明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

過去の損失を取り戻す! 「ケイリングランプリ2023」

2023年12月29日 | ギャンブル
電話・ネット投票が主流になり、売上はともかく、入場客数は減少している競輪業界。
特に、私のホーム立川は、ここ数年で一部観客席を解体し、売店や飲食店が減っていき、各種サービスも取りやめるなど、
ファンが減るどころか明らかに入場を拒んでいる。昨年もここで書いたが、競輪のキャッチコピーは「こんなスポーツ、他にないだろ?」だが、
「こんなにひどいプロスポーツの施設、他にないだろ!?」と訴えたいのが、近年の立川競輪場である。
そんな、明るい未来が見えないバンクで開催される(苦笑)、今年のケイリングランプリ2023
ちなみに、今回もJR立川駅改札口付近には、下記のような広告が出ていたが、


大部分の利用客は気にもとめず、黙々と踏んでいくのが悲しい。広告費がいくらかは知らんが、費用効果はあるのかなあ?


無駄な広告費(暴言?)を捻出する立川競輪場らしく、今年の優勝賞金は競輪史上最高額となる1億3700万円。
そんな大金を目指し覇を競う、出場メンバーは以下の9名。

1 古性優作  100大阪
2 佐藤慎太郎 78福島
3 松浦悠士  98広島 
4 眞杉匠   113栃木 
5 深谷知広  96静岡
6 山口拳矢  117岐阜
7 清水裕友  105山口 
8 新山響平  107青森
9 脇本雄太  94福井 

並び予想⑧2-⑨1-⑦3-④、⑥、⑤

ここで、拙ブログ開設以降のグランプリ予想を振り返ると、
7年前→新田祐大本命→誘導員早期追い抜きで失格
6年前→諸橋愛本命→最終4コーナーで落車失格
5年前→平原康多本命→最終2センターでまたまた落車
この頃は、そのうち自分が買った選手がレース中に死ぬんじゃないかと、ビビッていたものである。
4年前→平原康多本命→後方から追い込むも3着惜敗
3年前→平原康多本命→番手絶好も、捲り選手を張り自身も外に膨れて5着
2年前→古性優作本命→4番手追走から最終バックで捲り、優勝、そして的中!
そして昨年は、松浦悠士本命で勝負。北日本勢分断に出た松浦だったが、残念ながら競り負け5着
ただし、脇本雄太-古性優作の組み合わせも押さえており、+5600円と一応黒字。古性が差していれば、もっと儲かったのだが。
ちなみに、グランプリは過去33度挑戦し、黒字になったのはわずか4度。トータルはいまだに大幅マイナスだ。
それでも、チョイ浮きとはいえ、2年連続のグランプリ的中は、私の人生では初の快挙。
空前絶後(←大げさ)の3年連続的中を目指す、自称スポーツジャーナリスト・正田祐司の本命は…5番車深谷知広!
深谷選手、並びに深谷ファンの皆様、ゴメンなさい。

理由は、【グランプリは“なんでコイツが…”と思う選手が勝つことが多い】のと、単に【深谷ファンだから】の二点。
グランプリは実際、年間通して活躍した選手が勝つのはまれで、過去37回(中止除く)で、一番人気で勝ったのは、
第3回の滝澤正光、第8回の吉岡稔真、第18回の山田裕仁、第30回の武田豊樹、昨年の脇本のわずか5人。
シンザン、トウショウボーイ、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、テイエムオペラオーなどの人気馬が勝ちまくる、
JRAの有馬記念とは大違いだ。最近の競馬を知らないため、古い例ばかりでスマン。
今年の深谷が大レースで目立ったのは、優勝した青森共同通信社杯と、決勝戦で逃げて9着の小倉競輪祭のみ。
脚力を考慮すると物足りないし、もしグランプリで勝ったら、「深谷かよ…」と落胆するファンも多いはず。

S級昇格から数年間は“21世紀の怪物”と称される快進撃を見せ、
高原永伍や中野浩一ら、競輪史に残る偉人たちの全盛期に間に合わなかった私を、「ついに伝説の生き証人になれた」と喜ばせた深谷だったが、
以降の大レースでは、準優までは圧勝続きも決勝で敗れる、当時同地区だった、先輩の小嶋敬二と同様、効率の悪い競走(笑)を繰り返す。
 
※競輪HPより拝借した、小嶋の画像

過去のグランプリで、私は小嶋でも何度か大勝負したが、2着惜敗などで大金を喪失している。
結局、グランプリ制覇を果たせなかった小嶋の分まで、深谷には頑張ってもらいたいし、
小嶋でスッた分まで、私に儲けさせてほしい。今年はそのチャンスだ。

一応、展開予想すると、最近は前受けからの突っ張り先行が多い新山だが、マーク佐藤の援護は期待薄で苦しそう。
3番手は獲り合いになりそうだが、清水や脇本は、確保できなかった場合は早めに巻き返し、
仮に彼らが出切れなくても、松浦や古性が番手から飛び出し、単騎勢も前々へと踏み込むはず。
単騎3車ではもっともキャリアの長い深谷だが、位置取りはもっとも不得手そうで、おそらく後方に置かれるだろうが、
大外ブン捲っての強襲劇を期待する。理想は、2013年の立川ダービー準優での走りだ。
このレースで深谷は、最終バック8番手から強引に捲り、上がり10.6のバンクレコードで快勝。
そのシーンを生観戦し、三連単を的中(2着が6番車で好配当)させた私としては、あの再現を望まずにはいられない。

ここ数日は、深谷の5番車=黄色の勝利を願い、黄色い物を積極的に口にしている。
先日は、飲んでからの帰宅後、東洋水産の「カレーうどん」を作って食べたのだが、
牛乳を入れたので、通常よりもスープが黄色いはず。チャーシューは拙ブログでおなじみ、一橋学園『なにや』のもの。


テーブル(?)も、「鳩サブレー」の黄色い缶なので、ダブルイエローである。 
昨夜は忘年会があり、レモンサワーをお替わりしまくったため、グラスはレモンだらけに。


結構酔ったため、案の定帰りの電車で寝過ごしてしまい、隣の日野駅であわてて下車。
上りの終電が残っていたため、待ち時間に券売機で缶コーンポタージュを購入。寒いホームですする温かいスープはウマいね。


極めつけは、私が大好きな黄色いお菓子、「治一郎のバウムクーヘン」。


形状が二重丸◎=本命みたいだし、中央に穴が開いているのも、穴党の私にはゲンがいい。

気になる5番車の前売りオッズは、意外と売れており、29日19時台では、車単では1番人気の古性と双璧。


今年も当然、三連単と車単の総流しをするので、明日までにもっと配当が上がるのを期待している。
※22時台でも、車単では万シュウがなく、いまだに2番人気

予想印を付けると、◎深谷〇古性×脇本△松浦▲山口「注」佐藤となる。
一昨年のグランプリでお世話になった古性と、実力ナンバー1の脇本は無視できないし、松浦の「直前の扁桃腺腫れ」は影響のない三味線と判断。
単騎では眞杉より高配当の山口、仕事はしないが番手有利な佐藤も見限れない。
深谷以外の押さえは、現時点での配当ならば、脇本からの古性外しが最適だと思うが…明日までじっくり検討しよう。

最後に毎年恒例となっている、本命選手画像と、インタビューの抜粋(一部偽装)を、競輪HPから転記。
5番車 深谷知広


「本番まで計画どおりに練習ができたので、状態は悪くないと思います。
グランプリで単騎になるのは初めてですが、地元の正田さんが応援してくれるので、
しっかり気合を入れて、優勝できるよう頑張りたいと思います」

小嶋、そして深谷で負けた過去の分まで、今回すべて取り戻す! 頑張れ深谷!


※グランプリのレースの模様は、16時頃から日テレ系で放送予定

追伸 深谷よ、来年以降のグランプリでも、優勝するまで買い続けるぞ!
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愛されて25周年 春日『BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ』

2023年12月27日 | 居酒屋・バー
前回予告したように、今回はプロレスラーのザ・グレート・カブキさんが営む居酒屋を紹介。
正しい屋号は『BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ』だが、私や友人たちは「カブキさんの店」と呼んでいた。


最寄り駅は地下鉄の春日駅だが、私はJR水道橋駅から徒歩で向かうことが多かった。
いざ入店すれば、店主のカブキさんと、ママさんこと奥様の安子さんが、温かく迎え入れてくれる。
私は東京の西側に住んでいるし、お店はいつも混雑していたため、頻繁には通えなかったが、
飯田橋に店舗があった頃から通算すると、50回近く訪問しているはずだが、泥酔客や迷惑客とは遭遇したことがない。
仮にそんな客がいたら、店主にぶっ飛ばされるからね(笑)。私も当然、こちらのお店では大人しくしている。
※実際のカブキさんは、もちろん客を殴ったりはしません

著名人が営む飲食店は、あくまで著名人がウリであって、味がイマイチで妙に高かったりすることもあるが、
こちらのお店は、料理も美味しいし価格もリーズナブル
カブキさんは、子供のころから家事もこなしていたし、プロレス入門後も先輩たちの食事を作らされたため、調理には慣れている。
そんな、逸品揃いのおつまみメニューがこちら。


こちらが反対側。この他にも、季節限定料理や日替わり商品もある。


なお、上記2枚の撮影は、コロナ禍前の19年8月なので、価格などは変わっているはず。なので、今回は価格表記は省略する。
前回紹介した、鶏の照り焼き=ドリーテリー焼きのように、
「阿修羅ハラミ串」や「アッジーフレアー」など、レスラーの名前にちなんだ、ユニークな商品も多い。
こちらは、大ぶりの豚バラ肉を焼いた「アブドーラ・ザ・ブッタ串」。


脇のボトルは、お店オリジナルの焼酎で、麦と芋があり、どちらもボトルキープが可能。
こちらは、春日の移転直後、ドリーテリー焼きと同時に登場した、特大サイズの「牛レバーステーキ」。


「ジャイアント・レバ」なんて、いいネーミングだと思うけど、カブキさんは馬場さんのことを、あまり好きではなさそうで(笑)。
ただし、昭和のプロレスファン共通の疑問、【ジャイアント馬場とアントニオ猪木、本当はどっちが強い?】に対し、
カブキさんの見解は「全盛期なら馬場さんが勝つ」であった。猪木もファンだが、団体は全日派の私には嬉しい意見だ。

メニューの紹介に戻る。こちらは、マッシュポテトにひき肉やコーンを混ぜ、チーズを乗せて焼いた「ガッデムポテト」。


商品名の由来は、プロレスのスラングで、誤って急所攻撃することをポテトと呼び、やられた側が罵る言葉が「ガッデムポテト」らしい。
やや乱暴な商品名とは裏腹に、ビールによく合う、美味しいおツマミである。

冬季限定のおでんは、鶏ガラベースで醤油を使わない、透明な出汁の「塩おでん」で、柚子胡椒で食べる。


カブキさんの生まれ故郷・九州では、おでんはこのスタイルらしい。

宮崎で生まれ、リングネームが高千穂明久(本名は米良明久)だった時代もあるカブキさんは、中学生のとき愛知へ引っ越した。
愛知では有名な「どて煮」から発想を得たのが、お店の名物であり、カブキさんの名前を冠した「かぶちゃん煮込み」だ。
牛スジやこんにゃくを赤味噌などで煮込んだ料理で、デジカメ画像は下記のものしかないが、私は数えきれないくらい食べている。


味噌の甘ほろ苦いテイストに、七味をかけて食べると、焼酎がグイグイ進んでしまう。
焼酎類は、ウーロンハイやレモンサワーなどもあるが、ボトルがお得。
芋と麦がキープできて、下記の「東洋の神秘」は飲み切りタイプで持ち帰りも可能。


そして、こちらのお店の名物ドリンクといえば、カブキさんの毒霧と同じカラーのハイボール。
お通しと一緒に映っているこちらは、赤く色付けされた「赤の毒霧ハイボール」で、


こちらは「緑の毒霧ハイボール」。味自体は、どちらも普通のウイスキーソーダだ。


当然毒は入っていないが、飲みすぎると、カブキさんの得意技・アッパーカットをくらったかのように、フラフラになるので注意。

緑の毒霧と一緒に映っていたのが、カレー味のちゃんこ鍋「連獅子」で、名前の由来は、連獅子の「華麗」な舞いだ。


ちゃんこ鍋は、かぶちゃん煮込みと並ぶお店の看板メニューで、価格も長年千円以下で、もっともお得な商品である。
シメには「ごはん」や「チーズ」も用意されているが、私は大好きな「うどん」と「玉子」をよく追加していた。


鍋料理は、すべて客任せの割にバカ高い価格のお店もあるが、こちらは安価にもかかわらず、最後までお店側が調理。
多彩な具材それぞれの煮込み時間を変え、すべて食べ頃になってから提供し、シメの食事も、改めて厨房で作ってくれる。

こちらは、裏メニューからレギュラーに昇格した、鶏出汁ベースの醤油味鍋「そっぷ炊き」。


具材から染み出たスープが美味しく、一滴残さず食べてしまった記憶がある。
そして今年、久々に訪問した祭、キムチ味のちゃんこ鍋「赤い毒霧」を食べてきた。


ラーメンのように、横アングルも撮影。1人前にはじゅうぶんな量だ。


商品名の由来となった真っ赤なスープは、キムチのピリ辛に、各種具材の旨味が合わさり、めちゃくちゃ美味しい。
具材は豚肉、キムチ、白菜、豆腐、キノコ類、ニラ、もやしなど。野菜嫌いの私でも、美味しく食べられる。


シメは当然、玉子+うどん。食べ終えたら身体はポカポカ、お腹はパンパンだ。


カブキさんが飯田橋でお店を開業したのは、50歳になったばかりの頃。その後、現在の春日に店舗移転し、
多くのファンに愛され、25年目を迎えた今年。夏場にお店のSNSで、カブキさんとママさんの連名にて、
「元気なうちに第三の人生のステップを踏み出すべく」「年内で幕引きとさせていただきます」との発表があった。

閉店はショックだし、美味しい料理やお酒、そしてカブキさんご夫婦との会話が楽しめなくなるのは当然さみしいが、
おふたりも熟考しての決断のはずだし、そもそも、ご夫婦の次の人生を干渉する権利は、我々にはない。
最後に挨拶を…と思っていたが、数ヶ月先の予約まですぐに埋まってしまい、今月23日が通常営業最終日となる。
26日と27日、つまり昨日と今日は、だいぶ前から予定表に「特別営業」と記されていたが、その内容が今月、
「予約なしでも来店可能」「大勢のお客様にお会いしたいので心苦しいですが、滞店時間は30分に制限」とSNSにて発表された!
営業時間は16時~20時で、誰でも訪問できる、「スタンディング、お料理提供は無し、ドリンクのみ販売」の30分1本勝負だ。
最後にお会いできるチャンスを作っていただいたので、昨夜、最後の訪問をしてきた。
吉祥寺の和菓子店で、カブキさんの好物である「きんつば」(週刊プロレス・選手名鑑データより)を購入し、お店に到着したのは17時半頃。
すでに2回転し、先客が帰った直後だったため、数分待っただけで入店が許された。

ママさんに軽くご挨拶し、さっそく飲み始める。特別営業のドリンクメニューはこちら。


普段、ウイスキーはあまり飲まないが、せっかくなので緑の毒霧と、

※飲みかけ失礼

赤の毒霧をお替わり。卓上には、“感謝”とブリントされた柿ピーが置かれていた。


せっかくなので、その柿ピーと、カブキさんとお店のロゴが印刷された、お土産用焼酎3000円を、記念品として持ち帰った。


3杯目のウーロンハイも飲み終わり、カブキさんにご挨拶…の前に、図々しくいつものようにプロレスの質問を。
最後は、これまで聞いたことはなかったが、個人的にはすごく気になる事柄である。前回と同様、Qが私でAがカブキさんだ。
Q カブキさんは、世界一強いレスラーはアンドレとおっしゃいましたが、一番巧いレスラーは誰でしょうか?
A ……難しいね。ひとりには絞れないよ。
全米で暴れまわったカブキさんのことだ。我々も知らない技巧派レスラーとの対戦経験も多いのだろう。
何度かたずねてみたが、回答は得られなかった。そこで私はしぶとく、第二の質問を。
Q で、では、日本人で一番巧いと思ったレスラーを教えてください。
A そりゃ馬場さんだよ。馬場さんには叶わない

迷わぬ即答、しかも意外な回答に「えっ!?」と思わず声を上げて驚いた私は、
「カブキさんが『オレだよ』と返答するのを期待したのですが…」と食い下がるも、「いやいや、馬場さんが一番巧い」と断言。
前回書いたように、「全日本プロレスオーナー・馬場」には、待遇面の不満もあったようだが、 ※馬場さんの奥さんも悪いと思う
若い頃は巨体なのに素早く動けて、受け身もこなした、「プロレスラー・馬場」には、カブキさんも一目置いていたのだ。
おふたりの関係を知り、プロレス道の奥の深さを再認識した一夜であった。

貴重な時間は過ぎていき、30分1本勝負は早々とタイムアップ。
お客の大半が、カブキさんやママさんと記念撮影をしていたが、私は過去に撮ってもらったことがあるので、おふたりのツーショットだけを撮影。


カブキさん、安子ママさん、25年間お疲れさまでした!
退店間際、ご夫妻に「ありがとうございました」と告げると、ふたりとも握手をしてくれた。やっぱり来てよかった。

昨夜も告げたが、拙ブログでも再度、最後のご挨拶を。
カブキさん、ママさん、今までありがとうございました。
僭越ながら、おふたりのご健康とご多幸を、心から祈念いたします。



BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ
東京都文京区小石川1-25-9
地下鉄春日駅から徒歩約10分、後楽園駅から約15分 ※左記はお店の名刺より、JR水道橋からは20分くらい
営業時間 18時~23時
定休日 日、月、木、祝、その他不定休
※2023年12月27日で閉店なさいました
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私的プロレススーパースター列伝.1 ザ・グレート・カブキ

2023年12月25日 | プロレス
この時期は毎年、背油ぎっとりラーメンとかハイカロリーめしなど、クリスマスとは無縁の話題を綴っている拙ブログ。
今年は、私が大好きだったプロレスラーについて語る、新企画【私的プロレススーパースター列伝】を突如開始。
記念すべき(?)第1弾は、“東洋の神秘”の異名を持つ、ザ・グレート・カブキ

※1993年文藝春秋発行、門馬忠雄著・「プロレス血風録」より

普段は「カブキさん」と呼んでいるが、本稿では失礼を承知で、レスラーは敬称を省略させていただく。 ※リングネームは当時のもの

その前に、私のプロレスファン歴を簡単に説明。
TV中継を毎週欠かさず視聴するようになり、専門誌を買い始めたりと、
本格的にプロレスファンとしてデビューしたのが、1987(昭和62)年の12月。
その頃、日本の男子レスラーの団体は、全日本プロレスと新日本プロレスのみで、私は全日派だった。
ちょうど、87年12月以降の新日が、たけしプロレス軍団や海賊男など、クソつまらない時期だったのも理由である(苦笑)。
振り返ってみると、もっともプロレスに夢中だった時期は、88年から90年夏くらいまでなのだが、
私にとっては、この頃の全日本プロレスこそ、史上最高のプロレス団体である。

上記の期間、全日の話題の中心となっていたのが、天龍源一郎。
妥協のないファイトスタイルに、マスコミからの注目が集まり始めると、ファンの評価も高まっていき、
私が愛読していた「週刊ゴング」の読者人気投票では、87年の日本人1位は天龍だった。
東京生まれのくせにアンチ巨人で、人気者を嫌うへそ曲がりの私は、自然とアンチ天龍になっていたのだが、
いかんせん、ファンやマスコミの支持を得た天龍の勢いは凄まじく、シングルもタッグも連戦連勝。
天龍及び天龍同盟にやられっぱなしの全日本正規軍で、私が頼りにしていたのが、ジャンボ鶴田と今回の主役カブキである。

88年3月、チャンピオン・カーニバル日本武道館大会にて、待望のプロレス初観戦を果たした私は、下記のパンフレットを購入。     


ご覧のとおり、強豪たちの写真に混ざり、カブキの勇姿も下段中央に掲載されている。
ファンなったばかりの私は知らなかったが、カブキの格は、全日では上の方だった様子。
今思うと、マッチメークに不満が残る、この武道館大会についても、いつかブログで語りたい。

ここで、88年の天龍率いる天龍同盟と、対戦相手の主力メンバーを、だいたいの格付け順に記載。
○天龍同盟 天龍、阿修羅・原、サムソン冬木、川田利明
○全日本正規軍 鶴田、谷津嘉章、輪島大士、カブキ、石川敬士、ビッグ・ジョン・テンタ、渕正信、たまにジャイアント馬場 
○決起軍 タイガーマスク、仲野信市、高野俊二、高木功、田上明 ※翌89年に解散
○外国人 スタン・ハンセン、テリー・ゴディ、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シン、ブルーザー・ブロディ(7月に急逝) 
上記以外にも、ラッシャー木村やマイティ井上もいたが、天龍との対戦機会は少なく、小橋健太はまだデビュー直後だった。

正規軍のエース鶴田は、天龍が相手だと、時折凄まじい強さを見せつけるが、それが長続きせず(笑)。
滅多に本気を出さないのが、鶴田の美学であり、魅力のひとつなんだけどね。
一方のカブキは、天龍に共鳴するかのように、激しい攻撃には激しい攻撃で返す。
中でも、顎を的確にとらえるアッパーカットと、顔面に突き刺すトラースキックは、
何度も形勢を逆転した実績があり、観戦している我々も「痛い!」と感じる技であった。


上記のトラースキック画像は、さっきの武道館大会のパンフレットに載っていたもので、
本人紹介画像がこちら。後日サインをいただいた。


「脚光! 俺達ユニーク族!」のキャッチコピーがあり、左隣には、“人間バズーカ砲”の高野が掲載されている。
当時のカブキは、強さや巧さよりも、個性的なキャラが強調されていたようだ。
カブキの存在は、当時は非プロレスファンにも知られており、特に有名な特徴が、
○顔面にペイントをしている ○毒霧を吐くの二点。

ペイントは、歌舞伎調の隈取メイクから、後年はバットマン風など、独自のものに変化。
リング外では当然、素顔で生活している。下記は15年ほど前、ガラケーで撮影したものだ。


先駆者もいたペイントレスラーだが、毒霧はカブキが元祖。赤い霧を噴射した直後に、緑の霧を吐くこともあった。
今気づいたが、の毒霧とは、クリスマスカラーではないか(笑)。

本人に直接、毒霧の正体を質問したことがあったが、「企業秘密だ」の一点張りで、結局教えてもらえなかった。
有名なスポーツライターで、この頃は週刊ゴングでコラムを執筆していた二宮清純さんに、
「カブキさんは控室で、自前の緑茶をよく飲んでいた」と聞いたことがあるが、真相は不明である。

プロレスファンになる前の私は、カブキは個性的というか、色物レスラーのような失礼な認識をしていたこともあり、
天龍との激しい攻防は、正統派の鶴田よりも興奮させられた。今でいう「ギャップ萌え」になる…のかな。
当然、天龍vsカブキのシングルマッチも期待したのだが、当時の全日は、格が近い選手同士は滅多にシングルマッチは組まず、
組まれたとしても、両者リングアウトなどの引き分け決着がお決まりだった。
タッグマッチでも、必ず負け役がひとり混ざっており、いない場合はやはり、不透明決着である。
私が待望していた、鶴田、カブキvs天龍、原という、負け役不在のカードが実現した際も、案の定両リンであった。

そんなある日、試合後の天龍がマイクを握り、「カブキ、こっちに来いよ」と手招きし、天龍同盟に誘ったことがあった。
週刊ゴングによると、天龍は「ジャンボのお守りをしているカブキが気の毒だったから」と語ったそうだが、
常に激しく抵抗するカブキに手を焼き、懐柔しようと企んだのでは? というのは考えすぎか。結局、勧誘アピールはその日限りだった模様。
数年前、カブキに「あのとき、天龍同盟に入ろうと思わなかったんですか?」とたずねたところ、
「そんなことあったっけ?」と記憶になかったようで、「源ちゃんとは戦った方が楽しいし、共闘する気はなかった」と否定。
天龍&カブキのえげつない攻めに、本気で怒る鶴田…なんてシーンも見たかったけどね。

年末には原が解雇され、輪島と石川が引退。顔ぶれは変わったが、翌年以降も天龍同盟と正規軍の対決は続き、
むしろ、日増しに熾烈になり、それと同時に、天龍が明らかに不機嫌になっていく。
それは、カブキの攻撃がキツイからではなく、リングの激闘に対する低評価や、安易なマッチメークが原因らしい。
不満を抱えた結果、天龍は新団体SWSにスカウトされ、全日を離脱してしまう。

一方のカブキも、露骨に態度には出さないため、私は気付かなかったが、待遇面での不満は、やはりあったらしい。
有名な「1試合あたり100円上げてやるよ(=年間で2万円以下)」という馬場社長からの提示は、
1試合で100ドル(=3万6千円の時代もあり)アップも珍しくない、米国で活躍していたカブキにとって、屈辱的な提案だったはずだ。
米国でカブキとしてブレイクした途端に呼び戻し、けれども自分より目立つことを恐れ、CMや取材依頼などを勝手に断り、
さらには試合だけでなく、若手へのコーチ役も務め、団体には貢献してきたはずなのに、給与を出し渋る馬場と妻の元子に、
カブキは長年、不信感を抱き続けていたようで、天龍に「オレもSWSに連れてってくれ」とお願いしている。

本人はその気がなかったかもしれないが、ファンの私としては、タイトル戦線でのカブキも見たかった。
元UNヘビー級王者のカブキと、現王者天龍のタイトルマッチも、東京の会場ならば絶対に生観戦したし、
タッグの名手として、ベルトも狙ってほしかったが、PWFタッグやインタータッグを奪うには、めぼしいパートナーがおらず、
アジアタッグは、高千穂明久名義だった頃に王者だったが(パートナーはサムソン・クツワダ)、
カブキ変身後は格が上がったため、中堅レスラー専用と化した同タイトルには、挑戦機会が与えられなかった。

天龍離脱後、追随し退団するレスラーが続出し、鶴田のパートナーだった谷津も、負傷を理由に退団すると、
全日は突然、PWFとインターを合わせた世界タッグに、鶴田・カブキ組が挑戦することを発表。
「こんなときだけカブキに頼りやがって!」と、馬場社長の遅い決断にあきれた私も、タイトル挑戦は素直に大喜び。
対戦する王者チームは、ゴディとスティーブ・ウィリアムスの殺人魚雷コンビ。テキサスでも対戦経験があり、旧知の仲だったゴディに、
「今度お前と選手権試合だが、わかってるだろうな?」とカブキが脅すと、「イエッサー!」と返答したらしい。
試合は当然、日本組の勝利。カブキ久々のベルト奪取に、拍手喝采したのもつかの間、
その数日後には、キオスクで売っていた東スポに、“全日本プロレス崩壊 カブキも離脱”という見出しが掲載。
半泣き状態で買ってみると、崩壊の下に“危機”の二文字があったが、離脱の下には、“か?”などの否定するマークや単語は見当たらない。
結果、カブキは本当に退団してしまい、全日への興味が一気に失せた。 ※鶴田の新パートナーが田上だったのも腹が立った
最初の方で、「プロレスに夢中だった時期は、88年から90年夏くらいまで」と記したが、
要するに、カブキが全日を去ったことで、私のプロレス愛も、ちょっと冷めてしまったのである。 

突然の退団ついては、2014年に発行の著書「“東洋の神秘” ザ・グレート・カブキ自伝」で本人が明かしているが、


私はそのだいぶ前に、カブキに直接、「失礼な質問かもしれませんが…」と前置きし、恐る恐る理由を聞いていた。
「退団は急ではなく、前から決めていたの。最後に出て行ったのは、源ちゃんとの約束だったから。
何か問題(=離脱者への制裁など。日本プロレス時代にはあった)が起きないよう、オレがしっかり見張ってやるから、ってね」
ちなみに、自伝では「馬場さんにいいしっぺ返しをしてやった」とも語っていた。

※自伝の表3にもサインをもらった

確かに、再契約金を受け取り、タッグベルトも奪取したことで、
「今こそカブキには、吉村道明さんのような存在になってもらいたい」と、
カブキが目標としていた、日本プロレス時代のバイプレーヤーの名前まで出して賞賛した馬場は、
数日後に辞表を出し、契約金も返却してきたカブキに、大きなショックを受けたはずだ。
質問時に僭越ながら、「カブキさん、あのときは私もショックでしたよ」と伝えたのを覚えている。

今、「さん付け」をしたので、ここからは再び、敬称で呼ばせていただく。
日米を股にかけて大活躍した、リング上での功績は素晴らしいカブキさんだが、
リングを降りたあとも、居酒屋を経営し、多くのファンを喜ばせているのは周知のとおり。
飲食店を出している著名人は多いが、実際に本人がお店にいるケースは少ないし、
いたとしても、サインや記念撮影は有料、会話も一切しないという、某レスラーが営むひどい店がある一方、
カブキ店主は、サインも記念撮影も無料で、来客とは一度は必ず乾杯をし、会話も交わせる。
運がよければ、長時間会話ができ、私がしたようなプロレス関連の質問も、快く回答してくれる。

お店は当初、飯田橋で開業し、当時の店名は『串焼き・ちゃんこ かぶき』。場所は、先日紹介した『雲仙楼』の隣だった。

※お店のフェイスブックより拝借

その後、春日に移転し、屋号も『BIG Daddy酒場かぶき うぃずふぁみりぃ』に変更し、現在に至る。


写真の百田光雄さんのように、レスラーの訪問が多いのも、ファンには嬉しい。

※2013年、飯田橋店で撮影

私は会えなかったが、ハンセン氏も何度か来店しており、サイン入りのカウボーイハットを寄贈していったそうで、
客なら誰でも、実際に被って記念撮影もできる。私も当然、撮らせてもらった。


カブキさんには、プロレス界のいろんな話を聞かせていただいたし、中には、目からウロコの新事実もあった。
それも紹介したいところだが、ここまで、かなりの文字数を費やしているため、
印象に残っている質問をいくつか再現することにとどめる。Qが私で、Aがカブキさんだ。
Q 史上最強だと思うレスラーは?
A 間違いなくアンドレ(・ザ・ジャイアント)だね。前田日明との不穏試合? あれもアンドレは本気になっていないよ。
Q それでは、史上最強の日本人レスラーは?
A マサやん(=マサ斎藤)だよ。米国ではタッグも組んだし、ベストタッグパートナーもマサやんだな。
Q 私は、史上最強の日本人レスラーは、ジャンボ鶴田だと思っていたのですが、間違いですか?
A (鼻で笑い、無言)
私は納得していないが(苦笑)、鶴田がなぜダメなのかも詳しく説明してくれたので、それもまた、別の機会に。

ここまでダラダラと綴ってきたが、プロレスラー・カブキについて書きたかったことの半分にも達していないので、いつか続編を書いてみたい。
さらに、居酒屋店主・カブキ、つまり営んでいるお店についても語りたいが、それは次回に回す。
今回は、お料理をひとつだけ紹介。鶏の照り焼きを、テキサスの荒馬兄弟風に変名した「ドリーテリー焼き」。


商品名だけでなく、味も楽しめる、商品の数々を紹介するので、乞うご期待。



ザ・グレート・カブキ
本名:米良明久 ニックネーム:東洋の神秘
全盛期の公称サイズ:身長184cm、体重110kg
主なタイトル歴:UNヘビー、世界タッグ、アジアタッグ他
得意技:トラースキック、フィストドロップ、毒霧攻撃など
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本当に硬い、けれどもウマい「吉田のうどん」 富士見台『手打ちうどん力丸』 

2023年12月19日 | そば、うどん
ちょっと前に、「メンドくさいコメントは送ってこないでくれ」と記したのに、
つい先日、よりによって私が蛇蝎のごとく嫌っている、食べロガーがコメントをよこしやがった。
該当記事にも、食べログの不満が連ねてあるのに、わざわざ「食べログをやっている○○です」なんて名乗ってやがる。
飲食店の迷惑を考慮せず、空気を読まず、読解力もない、バカで無礼で非常識な食べロガーらしい投稿である。
私よりだいぶ年長のようだが、会ったこともない人間にこんな自己紹介をするなんて、いいトシして恥ずかしくねえのか。
私の感覚では、「闇バイトの指示役やってる○○です」や、「痴漢・盗撮マニアの○○です」と同レベルだけどなあ。
無視してもよかったが、今後一切かかわりたくないので、「2度と来ないでください」と返信した。

不愉快な書き出しで申しわけなかったが、今回のテーマは西武線富士見台駅にある、『手打ちうどん力丸』である。
山梨県の富士吉田市の名物で、“日本一硬いうどん”と称される、「吉田のうどん」を提供しているそうで、
以前からお店の存在は知っていたが、富士見台はそこそこ遠いので、なかなか訪問の機会がなかった。
ところが先日、お店のとある方針を知り、熱烈に応援したくなり、その日の夜にさっそく訪問。


店内はカウンター席とテーブル席がふたつ。気さくなご夫婦に、カウンター席へ案内される。
うどんの前に軽く飲みたくて、「ビール」550円と、「かき揚げ」200円に「牛すじこんにゃく煮込み」500円を注文。
こちらが卓上のメニュー。冷たいうどんに、ドリンク&おつまみ類。


裏側は温かいうどん。「かつカレーうどん」のような珍しい商品もある。


さらに壁には、限定メニューや新商品などが掲示されている。


まずはサッポロの中瓶が、きんぴらのお通しと一緒にやってきた。


女将さんから「よろしかったら、すりだねをお使いください」の説明を受けたので、そのとおりにしてみた。


すりだねとは、吉田のうどんの辛口薬味で、こちらのお店では唐辛子、山椒、魚粉などを混ぜて作っているそうだ。
『ホープ軒』の唐華のようなモノかと思ったが、口にしてみると、辛さの中にも旨味、そして柑橘系のような爽やかさがある。
後日、女将さんにたずねたら、「陳皮も入っています」とのことで、うどん以外にも合いそうだ。
「麺が硬い」と「すりだね使用」以外に、吉田のうどんの特徴を簡単に挙げると、
○椎茸や煮干しで出汁をとる ○調味料は醤油ベースで、味噌も使う ○具材は茹でキャベツや馬肉
もちろん、出汁や具材はお店によって異なるし、ここ力丸さんでは、馬肉は使っていない。
あともうひとつ、○吉田うどんではなく、吉田「の」うどんが正しい…らしい。

ハナシは戻って。ビールを飲んでいたら、「お好みで出汁醤油もお使いください」という説明とともに、かき揚げが到着。


女将さんの丁寧な説明に感謝しつつ、まずはそのまま食べて、あとから醤油を少しだけ垂らして食べた。
続いて、うどんのおツユで炊いた、牛すじこんにゃく煮込みも登場。


ネギの下には、牛すじ肉やこんにゃくに野菜も。こんにゃくは薄切りで、ちょっと尖っていた。


とにかく、ベースのうどん出汁に牛すじの旨味が溶け込んだツユがウマくて、かき揚げも浸してしまった。
ビールを2本飲み終え、シメのお食事を頼むことに。壁の注意書きによると、


「硬い麺が苦手な方は温かいメニューや熱盛をお勧め」らしいので、「かけうどん」200g600円をオーダー。
茹で時間はそれほど長くなく、予想より早くかけうどんが登場。


ツユは吉田のうどんベースで、味噌を使用しているようだが、塩分はきつくない。
そしてうどんは、太く四角く、そして硬い、評判どおりのゴツゴツ麺!


いざ噛みしめると、小麦の甘味が口の中に広がり、甘じょっばいツユと合わさり、めちゃくちゃウマい。
途中で、卓上のすりだねと揚げ玉を投入し、麺を食べ終えツユを飲み干す…直前でストップ。
理由は、満腹になる前にもう一杯食べたくなったからである。

今度は壁のメニューから、「肉汁背油うどん」300g1150円を選択。冷たい麺は硬そうなので、熱盛でお願いした。
完成品がこちら。“背油の海にダイブ! ほぼラーメン!”というキャッチコピーどおり、確かにラーメン店のつけ麺みたいだ。


つけダレは、味噌を使わない武蔵野うどんベースらしいが、背油が多すぎてよくわからない(笑)。


麺には海苔とネギの他、私の大好きな味玉と角煮も盛られていた。すりだねも振りかけ、食べ始める。


熱盛とはいえ、やっぱり硬いうどんを、つけダレにドボンと投入。救い上げると背油がたっぷり絡んでいた。


背油独特のワイルドな味わいと、小麦のやさしい甘味が対照的で、なかなか面白いテイストである。
味玉はしっかり煮込まれた半熟で、豚角煮もとろけるタイプではなく歯応えあり。麺と同様、具材も硬めである。


満腹中枢が働く前に食べ終えたいのだが、いかんせん麺が硬く太いため、咀嚼に時間がかかる。
それでも、具材も300グラムの麺もしっかりたいらげた。食後の達成感は相当なもので、心の中でガッツポーズ。
蕎麦湯代わりに、女将さんが出汁入りのやかんを持ってきてくれたが、背油ツユを飲み干すのは、さすがの私もためらってしまった。


ここまで触れなかった、私がこちらのお店を応援する気になった方針とは、さっきの壁メニュー画像でお気づきかもしれないが、
力丸さんは、食べログへの投稿を一切禁止している、【食べログお断りのお店】なのである!


反食べロガーの私としては、拍手喝采したいが、飲食店の立場でこのような貼り紙を掲示するのは、抵抗もあったはず。
お店に掲載拒否権がなく、投稿する食べロガーの大半が、無知で無責任な素人、という現状のシステムは、絶対におかしいが、
月間19億7868万PV(23年9月、食べログ調べ)という巨大サイトに逆らうのは、勇気が必要だったことだろう。
お店のツイッター(現X)では、「飲食店が匿名投稿で苦しむ現状を何とかしたい」と訴えており、
自店だけでなく、他店への批判にも心を痛めているようだ。
会計時、店主とは話せなかったが、女将さんに「食べログお断り、大賛成です。これからも頑張ってください」と伝えて退店した。

なお、お店が食べログ投稿を禁止したのは、22年の1月だが、以降もバカどもの投稿は続いており、
冒頭で触れた、私に「食べログをやっている○○です」と自己紹介したヤツも、しっかり力丸さんに投稿していた。
お店のルールを守れないヤツらが、偉そうに批評・点数評価をするなんて、笑止千万である。
どうせ、「自分以外も投稿してるからいいだろ」と無視しているのだろうが、そのような「他人もやってる」という甘えた考えは、
うっかり闇バイトに手を出したり、痴漢や盗撮をする犯罪者と同等で…これ、さっきも書いたな。
とにかく、食べロガーは犯罪予備軍であり、今すぐ抹殺すべき危険な存在である! って、この思想も危険だな。

閑話休題、初訪問から数日後、再び力丸さんのうどんを食べに富士見台へ。
この日はビールと「ちくわ天」150円に、おつまみにもなりそうな、平日限定の「プルプルホルモンうどん」200グラム1000円を注文。
まずはビール、そして青海苔の模様が美しい竹輪天が登場。


数分後にはホルモンうどんも完成。壁に貼ってある見本の写真よりツユだくであった。


前回撮り忘れた、横アングルも撮影。右側の容器は、「追いニンニク用」のおろしニンニクである。


具材はモツ、キャベツ、ニラ、ネギ、ニンニクチップ、鷹の爪など。“ほぼもつ鍋!”というキャッチコピーが秀逸だ。


竹輪天やモツでビールを飲んでいくが、太くて四角くて硬いうどんも、意外とツマミになる。
噛みしめると広がる小麦の甘味が、だんだんクセになってきたようだ。
2本目のビールを飲み終え、ホルモンうどんも食べ終えたが、この日も2杯目に挑む。
選択したのは、お店メニューに“吉田のうどん定番”と記されており、もっとも硬いらしい「冷やしうどん」の200g700円。
数分後、最初から冷たい出汁がかかっている、ぶっかけスタイルのうどんが登場。


写真ではわからないだろうが、茹で上げ後に冷水で絞められたうどんは、いざ噛みしめると、
硬い! と最大フォントで表示したくなる、今まで食べた温かいうどんとは、ケタ違いのハードさ。
硬さを例えるならば、雪印の「さけるチーズ」か。ただし、チーズは裂けば細くなり食べやすくなるが、
うどんを裂くのは難しい。というか、裂き始めたら店主夫妻や周囲から怪しまれる。
すりだねをかけてみたが、もちろん、麺が柔らかくなる効用はない。


具材のキャベツやわかめと一緒に、気合を入れてうどんを噛み、時間はかかったが、どうにかたいらげた。
会計時、女将さんと少し会話し(すりだねの陳皮のこととか)、「また来ます」と告げて退散。

入口ドアにも、食べログお断りのステッカーが貼ってあった。投稿した食べロガーよ、「気づかなかった」なんてウソつくなよ。


このステッカーが、自家製なのかは聞きそびれたが、他の店舗でも見られるようになってほしい。

反食べログという主義だけでなく、女将さんの素晴らしい接客や、店主が作る個性的でウマいうどんに、すっかり魅了されてしまった私。
これからも、うどんを全力で噛みしめると同時に、力丸さんを全力で応援していくつもりである。



手打ちうどん力丸
東京都練馬区富士見台2-18-9
西武池袋線富士見台駅から徒歩約3分、中村橋駅や、西武新宿線下井草駅からも歩ける
営業時間 11時~15時、17時~21時 20時ラストオーダー
定休日 木曜、年末年始など
※詳細はお店のHPでご確認を



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高円寺『赤天』、現店舗での営業は2023年で終了!

2023年12月11日 | 餃子
今年もあとわずかという時期に、とんでもないニュースが入ってきた。
餃子愛好家の私が、日本一好きな餃子屋さん、高円寺の『赤天』が、今月一杯で店を閉めるそうなのだ。

ひとまず、TV・雑誌などあらゆる媒体の取材を受けないため、知らない方も多いと思われる赤天さんについて、簡単に説明。
接ブログでも2017年8月に紹介し、その後も何度か触れているが、お店の主な特徴は、
○メニューは餃子と瓶ビールだけ ○1人前6個で注文は2人前から ○店内はカウンター5席のみ
○席数が少ないので持ち帰り客が多い ○自家製の味噌ダレが絶品 ○営業時間は夜の2時間半程度
○国産の肉と野菜を使用した餃子は、軽く美味しく、何個でも食べられる

餃子のウマさもさることながら、一見寡黙だが、実は話好きのマスターとの会話を目当てに、通っている常連客も多い。
私が初めて訪れたのは、たぶん21世紀初頭。当時は、餃子1人前は7個で210円。ビールが480円なので、2人前+ビールが900円であった。

現在もたびたび足を運んでおり、何枚か撮影もしたので、以下で画像を掲載していく。
こちらは、2019年6月の訪問時。ブログ紹介時、店頭画像は商店街のHPから拝借していたので、今度は自分で撮影。


そのときは、まず2人前注文し、ペロリとたいらげたあと、


ビールと1人前をお替わり。注文は2人前からなので、3人前や5人前の注文も可能だ。


年が明けると、コロナ禍により飲食店での食事が禁止され、赤天さんもやむなく、テイクアウトのみの営業に。


過去にも何度か利用しているお持ち帰り餃子だが、やはりマスターが焼いた方が断然美味しい。


その後も、自粛要請やマスターの家庭の事情などが重なり、赤天餃子とは1年以上ご無沙汰。
2021年10月に、ようやく店内営業が再開。このとき記したように、マスターが焼いた餃子を久々に食べたら、感動して涙が出た。
無駄に長い人生で、いろんな料理を口にしてきた私だが、泣いたのはここ赤天だけである。

その後、餃子とビールの価格が少しだけ上がったが、


いつものように餃子&ビールを楽しむ。写真は3人前だが、この日はちょっと、クリスピーな仕上がり。


そして今年に入り、数ヶ月前に訪問した際、下記の価格に変更されていた。


大手チェーンの『餃子の王将』は、現在1人前319円(東日本価格)。20年前からずっと、赤天の方が少しだけ安い。

ここで冒頭に戻るが、赤天閉店の情報を知ったのが、つい先日。
師走の多忙な時期(←本当か?)であったが、真偽を確かめるべく、昨夜お店に行ってきた。
開店直後だったので、先客がふたり。その後すぐに満席になったので、タイミングがよかった。
とりあえず、閉店の話題には触れずに着席。最近は、自動的にビールが出てきて、餃子も準備される。
サッポロの赤星を飲んでいる間に、餃子2人前が焼き上がった。
味噌主体のタレ、びんビール、そして餃子2人前。これぞ私が、長年愛してきた「赤天セット」である


改めて餃子だけアップ。中の具材はもちろん、皮も自家製だ。


熱々の餃子をタレにたっぷり浸し、次の餃子にも付けながら、口に放り込む。


こうすると、次の餃子はタレでやや冷めるため、猫舌の私でも安心して食べられる。
中身の具材は、キャベツと豚ひき肉がベース。ニンニクも入っているが、臭みは少ないため、女性客にも好評だ。


すぐにビールが空き、餃子もさらに2人前追加。赤天餃子は美味しいので、2人前だけで帰るのはもったいない。
この間、テイクアウトの注文もたくさん入っているので、焼けるのに時間がかかったが、その間はビール片手に、マスターと会話。

彼の方から打ち明けてくれたのだが、やはり、赤天の年内閉店は事実
ただし、大家から立ち退きを命じられてのやむを得ない閉店で、マスターはまだまだ引退する気はない模様。
つまり、現店舗での営業は年内までだが、赤天は別の場所で継続するそうなので、ひと安心だ。
ただ、マスターは現在のような小さい店舗、そして高円寺での営業を望んでいるようで、なかなか物件が見つからないらしい。
私も、今の狭いお店、言い換えれば、入客数が限られた密集空間が醸し出す居心地の良さも、赤天の魅力のひとつだと考えている。
「どこで再開しても、通い続けますよ!」と告げた数分後、2度目の餃子が焼き上がったので、3本目のビールと一緒にパクついていく。


ところで、この日相席したお客さんの中に、初対面の方がふたりいた。
ひとりは、マスターとは昔からの顔なじみらしい、「サイトーさん」と呼ばれる若い男性。
あとから来た知人女性によると、「すっごい有名な方」らしいが、いかんせん世間知らずの私には、誰だかわからず。
マサ斎藤かヒロ斎藤、あるいは齊藤明雄だったらわかったのに…あ、斉藤清六もわかるぞ。 ※敬称略失礼
そのサイトーさんの肩書き(たとえば歌手とか)は書けないが 帰宅後に調べたら、本当に有名人だった。
かつてはカンニング竹山さんも来店したことがあるようで、赤天のファン層の広さに驚かされる。

そしてもうひとりの初対面の方が、マスターの息子さん。まさしく、親父さんが若返ったような風貌であった。
高円寺ではよく飲み歩いているそうで、赤天の高円寺での継続営業を、マスターに推奨したのも息子さんらしい。
雑談中私が、「赤天の開業は1981年ですよね」とたずねたら、息子さんは「もっと前から、ここ高円寺でやっているはずです」と証言。
1981年説は、確かマスターに聞いたはずなので、本人に確認したところ、「昔のことだから覚えていない」だって(笑)。
今さらながら、高円寺赤天は50年近い歴史を誇っていたことが判明。なおさら、閉店による移転が惜しまれる。
2度目の餃子を食べ終え、3本目のビールを飲み終えたところでお会計。


帰り際、息子さんに対し、自分が餃子好きであること、全国の餃子店を巡っていること、
そして、「赤天が世界一好きな餃子店であること」を告げた。マスターに面と向かっていうのは、ちょっと恥ずかしいからね。
次の店舗は、曜日によっては息子さんも手伝うと聞いたので、
「私のように、ここの餃子を愛しているファンは大勢いますので、どうか今後もよろしくお願いします」と頭を下げてから、お店をあとにした。
ちなみに、持ち帰り生餃子も購入しておいたので、今から自宅で晩酌をするつもりだ。

※運び方が悪く、形が崩れてしまった

繰り返しになるが、赤天の現店舗営業は、2023年12月一杯で終了。
マスターの「24日ぐらいまでかな…」という発言を、息子さんが「もっとやれ」と却下したので、昨日10日の時点では最終日は未定。
いずれにしても、現店舗での営業は残りわずか。ファンの皆さんもそうでない方も、
店内での焼き立て餃子&ビールを、味わっておいた方がいいよ!



赤天 ※現店舗のデータです
東京都杉並区高円寺北2-41-16
高円寺駅から徒歩約8分
営業時間 18時半~21時 最近は19時頃開店? 売り切れによる早じまいあり
定休日 水曜、年末年始
※席数が限られているので、大人数での訪問は控えましょう
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飯田橋『雲仙楼』の食べ飲み放題は素晴らしい!

2023年12月07日 | 中華食堂
コロナ禍前、飯田橋エリアでたまに働いていた私が、ランチで利用していたお店『雲仙楼』
長崎県の地名である「雲仙」が屋号にあるように、メインはちゃんぽん・皿うどんのはずなのだが、
ラーメン、チャーハンはもちろん、カレー、ハンバーグ、スパゲティなどなど、長崎はおろか、中華とも無関係の商品も多数存在する。
下記は、2019年8月にランチで食べた商品。レンゲもあり、スタ丼のような料理だと思うだろうが、


実は、お店オリジナルの「汁なしスタミナラーメン」850円だったりする。肉野菜&卵黄と麺は、当然好相性。


以前、メニューが豊富すぎる店として紹介した際、「総数は300を超える」「しかも、いまだに増え続けている模様」と記したが、
昨年、某TV番組で紹介された際は、「400以上」とやはり増えていた。

コロナも収まり、通常営業が再開されたようなので、閉業直前の人気ラーメン店『びぜん亭』で食べた帰りに寄ってみたところ、
17時半を過ぎ、営業時間中のはずなのに、「準備中」の札が出ており、店内も暗いまま。


後日、久々に食事がしたくて、予約の電話を入れたところ、「夜は17時からで、準備中の札が出てても入ってきていいよ」だって(苦笑)。
予約当日、飲み仲間とふたりで訪問。4年ぶりの入店だが、店内メニュー札が相変わらず多く、圧倒される。

※会計直前に撮影

お目当ては、前回紹介時に予告していた、「3時間飲み放題食べ放題 3300円」
こちらのコースは、ドリンクは下記画像メニューからの選択だが、フードは「何食べてもOKです」の太っ腹なサービス。


まずは「生ビール」250円(※タイムサービス)をお願いしたら、店主に「ピッチャーでいい?」と聞かれ、もちろん承諾。
早い時間帯は、調理も配膳も店主ひとりのため、ドリンクの頻繁な注文は控えるべし。
ピッチャービール(写真なし)を飲み終え、ウーロンハイ250円(同)を頼んだら、焼酎とウーロン茶がまとめてやってきた。


この方が店主も楽だし、我々も好みの濃さで飲めるので、ありがたいよ。

せっかくなので、お料理もガンガン頼む。卓上に紙とペンがあり、希望メニューを記してから店主に渡す。
以下で、この日オーダーした料理を、順番に羅列していく。どの料理も、ふたりで食べてもじゅうぶん足りる量である。
なお、各料理の価格はメモってなかったので、世話になるのはシャクだが、食べログの投稿画像を参考にした。

まずは、私の大好物であるKTI=「木くらげ玉子炒め」。定食は900円で、単品価格は不明だが…


友人が頼んだ「マーボーはるさめ」は、定食900円・単品700円らしいので、上記KTIも、単品は200円引きと仮定(下記商品も)。


非中華メニューの「ハンバーグ」は、ケチャップ主体のとろみがあるソースがかかった、巨大なサイズで推定600円。


玉ねぎなどのつなぎはなく、ほぼ豚肉。失礼ながら、業務用の商品かと予想していたので、自家製が出てきてうれしい。


この後も、いろんなメニューを食べたが、雲仙楼さんの料理は、ほぼ自家製である。
再び中華メニューに戻り、「餃子」400円を注文も、品切れとのことで「春巻き」に変更。
価格は1本100円で、本数は指定しなかったが、ふたりなので2本出てきた。


こちらは、中華の定番ながら、以前はなかったと記憶している「エビチリ」800円。


食事系メニューも頼んでおり、友人が注文した「チャーハン」700円は、パラパラとしっとりの中間くらいの仕上がり。


私も、お食事を2品オーダー。ひとつは、すぐ目の前の壁に掲示されていた、新メニュー「マーボー日本そば」850円。


完成した、日中合作麺料理がこちら。


以前、同額の「マーボー焼きそば」は食べたことがあったが、日本そばと麻婆豆腐の組み合わせは面白い。


もう一品は、以前から「中華屋なのに、なぜあるんだ?」と不思議だった、「玉子サンド」600円。
しばらくすると、店主は厨房から飛び出し店の外へ。数分後には、食パンを抱えて戻ってきた!
どうやら、近所のコンビニで購入したようだが、ひとり営業だし、在庫がなければ品切れでもよかったのに…というか、
コンビニでパンを買うなら、玉子サンドそのものを買ってきてもいいのだが、それは店主の職人魂が許さないのだろう。
数分後に完成した、玉子サンドがこちら。茹で玉子ではなく、炒めたものを刻み、マヨを和えたと思われる。


店主の職人魂に感激しつつ、玉子サンドを全部たいらげたところで、ちょうど3時間がたち、「ごちそうさまでした」。
20時になり、おばちゃん店員(店主の奥さん?)が手伝いにきたので、お会計をお願いした。
これだけ食べて、しかもビールやウーハイもしこたま飲んだのに、価格はやはり、ひとり3300円!
私も友人も、大満足かつ大満腹(←変な日本語)で、二次会に行くことはなく、その日は解散となった。

オーダーバイキング形式で熱々料理が味わえる、雲仙楼さんの素晴らしい食べ飲み放題を求め、数ヶ月後には別の友人と再訪。
今回も、ドリンクはビールからスタートし、あとはウーロンハイの予定だったが、他にもいろいろ用意してもらえた。


この日は、同じ時間帯に別の団体客もいたため、ウーロン茶やホッピー用の栓抜きなどを、互いに使いまわした。

以下で注文した料理を掲載していくが、2度目はちゃんと、価格も記録しておいた。
最初に提供されたのは、「レバ塩」700円。レバーの塩風味ソテーだったが、うっかり画像を消してしまった。
続いては、牛丼好きの私が熱望した「牛皿」。700円と記された貼り紙と、900円の貼り紙双方が存在する。
実際の商品は、吉野家の「牛皿」特盛よりも多い量が大皿に盛られており、900円でも安い!


牛丼の次はかつ丼のアタマ…というわけではないが、「かつ煮」700円も注文したら、やはり大皿で登場。


そういえば、コロナ前にひとりで飲みに来たとき、食べ放題について店主にたずねたとき、
「いろいろな料理を食べられるよう、普通より少なめに作るよ」と聞いたのだが、全然少なくないね
ちゃんぽん店なのに、なぜか昔からある「もつ煮」600円も、


居酒屋の容器の倍以上はある、「小ちゃんぽん」用の丼に、たっぶり注がれ登場。


ラーメンなどにも使う、中華スープで作ったのか、一般的な煮込みよりコクがあった。

少しお腹いっぱいになってきたので、しばし休憩とばかりに、テーブルの下をあさる。
前回紹介したように、女性週刊誌が大半で、たまに「松坂慶子写真集」などが混ざっているのだが、
この日座った場所では、小柳ルミ子のヌード写真集を発見! ハンバーグやかつ煮もそうだけど、なぜちゃんぽん屋にあるんだ(笑)。


休憩後、再びオーダーを再開。「チンジャオロース」の単品、推定750円で酒を飲み、そろそろシメに。


友人の注文は、私が過去に食べたことのある「小ちゃんぽん」850円。


ひと口もらったが、九州の醤油由来と思われる、甘口スープの優しい味わいは健在。
私が頼んだのは、水餃子が品切れだったので、同タイプの「ワンタン」600円。


個数は数え忘れたが、ワンタンにはちゃんとお肉が入っており、そういえば口にするのは初めてだった、醬油味のスープもウマかった。
さらに、友人がご飯ものも欲したため、これまた新メニューの「柚子胡椒チャーハン」750円を追加。


名前のとおり、柚子胡椒を使ったチャーハンだが、ピリ辛風味で結構イケる。他の中華屋さんでもやってほしい。
ちょうど食べ終えるころ、おばちゃん店員がやってきた=20時になったのでタイムアップ。
この日も当然、大満足&大満腹だったので仕方がないが、個人的に狙っていた、
新メニューの「バナナホットケーキ」700円にたどり着けず残念。繰り返しになるが、なぜちゃんぽん屋にあるんだ(笑)。


それにしても、「八丁味噌ピリ辛ナス炒め」と「バナナホットケーキ」、さらには「オムナポリタン」に「ケチャップチャーハン」などが、
横並びに掲示されているお店が、他にあるだろうか(たぶん、ない)。

さっきも書いたが、この日は我々以外にも、飲み客が多数おり、20時になっても店内は混雑。
コロナ前は20時半までの営業だったはずだが、店主曰く「今は0時までやってる」らしい!
最初の方でチラッと触れた、某番組の取材では、「メニュー以外の料理も、頼めば作ってくれる」と紹介していた。
可能ならば、次回はハヤシライスを提供してほしいが…ただでさえ忙しい店主を困らせちゃダメだよね。
大満足&大満腹コース…という私考案のダサいネーミングはさておき、食べ飲み放題は今後も利用するので、
雲仙楼の店主&おばちゃん、どうか無理せず営業を続けてください!



雲仙楼
東京都文京区後楽2-3-17
JR飯田橋駅東口から徒歩約3分
営業時間 月~金 11時~14時半、17時~0時 土曜は昼のみ
定休日 日、祝、年末年始

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洋食各種を安価でコンプリート! 北府中『キッチンきねや』

2023年12月02日 | 洋食屋さん
【日本人の好きな洋食メニュー十傑】に入ると思われる、カレー、クリームコロッケ、ハンバーグ、オムレツを、
令和の時代にもかかわらず、千円ですべて食べられるお店がある。
そのお店の名は『キッチンきねや』このときに文末で触れた、「府中市の個人経営の名店」のひとつである。
住所は府中市だが、府中、北府中、国分寺の各駅の間にあり、どの駅からも結構距離がある。
歩いてみたところ、少しだけ国分寺駅が近いようだが、国分寺街道は道幅が狭い割には交通量が多くおっかないので、
北府中駅からの美術館通りから左折、右折、左折するルートを推奨する。なので、今回タイトルの最寄り駅も北府中にした。

初回は、上記ルートを利用しディナータイムに訪問。こんな外観写真しか撮れなくてゴメン。


店内はカウンター席と、奥にテーブル席がふたつ。接客担当のおばちゃんに案内され、カウンター席に座る。
常連らしい先客が、缶のハイボールを飲んでいたので、私も遠慮なく「生ビール(中ジョッキ)」500円を注文。
銘柄はサッポロで、その後、無料お通しの枝豆も出てきた。 ※画像のビールは飲みかけ


続いて、お料理のオーダー。前もって調べておいた、冒頭の4種セットにするつもりだったが、オムレツをエビフライ&玉子焼きに変更。
調理担当のおじちゃんから「たまご焼き(←お店の表記)はないが目玉焼きなら出せる」とのことなので、同価格の目玉焼きに変更。
先客の酩酊おじさんが、「なんで玉子焼きはダメなんだ?」と問いかけたところ、おじちゃんは「出汁とかいろいろメンドーなんだよ」だって(笑)。
若い店員たちが、「どうする?」「メンドくせえから断れ」などと囁いているのが聞こえたら不愉快だが(立川の某串カツ店で経験済み)、
年長者の明朗かつ正直な告白には腹も立たず、むしろ「ですよね」と納得してしまった。
そもそも、冒頭でも明かしたように、私が注文した料理は、5品合わせて千円ポッキリなのである。

ここで、お店のメニュー表を紹介。左側は、定食やカレーライスなど。


右側は定食の他、ドリンクや一品料理も記載されている。


個人的に気になったのが、「CASH ONLY」の下の※現金をお持ちでない場合はお申し出てください。の一文。


カードしか持っていない客に対してのメッセージだと思うが、ひょっとしたら、以前『餃子の王将』のどこかの店舗で実施していた、
「金欠の客は、1時間皿洗いで食事提供」のようなサービスをやっていたりして。私もいつかお世話になるかも(苦笑)。

メニューは他にもあり、壁のボードには、50円から頼める単品が多数。私が注文した5品も、ボードの商品ばかりである。


「ハンバーグ定食にクリームコロッケ1個だけ追加」のような注文は、不可能な洋食店が意外と多いし、可能でも高かったりする。
こちらのお店のように、多彩な料理の追加を、安価で引き受けてくれるお店は貴重だよ。

さて、私が厳選した【千円フルコース】は、最初に「目玉焼き」200円が登場し、


続いて「ハンバーグ」300円がやってきた。未着の料理もあるが、温かいうちに食べよう。


お肉主体だけど肉臭さはなく、柔らかな歯触りで、見た目どおりの家庭的な味わい。


さっきの目玉焼きを半分乗せて、エッグバーグにしてみた。


数分後、「エビフライ」と「クリームコロッケ」各200円が揚がり、


さらに「ちょいがけルーだけ! カレー」100円も提供された。「カレーライス」600円じゃないけど許して。


以上、一部食べかけだけど、厳選千円フルコースが揃った! 


使い古された表現だが、クリームコロッケはとろ~り濃厚で、エビフライはぷりぷり食感。


付け合わせのタルタルや卓上のソース、さらには、カレーソースも使ってみた。


なお、キッチンきねやさんは醤油や辛子の他、洋食店では珍しい納豆のタレなども用意されている。


ビールが空いたので、「ウーロンハイ」400円に変更し、ガツガツと食べ進める。


ガキの頃から大好きだった食べ物ばかりを、たった千円で味わえるとは、本当にありがたい。

ちょうどその頃、調理を終えたおじちゃんが厨房から出てきて、店内の先述の常連客と会話を始めた。
料理の味だけでなく、お店の雰囲気もアットホームである。
途中で警察の不手際に話題が変わり、地元警官への批判が盛んになったところ、常連客が急に私に向かって、
「アンタまさか警察関係者じゃあないよね?」と確認してきたので、「私はむしろ、警察に追われる側ですよ」(←正直)と否定。
冗談とはいえ、私を関係者と間違えるということは、府中署は人相の悪い警官が多いのかも(笑)。

先客が退店し、私もウーハイを飲み終えたところで、シメのお食事を頼むことに。
選んだのは、「日本人の好きな洋食十傑」に入るかは微妙だが、私が今年、急にファンになった「ハヤシライス」だ。
まずは、ドレッシングで和えた生野菜サラダがやってくる。


さらにお漬物と味噌汁に、メインのハヤシライスが提供される。全部合わせて600円と、やっぱり安い。


ハヤシライスだけ改めてアップ。安価だけどしっかり量があり、飲み食いしたあとだとツラい(苦笑)。


味は、クセのないオーソドックス・ハヤシ。半分残っていた目玉焼きを乗せたり、


調味料同様、食堂のように充実している卓上アイテムから、


「のりたま」ふりかけを使ってみたが、ハヤシとの相性はよろしくなかった。残念。


ややしょっぱめの味噌汁も飲み干し、すっかりお腹一杯になったところで「ごちそうさまです」。
会計時、おじちゃん店主に定休日をたずねたところ、「特にないです」だって。すげえ!
では、近いうちにまた来ます、と告げてから退散。美味しい料理と温かいおもてなしのお陰で、帰路も寒さを感じなかった。

2度目の訪問はつい先日。「レモンサワー」400円を頼んだら、枝豆と一緒に「これサービス」と、エビフライまでいただいてしまった。


この日注文したのは、前回エビフライと玉子焼きに変更した、「オムレツ」400円と、「カキフライ」200円×2個。
まずはカキフライが登場。小さめサイズを2個並べて揚げたような形状だ。


たっぷりのタルタルソースは、しつこくなく、レモン汁も振りかけながら食べた。
続いて、オムレツが焼きあがる。単品ハンバーグより高い分、付属のサラダも多め。


こちらのお店は、全体的に味付けは控えめな印象だったが、このオムレツは塩分とバターをしっかり感じた。
ハシの使い方が下手で、いい写真が撮れなかったが、中身はしっかり固まった半熟仕様。


元々、玉子好きである私だが、キッチンきねやさんで一番気に入ったのはオムレツかも。

お替わりしたレモンサワーも飲み終え、料理を食べ終えたところでこの日のシメ。
壁のホワイトボードに載っていた、お店唯一のスパゲティメニュー「ナポリタン」700円と、
「ポークカツ」単品300円を同時に頼み、「とんかつナポリタン」にして食べること。
まずはポークカツが揚がる。厚みのあるお肉が全部で9切れと、300円では申しわけないクオリティ。


ひと切れかじると、ラードの旨味が広がる。激安価格だけど、手抜きがないのはさすが。
直後にナポリタンも完成。食べログなどの画像も見たけれど、食事メニューは、意外と量が多い模様。


具材は人参、ピーマン、玉ねぎに、鶏肉、ウインナー、ベーコンと、お肉が3種も入っていて、なかなかボリューミー。
ケチャップの味付けはちょうど良く、洋食屋さんなのに、勢いよくズルズルと音を立ててすすってしまった。
さっき書いたように、途中でとんかつナポリタンにしてみた。以前ここで食べた、オムレツやハンバーグのナポリタンも試したい。


すべて食べ終え、またしても満腹になったところでお会計を済ませ、少しだけおじちゃん店主とお話しした。
壁に「開店おめでとう」という知人か親族らしき方からのメッセージが貼ってあり、日付は2009年になっている。
開店した09年から、全然値上げしてないのでは? とたずねたところ、「そうだね、全然変わってないよ」。
安すぎませんか? という問いには、「確かに儲けはないけど、安い分、何度も来てくれる人もいるから」と、気にしていない様子。
最後に、オムレツが特に美味しかったことを告げ、味が濃厚に感じたのですが、チーズか何か加えているのですか? という質問には、
「いや、塩とバターだけだよ」と即答。ああ、バカ舌なのがバレてしまった!
たぶん、赤面していた私に対し、「まあ、いろいろ入っているように思わせるのが、腕の見せ所だよ」と、
誇らしげに語るおじちゃん店主に、「おみそれしました!」とばかりに最敬礼し、お店をあとにした。

2度の訪問で私が頼んだのは、洋食の主要メニューであるカレー(ライスなし)、ハンバーグ、エビフライ、クリームコロッケ、目玉焼き、
オムレツ、カキフライ2個、ポークカツ、ハヤシライスにナポリタン、それに付属のサラダや味噌汁。
これだけ食べて、3400円で済むお店はなかなかないでしょ。

鉄道駅からのアクセスはよろしくないが(※バス停はある)、近隣の人々に愛されているキッチンきねやさん。
このような、知る人ぞ知る名店と思われる飲食店が、府中市にはまだまだあるようなので、今後も探索していきたいと思う。
理想は当然、こちらのような、安くてウマくて心温まるお店である。



キッチンきねや
東京都府中市新町1-67-8
JR国分寺駅から徒歩約24分、北府中から約25分、京王線府中駅からも同じくらいか
営業時間 11時から15時、17時~21時、ラストオーダー20時
定休日 お盆と年末年始以外は基本無休
※お店近くに駐車場3台分あり
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