明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

「街の中華屋さん」の鑑 江戸川橋『新雅』

2018年02月20日 | 中華食堂
以前も書いたが、最近の私は、飯田橋界隈を、よくうろついている。
いろんなお店で食事をしたが、常に行列ができているのが、江戸川橋の『新雅』さん。
雅(みやび)という屋号から、高級店かと思う方もいるだろうが、ごく普通の「中華食堂」である。
そもそも、私が高級店なんかに行くわけがない(←カネがなくて入れないだけ)。
店内はL字型のカウンター席があるのみで、席数は10。
だが、ランチタイムは連日、店頭の赤い看板の後ろに、写真の通り10人以上の客が並んでいる。

※遠くからズームで盗撮

行列を形成しているのは、私のような自由人ではなく、近所の務め人らしき方々が大半だが、
昼休みの限られた時間に、キャパ数以上の客が行列を形成しているのに、あきらめず並ぶのがスゴイ。
「よほどウマいんだろうな…」と思いつつ、並ぶのが嫌いな私は、いつも店の前を素通りしていた。
そんな私が初訪問を決意したのは、先月の東京に大雪が降った日。
不謹慎だが、今日はさすがに並ばずに食べられるチャンスだろうと、雪が舞う中お店に駆けつけると、
こんな日でも店内は満席、そして行列が!


とはいえ、さすがに普段よりは並び人が少なかったので、私も行列の最後尾に。
数分後「どうもお待たせしてすみません、どうぞー」と声をかけられ、店内に案内されると、
「いらっしゃいませー」と、明るい挨拶で迎えられた。従業員は先代夫婦に息子さん夫婦の4名体勢。
父さんが麺をゆで餃子を焼き、息子さんが鍋を振り、女性ふたりが接客や調理補助と、チームワークよく働いている。
麺類を欲していたので、いくつかあるラーメンメニューから「五目ソバ」750円をオーダー。
「かーしこまりましたあー」と店員さんたちが一斉に返答し、すぐに調理を始める。
以前紹介した、三鷹の『中華そば みたか』もそうだが、店員が4人いて、4人とも愛想がいい店は珍しい。
特に、こちらのような家族経営の店だと、先代が頑固で不愛想だったり、二代目の息子と不仲なケースもあるのだが、
新雅さんは多忙でもピリピリするどころか、みなさん協力し合い、楽しそうに仕事をしており、見ていて気持ちがいい。
高円寺の某老舗讃岐うどん店(←ほぼ名指し)のように、息子が両親を怒鳴り散らす店なんてウンザリだよな。

お父さんがゆでた麺に、息子さんが炒めた野菜とスープを合わせ、さらに具が盛り付けられて、五目ソバが完成。


おおっ、目、口、鼻、ほっぺと、実に愛くるしいビジュアルだ!
肝心の味も、塩味のスープと細麺が絡み、野菜はシャキシャキ・具材は豊富と、これは素晴らしい五目ソバだ。
すべての食材、中でもほっぺに使われたチャーシューは抜群にウマい。これで750円は安すぎるでしょ。
ウマい、安い、接客もイイ。なるほど、これなら行列ができて当然だ
店員さんたちの「あーりがとうございましたあー」という声を背に受け、気分よく店を出た。

その後降雪は強くなり、新雅付近は、夕方には下の画像のような雪景色になったのだが、


翌日は、早くも除雪され、下記のような風景に。


それでも一部路面は凍結し、気温は低かったため、この日も空いているかなと思い、連日でお店に向かったところ、
寒空の下、7~8人の客が並んでいたので断念(苦笑)。新雅ファンおそるべし!

数日後、長時間行列を覚悟して再訪。25分ほど並んで着席。
隣のサラリーマンふたり組が、「ラーメンふたつに大盛りチャーハンをお皿ふたつに分けて」と注文したので、
私も彼らに相乗りするように、「チャーハン」600円の大盛り+100円をオーダー。
作る側もラクだし、早く提供されるので、混んでいる中華屋さんでは、炒め物は他人と同じものを頼むべし!
『餃子の王将』では、同じ注文が重なると「ナイスオーダー!」と言われることもある。全然嬉しくねえけど。
なお、チャーハンを「お皿ふたつで」と頼むふたり連れの客は他にもいた。気さくに応じるお店の姿勢がいいね。
数分後、まずはスープとお新香が提供され、続いて隣のサラリーマンと私に、大盛りチャーハンがやってきた。


期待以上のイイ盛り具合ではないか! わかりやすいように、ヨコからの写真も紹介。


具材は玉子、ネギ、ナルト、そして先述した絶品チャーシューの角切りがゴロゴロ。
シイタケも入っているそうだが、チャーシューの圧倒的な存在感に隠れたのが、バカ舌の私は気付かず。
こりゃうまいガツガツ、さすがは新雅ガツガツ、スープもイケるズルズルと食べ進め、大盛りだったけどすぐに完食。
あるブログに「新雅の一番人気はニラソバ」とあったが、私が見た限り、チャーハンを頼む客の方が多いね。

後日、その「ニラソバ」750円も食べてみた。


野菜を120グラム以上使用した、肉ニラ炒めと醤油ラーメンの組み合わせだ。
ニラやモヤシなどの炒め野菜が香ばしく、麺やスープとケンカするどころか、相乗効果でさらにウマくなっている。
前回ブログ『啓ちゃん』の木耳玉子麺と同様、美味しい中華屋さんの炒め物+ラーメンは、1+1が4にも5にもなるね。
野菜もたっぷり摂取できる、うれしーヘルシー(?)メニューだったよ。スープ全部飲み干しちゃったけど。
先客で、混雑しているのにビールを飲んでいるヤツも、ツマミ替わりにニラソバを食べていた。
並んでいる客を待たせての飲酒とはけしからんが、ビールが欲しくなるコイツの気持ちもよ~くわかる。

この日も当然、数分並んでの入店で、待ち客もいるので、食べ終わったらとっとと退店。
会計時、お母さんに「いつも混んでますが夜はどうですか?」とたずねたら「18時くらいなら…(空いてる)」とのこと。
「そうですか。ではまた来ます!」と返答し、さっそくその日の18時過ぎに再訪。
お母さんはもちろん、「うわっ本当に来やがった…」と内心で思っていたとしても、顔には出さない。
確かに夜は空席があり、先客は5人ほど。私はとりあえず「餃子」500円とビール大びん600円を注文。
お通しの無料メンマをツマミに飲んでいると、餃子が焼きあがった。


ひと口かじれば、野菜の甘味がジュワっと来る。ここは本当に、何を食べてもハズレがないねえ
ビールをお替わりし、一品料理でも追加しようかなと思ったら、客が次々とやってきて、夜なのにやっぱり満席に。
餃子を食べ終えた頃には、店外で並び始める客もいたので、「長居はできぬ」と涙を呑んでお会計。
ゆっくり飲み食いするには、夜営業が始まる17時に来なくちゃダメかな。

中華だけでなく、個人経営の食堂を愛する私は、店内汚く不愛想で、味がイマイチだったとしても、
黙って受け入れることが多いのだが、そのような店は、他人(特に女性)を連れていけないのがネックだ。
しかし、こちらの新雅さんは、人気店ゆえ並ばなくてはいけないことを除けば、
味、価格、接客、衛生など、すべての面で問題はなく、自信を持って人におススメできる。
まさに街の中華屋さんの鑑だ。
ここより素晴らしい中華食堂は、なかなかないと思うよ。



新雅(しんが)
東京都文京区水道2-11-2
有楽町線江戸川駅から徒歩約3分 JR飯田橋駅から徒歩約17分
営業時間 月~金 11~14時、17~21時 土 11~13時半、17~20時
定休日 日曜祝日
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感動レベルのKTI=木耳玉子炒め 荻窪『啓ちゃん』

2018年02月14日 | 中華食堂
これまでもブログで紹介してきたように、私が一番好きな中華料理は間違いなく「餃子」だ。
二番目は、人生で食べた回数(インスタント含む)だけなら、餃子をはるかに上回る「ラーメン」だろう。
三番目は…ホイコーローや杏仁豆腐も捨てがたいが、「きくらげ玉子炒め」かな。
ふわふわの玉子に、ガッツリ絡みつく豚肉、コリコリとした歯触りのきくらげ。
そこに玉ネギなどの野菜が加わり、甘じょっぱいタレで炒めれば…ウマくならないわけがない。
玉子好き、豚肉好き、濃い味好き、ついでに野菜嫌い(苦笑)の私が大好きなのは当然だが、
クセのない食材を使用しているため、老若男女、嫌いな人はいない料理だと思われる。

きくらげ玉子炒めは、使う食材や調理法について、厳格な定義はなさそうだが、
以前、居酒屋『一休』で出てきたのが、本当にきくらげと玉子だけだったのには驚いた(笑)。


激安価格の居酒屋チェーンだから仕方ないけど、やっぱり肉がないのはさみしいよ。
あと、個人的には、玉ねぎは入れてほしいな。歯応えもあるし甘味も出るしね。
実は私、日本で唯一の「きくらげ玉子炒め評論家」だったりする。どうせ他にいないでしょ。いたらすぐに謝るよ。
玉子かけご飯=TKGに負けじと、きくらげ玉子炒め=KTIを流行らせようと試みたこともある。
結果は…私の周囲で、4人くらいは賛同してくれたかな。その4人も今では使ってないだろうけど。

そんな、KTIの自称評論家であり、熱烈な愛好家でもある私が、最もお気に入りなのが、
荻窪の中華食堂『啓ちゃん』の「木耳玉子」だ! ※券売機での表記は「木耳卵」


たっぷりの玉子と豚肉、きくらげと玉ねぎの歯応え、濃い目の味付け。まさに私が理想とするKTIであった。
初めて訪れたのは、今から5年前。荻窪在住の先輩に、「近所においしいラーメン屋ができた」と聞いてね。
まずはビールと「水ぎょうざ」、それに木耳玉子の単品を頼み、シメに麺類を注文する予定だったが…
KTIがあまりにウマく、アルコールが進みすぎちゃったため、酩酊状態になりシメを断念。
これがその時の写真。おいしそうに見えない理由は、ガラケー撮影のためだ。


申しわけないけど、水餃子の記憶がないんだよね。それだけKTIの印象が強烈だったんだよ。
結構ボリューミーなのに、価格は単品600円とリーズナブル。ご飯とスープが付く定食だと750円だ。
その後も、酒と「ツナマカロニサラダ」(現在は提供していない)とKTI、
酒とKTI、シメに「半ライス」(全然「半」じゃない量だが)、酒と「焼きぎょうざ」にKTI…と、
相変わらず麺類は食べず、酒とKTIの組み合わせばかりを頼み続けた。
なお、酒類はビール小びんとサワー各種が350円、ホッピー、ウイスキー、日本酒などは400円とお手頃価格だ。

最近の啓ちゃんは、雑誌などにもよく掲載されているようだが、そこで紹介されるのもやはり木耳玉子らしい。
その影響なのかはわからないが、先日入店したときは、客の大半が木耳玉子定食を食べていた。
私も当然、いつものようにKTI単品とビール、そして「つまみチャーシュー」を初オーダー。


ネギとタレがかかったチャーシューの下には千切りキャベツ。このひと皿でビール小びんが空いた。
ホッピーセットをお替わりしたところで、愛しのKTIが登場。


おお、以前より片栗のトロみが増したのか、具材の一体感が出て、さらにウマくなった気がする。
しょっちゅう通っていたわけではないし、人見知りゆえ、店員さんたちと話したことがない私も、
雑誌を見てKTIを食べに来たと思われたかな。ずいぶん前から、そのウマさには気づいていたのに。
この日は深酒はせず、食べたことのなかったカレーライス(650円)を半分サイズ(350円)で頼んでみた。


しまった、以前の半ライスと同様、全然ハーフじゃない量が来てしまった。
一般的なカレーライスの3/4くらいはあるね。スープも付いて350円は安いよ。おかげで満腹になってしまったが。
味自体は、意外とスパイスが効いた、辛ウマな逸品。ニンニクも結構入ってるみたいだね。
料理単品は150円引きらしいけど、カレーソースだけ200円で売ってもらえれば、いいツマミになるなあ。

啓ちゃんではこれまで、毎回欠かさずKTIを頼んできたが、せっかく先輩に「うまいラーメン屋」と聞いたのだから、
先日は、初めてKTIを頼まず、麺類を注文してみた。ラーメンは各種そろっているが、450円~とやはり安い。
ただし、頼んだのは写真の「木耳玉子麺」850円である。いつもと同じじゃねえか(笑)。


ウマそうな匂いが漂う丼から、まずはレンゲでスープをひと口、次に麺をすすってみたところ…


うわっ、このKTI麺、最高にウメエ!
互いの味を打ち消し合うどころか、双方の旨味を増幅させており、スープ、麺、具のすべてがウマい。
とりあえず、ラーメンを食べてこんなに感動したのは、本当に久しぶりだ
あまりの感動に、またまた印象が薄れちゃったけど、実は半チャーハンも頼んでいた。


カレーと同様、3/4くらいのサイズで、ラードで炒められたと思われる、パラパラでおいしい炒飯だったけどね。
すべてを食べ終わったあと、あまりに感動した私は、「すごく美味しいです」と、初めて店主に話しかけてしまった。
木耳玉子麺用の特別なスープなのかとたずねたら、「ベースは普通のラーメンと同じ」とのこと。
普通のラーメンとKTIを組み合わせて、こんな絶品料理が生まれるとは…他の店でも試したくなったぞ。

店主の啓ちゃんこと幸田啓さんは、中野の人気中華食堂で修行したのち、自身の地元・荻窪で店を開いたらしい。
その修行先は、失礼ながら態度の悪い店員が多いのだが、幸田さんはいつも穏やかで、真摯な応対をしてくれる。
そもそも、開店当時は20代の若者だったのに、ラーメン店ではなく中華食堂を開業したのが珍しいし、
我々「街の中華屋さんマニア」としては、本当にありがたい。
中華だけでなく、すべての個人食堂にとって、後継者や若い職人の不足は、深刻な問題だからね。
若き店主の決断と、「中華食堂への愛」を応援すべく、私は今後も啓ちゃんに通い続けるし、
皆さんにもぜひ1度、ここの木耳玉子を食べてもらいたい。2度目は当然、木耳玉子麺ね。
あと、できれば「KTI」という略称を流行らせてくれると嬉しいのだが………無理かな?



中華屋 啓ちゃん
東京都杉並区天沼3-31-35
荻窪駅北口から徒歩約5分
営業時間 11時半~23時
定休日 月曜
※隣のビル2Fに、店主が営むバーがある


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上福岡駅近くに、有形文化財的居酒屋が2軒

2018年02月11日 | 居酒屋・バー
東武東上線に上福岡という駅がある。地理的には小江戸・川越の手前で、埼玉県の南部に位置する。
飲み仲間の友人が、この駅の近くに住居を移したため、最近足を運ぶ機会が増えた。
駅の東口(旧・北口)には昔からの繁華街があり、スーパーマーケットや飲食店なども多数存在するが、
反対側の西口(同・南口)は、いまだ開発途上の様子で、店舗の数は、東口よりだいぶ少ない。
なお、西口駅前広場では、外国人(しかも不法滞在者風)が昼間から酒盛りをして騒いでおり、
昼酒好きな私が言うのもナンだが、治安はあまり良くなさそうである

その駅前広場のすぐそばには、最近建てられたと思われる、ショッピングモールなどの集合施設があるのだが、
少し脇道に入った、駅からは徒歩約2分の場所に、写真のようなマニア心をくすぐる居酒屋が姿を現す。


「ムム、これはいい店の予感!」と思い、近寄ってみると、串焼きの店頭販売もやっているようなのだが、
1本60円からと、ビックリするほど安い!


外観からして、ずいぶん昔から営業してそうなお店だが、値段も開店当初からさほど変わってないのでは。
あと、「おみやげにどうぞ」の貼紙には、ニコニコ顔のお子さん3名、のようなイラストがあるが、
個人的に、こういうほのぼのとした絵には、すごく弱かったりする。なんか応援したくなっちゃうんだよね。
先日、とあるラーメン店の入口に画用紙が貼ってあり、そこには店主の子供が描いたと思われるラーメンの絵と、
「パパのラーメンたべてね」とかわいい字が添えてあり、満腹なのに入店しそうになった。
ああいうグッとくる絵や字を見てしまうと、ついつい引き寄せられそうになるので、頼むからやめてほしい。
まあ、「出汁にフィネスを…」なんてワケのわからん言葉より、よっぽど訴求力あるけどな。※詳細は前回日記を参照
ハナシは戻って、こちらの渋い串焼き屋さんには、後日改めて、友人と飲みに行ってみた。

20時頃お店に向かうと、店頭では店主らしきおばちゃんが、お持ち帰り用を焼いている最中で、
そのすぐそばには、買ったばかりの串焼きを食べながら立ち飲みしているおっさん客がいた。
「ふたりですが、店内で飲めますか?」とたずねると、おばちゃんが「はいどうぞ」と迎え入れてくれた。
店内はカウンター数席のみ。いかにも昔の居酒屋といった雰囲気だったが、ちゃんと清掃はされており不快感はナシ。
こちらがお店のメニュー。少数精鋭スタイルだが、酒もツマミも安いよね。


個人的には、酒類の下の高校野球のポスターが気になった。おばちゃんはどこの高校のファンなのかな?
びんビールで乾杯し、「もつ焼き」をお任せで10本、友人はさらに「とまと」をオーダー。
冷やしトマトを出し終えたら、おばちゃんは再びお店の外へ。そうか、焼き台は外にしかないのか。
しばらくすると、焼きたてのもつ焼きが登場。最初にタレが3種、あとから塩焼きが2種。


小ぶりだけど、甘めのタレと軽めの塩で丁寧に焼かれており、これで60円は安すぎる
しばらくすると、常連らしい客が何人かやってきて、さらには若い女性のひとり客も来店。
こういうお店に、ひとりで飲みにくる女性って、なんかカッコいいよね。
客が増加するとともに、おばちゃんは店の中と外を往復することになり、結構忙しそう。
これからやってくるお客さんのために、先客かつ新参者の我々は、席を空けることにした。
「どうもごちそうさまです」「はあいどうも~」。ビール3本と串焼き10本とトマトで、ひとり千円チョイ。
今度来るときは、おばちゃんや他の常連さんたちと、ゆっくり語り合いたいね。
なお、ここまで店名に触れていない理由は…実は聞きそびれて、いまだわからないのだ
お店には看板もないし、あの「食べログ」にも未登録。まったく、役立たずの食べロガーめ。
ネット検索したところ、『越後家』との情報も得たが、確定ではないので、再訪して聞いてくるよ。
※追記 『越後家』で正しいとのこと。詳細はコメント欄を参照されたし

おばちゃんの店を出ると、すぐ近くにも、写真のようなクラシカルな外観のお店がある。


繰り返すが、こちらも駅から徒歩約2分くらいの距離。この一帯だけ、まるで時間が止まっているようだ。
お店の名前は『真』。ここも、読みはマコトなのかシンなのか、未確認なのでわからない。
店内はカウンター席とテーブル席。夫婦らしきおじちゃんおばちゃんが迎え入れてくれた。
メニューはこちら。ここも安く小数精鋭だが…赤ちょうちんにあった「やきとり」はないの?


たずねてみたところ「ネギ間だけある」とのことなので注文。あとはウーロンハイとお新香を。
こちらがその写真。お新香にはらっきょうも付いてきた。


入店したのは21時すぎだったのだが、どうも閉店時間が早いらしく、なんだか店じまいの様子。
なので、お店の方ともほとんど話せず、お店の読みや営業時間などの詳細を知ることないまま、退散となった。
ご夫婦の愛想や、店内の雰囲気は良かったので、ここも改めて行ってみたい。
以上、西口から至近の距離にある、有形文化財的なお店2軒を紹介した。
わざわざ電車に乗って通う店ではないけど、地域に根差した、常連たちには欠かせないお店なんだよね。
地元民ではない私も、こういうお店には末永く頑張ってほしいと思う。

なお、上福岡駅は東口にもいい店がある。
たとえば、元読売ジャイアンツの中継ぎ投手として活躍した、條辺剛さんが営む『讃岐うどん 條辺』。


店内には、現役時代の監督だった、長嶋茂雄さん直筆のサインも飾ってある。


店主の條辺さんは、現在も毎日早朝から仕込みを始め、営業中は厨房に立ち、高品質の讃岐うどんを提供しているため、
今では「元巨人軍投手の店」ではなく、「うどんの美味しい店」として注目を集めている。 
こちらのお店の詳細も、そのうちこのブログで紹介したい。

さらに東口には、駅から徒歩数分の場所に、見逃せない重要スポットがある。
それが下記写真のお店、『和風サロン 淀君』!


いかにも昭和時代のサロンで、廃業したかと思ったが、今でもやってるらしい(コメント欄参照)。


とりあえず、レトロな女性のイラストから、だいぶ昔に開業したことがうかがえる。
「見てるだけじゃダメ」「中味を味わってほしいわ」というセリフがたまらんね。
さっき「ほのぼのとした、かわいい絵にグッとくる」と述べたが、このイラストには、あまりソソられなかったなあ(笑)。
最後のサロン淀君は蛇足(←まさしく)だったが、上福岡駅周辺はなかなか面白いので、これからも散策してみようと思う。



越後家
埼玉県ふじみ野市上福岡5-2
上福岡駅西口から徒歩約2分
※住所はグーグルマップで見た近くの電柱より

やきとり 真 
上記越後屋から徒歩1分
上福岡駅西口から徒歩約2分

どちらのお店も、営業時間・定休日は不明


追記 『やきとり 真』は閉店なさったようです
コメント (6)
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本場で人気のうどんを味わえる 立川『香川一福』

2018年02月02日 | そば、うどん
ここ3回連続で、ラーメンについて語った拙ブログだが、最近の私はうどんを食べる機会の方が多い。
今年最初に食べた麺類も、吉祥寺『うどん白石』さんの季節限定メニュー「年明けうどん」だった。


赤い海老天に白い揚げモチ、そして紅白のかわいいカマボコが乗った、見た目も味も素晴らしいうどんである。
2018年の「麺はじめ」を飾るのに、ふさわしい逸品だった
…よくよく考えると、今年最初に食べた麺は「サッポロ一番塩らーめん」だった気もするが…まあいいや。

私がうどんに興味を持ち、いろんなお店を巡るようになったのは、確か昨年の6月頃。
その直後、立川市に『香川一福』という、讃岐うどんのお店がオープンした。
本場香川の人気店『一福』で修行した方が、神田に『香川一福』という店を出し、立川はその支店…になるのかな?
どうも、神田と立川ではオーナーが違うらしいのだが、その辺の詳細は知らない。
その神田店は、ミシュランのビブグルマン(要するに、高くないのにウマい店)に選ばれたらしく、
立川店の開店前には、「あのミシュランのうどん店が立川に!」のような宣伝が飛び交っており、
実際、オープン当日は長い行列ができ、閉店時間前に麺がなくなり、早じまいしたそうだ。

その翌日、夜18時過ぎくらいに、様子見で近くを通ったところ、なぜか行列はなかった。
入口では社員と思われる男性がいて、「よかったらどうぞ~」と、やさしい口調で案内してくれたので、
せっかくなので入店してみることに。店内にも客はほとんどおらず、待たされる心配もなかったからね。
券売機の前で少々悩んだが、「釜玉バター」700円と「とり天」180円(2個。現在は1個で120円)を選択。
セルフサービスなので、厨房カウンターで待っていると、うどんも天ぷらもすぐに完成。


麺をひと口すすった感想は…おっ、ウメエじゃねえか! だ。
実は私、ここのうどんは期待するどころか、「なにがミシュランだ、マズかったら承知しねえぞ…」と、
むしろ懐疑心を抱いていた。実際、提供が異様に早く、茹で立て・揚げ立てではなさそうだし。
しかし、そんな私の不安は即打ち消される、見事なうどんだった。
自家製麺は、讃岐うどんらしくしっかりとした腰があり、卵とバターとの絡みもよく、まさにカルボナーラのよう。
また、添付のダシ醤油もおいしく、とり天も冷めてはおらず、いい具合に揚がっていた。
ズルズル、ガツガツとあっという間にたいらげ、大盛りにすればよかったと後悔。
うどんには満足したが、ミシュランという権威に屈服したような気がしてシャクなので(?)、
あえて難癖をつければ、「運ぶときのお盆がすべる」。私だけでなく別の客も、お盆の上で丼がズレて驚いていたしね。
あと、これは私だけの身勝手な印象だと思うが、「ひとりだけ妙な店員がいる」。
他の店員と比べると、どうもコイツだけ表情に笑顔がなく、挨拶の声が押圧的。体格も立派なので余計に目立つ。
しかも、厨房からホールへ出てきたとき、なぜか肩を左右に揺らして歩いていた。さすがは立川の飲食店店員(笑)。
想像だけど、コイツはいまだに、中学時代ワルかった自分とかを自慢してそうだな。
この日以降は、入口から店内をのぞき、コイツが不在のときだけ入ることにしている。

しばらくして、ようやく再訪がかなったので、シンプルな「かけうどん・温・中サイズ」500円を注文。


無料の天カスを少しだけ入れて、黄金色のスープとしなやかな麺を堪能。うん、やっぱりウマい。
しかも、お盆には滑り止めシート(名称不明)が貼ってあり、丼をひっくり返す不安を解消。


やはり、何人かの客から要望があったのだろうか。すぐに対処したところに、お店の誠意を感じる。
そのまた数日後には、「カレーうどん・中」750円を食べた。


A4やら5やらの高級牛肉をふんだんに使った、都内有名洋食店のカレーソースらしく、
ひと口すすってみたところ、すんげえ濃厚
スープがドロドロで麺とよく絡むから、あまり周囲に飛び散らないのもありがたい(笑)。


途中で、付け合わせのダシを加えれば、普通のカレーうどんっぽい濃度になり、1度で2度楽しめる。


「白飯」150円を追加すれば、3度楽しめたな。可能ならば、このカレーソースをツマミに一杯やりたい。

それから数ヶ月たち、季節は夏から冬に移った頃、別の店で飲んだ後に、久々の入店。
注文したのは、期間限定の「瀬戸内レモンうどん・中」670円に、お店の推奨トッピング「豚肉」250円。


一緒にするとこんなビジュアル。言い忘れたけど、ここは生姜も無料で入れられるよ。


レモンとうどんの組み合わせは、正直あまり気に入らなかった。レモンが多すぎるのでは…が個人的な感想。
ただし、立川店にしかないという具の豚肉は、しょっぱい味付けがモロに私好み。卓上の胡椒をかけるとさらにウマい。
白飯と生卵をあわせて、「特製豚丼」にして喰ってみたい。ネギも少量もらえるとうれしいな。
以上、香川一福立川店には、これまでに4回入店。先述の理由で、入口で引き返したことも何度かある。
そのたびに感じるのが、「客がいない!」だ。
これまで散々ホメてきたのに、手の平を返すようでお店には申し訳ないけど、事実である。
ウインズ立川が近いので、土日は大勢の競馬客が利用しそうだが、平日は昼夜を問わず、混んでるのを見たことない。
前評判は良く、開店当日は大行列。その後の評判もそんなに悪くない。実際、食べてみても味に問題はまったくない。
私が嫌いな巨漢店員も、気にしない人の方が多いはずだし、接客面や衛生面も、見た限りではちゃんとしているのになぜだ。

不入りの理由は、近所に安価な『はなまるうどん』があるのと、セルフサービスが面倒なことくらいしか浮かばない。
ただ食器については、最近はセルフではなく、食前も食後もすべて店員さんが運んでくれるようになった。
理由は悲しいことに、「終始ヒマなので、他にやることがないから」だと思われる。
食べ終わって立ち上がった途端、「そのままで結構ですよー」という声とともに、女性店員が駆けつけるのにはビックリ。
食事中見張ってるのか? ま、若い女性に駆け寄られるのは、悪い気はしないけどねえ(←さみしい男)。
あと最近、お店のマイナス点をもうひとつ発見した。それは、店頭に掲示してあるメニュー表。
各商品と価格、「ミシュラン獲得」などのアピールに続く、最後のキャッチコピー。その問題作(笑)はズバリ、
“「出汁にフィネス(=雅、優雅さ)」をぜひご堪能ください!” なんじゃこりゃ!? ※食べログでの表記は“体験ください!”

そもそも文法から間違っていて、正しくは「出汁フィネス」か、せいぜい「出汁にフィネスを感じてください」だ。
「ミシュラン獲得」も当然ウザいが、何より不愉快なのが、カッコミヤビユウガサカッコトジルだ。
●一般的ではないと思われる単語や外来語は避ける ●()内で元の意味を説明するなら、素直にその単語を使うべし
「やってはいけない文章例」などによく挙げられる、上記2点が見事に当てはまっている。
美しい日本語を愛する私にとっては、実に許し難いキャッチコピーといえよう。
こんなクソコピーやめちまえ! この大バカヤロウ!!(←「美しい日本語愛」あふれる怒号) 
どうせ店員たちだって、フィネスなんて日常では使ってねえだろうし、このコピーも、おそらく誰かの入れ知恵だろう。
関係ないけど、私が敬愛する(嘲笑)食べロガーも、一人称を「小生」にしているヤツ多いよな。普段使ったこともねえくせに。
ミシュラン→フランス→そうだ、フランスの単語を使おう…という経緯で採用したのならば(推測だけど、当たってそう)、
明らかに方向性を誤っている。こういう勘違いが、店内閑古鳥の原因に繋がっているのかもしれない、
と結びつけるのは強引だろうか………とんでもなく強引だね。スマン!
それにしても、店員さんが食器も運んでくれて、並ばず待たず、ゆっくり落ち着いておいしい食事が楽しめる。
そんな、文字通りフィネス…じゃなくて優雅な空間になってしまった現在の状況は、なんとも皮肉である。

まあ、キャッチコピーなんて気にする方は少ないだろうし、これを読んだ皆さんもよかったら、
ぜひお店へ行ってみてほしい。雅か優雅かはともかく(笑)、うどんの味自体は満足してもらえるはずだから。
私は試したことないが、天ぷらやおでんなどをツマミに飲んで、シメにうどんをすするのもいいね!
とにかく、せっかくの美味しいうどんなのに、利用客が少ないのはもったいないよ。



香川一福(かがわいっぷく) 立川店
東京都立川市錦町2-2-1
立川駅南口から徒歩約4分
営業時間 11時~22時
定休日 年末年始以外は無休
※池袋にも支店あり


※22年5月31日に閉店しました
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