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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

街の変遷を見守り続けて90余年 立川『四つ角飯店』-前編-

2020年04月15日 | 中華食堂
近年、市外在住の方から「立川、ずいぶん変わったね」「きれいになった」と、よく言われる。
確かに、JR立川駅の周辺は、以前と比べると大幅な変貌を遂げた。
改札を出れば、「ペディストリアンデッキ」とかいう大きな歩道ができ、巨大なアーチまで建設され、
駅の真横にはモノレールが走る、近未来都市的(←陳腐な表現)な光景が広がっている。
エスカレーターやエレベーターを降りた先には、新たなビルや施設ができ、居酒屋や飲食店などが入った。

私がガキの頃はまだ、駅周辺はごちゃついていて、時折いかがわしい人間も闊歩しており、
小学校の先生にも、駅には近寄らないよう指導されていたが、今考えると、その原因は立川競輪だよな(苦笑)。
ただ、そのごちゃついた商店街の中には、市民に愛されたお菓子屋さんやトンカツ店などもあったのだが、
それらは「駅前開発」の名目で、大部分が立ち退きを強いられ、街から姿を消した。
替わって入ったのが、先述した居酒屋や飲食店だが、それらのほとんどはチェーン店。
周囲もパチンコ店、ドラッグストア、コンビニで固められ、正直つまらない街に生まれ変わってしまった。
見栄えはよくなり、機能性も向上したのかもしれないが、私自身は、今の立川駅周辺は好きになれない。

そんな、駅北口を出て西方面に向かうと、『ヤマダ電機』などが入る「立川タクロス」という施設がある。
ここにはかつて、「第一デパート」というカルトな百貨店が存在し、並びには青果店や鮮魚店などもあり、
さらにその先の四つ角には、その名のとおり『四つ角飯店』という中華食堂があった。
創業はなんと、昭和2(1927)年。東京でも屈指の老舗食堂である。
こちらも、開発を理由に立ち退きとなり、2014年10月、旧店舗からも近い現在の場所に移転し、営業を再開。
その間、約1年8ヶ月の休業があったものの、93年もの間、街の変遷を見守ってきた。
立川市民はもちろん、近隣住民にも、長きにわたって愛されてきたお店なのである。

こちらがお店の脇に設置してある看板。いつもながらダメな写真でゴメン。


旧店舗からのキャッチコピー「一日一食中華食」とともに、
こちらの名物「毎月5日15日25日 餃子の日 半額デー」が提示されている。
5の付く日は、1人前税込330円の「餃子」が、半額の165円になるため、毎回店頭に行列ができる。
お客の大半が持ち帰り希望で、生餃子を10人前・20人前と購入していく、おばちゃん客もよく見かける。
テイクアウトは何人前でもOKだが、店内での食事は、半額の日はひとり2人前までとなる。
こちらがその餃子だ。毎回、焼き色も形も揃っていて、美しい仕上がりである。


この餃子は、従業員の方々がせっせと包んでいるのだが、まるで機械で製造したのかと思うほど、丁寧である。
『餃子のO将』(←イニシャルにした意味なし)で習った、テキトーな包み方で自作する私も、見習うべきだな。
中身はこんな感じ。細かく刻まれた肉や野菜に、秘伝(?)の調味料やハチミツなどが加えられているらしい。


そして、毎週水曜日は「水餃子」330円も半額になるのだが、こちらは汁物なので、持ち帰りは不可だと思う。

※ラー油とコショウをかけるのが好み

5の付く水曜日は双方とも半額になるが、店内で食べる場合はやはり、併せて2人前までだ。
餃子自体は、「焼」と一緒のモノだが、スープが付く分だけ水餃子の方がお得な気がする。
どちらの餃子も、定額の330円でもじゅうぶんお得な一品だ。

なお、現店舗は席数も減ったこともあり、夜の時間帯はけっこう混雑していることが多く、
最近は「餃子半額デー」以外の昼にお邪魔し、日が沈む前の酒を楽しむことが多い。
以降で、これまでに食べてきた四つ角飯店さんのメニューの一部を、掲載していこう。

まずは、以前チラッと紹介した、巨大な角煮を乗せた「四つ角ラーメン」1100円。


お店の屋号がついているし、麺類メニューでは一番上の目立つ場所に記載されているため、
「普通のラーメンかと思い頼んだら、妙にボリューミーなのが出てきて、店員に文句を言う客」を、2度見かけた(笑)。
その後は、メニューに「特製角煮入り」の文字が入ったため、そのようなクレーマー(?)は減ったはず。
なお、いわゆる普通のラーメン=「中華そば」は、移転当時が490円で、現在は600円だ。

食べてみると、やはり豚角煮の存在感がスゴイ
以前「スマホより大きいサイズ」と説明した角煮は、中華風の味付けが施されており、
醤油味のスープやチンゲン菜、そしてご飯ともよく合う。なので「半ライス」170円を追加し、自家製「角煮丼」を作成。


ハシとレンゲを止めることなく、ズルズル、ガツガツと一気に食べ進めるべし。
角煮は定食1100円や単品990円もあり、さらに単品は「ダブル」1880円もある。ダブルは相当な量だろう。
下記画像は、ガラケーで撮影した、餃子と「肉とニンニクの芽炒め」730円。当時は630円くらいだった。


あと、奥に写っている「びんビール」は550円で、ウーロンハイやハイボールなどは390円~。焼酎ボトルもあったはず。
ニンニクの芽のシャキシャキ感が、柔らかいお肉とマッチしている。なお、一杯やるときに餃子は必須。
このときは確か、15時台に訪問したはず。こちらのお店は中休みナシなのがありがたい。

先日、四つ角飯店を取り上げたネット記事「多摩てばこネット」を発見。※当ブログより、よっぽどためになる内容です
読んでみたところ、「餃子が無添加」であり、「角煮は350グラム以上」あり、「麻婆豆腐の豆腐を変えた」ことなどを知った。
店主曰く低価格のスーパーではなく、豆腐屋さんから仕入れた手作り豆腐で麻婆豆腐を作ると、「味も食感も全く違う」とのこと。
以前は、低価格スーパーで仕入れていたのを告白しているのが気になるが(笑)、新・麻婆豆腐には興味津々。
なので、食べに行ってみたところ、おおっ、確かに豆腐の食感が全然違う!


よくある麻婆豆腐は、豆腐が口の中ですぐに崩れる(とろける、とは違う)けど、この豆腐はうどんのようにコシがある。
ひき肉やタレとの絡みもいいし、お豆腐屋さんのを使用しただけで、こんなに違うのか、と驚かされた。
こちらの麻婆豆腐、単品だと930円。以前より少し値上げしたけど、その価値はある。
ちなみに、私が食べた写真の料理は、実は数年前に加わった、「カレー麻婆豆腐」980円だったりする。
もう一度、画像を見てもらえればわかるが、普通の麻婆より赤くなく、黄色というか茶色っぽいでしょ。
「こんなに違うのか」と驚くのも当然であるが、豆腐の歯応えが違うのは事実なので、次回は普通のを食べるつもりだ。
あと、この日気づいたのだが、カレーと麻婆って、そんなに相性が良くない気がする(苦笑)。

※別注の餃子にも、タレとして利用

実は四つ角飯店さんは、「チャーハン」も絶品である。普通のは680円で、「ミニ(半)チャーハン」が430円。
先日、私が食べたのは「海老チャーハン」780円。写真のように、大きなエビが5尾も乗る。


わかりづらいが、一般的なお店と比べると、1.5~2倍くらいの量がありそう。


チャーハン自体は、ほどよい味加減で、お米もパラリと仕上がっており、しつこさもなく一気に食べられる。
実は、最初の方で紹介した、餃子と水餃子(ついでにビール)も、同じ日に食べており、


それでも残さず食べ切ったのだから、本当に「一気に食べられる」のだ。「喰いすぎだ!」と叱らないでおくれ。
シメには麺類を選ぶことが多く、チャーハンは詳しくない私だが、ここのは、他人にも自信を持っておススメできる。
まだ食べたことのない、自家製XO醤を使用した「究極のチャーハン」980円もきっとウマいんだろうな。

最後に、時勢を考慮し、つい最近利用した際の、テイクアウト料理も掲載。
定番の餃子2人前と、「レバニラ炒め」(900円)だ。容器代がかかるため、料金は店内と同一。

※上のパック、撮影前に2個つまみ喰い



チャーハンのところでも記したが、全体的に量が多めなので、レバニラも普通のお店の2倍近くあると思う。
「テイクアウトで飲食店を助けよう!」という運動が一部で始まっているようだが、
ぜひ四つ角飯店さんも、持ち帰り候補のひとつとして、頭に入れておいてもらいたい。

私が、こちらを利用し始めてから、もう30年以上の月日が流れた。
駅周辺だけでなく、かつて通っていた個人経営のお店も、次々と閉店を余儀なくされ、
いつの間にか、私が物心ついたときから営業している飲食店は、ほぼなくなってしまった。
唯一残った四つ角飯店さんには、永遠に営業を続けていただきたい。

そういえば、今回のブログタイトル、「前編」となっているのにお気づきだろうか。
次回「後編」では、移転前の四つ角飯店さんについて語ってみようと考えている。
写真は極めて少なく、あってもガラケー画像だが、カンベンしてほしい。



四つ角飯店
東京都立川市曙町1-16-5
JR立川駅から徒歩約3分半
営業時間 月~金 11時~23時 土日祝は22時まで ラストオーダーはそれぞれ30分前
定休日 元日、ほか不定休
※日野にも同屋号のお店あり


※2020年4月以降は、しばらく11~20時営業(酒類は19時ラスト)、
日曜は定休の場合があるそうです
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