明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

「からしうどん」の謎を追う! 武蔵境『大むら』

2018年09月27日 | そば、うどん
JR中央線で都内に向かうとき、外の風景を眺めていたら、武蔵境駅の手前で気になる看板を発見。
その看板はさほど大きくはなく、赤い文字で「からしうどん」と書かれただけの、シンプルなものだった。
からしうどんとは!? 黄色い辛子をぶっかけたうどんとは思えないし…。
ある日、謎を解くべく武蔵境駅で下車し、看板方面に向かってみたところ、写真の建物を発見。


看板のあった建物は、やはりうどん屋さんの店舗で、入口の看板には、
手造りの店と、暗号のような文字が!
どうやら「手造りの店 大むら」と読むらしいが、本ブログでは『大むら』と記載させてもらう。

入口看板の謎は解けたので、「からしうどん」の正体も探るべく、さっそく入店してみた。
卓上にある、分厚いメニュー本をめくると、最初のページで「一番人気」「おすすめ」と紹介されていたのは、
文字通りの看板メニューである「からしうどん」だった。


その正体は、辛子ではなく豆板醤をベースに、地元産の唐辛子などを使用した、あんかけダシをかけたうどん。


味噌ダシ、牛肉入り、カキ入りなど種類も豊富で、辛さも6段階から選べるらしい。
他にも、カレーや天ぷらなど一般的なものから、オリジナルの創作メニューまで、数多くのうどん見受けられ、
さらに、テーブル席の隣にソバ粉を引く石臼が置いてあるように、自家製そばも提供している。


また、日本酒や焼酎、おつまみも豊富に揃っているので、飲み屋としても利用できそうだ。
私はとりあえず生中600円(→タイムサービスで400円)と、からしうどんの麺を豆腐に替えた「からしとうふ」1000円を注文。
ビールを飲んで待っていると、グツグツと煮込まれたからしとうふが登場。


具だくさんのあんかけに、カイワレ大根と揚げたソバが盛り付けられている。
具材は厚揚げ豆腐に、エビやホタテに野菜、そして鶏の唐揚げも入っていた。


ダシの味は塩分こそ濃かったものの、そんなに辛くはなかったので、卓上の七味を追加した。
ビールをお替わりし、からしとうふをほぼ食べ終えたところで、シメのお食事に。
同系統のとうふを食べた直後なので、名物のからしうどんは避け、「武蔵野地粉うどん」890円を選択。


武蔵野地区で昔から好まれている、肉野菜入りのダシ汁につけて食べる、やや硬めのうどんだ。
うどんにツブツブがあるのは、この辺で収穫された希少な小麦全粒粉を配合しているかららしい。


その後も、何度か通わせていただいたので、以下で、これまでに食べたうどんを紹介する。
こちらは「牛すじカレーうどん」950円。


ほどよい辛さのカレースープに、柔らかく煮込まれた牛スジがゴロゴロ入っていた。


うどん自体も、温かいツユに浸っていても最後までコシを失わないところは、さすがは専門店。
続いてこちらは、ラーメン店の油そばをモチーフにした、「油うどん」850円。


通常より細目のうどんを、かえしを基にした中華風のタレに絡めて食べる。
おつまみとしても出している、自家製チャーシューは旨味バツグン。

酢とラー油も同時に提供されたが、タレの酸味がやや強く、必要はなかったかな。

最後は、名前がユニークな「とのさまうどん」950円。


大むらさんの創作うどんの中でも、長年にわたって支持を集めているメニューだそうで、
まさにお殿様に献上するかのように、ズワイガニ、エビ、ホタテなどなど豪華で具だくさん。


食べ進めていくと、カニとシイタケなどからクセの強い旨味が溶けだし、互いにケンカしている印象だった。
そもそも私、カニが苦手だった。クリームコロッケは好物なんだけどね。

この他にも、海鮮たっぷり(←当然カニ入りだが…)で味噌バター風味の「北海うどん」や、
冬場限定、揚げたてカツと玉ねぎに、かき玉あんかけを添えた「とんかつうどん」、
さらに天ぷらうどんや、手打ちのそばなど、まだまだ食べていない商品がたくさんある。
お値段はそこそこするが、今後も通い続けて、いろんなメニューを試したいよ。
あ、そういえば、からしうどんが未食ではないか!



大むら
東京都武蔵野市境南町4-9-2
武蔵境駅nonowa口から徒歩約5分
営業時間 11~15時、17~21時
定休日 木曜、その他夜営業をたまに休む(月に1~2回程度)
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色鮮やかなモチモチ餃子 飯田橋『PAIRON』

2018年09月22日 | 餃子
東京生まれにもかかわらず、プロ野球はガキの頃からアンチ巨人で、競馬・競輪は常に穴狙い、
さらには国民の三大義務である「勤労」「納税」を拒否し(?)、「義務教育」すらも怪しい私。
自分では、反骨心のある男を気取っているが、世間的にはただのへそ曲がりである。
そんな、へそ曲がりの私は飲食店も、マスコミやネットで話題のお店は、なるべく避ける傾向にある。
飯田橋の餃子専門店『PAIRON(パイロン)』も、そんなお店のひとつだった。

餃子マニアゆえ、存在自体は以前から知ってはいたが、いつも混んでるみたいだし、
女性客が多く、オーナーの本職はイタリアンという評判から、なんとなく私にはアウェイな気がしたのでね。
実際に店をのぞくと、昼夜問わず繁盛しており、入るのは大変そうだった。
そんなある日、13時半過ぎに通りかかったら、ランチのピークが終わって空いていたので、思い切って入ってみた。
ルーローハンやショウロンポウなどもあったが、2種類の餃子を味わえる「ミックス餃子定食」750円をチョイス。
まずはご飯、スープ、小鉢の冷奴に副菜のサラダがやってきた。


続いて、メインの餃子が焼きあがった。奥の白っぽいのが白龍餃子、手前の緑色が青龍餃子だ。


見ての通りヒダがなく、皮を伸ばして包むタイプのようだ。
白龍の読みはパイロン。お店の名前がついた餃子で、メニューにも(おすすめ)と記載がある。


かじってみると、ツユがどばっと出てくる。「受け止め用にレンゲを」と貼紙に書いてあったので助かった。
中身はほぼ肉で、不思議な香りがすると思ったら、シナモンが入っているらしい。個性的な味だな。
続いては、青龍と書いてチンロンと読む、クロレラを練り込んだ緑色の餃子。


ニラが主体のアンで、他店でいう野菜餃子だ。こちらの方がクセがなく、個人的には好みだった。
今回は「焼き」で頼んだが、皮がモチモチしているので「茹で」(水餃子)も試したくなった。
餃子は他にも全9種類あり、さらには焼売などの点心や、ツマミもなかなか豊富なようなので、
数日後、ディナータイムに再訪した。

夜の時間帯は、お得なドリンク飲み放題がある。制限時間は各コース70分。
基本の1190円だとサワー、ハイボール、梅酒などが飲め、ビールと生果実サワーを付け足すと1390円(現在は1500円)、
さらに日本酒とシャンパン付きだと10800円らしい。そんなブルジョア客も来るのか!?
シャンパンが苦手かつ金欠(泣)の私は、無難にビールが飲める2番目のコースを選択した。
まずは生ビール(普通に頼むと530円)と一緒に、お通し(200円)のキャベツが登場。


右のタレは「豚醤油」というお店オリジナルのタレ(無料)で、チャーシューを作るときに使った醤油らしい。
いきなりビールをお替わりし、同じタイミングで餃子も数種類頼んだ。
飲み放題ゆえガンガン飲ませてもらうが、その分いっぱい食べて、売上げに貢献しないとね。

まずはランチでも食べた、青龍餃子を茹でバージョンで。


水餃子にすると、皮のグリーンがさらに映えるね。
さっきの豚醤油に、ラー油などを加えたタレに付けて食べる。
続いて、レッドドラゴン(別名:赤龍)と黒龍餃子が焼き上がった。赤龍・黒龍の読みはメニューに未掲載ゆえ不明。


中を割ってみると、赤龍は肉主体のピリ辛アンで、皮にも唐辛子が練り込まれている。
竹炭で皮を黒く染めた黒龍には、醤油漬けのニンニクが丸ごと入っていた。


ここまでに、生ビール3杯とウーロンハイ(単価390円)を飲んでいるが、酒に合うのは赤と黒かな
ここからさらに、「小籠包(ショウロンポウ)」と「ひとくち餃子」を追加。
小籠包550円は、やや小ぶりだが、中には大量のスープが包み込まれている。


期待通りのツユだくだくゆえ、ヤケドしないよう、レンゲをうまく使って食べた。


ここのショウロンポウは、絶対食べた方がいい逸品だよ。
遅れてやってきたひとくち餃子は皮が薄く、形状も白、青、赤、黒などの餃子とは異なる。


個性はないものの、おいしい餃子だった。さすがは人気店、どの餃子もレベルが高い。
この日注文した餃子(あと白龍も)はすべて390円。他にはしそ餃子、ニラ玉餃子(各450円)などもあった。
また、焼と水だけでなく「蒸」も選べるので、何度通っても飽きることはなさそうだ。

接客については、メニューにないドリンクを頼んだ女性客が、冷たくあしらわれたように(客が悪いんだけどね)、
繁盛店ゆえ、ややドライな応対も見受けられたが、私には許容範囲だった。
最後のウーロン茶(単価260円)も含め、70分間で計7杯のドリンクを飲み干し、お会計は3700円。
たっぷり飲んで、ウマいモン喰って、大満足の晩餐となった。

味もコスパもいい、PAIRONさんの欠点はやはり、いつも混雑していること。
入店を断られた客が何組もいたので、店に向かう前に電話で、空き具合を問い合わせた方がいいね。
もうひとつ気になったのが、席と席の間隔が狭いこと。特にカウンター席は、隣客とは密着することになる。
しかも、この日の私の両隣は女性客だったため、意地汚く飲み喰いしている自分が、ちょっと恥ずかしかったぞ。
隣り合う女性客に失礼だから、汚い格好やデブの客は、訪問を控えるべきかもな(←お前がいうな)。



PAIRON(パイロン)
東京都新宿区新小川町8-32
各線飯田橋駅から徒歩約8分、神楽坂、江戸川橋駅からも推定約15分
営業時間 11時30分~14時30分、17時~23時(土日祝日は多少短縮する模様)
定休日 不定休だが、平日はほぼ休まない
※市ヶ谷にも支店あり



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中毒者を生むラーメン 西荻窪『山ちゃん』

2018年09月15日 | ラーメン、つけ麺など
居酒屋で飲んでいるとき、客同士で各自の好きなラーメン屋について語ることが多々ある。
先日、杉並区の居酒屋で話題にあがったのが、今回紹介する『山ちゃん』だった。
場所は、西荻窪駅からはちょっと離れた青梅街道沿い。夜に開店して深夜までやっているらしい。
味については、「めっちゃウマい」「飲んだあとに最適」「マズくて喰えたもんじゃない」などと、賛否両論。
真っ二つに意見が分かれる中、ある男性客が個々の言い分を総括するように、
「確かにウマくねえけど、たまに喰いたくなる。中毒性があるんだ」とつぶやいたのが印象に残った。
その直後にお会計を済ませ店を出た私は、さっそく未訪だった『山ちゃん』へと向かったのであった。

教わった通り、西荻窪駅北口から青梅街道に出て、右に曲がってしばらく進むと、写真の看板を発見。


正式名は「YAMAちゃん」なのかな? イメージキャラ(?)のライオンちゃんの上には、店の特徴であるニンニクが。
入店すると、男性店主に「いらっしゃい」と声をかけられ、まずは店内中央部にある券売機で食券を買う。

※右側がぼやけているのは、レンズが汚れていたため。申し訳ない!

意外とメニューは多いが、まずはこちらの基本である、ニンニクチャーシューの醤油味を選択。
「ニンニクチャーシューが基本」というのは変だろうが、これは先述の居酒屋の客たちから聞いた情報である。
しばらくすると、ラーメンが完成した(800円)。


おお、たっぷりの背脂に山盛りチャーシュー、そして大量のきざみニンニク。
昔流行した、ホープ軒系のラーメンを、ジャンク側に寄せた(←ホメ言葉だよ)ようなビジュアルだね。
麺がまた、カン水の匂いとも異なる、懐かしいというか、ちょっとクセのあるチープな味と香り
ただ、この独特の麺が、醤油味がそれほど濃くないスープと、よく合うんだよね。
たっぷりの背脂、肉、ニンニクまみれのラーメンだったが、短時間で完食。
なるほど、ここのラーメンはウマい・マズいを超越した、心を惹きつける「ナニか」がある!
そのナニかを探るため、数日後には再び山ちゃんへ。最近、こんな短期間で再訪したラーメン店は珍しいよ。

今度は、券売機に“人気No1”と記してある、「味噌ニンニク」650円を食べてみた。


スープは醤油と同様、色も味もそんなに濃くはなく、メインはやはり肉とニンニクだ。
肉はごらんの通りチャーシューではなく、煮込んだ薄切り肉という、牛丼の具のような形状。
途中で、卓上のあらびきコショウ、一味、そしてきざみ玉ネギを加えた。


血液をサラサラにする玉ネギが無料なのは、高血圧の私にはありがたいよ。
まあ、夜遅い時間にラーメン喰って、血液サラサラもクソもない気がするが。
この日もズルズルガツガツ食べ進め、短時間でたいらげた。

数日後、3度目の訪問を果たした私は、ラーメンの前に一杯飲ませてもらうことに。


ビンビール500円に、壁メニューの「水ギョウザ」310円と「シュウマイ」200円を現金で注文。
シュウマイは、蒸し器で仕込んであるため、すぐに出てきた。


醤油とコショウをかけて、無料お通しの「ゴマ油もやし」の小皿と一緒に飲み進める。


続いて、茹で上がった水ギョウザが、お皿に乗せられやってきた。


こちらは、一緒に提供されたタレに、卓上のおろしショウガをちょっぴり入れて食べる。
焼売も餃子も、おそらく自家製ではないと思うが、ラーメンの前に軽くつまむのには適している。
シメのラーメンは、冒頭で「山ちゃんは中毒性がある」と教えてくれた方のおススメである、
「塩チャーシュー」750円+「キャベツ」50円+「味玉」70円に、「バター」60円も追加。
しばらくして、やってきたのがこちら。これだけ具だくさんで合計930円は安いよ。


ただ、キャベツ、玉子、チャーシュー、もちろんバターも低温ゆえ、スープが冷めるのが実に早い。
というか、薄々気付いていたけど、ここのラーメン、最初からちょっとヌルイ
前回も前々回も、ネコ舌の私が短時間で食べ終えられたのは、それが理由のようだ。
あと、塩味のスープもやはり、控えめテイストだった。温度が低いと、塩分は強く感じるはずだけどね。

醤油、味噌、塩の3種を制した(?)数ヶ月後、つけ麺の存在を思い出し、久々に訪問。
こちらが「塩つけ麺」650円。麺の量は並中大すべて同額なので、中にしてみた。2玉かな?


麺はラーメンと同じ中細麺で、水で締めてあるため、スープ(つけダレ)がヌルくなるのが、いつも以上に早い。
最近の流行りとは異なり、タレはそれほど濃くないためか、麺のチープな香りがさらに強調される気がした。
インスタントでも乾麺でもなく…どこかで食べた記憶があるんだけど、どうしても思い出せない(笑)。
こちらのお店では、チャーシューやニンニク、背脂スープにハマる方が多いようだが、
私はどうやら、麺にハマってしまったようだ
玉子かけご飯やバターライス(各200円)もあるので、次回は得意のダブル炭水化物だな。

ここからは、私より山ちゃんをよく知っている方たちが聞かせてくれたハナシを、以下に羅列する。
中には、事実と異なる情報も混ざっているかもしれないが、そこは容赦してほしい。

○現店主は二代目。味は先代のおっちゃんの方がウマかった。というか濃かった。
○ただし、先代の頃は店が汚く、営業時間も定休日も不定期な時期があった。
○麺は硬めでお願いしても柔らかい。
○昔は、客が卓上のニンニク(無料)をクラッシュしていた。
○遅い時間帯の方が、スープが煮込まれコクが出るので、入店は深夜1時過ぎが一番おすすめ。

どんな業種でも、二代目ってのは先代と比較されるから大変だよ。
私の見た限り、現店主は寡黙だけどマジメに働いてるし、不愉快な思いをしたことはない。
確かに、現・山ちゃんの味は私も薄く感じるが、濃い薄いってのは、それぞれ好みがあるからね。
あと、遅い時間のラーメンは魅力あるけど、東京西部に住む私の場合は、終電がなくなっちゃうからなあ。

最後に、とっておきのスクープをお届けしよう。
○中毒になる人間が多いのは、スープにヤバい薬が入っているから。

最近またまた捕まった、三田○子の次男も通っていたらしい…スマン、それはただのデマだ。
もちろん、ヤバい薬もデマだが、ここのラーメンが中毒になる人が多いってのは、決してウソではない。
未食の方は、ぜひ一度お試しあれ。もちろん、中毒になっても責任は取らないが。



山ちゃん
東京都杉並区上荻4-21-9
西荻窪駅から徒歩約16分
営業時間 平日20時~深夜3時くらい 日曜18時~24時くらい
定休日 月曜、第二火曜
※定休日は店主、営業時間は文中に出てきた男性から聞いた
コメント (2)
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「餃子おやじ」も満足のオシャレな専門店 野方『野方餃子』

2018年09月05日 | 餃子
最近、けっこうな餃子ブームになっている。
餃子専門店だけでなく、餃子をウリにした居酒屋も増え、「餃子女子」なんて言葉も耳にするようになった。
餃子が幅広い層に支持されることは喜ばしいことだが、雑誌やネットの餃子女子向けの記事は、正直イラっとくる。
なぜなら、それらの記事で推奨されるお店は、以下の毎度お決まりのフレーズが使われるから。
○ニンニク・ニラ不使用♪
○肉汁たっぷりでジューシー♪
○ワインやデザートも豊富♪
○店内にはジャズが流れ、女子会やデートに最適♪
○餃子屋さんとは思えない、オシャレでスタイリッシュな雰囲気♪

♪の代わりにハートマークが付いていたりするが、だいたいこんなモンだ。
餃子だけでなく、女性向け飲食店の記事の内容って、もう何十年前もから変わってないよね。
匂わなくてジューシーでデザートがあってジャズが流れてデートができてオシャレで…と、
どうも、「こういう記事書いときゃ、女は喜ぶんだろ」という、書き手の古臭い偏見を感じるのだが。
そもそも、ワインやジャズの有無って、女性にとってそんなに重要かね?
そういう方は、ジャズが流れるうどん屋さんが下高井戸にあるから、ぜひ行ってみてほしい。
お店の名前は『ジャズ・ケイリン』。ジャズだけでなく、店内モニターでは競輪中継も流しているよ(笑)。

個人的に一番ムカつくのが、最後の「餃子屋らしからぬスタイリッシュさ」という主張。
餃子店は汚ない、という固定観念は、女性がジャズ好き、以上に不愉快だ。
確かに、有名餃子店は、どこも決して小綺麗ではないけれど、その分良心的な価格で営業しているケースが多い。
逆に、しゃらくさいオシャレ店に限って、ウマくもねえのに割高なケースがよく見受けられる。
だいたい、お店が汚いのは歴史の積み重ねによるもので、長年支持を受けている証拠ではないか。
「ナニがオシャレ餃子だバカヤロー。餃子ってのはそういうモンじゃねえんだ。そうでしょマスター!?」
などと、餃子で一杯やりながらクダを巻く私に対し、肯定も否定もせず聞き役になってくれたのは、
私が日本一好きな餃子店高円寺『赤天』のマスターであった。



 
こちらのお店も、決してキレイではないけれど(失礼)、最近若い女性客が増えてきている。
バカな記事を鵜呑みにしない、本当に餃子が好きな女性たちなんだな、きっと。

前置きが長くなったが、今回紹介するのは、野方にある『野方餃子』さん。
以前から、餃子のお美味しい店とは聞いていたが、こちらの特徴を調べたところ、
さきほど挙げた「餃子女子・ありがち記事5条」のすべてが当てはまったため、行くのに抵抗があった。
ある日、意を決して入店してみたら、オシャレな内装と店員さんたちがお出迎え。
ガラス張りで外から丸見えなのだが、その方が店内の様子がわかって女性でも入りやすいのかな。
私のあとにも、お客さんが続々とやってきて、すぐに満席に。ほとんどが家族連れか女性客だ。
店内ではやはりジャズが流れており、壁にかかった大型テレビでは、BSの野球中継を放映している。
対戦カードは、なぜか日本ハムvsオリックス。オリックスファンの私としてはありがたかった。

まずは飲み物として、ビールの中から「レーベンブロイ」550円を選択。餃子店で置いてあるのは珍しい気がする。


続いて餃子も頼んだところ、女性店員から「当店の食べ方をご存知ですか?」と聞かれたので、いいえと返答すると、
「にんにくには酢醤油ラー油、酢にはコショウ、2種のタレを…」と丁寧に説明してくれた。
店員さんの説明と、ほぼ同内容のことが卓上のメモにも記されてあったので、参考のため載せておく。


なお、店員さんは説明中、わざわざ酢を小皿にブシューと注ぎ、酢コショウタレを完成させてくれた。


実は私、酢が苦手なので、「どうせ使わねえのにもったいねえな…」と困惑していた。
壁のテレビではオリックスが先制。だが、店員さんは作業に集中しており、他の客も興味ないらしく、全員無反応。
結果的に、この時間帯の大型テレビは、私のためだけに流れていたことになる。なんだか申し訳ないね~。

野球を眺めているうちに、注文した餃子が運ばれてきた。まずは水餃子450円。


そして焼餃子450円も。これほど均等で美しい焼き色は、久しぶりに見た。


まずは焼餃子をタレなしで食べてみる。女性客が多く、ニラとニンニクの入らない餃子ゆえ、味は薄めかと思いきや、
ひと口かじれば、薄いけれどもパリッとした歯ごたえの皮から、旨味と肉汁があふれ出す。
おお、予想外の濃厚テイスト!
水餃子もやはり、モチモチ皮が具材の旨味を逃さず包み込んでいる、高品質な一品。
せっかくなので、お店推奨の食べ方も試してみることに。使わないと、酢コショウがもったいないからね。
ニンニク・酢醤油ラー油は悪くはないが、具材の味自体がしっかりしているので、ニンニクだけで良かったかも。
一方の酢コショウは、私の嫌いな酢独特の酸味と匂いを、濃厚餃子がしっかり受け止め、別の味わいを引き出した。
お姉さんが小皿に作ってくれたのを、使ってみてよかったよ。
そもそも酢コショウについては、酢が苦手だからだけでなく、最近は流行りだからとばかりに使うヤツが多いので、
そういう風潮に対しても抵抗があったのだが、この餃子には確かに合う。
というか、ここの餃子、かなりレベル高いよ!

ビール2本と計12個の餃子をたいらげ、すかさずホッピーセットの白490円と、別の餃子も追加。
まずは乾酪餃子480円。「乾酪(かんらく)」とはチーズのことらしい。知らなかった。
外観は焼餃子とほぼ一緒なので、中身を見せようと思ったが、皮がしっかり閉じてあり、開くのに苦労した。


こちらも美味しかったけど、元々の具材が濃厚なので、チーズの風味はあまり感じられなかった。
続いては、「麻辣坦担水餃子」580円。 ※「坦担」の表記はHPより


ゴマダレとラー油(?)と三つ葉がたっぷりかかった水餃子だ。
+100円で三つ葉をパクチーに変えられるが、私はパクチーが世の食べ物で一番嫌いなため、遠慮しておいた。
食べてみたところ、ゴマダレの甘味を強く感じた。個人的には、もうちょっと辛い方が好みだね。

あとはデザートとして、「柔らかもつ煮込み」490円をオーダー。 ※店内メニューでは「柔か」


モツが本当に柔らかく、クリーミーで上品な味わいだった。もうちょっと量があるとうれしい。
さらに、本当のデザートとして、「レアクリーム杏仁」330円を。おっさんだって、甘いモノ食べたっていいだろ。


杏仁は確かにレアな仕上がりだが、牛乳プリンみたいだったので、もっと杏仁の香りが欲しかった。
ただ、サービスでついてきた右側のミント茶は、口の中をサッパリさせる、最高の口直しとなった。
餃子4種とデザート2種(?)にアルコールで、すっかり満腹になったところでお会計。
レジの店員さんに「いつも野球中継を流しているのですか」と聞いたら、「いえ、特に決まってません」とのこと。
「また来ます」と告げ、壁テレビでは相変わらずオリックスがリードしていたのを見届けてから、店を出た。

オシャレで女性客の多い餃子ゆえ、多少のアウェイ感はあったが、味や接客は申し分なかった。
餃子店らしからぬというか、野方らしからぬ(失礼だね)スタイリッシュなお店だったので、
餃子女子だけでなく、「餃子おやじ」も大満足である。
機会があったら、愛人(←いるのかよ)とのデートや、「おやじ会」で利用させてもらおうかな。
なお蛇足ながら、この日のオリックスは、その後逆転負けしてた(怒)。



野方餃子
東京都中野区野方6-18-8
西武線野方駅から徒歩約5分、都立家政駅からは推定約12分
営業時間 月~日 17時半~24時、金~日・祝は、11時半~14時半も
定休日 無休
※ラストオーダーは昼夜ともに閉店30分前

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24時間飲める大衆らーめん酒場 大久保『桔梗』

2018年09月02日 | 居酒屋・バー
前回日記のつづき。
母校野球部が甲子園出場を決めた、神宮球場での試合を見届けたあと、


同行した友人と、祝杯を挙げるべく新宿へ移動。神宮球場の界隈は、昼から飲めるところは少ないからね。
クソ暑い時期なので、駅からあまり歩かず、なるべく安く飲めて、空いていて落ち着ける店を希望。
以前紹介した『ねこ膳』さんはやや遠く、ションベン横丁の店は狭くて落ち着かないし、チェーン店はイヤなので、
結局は大久保駅にも近い、24時間営業の『桔梗』に決定。
入口看板には、今回のタイトルである「大衆らーめん酒場」と記してあるが、正式な店名は『めん屋 桔梗』。
場所柄、落ち着けるかは微妙だが、昼はそこそこ空いてるし、テーブル席に座れるので一応はくつろげる。
なお、ブログのカテゴリーは、「ラーメン」か「中華食堂」か迷ったが、一応「居酒屋・バー」扱いにしておく。

この桔梗というお店、私はここ新宿店と阿佐ヶ谷店しか入ったことはないが、都内各地に存在するらしい。
一応はつけ麺がメインなのだが、各種アルコールや、独自のおつまみメニューを揃えている店舗も多いようだ。
よく利用する阿佐ヶ谷店はかつて、朝4時45分まで、という謎の営業時間ゆえ、始発を待つのに重宝した。
阿佐ヶ谷店でよく頼んだのが、「おつまみセット」のハーフで、確か350円くらいだった。
チャーシュー、メンマ、玉子、モヤシ、ネギの盛り合わせという、ラーメン屋らしいおツマミなのだが、
桔梗のはハーフでも量が多く、酒のお供に適しているのだが、ご覧のとおり見た目がよろしくない(笑)


上記画像はまだマシな方で、かつては「他の客の残りかよ?」と心配になる盛り付けもあった。
ただし阿佐ヶ谷店は、深夜帯は大陸系の店員がひとりで回していたため、仕方がない面もある。
その点、新宿店は従業員が多いので、同じ「おつまみセット(小)」380円でも、下記のようにキレイ…でもないか。


まあツマミとしては問題ないし、そもそも腹に入っちまえば同じだからね。
書き忘れたが、我々はドリンクとしてホッピーセット380円を注文。中は230円で外は150円。
他のドリンク類は、生ビールが450円、サワー各種が280円~と、新宿エリアにしては良心的な価格。
腹が減っていたので、バンバンつまみを注文。まずは「焼餃子」190円と、


「水餃子」220円。値段からもわかるだろうが、どちらも味は、いたってフツーである。

※盛り付け、やっぱりよくないね

続いて、「お父さんのマカロニサラダ」290円と「お母さんのポテトサラダ」380円は、一緒に盛られて登場。


お父さん、お母さんの意味は不明だが、ほんのりカレー風味でウマかった。
ならばカレーも食べようと、壁メニューにあった「おつまみミャンマーカレー」380円を追加。
こちらの店員さんも、ほぼ外国人ばかりだが、ミャンマー出身の方がいるのだろうか。
ちなみに、店員さんはみな勤勉で、日本語はちゃんと通じるし、調理・配膳も素早いので、不満を感じたことはない。
しばらくして、熱々のミャンマーカレーが到着。


小皿に取り分けたのがこちら。じゃがいもに鶏肉、そして大根と色鮮やかなオクラが入っているのが珍しい。


ミャンマーつながりで、こちらも壁メニューで気になった「ワカウキン(ミャンマーポークソテー)」380円も注文。


赤く甘酸っぱいタレを付けて食べる。ハーブみたいなスパイスがかかった肉は、やや硬めだった。
さらに、ミャンマー最大の都市で、かつての首都の名前がついた、「ヤンゴン玉子焼き」480円も頼んでみた。


簡単にいえば、油分多めの玉ネギ入りオムレツだが、味付けがかなり濃い。
例えるならば、玉子チャーハンのメシ抜きといったところか。おかげで酒がすすんだよ。
結構飲んだので、トイレに行ってみると、壁一面になぜか、大量のお色気写真が!

※上記画像、gooブログに怒られたら、すぐ削除します

これらの写真が、なぜ居酒屋のトイレに貼ってあるのかは不明。オーナーの趣味か?
もうひとつの謎が、壁メニューの「チーズ盛り」。


18時~朝5時でなく、6時から5時と23時間限定なのがおかしい。
賞味期限が翌朝5時までなのかな? そんな新鮮なチーズを使っているとは思えないが(失礼)。

さて、昼間から飲み続けたので、そろそろシメにしようと、お店自慢の「つけ麺」の塩味780円を特盛でオーダー。
冒頭で触れたように、桔梗さんは元々、つけ麺メインのお店だったからね。
麺の量は、340グラムの並から170グラム刻みで、680グラムの特まで同料金。しかも味玉に煮豚など具材も豊富。
具も量もいらないという、少食の方はともかく、飲んだあと数人で分けて食べるのには、ありがたい価格。
しばらくして、割りスープと一緒に塩つけ麺が登場。


お椀をもらいシェアして食べる。モチモチの太麺と塩スープの相性がよく、満腹だったけどスルスル食べられた。
満足したところで、「ごちそうさま、お会計をお願いします」。
帰り間際、店内に設置されたテレビで、「日大三優勝」のニュースがタイミングよく流れ、いい気分で店を出た。

これまで何度も利用している桔梗さんだが、いまだに店名の由来は知らない。たぶん花の名前だと思うが。
調べてみたところ、桔梗の花言葉は「永遠の愛」「誠実」だって。
トイレの写真とおつまみセットの盛り付けはともかく(笑)、麺の増量無料に安価な酒・ツマミと、
誠実な営業をしている桔梗さんを、私は永遠に愛し続けるよ。



めん屋 桔梗(ききょう) 新宿店
東京都新宿区西新宿7-6-8
各線新宿駅から徒歩約8分、西武線西武新宿駅から徒歩約5分、大久保駅から徒歩約4分
営業時間0時~24時間 年中無休
※麺類など食事だけの注文も当然可
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