した頃、
若い男性が出勤してきたため、例の中年は彼に店を任せ、どこかへ行ってしまった。
ただ、その新しい従業員はかなり愛想がよく、私のあとから来た客にも、元気に挨拶していた。
彼ならば、ちゃんと応対してくれそうだと感じた私は、帰り際に思い切って質問してみた。
「あの~すみません、ここのふりかけ、すごく気に入ったんですけど、どこで売ってるんですか?」
見慣れない中年客の妙な質問にも、彼は嫌がることなく、
「ええと、これはお店で業者に発注しているので、市販では買えないと思います」と、丁寧に回答してくれた。
やはり、あの玉子マシのり玉は特注品だったか。返答してくれた彼に、お礼を述べて退散。
あの青年はおそらくバイトなのだろうが、彼が店長ならば東小金井店の評判も上がると思うのだが…。

のり玉ふりかけトッピングという、家系ラーメンの新たな魅力を知ったことは喜ばしいが、
いかんせん、ふりかけを設置してある店舗が、私の知る限りでは武蔵家・東小金井店のみだ。
『丸美屋』のふりかけを持参すればいいのだろうが、店内への持ち込みは基本NGだろうし、
そもそも、丸美屋の元祖「のりたま」は、玉子パーツが少ない。

※最近購入し、自宅で食べた丸美屋の「のりたま」。

のり玉ふりかけがある家系のお店と、武蔵家の「玉子マシ」ふりかけを買える業者
双方を知っている方、情報提供をお願いします!



武蔵家 東小金井店
東京都小金井市東町4-43-6
JR東小金井駅から徒歩約2分
営業時間 11時~翌1時
定休日 基本無休
※武蔵境店の住所は、東京都武蔵野市境2-2-2
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小倉監督最後のノック -日大三高野球部2023-

2023年04月03日 | 高校野球
山梨学院の初優勝で幕を閉じた、今年のセンバツ高校野球。
関東・東京7校目には、予想どおり二松学舎大附が選出され、日大三は次点。二松め、初戦であっさり負けやがって…。
三高落選が報じられた数日後、追い打ちをかけるかのように、昨年から何度も噂が流れていた、
小倉全由監督が3月末で勇退することが、ついに発表されてしまった。

(C)日刊スポーツ

前回の高校野球ブログ文末にて、「望み薄かもしれないが、近日中に小倉監督が、続投宣言するのを強く願っている」と記した。
「望み薄かも」と書いた理由は、昨秋の都大会の時点で、観客席にいた三高関係者に近い人物が漏らした情報から、
小倉監督の退任が決定事項であることを、すでに知っていたからである。

さっきの画像を提供してくれた(というか、私が勝手に拝借した)日刊スポーツや、各マスコミの記事によると、
「ヒジ・ヒザが悪く、ノックが思うように打てない」「今後は妻や家族との時間を大切にしたい」「もう完全燃焼した」
などといった小倉監督の発言が、退任を決意した理由として紹介されていた。
それらの言葉に偽りはないだろうが、へそ曲がりかつロクデナシで、妄想癖もある私としては、
「監督は本当に自分の意志で身を引くのだろうか…?」と、つい疑ってしまう。
下衆の勘繰りかもしれない私の疑念は、別の機会に再考察するつもりだが、今はとりあえず、
勇退に水を差すような文言は避け、感謝の言葉を送りたい。小倉監督、長い間お疲れさまでした。

発表から数日後、とあるルートからマル秘情報がもたらされた。要点を記載すると、
「22日は小倉監督最後の練習日で、15時から最後のノック。吹奏楽部・ダンス部がスタンドから応援。OBも参加OK」
OBも参加OKとのことなので、3月22日はWBC決勝をTV観戦したあと、すぐに三高グラウンドへ。
淵野辺駅からは徒歩で母校へ向かう。なお、この日は東京管区気象台が「桜満開」を発表。
日大三高がある町田市のソメイヨシノは、九分咲きといった印象だが、


小倉さんの最後の練習を華やかに彩るべく、桜たちも奮闘したようだ。
三高入口前の坂を下っていくと、まだ14時前なのに、早くも吹奏楽部とダンス部の応援が聞こえてきた。


あわててグラウンドに向かったところ、応援は別の場所から聞こえており、直前練習だったことが判明。
後述するが、ダンス部=チアガールの声援は、初めて耳にするコールであった。

グラウンド到着後、知人を通じて衝撃の事実が伝えられる。なんと、この日の練習は基本非公開で、
参加OKのOBは野球部のみで、他者はNGだったらしい!
一般生徒や吹奏楽部の父兄、さらには野球部の父兄すらも見学を許されなかった練習に、
知らなかったとはいえ、部外者の私が立ち会ってしまったことは、正直申しわけなく思う。
不満を抱く父兄の方もいるだろうが、私の小倉監督への敬意に免じて、どうかカンベン願いたい。
いろいろ悩んだが、せっかくなので、この目で見た【小倉監督最後のノック】を、以下でリポートする。
現時点で、マスコミが発表している記事では、触れていない部分を紹介したつもりだ。

グラウンドではすでに、現役部員が練習しており、ノックはコーチが担当。
14時30分頃には、吹奏楽部がバックネット裏に整列し、数分後にはダンス部も合流。
普段の試合開始前に行なう、「ロッキーのテーマ」や爆風スランプ「ランナー」などの演奏を開始。
曲に合わせ、ダンス部が「オ・グ・ラ」コールを連呼。どちらも、公式戦以外で聴くのは初めてだ。
14時50分頃、第一次(?)練習が終了。部員がトンボがけを行ない、グラウンドをならす。
その頃、一塁側ベンチ付近には、大勢の元部員=OBがスタンバイ。
平日の昼間にもかかわらず、師匠の最後の練習を見届けるべく、かつての愛弟子たちが来校したのだ。
そのうちの何人かはノックを受けるべく、彼らが現在所属するチーム(草野球含む?)のユニフォームに着替えた。
日刊スポーツの記事によると、「142人のOBが集結し、そのうち25人がノックを受けた」そうだ。

15時になり、小倉監督がグラウンドに登場。すぐに元部員やマスコミ陣が取り囲む。
グラウンド内の撮影は禁止なのだが、OBたちは遠慮なくスマホで撮影しているので、
私もこの日は特別、ということにしていただき、グラウンド脇の金網越しから写真を撮らせてもらった。
ただし、いかんせんアングルも撮影者の技術もよくないため、ノック開始前、小倉監督と愛弟子との対話シーンも、

(C)日刊スポーツ

私が撮ると、こんな画像になってしまう。申しわけない。


OBが内外野の各ポジションに位置取り、現役生がバックアップ。世代を超えた小倉チルドレンに対し、いよいよノックが始まる。

普段の試合前練習では、三木部長がノックを担当しているが、三木さん不在の際は小倉監督が打つこともある。
そのときの打球と比較すると、この日のボールは、詰まった当たりのようにやさしめ。
無論、小倉監督が急激に衰えたのではなく、守る側の技量に配慮したからである。
往時は全員、鋭い打球にも決して怯まぬ三高健児だったはずだが、この日集まったOBの何人かは、
準備運動のキャッチボールなどを見る限り、本気のノックを受けるのは危険に感じた。
最後の練習でケガ人が出るような事態は、小倉さんも避けたいだろうからね。
実際、ゆる~いゴロでも捕球できないシーンも何度か見かけたが、そのたびに監督は、
「しっかりしろー!」などと叱咤し、言われた側も「もう1本お願いします!」と返答していたが、双方とも表情は穏やか。
最初に載せた、日刊スポーツ画像を再掲するが、


かつてのノックでは、鬼の形相で対峙していたと思われる監督と生徒が、この日は互いに笑顔を見せていた。
私も、小倉監督最後のノックを画像で残したかったのだが、こんな写真しか撮れず…。




守備側の名誉のために書いておくが、ボールに慣れてきた後半の打球は、そこそこ速かったよ。

その、守備側の元部員は、往年の名選手ばかりだと思うが、私自身は誰が誰だかほとんどわからず。
卒業後、数年経過しているのも理由だが、私はそもそも、球場バックネット裏での観戦が多いため、選手の顔を見ていない。
この日集ったOB陣は、わかる人にはたまらない豪華メンバーなのだろうが、それを伝えられないのが無念だ。
その中で、判明した数少ない選手が、2001年夏の全国制覇メンバーの一員であった、都築克幸さん。
なぜわかったかといえば、監督がノックの際、「都築いくぞー」と名前を呼んでくれたので。
さっきの日刊スポーツ写真を再掲するが、中央の両肩オレンジの方が、都築さんである。


卒業から20年以上たっているが、今でもスリムな体型を維持しているのはさすが。
この日はサードでノックを受けていたが、現役時代は1番セカンドで大活躍し、卒業後は中日ドラゴンズに入団。
個人的に三高史上最高のセカンドだと思っている、都築さんのプレイが見られたのは光栄であった。

内野ノックが終わり、続いては外野ノック。「レフトいくぞー」の気合とともに放たれた打球は…ショートあたりで落下。
「どうしたー」「届いてねえぞー」などといった、外野陣からのヤジに対し、小倉監督は、
「最近、外野には打ってねえからしょうがねえだろー!」と、苦笑いしながら素直に告白し、球場内が笑いに包まれる。
確かに、小倉さんがノックを担当した21年秋都大会の二松学舎大附戦でも、外野へのノックは白窪コーチに交代していた。

そんな小倉さんを後押ししたのが、バックネット裏の吹奏楽部&ダンス部だ。
普段は選手に使用する応援テーマに合わせ、ダンス部が「かっとばせーオグラ!」と監督の名前を叫ぶ。
初めて耳にする打者・小倉へのコールに、この練習が特別なものであることを、改めて実感させられる。
あとで関係者に聞いたのだが、この日の応援は、吹奏楽部及びダンス部顧問からの指示ではなく、
部員たちが自ら、「小倉さんのために、ぜひやらせてほしい」と志願したらしい。ええハナシや…(涙)。
一般生徒からも愛された小倉監督の打球は、徐々に距離を伸ばしていき、最後はしっかり外野まで到達した。

この日、喝采を浴びていたひとりが、センターを守っていたぽっちゃり体型のOB。
打球になかなか追いつけず、監督からも「タクジー、しっかりしろー!」と、何度か発破をかけられていた。
ようやくボールを捕り、渾身の力でバックホーム。捕手のミットに送球が収まると、場内から拍手が起こった。
彼はおそらく、春の選抜で準優勝した、2010年度チームの平岩拓路さんだと思われる。
現役時代は主に一番センターを務め、スリムで俊足だった平岩さんも、年月を経て大幅に増量したようだが、
それでも、OB142名のうちノックを受ける25名に立候補(?)し、懸命に白球を追うその姿勢には、心を打たれた。
小倉さんと同様、教え子たちも根っからの野球バカが揃っているんだろうね。

15時39分、ノックが終了し、元部員たちが声を揃えて小倉監督に挨拶。
トンボがけのあと、内野陣のみだったが現役部員が再度守備位置につき、監督最後のノックを受ける。
小倉さんも「これが正真正銘の最後」とばかりに、OBへの打球よりも鋭いゴロを放つ。
最後を締めたのはやはり主将。サードを守る二宮に速いゴロが3球放たれたが、軽快な動きですべて好捕。
ノックを終えると、監督はバックネット裏に歩み寄り、吹奏楽部&ダンス部に「みんな、今日はありがとうな!」と挨拶。
16時ちょうど、小倉全由監督の最後の練習が終わった。

その後、OBや一般生徒から監督への花束贈呈があり、グラウンドで日大三の校歌を斉唱。私が撮った画像しかなくてスマン。


公式戦の応援席では、初回、7回、試合終了後と計3回、校歌を斉唱し、応援団長が一礼したのち、
「フレー フレー さ・ん・こう~」と、大声でエールを送り、周囲も「フレッフレッ三高」と続く。
この日の校歌斉唱後もエールを送ったのだが、掛け声は当然、「フレー フレー お・ぐ・らあ~」だ。
応援団長に続けて、その場にいたほぼ全員が、「フレッフレッ小倉、フレッフレッ小倉ー!」と、去り行く監督にエール。

その後は、マスコミ(日刊スポーツ?)の先導により、新旧野球部員が整列し、記念撮影。
二宮主将の「小倉監督ー!」の掛け声に、周囲が「ありがとうございましたー!!」と応えた瞬間にシャッター。
私の見学位置からでは、こんな画像しか撮れなかったが、そのうちどこかのマスコミが、正面写真を公開するはず。


最後は、OBが小倉さんを胴上げ。私は撮影に失敗したが、日刊スポーツの画像があった。

(C)日刊スポーツ

最後まで和やかなムードで湿っぽい雰囲気にならない、明朗快活な小倉監督らしい、最終練習であった。
この日、グラウンドで泣いていたのは、たぶん私だけではないか(恥)。

最初の方で告白したように妄想癖のある私は、
…最後のノックでは、二宮は感極まり、「監督、涙でボールが見えません!」と泣きながら訴え、
「バカ野郎、主将のお前がしっかりしないでどうする!?」と怒鳴る、小倉監督の目からも涙があふれ、
「二宮!」「監督!」と叫ぶ周囲の部員・関係者も、全員がもらい泣き…

なんてシーンを、往路のJR横浜線車内で妄想し、ひとり泣いていたりして(←完全な不審者)。

そんな、涙もろい私が、さらに大泣きしてしまったのが、3月31日の帝京との練習試合であった。
次回高校野球ブログ・「小倉監督最後のユニフォーム姿」につづく。
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