いまだに子供のような、ピュアな心(嘲笑)と味覚を持つ私は、当然カレーは大好物である。
ライスはもちろん、うどんやパン、カレー風味の料理も含め、キレンジャーのごとく食べまくっている。
近年は、水分多めのカレーをナンやサフランライスに添える、インド風のカレー店が増えているが、
私はやっぱり、とろみのあるソースを白いご飯にかけて食べる、日本風のカレーライスが好きだ。
そんな「日本のカレー」を出すお店で、もっともお気に入りなのが、渋谷区幡ヶ谷の『スパイス』さん。
喫茶店のような店構えのこちらのお店、創業は1973年。
私の初訪問は、今から30年ほど前。先輩に連れていかれ、ランチで利用したのだが、
安くてウマくて感激し、おまけに量が多くてビックリさせられた。
普通サイズでもじゅうぶん大盛で、食欲旺盛だった若い頃の私でさえ、大盛を頼むのは躊躇したくらいだ。
メニューは「ポーク」「ビーフ」「チキン」のカレー3種に、2種を組み合わせた「ミックス」、そして「大盛」。
あとは2種の「サラダ」とドリンク類のみで、トッピングも「たまご(生・ゆで)」だけで、カツやコロッケなどはない。
最近、コロナの影響でテイクアウト弁当が加わったが、初訪問時からほとんどメニューは変わっていない。
少数精鋭の品揃えながら、47年間も営業を続けていることが、こちらのカレーの美味しさを証明している。
下記が最近のメニュー表。「エッグカレー」はゆで玉子がゴロンと入る。「お子様カレー」は当然未食だ。
※以前はさらにハイグレードな「サラダC」もあった
はっきりとは覚えてないけれど、30年間で100円くらいしか値上げしていないのでは。
この日のオーダーは、甘口のポークと、辛口のチキンの合い盛り(ミックス)700円を大盛160円で。
まずは、コロナ以前は卓上に設置してあった、福神漬けとピーマンの漬物が小皿で出てきた。
緑と赤のコントラストが美しい…と見とれているうちに、待望のミックスカレー・大盛が登場。
喫茶店風の外観とは裏腹な、危険な盛り具合がわかるよう、3種のアングルで撮影してみた。
まずは真横から。ご飯はもちろん、カレーソースもあふれんばかり!
そして真上から。左がチキンで、右がポーク。色が違うのがおわかりだろうか。
最後に正面から撮影。ブームになるだいぶ前から、スパイスさんはダムカレーを出していたのだ。
表面張力で器のスレスレに盛り上がった、カレーソースの下にもご飯が隠れているので、相当な量である。
しかもこちらのカレーソースは、いつまでも熱々なので、食べ進めるのにも苦労する。
中には大きめの豚肉と鶏肉が入っており、特に豚肉は、噛みしめるとカレー以外の旨味も広がる。
ポークは(甘口)と記載されているが、ちゃんと辛味もあり、甘いというかマイルドな印象。
小麦粉を炒めたような香りがして、黄色っぽくて粘度がある、家庭的で懐かしいタイプのカレーである。
チキンは(辛口)という表記どおり。むしろ激辛と思う方もいるはず。
サラッとしたソースは、たまにセロリのような香味野菜を感じる。某カレールウのCMではないが、爽やかな辛さだ。
私は、いかにも「日本のカレー」らしい、ポークが一番好きなのだが、店主のオススメはチキンらしい。
ご飯もカレーも、熱々かつ大盛だったが、やっぱり味がイイので、難なく食べ切ることができた。
ついでに、2年前に食べたビーフとポークのミックス・大盛も紹介しておく。
奥に見える、紙ナプキンで巻かれたスプーンも懐かしいね。
(中辛)のビーフは、デミクラスソースのような褐色をしており、辛さよりもほろ苦さを感じる。
ちなみに、こちらのお店を取材した、伊丹由宇さんの著書「こだわりの店 乱れ食い」にて、
「ポークはポタっと、ビーフはトロッと、チキンはサラッと仕上げる」
「カレーこそが、俺の命。根っからのカレー好き」という店主の言葉が紹介されている。
さっきのポーク&チキンは、食べ終えた証拠写真がなかったので、このときの画像を掲載。
シルバーのお皿が昭和チックでいいね!
実は、2年前の方が食べるのに苦労したので、完食したとき嬉しくなり、つい撮影してしまったのだ。
さらに、10年以上前にガラケーで撮影していた画像も掲載しておく。画質の悪さはカンベン。
こちらは、普通のチキン&ビーフに、ポークのソース単品350円と、三冠を達成(?)したときの画像。
わかりづらいが、普通サイズでもご飯の量は一般的な店の大盛レベルである。
そしてこちらは、ポークカレーの大盛。ミックスじゃなくてもご飯は山盛りだ。
実は数年ぶりの大盛で、かなり苦戦したため、会計時に「前からこんなに量多かったですか?」とたずねたところ、
お店のお母さんが「開店以来、味も量も変えてませんよ」教えてくれた。値段もあまり変わっていないのは先述したとおり。
私が久々の入店だったからか、「胃が小さくなられたのでは?」なんて心配されてしまった。
胃が小さくなったのかを確かめるために、以後は毎回大盛を頼み続け、現在に至っているワケだ。
そもそも、幡ヶ谷付近を訪れる機会が減ったため、久々にスパイスに来たのだから腹イッパイ食べておこう!
という意地汚い動機もあったりする。もちろん、まだ残したことはない。
ただ先日食べたときは、日が空けて食後から約19時間経過しても、お腹がキツかったことを告白しておく(悶)。
味や見た目だけでなく良心的な価格、さらに銀のお皿やスプーンの紙ナプキンなど、
私が愛する「日本のカレー屋さん」に当てはまるスパイスさんだが、もうひとつ特筆したいのが、店主夫妻の存在。
接客担当のお母さんは、いつでもやさしい笑顔で、丁寧な応対をしてくれる。
一方、調理担当のお父さんは、ちょっとコワモテの頑固職人風。かつては厨房から出ることは珍しかった。
なので私は、言葉を交わした機会は少ないのだが、学生時代のある日、先輩と食後に麻雀のハナシをしていたら、
珍しくお父さんが「おい、麻雀やるのか?」と混ざってきて、自身の過去の経験などを語ってくれ、
最後に「まあ、あんまり派手にやるなよ」と忠告してくれたことがあった。
それほど厳しい口調ではなかったため、我々も「ハイ、わかりましたー」と笑いながら応じたのだが、
今振り返ってみると、お父さんの「派手にやるなよ」というのは、麻雀自体もそうだが、
勝ち負けの他に、低額とはいえ賭け金の移動にも触れていた、我々の会話にも向けられていたのだろう。
今さらながら、世間知らず(注:今も)でケツの青い若造だった、当時の私の非礼をお詫びしつつ、
そんな私を、人生の先輩として叱ってくれた、お父さんこと渡辺店主に感謝したい。
上記のような、店主と客のやり取りも、日本のカレー屋さんというか、昭和の飲食店の特徴だよね。
最近は二代目が厨房に入り、お母さんの代わりに、お父さんが配膳や接客をやるときもある。
ご夫妻は変わらず元気だし、カレーの味や店内の雰囲気も、以前と変わらぬまま。
なので私は今後も、若造だったあの頃に戻り、山盛りご飯に緊張しながら、絶品カレーにパクつくことにする。
スパイスさんにはいつまでも、「日本のカレー」を守り続けてほしい。
カレーの店 SPICE(スパイス)
東京都渋谷区西原2-28-2
京王線幡ヶ谷駅から徒歩約2分半
営業時間11時~20時
定休日 月曜
※最近は時短営業で、11~19時となっていますが、以前から19時には売り切れていました
※早じまいなどの情報はお店のTwitterで確認を→twitter.com/spice_1973
ライスはもちろん、うどんやパン、カレー風味の料理も含め、キレンジャーのごとく食べまくっている。
近年は、水分多めのカレーをナンやサフランライスに添える、インド風のカレー店が増えているが、
私はやっぱり、とろみのあるソースを白いご飯にかけて食べる、日本風のカレーライスが好きだ。
そんな「日本のカレー」を出すお店で、もっともお気に入りなのが、渋谷区幡ヶ谷の『スパイス』さん。
喫茶店のような店構えのこちらのお店、創業は1973年。
私の初訪問は、今から30年ほど前。先輩に連れていかれ、ランチで利用したのだが、
安くてウマくて感激し、おまけに量が多くてビックリさせられた。
普通サイズでもじゅうぶん大盛で、食欲旺盛だった若い頃の私でさえ、大盛を頼むのは躊躇したくらいだ。
メニューは「ポーク」「ビーフ」「チキン」のカレー3種に、2種を組み合わせた「ミックス」、そして「大盛」。
あとは2種の「サラダ」とドリンク類のみで、トッピングも「たまご(生・ゆで)」だけで、カツやコロッケなどはない。
最近、コロナの影響でテイクアウト弁当が加わったが、初訪問時からほとんどメニューは変わっていない。
少数精鋭の品揃えながら、47年間も営業を続けていることが、こちらのカレーの美味しさを証明している。
下記が最近のメニュー表。「エッグカレー」はゆで玉子がゴロンと入る。「お子様カレー」は当然未食だ。
※以前はさらにハイグレードな「サラダC」もあった
はっきりとは覚えてないけれど、30年間で100円くらいしか値上げしていないのでは。
この日のオーダーは、甘口のポークと、辛口のチキンの合い盛り(ミックス)700円を大盛160円で。
まずは、コロナ以前は卓上に設置してあった、福神漬けとピーマンの漬物が小皿で出てきた。
緑と赤のコントラストが美しい…と見とれているうちに、待望のミックスカレー・大盛が登場。
喫茶店風の外観とは裏腹な、危険な盛り具合がわかるよう、3種のアングルで撮影してみた。
まずは真横から。ご飯はもちろん、カレーソースもあふれんばかり!
そして真上から。左がチキンで、右がポーク。色が違うのがおわかりだろうか。
最後に正面から撮影。ブームになるだいぶ前から、スパイスさんはダムカレーを出していたのだ。
表面張力で器のスレスレに盛り上がった、カレーソースの下にもご飯が隠れているので、相当な量である。
しかもこちらのカレーソースは、いつまでも熱々なので、食べ進めるのにも苦労する。
中には大きめの豚肉と鶏肉が入っており、特に豚肉は、噛みしめるとカレー以外の旨味も広がる。
ポークは(甘口)と記載されているが、ちゃんと辛味もあり、甘いというかマイルドな印象。
小麦粉を炒めたような香りがして、黄色っぽくて粘度がある、家庭的で懐かしいタイプのカレーである。
チキンは(辛口)という表記どおり。むしろ激辛と思う方もいるはず。
サラッとしたソースは、たまにセロリのような香味野菜を感じる。某カレールウのCMではないが、爽やかな辛さだ。
私は、いかにも「日本のカレー」らしい、ポークが一番好きなのだが、店主のオススメはチキンらしい。
ご飯もカレーも、熱々かつ大盛だったが、やっぱり味がイイので、難なく食べ切ることができた。
ついでに、2年前に食べたビーフとポークのミックス・大盛も紹介しておく。
奥に見える、紙ナプキンで巻かれたスプーンも懐かしいね。
(中辛)のビーフは、デミクラスソースのような褐色をしており、辛さよりもほろ苦さを感じる。
ちなみに、こちらのお店を取材した、伊丹由宇さんの著書「こだわりの店 乱れ食い」にて、
「ポークはポタっと、ビーフはトロッと、チキンはサラッと仕上げる」
「カレーこそが、俺の命。根っからのカレー好き」という店主の言葉が紹介されている。
さっきのポーク&チキンは、食べ終えた証拠写真がなかったので、このときの画像を掲載。
シルバーのお皿が昭和チックでいいね!
実は、2年前の方が食べるのに苦労したので、完食したとき嬉しくなり、つい撮影してしまったのだ。
さらに、10年以上前にガラケーで撮影していた画像も掲載しておく。画質の悪さはカンベン。
こちらは、普通のチキン&ビーフに、ポークのソース単品350円と、三冠を達成(?)したときの画像。
わかりづらいが、普通サイズでもご飯の量は一般的な店の大盛レベルである。
そしてこちらは、ポークカレーの大盛。ミックスじゃなくてもご飯は山盛りだ。
実は数年ぶりの大盛で、かなり苦戦したため、会計時に「前からこんなに量多かったですか?」とたずねたところ、
お店のお母さんが「開店以来、味も量も変えてませんよ」教えてくれた。値段もあまり変わっていないのは先述したとおり。
私が久々の入店だったからか、「胃が小さくなられたのでは?」なんて心配されてしまった。
胃が小さくなったのかを確かめるために、以後は毎回大盛を頼み続け、現在に至っているワケだ。
そもそも、幡ヶ谷付近を訪れる機会が減ったため、久々にスパイスに来たのだから腹イッパイ食べておこう!
という意地汚い動機もあったりする。もちろん、まだ残したことはない。
ただ先日食べたときは、日が空けて食後から約19時間経過しても、お腹がキツかったことを告白しておく(悶)。
味や見た目だけでなく良心的な価格、さらに銀のお皿やスプーンの紙ナプキンなど、
私が愛する「日本のカレー屋さん」に当てはまるスパイスさんだが、もうひとつ特筆したいのが、店主夫妻の存在。
接客担当のお母さんは、いつでもやさしい笑顔で、丁寧な応対をしてくれる。
一方、調理担当のお父さんは、ちょっとコワモテの頑固職人風。かつては厨房から出ることは珍しかった。
なので私は、言葉を交わした機会は少ないのだが、学生時代のある日、先輩と食後に麻雀のハナシをしていたら、
珍しくお父さんが「おい、麻雀やるのか?」と混ざってきて、自身の過去の経験などを語ってくれ、
最後に「まあ、あんまり派手にやるなよ」と忠告してくれたことがあった。
それほど厳しい口調ではなかったため、我々も「ハイ、わかりましたー」と笑いながら応じたのだが、
今振り返ってみると、お父さんの「派手にやるなよ」というのは、麻雀自体もそうだが、
勝ち負けの他に、低額とはいえ賭け金の移動にも触れていた、我々の会話にも向けられていたのだろう。
今さらながら、世間知らず(注:今も)でケツの青い若造だった、当時の私の非礼をお詫びしつつ、
そんな私を、人生の先輩として叱ってくれた、お父さんこと渡辺店主に感謝したい。
上記のような、店主と客のやり取りも、日本のカレー屋さんというか、昭和の飲食店の特徴だよね。
最近は二代目が厨房に入り、お母さんの代わりに、お父さんが配膳や接客をやるときもある。
ご夫妻は変わらず元気だし、カレーの味や店内の雰囲気も、以前と変わらぬまま。
なので私は今後も、若造だったあの頃に戻り、山盛りご飯に緊張しながら、絶品カレーにパクつくことにする。
スパイスさんにはいつまでも、「日本のカレー」を守り続けてほしい。
カレーの店 SPICE(スパイス)
東京都渋谷区西原2-28-2
京王線幡ヶ谷駅から徒歩約2分半
営業時間11時~20時
定休日 月曜
※最近は時短営業で、11~19時となっていますが、以前から19時には売り切れていました
※早じまいなどの情報はお店のTwitterで確認を→twitter.com/spice_1973