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明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

屋号は故郷の名峰から 三鷹『高社楼』(後編)

2025年06月25日 | 中華食堂
先日の前編に続く、三鷹の人気中華食堂『高社楼』リポートの後編。
今回は、個人的に気になっていた未食の麺類や、お店の各種情報だけでなく、
店内カレンダーに掲載されていた、八王子店についても語っている。


三鷹界隈に来るたびに、高社楼さんを訪問していたのだが、三鷹駅からはそこそこ距離があるので、いいウォーキングになった。

まずは、前回の最後に、広東麺っぽいチャンポンメンを食べたので、今回は「広東麺」650円そのものをオーダーしてみた。
普段と同様、息子さんが茹でた麺と注いだスープが入った丼に、鍋振り担当のお母さんが、熱々アンをかけて完成。
期待どおりのビジュアルをした広東麺である。


麺はいつもの細縮れ麺で、醤油味ベースのスープに、肉野菜アンの熱気と旨味が加わる。


ここで、チャンポンメン520円の画像を掲載。アンやスープの色は共通している。


ただ、広東麺の方が具材は同じでも量が多く、キャベツ、人参、豚肉は大ぶりで、ナルトはなくなるが、ピーマンが加わる。


炒めたピーマンから、独特の味わいと芳香が生じて、具材と麺はもちろん、スープまで飲み干してしまった。

数日後に通算5度目の訪問。そのうち4度は今年なので、さすがに顔を覚えられてきた。
このときは、客席にいたお父さんに、気になっていた「特製ピリカララーメン」の内容をたずねてみたところ、
「醤油ラーメンの辛いヤツ」と教えてくれた。要約し過ぎている気もするが(笑)、醤油スープはワンタンで味わっているので、
未体験の味噌テイスト=「味噌ラーメン」500円を選択。ワンコインの味噌ラーメンも、今では貴重なはず。
味噌ダレを溶くのではなく、モヤシなどと一緒に鍋で仕上げるスタイルだった。


スープはほんのり甘口で、懐かしくも優しい印象の味噌ラーメンだ。
具材はモヤシに少々のニラと人参、ひき肉ではなく、タンメンや広東麺にも使用していた、細切れ豚肉が入る。
途中でラー油を加えて、一気に食べ終えてしまった。


お腹に余裕があったので、ピリカララーメンを追加しようかと一瞬迷ったが、以前も記したように、
ラーメン+かつ丼の注文や、ラーメンの替玉は平気なのに、ラーメンをもう一杯頼むのは、なぜか恥ずかしい。

というワケで、ピリカララーメンは日を改めて、6度目の訪問で注文することに。
この日は、久々に軽く飲むことにしたのだが、4月くらいから、ドリンク類だけ少し値上げした模様。


「ジュース」がなくなり、「コーラ」120円→150円、「日本酒」330円→350円、ビール大瓶が570→600円、ウーハイが300円→350円に。
もっと上げても全然問題ないし、4年以上変わっていないお食事メニューの価格は、嬉しくもあり心配でもある。
最初はビール、途中でウーハイに変えて、おツマミの「麻婆豆腐」520円をいただく。


底の深くないお皿に盛ってあり、あふれないよう、けれどもヤケドしないよう、慎重に口へ運ぶ。
最近のような痺れる激辛タイプではなく、甘辛く家庭的な味付け。
具材は豆腐の他、麻婆では珍しい玉ねぎと、ひき肉ではなく例の細切れ豚肉。


玉ねぎも他の炒め物で使うし、なるべく共通の食材を用いることで原価ロスを防ぎ、安価を維持しているのだろう。
麻婆豆腐は残っているが、シメの食事として、予定どおり特製ビリカララーメン600円を追加注文。
すぐに完成したのがこちら。確かに、激辛ではなくピリ辛っぽい見た目と匂い。


お父さんは「醤油ラーメン」ベースと仰っていたが、あまり醤油は感じず、けれども味噌や塩でもない、不思議な味のスープである。
具材は、今回何度も記述している細切れ豚肉に、青菜と輪切りのネギ。そこに特製(?)の辛味油が加わる。
豚肉やピリ辛風味が、麻婆豆腐と被ってしまったので、どうせならと、残りを全部丼にドボン。


こちらには、「マーボーラーメン」620円という商品もあるが、たぶん似たようなテイストではないかな。
麻婆が混ざったスープを、いつもの細麺と絡めてすすっていくと、ほどよい辛さ&ほろ酔いで、身体が熱くなってきた。
ウーハイを飲み干し、さらに冷水をコップ1杯(セルフで)いただき、ごちそうさま。
そういえば撮ったことがなかったので、丼とレンゲの「高社楼」の文字を、改めて撮影した。

※食器の高の字は、髙(ハシゴだか)だった

会計後、ご夫妻と少しだけ会話。
お店の名前は、長野県の高社山が由来であること、お父さんが育った実家は、高社山の麓にあったこと、
そして、お父さんの実兄さんが、八王子の高社楼を営んでいることなどを教えてもらった。
せっかくなので、数日後の夜、八王子店へも足を運んだ。

JR八王子駅北口から、そこそこ歩いた場所にお店はあった。三鷹店に負けず劣らず、渋い外観である。


入店すると、厨房には誰もおらず、高齢の男性がテーブル席で休憩していた。この人が、三鷹店のお父さんのお兄さんだろう。
私の存在に気付くと、お父さんお兄さん(以下、店主と記す)が笑顔を浮かべながら立ち上がり、調理の準備や店内の片づけを開始。
夜は来客が少ないのか、カウンターには食材や調味料の他、スーパーなどで売っている廉価シュークリームが2個放置してあった。
おそらく、あとで夫婦で食べるのだろうと思い、僭越ながら「冷蔵庫へしまった方がいいですよ」と助言。
営業中とはいえ、休憩をジャマしてしまった形になったが、店主は常に笑顔を絶やさない好々爺であった。

店主が調理準備している間に、八王子店のメニューを撮影。


三鷹店より少しだけ高いが、「中華そば」は500円で、最高値商品も「天津麺」などの800円と、こちらも昭和価格。
さっき書いた高社山は、「こうしゃさん」or「たかやしろやま」と読み、高井富士の別名もあるそうだが、
高井富士(たかいふじ)を由来にした兄弟のお店が、2軒とも「やすい」のが面白い。

注文したのは、ぺーシックな中華そばと、好物の「餃子」400円。三鷹店にはない「つけそば」も気になったけどね。
しばらくすると、お母さんもやってきて、厨房の店主さんを手伝う。
長年、大勢のお客さんを捌いてきた、夫妻の連係はダテではなく、それほど待つことなく商品が完成。


中華そばは、チャーシュー、メンマ、ノリにネギが入る、クラシカルな東京醤油ラーメン。


丼のサイズは、一般的なお店と同等だと思われる。


餃子は普通サイズのが6個。温かいうちに食べ始めよう。


店主さんはだいぶお疲れのようだし、中華そばの麺は『肉のハナマサ』で売っているモノだったりして、
正直、味はあまり期待していなかったのだが、ラーメンも餃子も意外とイケる!
スープは、薄味化と思いきや、ちゃんとコクがある。それもそのはず、
食事中、お母さんが寸胴から、豚のゲンコツらしき骨を取り出すのを目撃。麺はともかく、スープはお店でしっかり炊いているようだ。
あと、ハナマサの麺も結構美味しかった。さすがは「プロ仕様」と表示しているだけのことはある。


餃子は、三鷹店とは違い緑色ではなく、一般的な餃子に近い色合い。


焼きムラはあったものの、肉と野菜のバランスがよく、なかなか美味しい。
食べ終えたあとは、前回の三鷹店のように、レンゲと丼の「高社楼」ロゴを撮影してからお会計。


お母さんに、三鷹店でこの店を知ったことを告げ、少々会話してから退散。
ふたり営業は大変だろうけど、どうかいつまでもお元気で!

最後に、つい最近三鷹店に行ってきたので、そのとき知った情報も記しておく。

①冷やし中華が始まっていた
店内壁に、冷やし中華メニューが貼りだされていた。基本の「冷やし中華」に、五目とチャーシューの3品…もう一品、あったかも。
価格は、五目とチャーシューが780円と、三鷹店の最高価格メニューになる。しかし、普通の冷やしの価格を忘れてしまった。ゴメン。
ここ数年、撮影する分メモする機会が減り、年齢のせいか記憶力も劣化した気がする。そして、撮影しなかった理由は…

②店内撮影禁止になっていた
カウンターや壁のあちこちに、「撮影禁止!」と記されたステッカーのようなものが貼られていた。
私の知る限りでは、6月1日までそのステッカーはなく、以降に貼られたと思われる。
食べログには、そのルールを無視して撮影・投稿したバカ(しかも女)がいるが、私はとりあえず、遠慮しておいた。
「五目ラーメン」670円、具だくさんで美味しかったけど、お見せできずに残念。

③お店は今年で創業55年
会計後、お父さんとの会話で発覚。同じ三鷹市の『末広』は今年で56年目だが、どちらも最寄り駅は遠いのに、長年人気を維持している。
「55年!?」と驚く私に対し、お父さんは、「向こう(八王子店)に1年遅れた」と補足。八王子店は56年目らしい! 

④専用駐車場が2台分ある
お店を出て、十字路を挟んだ斜めの位置に、大きな駐車場があるのだが、その中の181番と182番が、高社楼専用駐車場だ。

※さすがに、撮影禁止のステッカーはなかった

私は徒歩で向かっているが、これからは気温も上がるので、免許と車を持っている方は、利用した方がいいかも。
繰り返すが、高社楼専用は181と182なので、お店の迷惑となる、他の場所への無断駐車は厳禁である。


前後編にわたって、私が知っている限りの高社楼さんの情報と魅力を記載してきた。
昭和の雰囲気を、価格面も含めて守り続ける奇跡のお店=高社楼さんの、今後のご多幸をお祈りすることで、この拙文を締めることにする。


高社楼 三鷹店
東京都三鷹市下連雀6-12-10
JR三鷹駅から徒歩約21分、京王井の頭線三鷹台駅からはもう少しかかりそう。篠原病院入口というバス停から徒歩約2分
営業時間 11時~14時半、16時~20時半くらい。少し早く閉める場合もある 
定休日 火曜

高社楼 八王子店
東京都八王子市元横山町2-20-7
JR八王子駅から徒歩約14分
営業時間 昼はわからない、夜は17時~19時くらいまで
定休日 火曜、その他不定休?
コメント (1)
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何もかもみな懐かしい… 三鷹『高社楼』(前編)

2025年06月21日 | 中華食堂
今年2月、三鷹市下連雀6-12-10にある昭和チックな飲食店3軒、別名「下連雀の三連星」を紹介した。
その3軒の真ん中にある、中華食堂の『高社楼』は、夜も営業しているため、その後もちょくちょく通っている。
こちらのお店は、渋すぎる外観や店頭の食品サンプル、そして値段設定がいかにもザ・昭和の中華屋さんで、
下記画像は、2021年に撮影したメニュー表だが、2025年の現在も、この価格を維持している。

※外観やサンプルなどは、1行目の「下連雀の三連星」をクリックしてご確認を

食材から光熱費まで、何もかもが値上げしているこの時勢に、「ラーメン」は400円で、最高値商品が「叉焼ワンタンメン」の750円。
昭和時代と変わらぬ安価を守り続けておられる、お店の心意気には脱帽である。
入店するたびに、今が令和時代であることを忘れて、「何もかもみな懐かしい…」と、沖田艦長のようにつぶやきたくなる、
高社楼さんの魅力と商品を、以下で説明していこう。

4年ぶり2度目の訪問をしたのが今年2月。テーブル席もあるが、前回同様、この日もカウンター席に座る。
卓上には各種調味料の他、ご飯のお供になりそうな梅干しも置いてある。


梅干しは苦手なので食べたことはないが、こういうサービスも、やはり昭和チックである。

今回はキリンラガーの大瓶570円と、餃子は初回に食べているので、ビールのアテには「ワンタン」400円を選択。
こちらのお店は親子三人で営んでいるのだが、お母さんが中華鍋を振る、珍しい体制。
お父さんは調理補助と出前担当で、息子さんが麺茹でなどの補助に、配膳と会計などを担当している。
数分後に、息子さんがワンタンを運んできた。


醤油味のスープは、前回食べた開花丼の付け合わせスープと似ているが、こっちの方が醤油ダレが濃い。
スープの中には、チャーシュー、メンマ、ノリ、ネギが沈んでいて、「ワンタンメン」の麺抜きといった様相。


メインのワンタンには、少量だがちゃんとお肉が入っており、数えてみたら全部で11個。400円なのに太っ腹である。


ビールをお替わりし、ワンタンを食べ終えそうなタイミングで、シメのお食事を注文。
ワンタンで醤油スープを味わったので、今度は塩味スープの「タンメン」470円にして、「半チャーハン」370円も付けた。
さっき書いたように、チャーハンとタンメンの具材はお母さんが仕上げ、タンメンの麺とスープは息子さんが担当。
その頃ちょうど、出前を終えたお父さんが、お店脇のドアを開けて厨房に戻ってきた。
2月なので、冷たい風がカウンター席の私にも吹き付けたが(苦笑)、寒い中配達に出ていたお父さんの苦労を考えたら、これくらいは我慢だ。
昭和の時代は、大半の中華屋さんは出前をしていたが、配達料などの追加料金はなし。その記憶が残っている私は、
態度の悪い人間が食品を乱雑に扱い(※個人の感想です)、しかも余計に金を取られる、ウーバーイーツは一生利用しないだろう。

しばらくして、まずは半チャーハン、


続いて私の大好きな、薄緑色をした塩スープのタンメンも完成。


半チャーハンは一般的な量の3/5くらいか。麺類と合わせるのに(私の基準では)適した量だ。


具材はチャーシュー、玉子、ネギに、刻んだナルトも少々。全体の色が白いのは、塩主体の味付けだからだろう。


塩味がほどよく効いた白いチャーハンを見ると、2022年に閉店した、立川の良心的な中華屋さん『双葉食堂』を思い出す。

一方のタンメンは、普通サイズの丼に、炒め野菜が盛られている。さっきのワンタン丼も同サイズだった。


具材はキャベツ、人参、モヤシ、ニラ、豚肉。麺は、あまり黄色くない、柔らかな縮れ麺。


炒め野菜の香りと歯応えがよく、これぞ中華屋さんのタンメンだ。ウマかったので、麺と具はもちろん、スープも飲み干してしまった。
会計前にトイレを借りたら、下記の貼紙を発見。この標語(?)、似たようなヤツを東久留米の『珍来』でも見たな。


この日のお会計は2380円。ビール大瓶2本、ワンタン、半チャーハン、タンメンを頼んで、この金額で済むお店は貴重だ。

他にも食べたい料理があったので、3度目の訪問は、飲み仲間の先輩を誘って訪問。
初めてテーブル席に座り、まずは瓶ビールで乾杯。訪問したのは土曜日の16時台だったが、常連らしき客が次から次へとやってくる。
ファーストオーダーは、餃子、「シューマイ」300円、「焼肉」500円、「揚焼そば」650円。
餃子は、初回に頼んだときの画像を再掲載。


中身の具材は鮮やかな緑色。この緑色餃子は、私がガキの頃よく食べていた、立川の『友邦』(ゆうほう)というお店の餃子と似ている。


そのお店は、たぶん25年くらい前に閉店しており、「立川 友邦」でネット検索しても情報は皆無。
さっきの双葉食堂はまだしも、友邦を懐かしむ私に、同意してくれる人はあまりいなそうだね。

餃子とほぼ同時にシューマイが登場。『崎陽軒』よりやや大きめなのが5個。


餃子も焼売も300円で食べられるお店も、今では少なくなった。
焼肉は、玉ねぎと一緒に豚肉を甘じょっぱいタレで炒めたもの。


ビールのおツマミに最適だが、「ライス」150円との組み合わせを頼む客も多そうだ。
なお、私の友人がこちらで、「スタミナ肉丼」600円を食べた際、「ニンニクではなく甘辛味」とSNSに投稿していたので、

※友人の承諾を得て拝借した画像。なかなかウマそうである

スタミナ肉丼はたぶん、焼肉単品をご飯に盛り付けて、生玉子と紅生姜を乗せたのではないかな。
そして、おツマミにも食事にもなる、他店では「五目あんかけ焼きそば」とも呼ばれる揚焼そばが登場。


野菜や肉を炒め、スープを加えて片栗粉でとろみを付けた、熱々のアンが盛られている。


ラーメンの麺を流用するお店もあるが、こちらはおそらく、専用の太麺を揚げている。


中華アンは酢を含んでいるのか、ほのかに酸味を感じた。長崎皿うどんのようにソースを入れると、甘口で相殺される…ような。


ビールもお替わりし、メニュー表には載っていないが、壁に掲示してある「ウーロンハイ」300円にチェンジ。


焼酎は濃すぎず、ほろ酔い気分になれる。というか、なった(笑)。
その後、「ニラレバ炒め」450円と、先輩が「目玉焼き」250円を追加オーダー。
ほぼ同時に、ふたつの料理が運ばれてきた。目玉焼きは玉子2個と千切りキャベツ。この日はずいぶん、付け合わせのキャベツを食べた気がする。


こちらがニラレバ。他の商品もそうだけど、価格の割には量が多い。


目玉焼きは平凡だったが、ニラレバは、レバーはちょっと硬かったが、野菜がシャキっと炒められており、食べ応えがあった。
ウーハイも何度かお替わりし、そろそろシメのお食事を頼むことに。
先輩と相談し、私は「チャンポンメン」520円、先輩は「とんこつラーメン」500円を選択。
まずは、ベージュ色スープのとんこつラーメンが登場。


続いて、私のチャンポンメンがやってきた。一般的なちゃんぽんとは異なるビジュアルである。


食べていないので断言はできないが、先輩が頼んだとんこつラーメンは、お店でスープを炊いているとは思えず、
普通のラーメン用スープに、業務用の豚骨タレを加えたのではないかね。違ったらゴメンなさい。
一方、私のチャンポンメンは、醤油味と思われるスープにあんかけが乗る、いわゆる「広東麺」のような商品であった。
ちゃんぽんは、太い麺や魚介類を使用するお店が多いが、こちらはタンメンと同じ細麺で、


魚介類はナルトだけであった。まあ520円という安価で、海老やイカが入っていたら申しわけないけどね。
野菜の旨味たっぷりで、とろみのあるスープが絡んだ麺が美味しく、結構飲み食いしたあとだがスルスルと入っていく。
すっかり満腹になってお会計。料理8品にビール2本とウーハイ数杯で、お会計はひとり3千円程度。安すぎる!

帰り際、壁にお店の名前が入ったカレンダーがあるのに気付いた。


よく見ると、三鷹店だけでなく、八王子店の住所と連絡先も記されている。支店があったのか!


広東麺風だったちゃんぽんを味わったことで、「広東麺」も食べ比べしたくなったし、未食の麺類も多い。
さらに、高社楼・八王子店の存在も気になるではないか。
というわけで、当初の予定を変更し、高社楼さんは前後編に分けてリポートすることにした。次回後編に続く!


高社楼 三鷹店
東京都三鷹市下連雀6-12-10
JR三鷹駅から徒歩約21分、京王井の頭線三鷹台駅からはもう少しかかりそう。篠原病院入口というバス停から徒歩約2分
営業時間 11時~14時半、16時~20時半くらい。少し早く閉める場合もある 
定休日 火曜
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忘れがたき100円ラーメン 西八王子『満福亭』

2025年06月08日 | ラーメン、つけ麺など
2023年11月、八王子市の桑都テラスという施設内に、『100圓ラーメン』という名前のお店が誕生。
「百円は百縁なり」をモットーに、令和の時代にラーメンを100円で提供している。


以前紹介した、190円の北坂戸『ラーメンらんど190』を越える、私が知る限り日本最安値のラーメン店である。

※ラーメンらんど190の「ラーメン」。4月に閉店したとのネット情報あり

100圓ラーメンの店主が開業した理由のひとつに、「子供の頃に食べた100円ラーメンの復活」を挙げていた。
店主が食べた100円ラーメンのお店とは、西八王子にあった『満福亭』のことで、2011年1月に惜しまれつつ閉店。
1970年代に開業し、数年後にラーメンを50円から100円に値上げしたが、最後までその価格を維持していた。
低価格ゆえ、駄菓子屋感覚で来店する小学生も多く、当時の子供たちにとっては、思い出の店となっているはず。
実際、以前高尾駅まで寝過ごし、徒歩で立川の自宅に帰る途中、西八王子駅付近で下記の看板を発見。

※深夜ゆえ、いつも以上のダメ写真で申しわけない

100円ラーメンは、みんなの心の中にある(涙)。看板の作成者はたぶん、当時の常連客だろう。

私が満福亭の存在を知ったのは、青春真っ盛り(笑)の高校時代。同級生に「西八王子に100円ラーメンの店がある」と教わった。
彼らは、高尾など西八王子周辺の駅から通っており、学校帰りによく食べていた模様。
当時の私は、高校の最寄りであるJR横浜線淵野辺駅まで、立川-八王子-淵野辺のルートで通学しており、
西八王子は通学定期の範囲外になるため、八王子から運賃が必要となる。
100円ラーメンを食べるのに、往復240円(当時の価格)使うのもバカらしいし、あの頃は現在のようにひと駅歩く根性もなかった。
おまけに、通っていた同級生たちも、「無理にはおススメしない」と語り、その理由として、
「安いのは客の残したスープを再利用しているから」「この前行ったら開いてなかった。営業停止をくらったかも」
などと悪評を言い触らしていたため、積極的に行こうとは思えなかった。 ※当然、上記はウソである

その後、21世紀になり、たまたま手にした中央線沿線ガイドのような本で、満福亭を取り上げており、
興味を抱いた私は、初の100円ラーメンを味わうため、西八王子に向かった。
ちなみに、約40年前の1984年に発行された、落語家で全国ラーメン党・党首の林家木久蔵(現木久扇)さんが監修した、
「多摩の評判ラーメン 名物ラーメン」という書籍でも、満福亭は紹介されている。

※発売元・けやき出版

お店の場所は、西八王子駅からほど近い建物の二階。
入店すると、カウンター席があり、先客の大半が小中学生。ラーメンの安さだけでなく、客の平均年齢の若さも日本一だったかも。
注文したのはもちろん「ラーメン」100円。当時は撮影する習慣がなかったので、画像は当然ない。
出てきたラーメンは、ちゃんと一人前の量があり、チャーシューやメンマなどの具材も乗っており、予想以上にまともな商品であった。
数年後に再訪し、撮影こそしていないが、そのときの様子をmixi日記(苦笑)に記していたので、一部修正して転記する。

※転記開始
(前略)接客担当のおばちゃんが相当厳しい御方で、騒がしいガキを「うるさい!」などとガンガン叱り飛ばす。
ラーメンは日本一安いと思われるが、おばちゃんは日本で一番おっかない店員なのでは。
一方、調理担当のおっちゃんも、くわえタバコのまま麺を茹でたり、オーダーが通ってもテレビ観戦を優先。他の店では腹が立つが…まあ100円だしね。

ラーメンは醤油味と塩味(タンメン)が100円。それ以外のメニューは、餃子や味噌ラーメンが200円、チャーハン400円など。
ただし、100円ラーメンしか頼まない客には、以下のような迫害がある。
1.コショウ使用禁止 2.レンゲ使用不可 3.順番抜かされまくり 4.長居厳禁
知らずにコショウを振ったり、レンゲを欲しがる100円客には、おばちゃんが「あんたは100円だからダメ!」と叱責。
そこまでやるなら、値上げすりゃあいいのにねえ。
私はラーメンの他に、餃子と300円のレモンハイも注文したため、イジメられなかった。
レモンハイは、宝の缶チューハイをコップに移さず、缶のまま出してくる。ラーメン3杯分と考えると、ちょっと損した気分。

ラーメンの値段は昔のままだったので、会計時に例のおばちゃんに、「相変わらずお安いんですねえ」と、話しかけた。
するとおばちゃんは、鬼瓦みたいな形相を崩して精いっぱいの笑顔を作り(笑った顔も怖かった)、
「これからも、できる限りこの値段で頑張りますよ」と、ちゃんと「ですます調」で語ってくれた。

その後、古かった建物を改装したとの情報が入り、さっそく新・満福亭に行ってみた。
新しくキレイにリニューアルされたお店は、同時にメニューも一新。
100円ラーメンは健在だったが、麺とスープとネギだけの素っ気ないモノになり、以前のチャーシュー、メンマ、海苔が入るラーメンは380円になった。
そして、食券&セルフサービス制となり、ホールから例のおばちゃんが消えた。
(中略)もう80歳くらいだと思う、あのおばちゃんは元気かなあ。 ※後略、転記終了

上記の文章について、以下で少々補足する。
訪問日は2004年11月18日で、リニューアル後の訪問が07年7月24日。この頃は、ラーメン店に行った日をちゃんと記録していた。
日記の投稿が、閉店直後の11年1月25日なので、「80歳くらいだと思う」おばちゃんは、現在は90歳を超えているはず。
味噌ラーメンの正式名は「サッポロ」。他にも「ゴマラーメン」200円、「ヤキソバ」300円、「カレーライス」350円などもあった。
この日の私は、600円分も注文した上客(?)だったため、注文した商品はすぐに出てきたが、
100円ラーメンだけの客は、おばちゃんに叱られたり、おっちゃんが作り始めなかったりと、やや気の毒であった(苦笑)。
ちなみに、お水のお替わりは、回転すし屋のように各テーブルに蛇口があったので、客が自分で注ぐことができる。
餃子の味は、あまり記憶にないため、可もなく不可もなく、だったと思われる。
リニューアル後、具なしだった100円ラーメンは、その後再び具ありラーメンになった模様。
10年8月に満福亭の二代目が廃業を決意し、お店の建物一階にあった携帯電話のお店が引き継いだが、約5ヶ月後に閉店した。

現在、食べログに掲載されているラーメンの画像は、すべてリニューアル後のものである。
いろいろ検索したところ、「八王子のラーメン屋さんWiki」というサイトで、リニューアル前の満福亭ラーメン画像を発見。
「無断転載お断り」の一文がなかったようなので、画像を拝借し、掲載させていただく。 
こちらが、長年愛されてきた満福亭の100円ラーメン


こちらは、同じく100円のタンメン。


100円以上のクオリティを、わかってもらえたら幸いだ。

結局、リニューアル後も含め、満福亭には3度しか訪問しなかった私だが、
「できる限りこの値段で頑張りますよ」という、おばちゃんのひと言を聞いていたため、悪い印象はない。
100円だけの客への対応に、苦言を呈する方もいるだろうが、
小学生はともかく、いい大人が100円ラーメンの店で、本当に100円しか使わないのはおかしいと思うし、
おばちゃんも態度に表すことで、「大人として恥ずかしい行為ですよ」と、たしなめていたのではないか。態度はひどかったけど(笑)。
なお、西八王子エリアにおける満福亭の知名度は抜群で、西八王子住民だった方や、近所の高校に通っていたJKちゃんとも、
「100円ラーメン」という共通の話題があったお陰で、人見知りの私もコミュニケーションを取ることができた。
いろいろ書いたが、私にとって満福亭は忘れがたきお店であり、
その価格を令和の時代に踏襲した、100圓ラーメンの店主は、尊敬に値する。

今年の春、その100圓ラーメンで食事をしてきたので、以下で紹介しよう。


営業時間は昼間の3時間だけで、平日は100食、土日祝日は200食限定らしい。
まずは店頭の券売機で食券を買う。料理メニューは少なく、


「醤油ラーメン」「たんめん」各100円に、「薬味のせご飯」150円の3種のみで、その他、お店のTシャツや帽子なども販売している。


私の注文は醤油ラーメンだけ。さっき、「いい大人が100円ラーメンの店で、本当に100円しか…」と書いたのを後悔(恥)。
食券を提出し、完成したら食券の番号を呼ばれるので、受け取りに行き、近くのベンチか、敷地内のテーブルで食べる。
ベンチには先客がいたので、私は写真の傘付きテーブルに移動した。


こちらが100円の醤油ラーメン。チャーシュー、メンマ、ナルト、ノリ、ネギと、具材は揃っている。


横アングルも撮影。一般的なラーメンよりは少なめだろうか。


スープは出汁をとらず、お湯、タレ、調味料で作成。麺は自家製の中太縮れ麺で、なかなかイケる。
チャーシューは小さいが、ナルトも含め、入っていること自体が素晴らしい。


満福亭の味とは全然違うけれど、これはこれで満足できるラーメンだった。

食べ終えたら再び店頭に戻り、残ったスープを捨てて丼を返却し、「ごちそうさまでした」。
スープなどのコストをカットし、原価は100円以下に抑えたそうだが、それでも儲けは少ないはず。
ただし、店主は障害者雇用などの就労支援事業にも携わっており、国や企業の支援もあるようで、赤字ではないらしい。
いずれにしても、「千円の壁」が囁かれる時代に、100円ラーメンに挑戦した、店主の心意気を称賛したい。
次回訪問時は、千円札で食券を購入し、お釣りは全額お店に寄付したい。あ、やっぱり五百円玉にしておこうかな…(←セコイよ)。

今回は満福亭を取り上げたが、既に閉店してしまったが、忘れてはいけない飲食店はたくさんある。
機会があったら、それらのお店についても語りたいが、gooブログが終わってしまうので、引っ越し作業も進めなくては…。

<おまけ>
100圓ラーメンがある施設の近くにあったお店の貼紙。「八王子でナンバー1のブスママ」には会ってみたいね。



満福亭
東京都八王子市千人町2-20-8 2階
JR西八王子駅から徒歩2分以内
2011年1月14日に閉店

100圓ラーメン
東京都八王子市中町11-8 桑都テラス内
JR八王子駅から徒歩約7分、京王八王子駅からも歩ける
営業時間 11時~14時、平日100食、土日200食限定
定休日 月、火
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