明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

世界各国のカレーを川崎北部で 稲田堤『ローレル』

2024年07月09日 | カレー、ハヤシ
昨年の秋頃、世田谷区の桜上水駅に行ったときの帰路。
普段の私は、京王線で分倍河原駅まで行き、JR南武線に乗り換えて立川駅へ帰っていたのだが、調べたところ、
相模原線で京王稲田堤駅まで行き、徒歩でJR稲田堤駅へ移動し、南武線に乗って帰る方が、少しだけ安いことが判明。
微々たる額だし遠回りにもなるが、未知の駅である京王稲田堤で下車してみることにした。

せっかくなので、両稲田堤駅の間の飲食店で食事をしようと探索した結果、初見のカレー店とうどん店を発見。
どちらか迷った挙句、うどん店を選び…失敗。会計後、すぐにカレー店に向かってみたが、残念ながら閉店時間になっていた。
そのカレー店こそが、今回のテーマである『ローレル』で、帰宅後にネット情報を確認したら、私好みのお店だったことが判明。


なお、さっき「失敗」と記したうどん店は、私の訪問直後につぶれた模様。そういう店に入ってしまう、己の引きの弱さを呪う。

川崎市の最北部にあたる、稲田堤界隈に立ち寄る機会は少ないのだが、今年の春、母校野球部が上柚木球場で試合をした。
上柚木球場の最寄り駅は南大沢。通常は、京王相模原線下りの橋本・横浜線ルートで帰宅するのだが、
この日はローレルさんに寄るため、上りの稲田堤・南武線ルートを利用することにした。
さきほど掲載した、店頭画像を撮影してから入店。店内はカウンター席のみで、女性店員から「いらっしゃいませ」と迎えられる。
調理、接客、会計などをひとりでこなしている、彼女がこちらの店長のようだ。
店頭や店内の雰囲気は、レトロ風の印象だったが、客席から見える厨房はピカピカで、全然古さを感じない。
創業から20年はたっているようだが(諸説あり)、清掃が行き届いているらしく、カレーへの期待も増す。
店主ひとり営業で、店内はBGMもなく静かで、落ち着いた雰囲気で食事を楽しめる。

カレーは基本の「ポークカレー」650円に、お店独自のアレンジや各種トッピングを加えるスタイル。
この日の私は、以前予習した際に頼むと決めていた、「フランス風カレー」950円をチョイス。
まずはスプーンと紙ナプキンが入ったコップが提供され、


直後にフランス風カレーが登場。カレーにホワイトソースをかける、斬新かつ映える一品である。


横アングルも撮影。熱々だったご飯の量は、300グラムくらいだろうか。右奥の容器には福神漬けが入っている。


まずはカレー部分だけ食べてみると、トロトロとサラサラの中間くらいな、日本人の口になじむ、欧風カレーである。
メニュー表の説明では「30種類のスパイスで出来たオリジナルカレーです」とあるが、
私が愛してやまない、京王線沿線でおなじみのカレーチェーン『C&C』の味に似ている気がする。
あちらは「28種類のスパイス」だけど、具材が溶け込んだ欧風カレー、というのは共通している。
比較すると、C&Cの方が甘く、ローレルの方がビターな印象だが、食後の吐息は、本当にそっくりである。

そしていよいよ、ホワイトソース×カレーソースの融合を味わうことに。


どちらも大好きなソースなので、食べる前は1+1=20くらいになるかと期待していたのだが、
そこまでは到達せず、1+1=3~4くらいだろうか。ホワイトソースのコクと、カレーソースのスパイスは、両立しないみたい。
クリームコロッケカレーのコロモ抜きみたいな料理だから、美味しさがダイレクトに伝わると思ったのだが…料理は難しい。
それでも、たくさん入った海老のお陰で、魚介カレーや海老クリームコロッケカレーを食べているような気分にもなれたし、
そこそこ量はあったのに、短時間でたいらげてしまった。
他にも気になるメニューがあったし、胃の調子もよかったので、別のカレーを食べようか考えたが、
以前も書いたように、ラーメン店で替玉はともかく、ラーメン自体のお替わりは恥ずかしいのと同様、
カレー店でカレーライスのお替わりも、やはり恥ずかしい

会計を済ませ店を出てから、「家族へのお土産」と称してテイクアウトを購入し、近くの公園かどこかで食べる、という名案(?)が浮かんだ。
とりあえず、駅周辺をうろつき、川崎市営稲田公園という場所に着いたのだが、
桜の季節だったため花見客が多く、ベンチのような座れる場所が空いていない。地べたに座ってカレー喰うおっさんは、周囲の迷惑だろうし。


少し歩くと多摩川があるので、水面を眺めながら食べるカレーもいいかな…と思ったのだが、


川の向こう側に、私が長年通っている下品な施設があるのに気づき(苦笑)、この場所も却下。

※愛されて75周年・京王閣競輪場

モタモタ歩いている間に、お店の昼休憩時間になってしまったので、追加注文は断念。
ただ、今みたいな猛暑の時期はともかく、春の季節に公園の桜を眺めながら食べる、カレー弁当はウマそうだね。

初訪問から1ヶ月以上たった頃、前回お替わりしようとしたカレーを目当てに再訪問。
メニュー表も撮影したので掲載。これでは細かい部分が見づらいだろうから、


左半分の文字パートを再撮影し、


右半分の写真付きパートを拡大して掲載。見づらさは解消されていないか。


「ハンバーグカレー」や「唐揚げカレー」など、よそのカレー店にもありそうなメニューに混ざり、
前回のフランス風や「スペイン風カレー」のような欧州シリーズに、「オニオン炒めカレー」のような珍しい商品も存在する。
また、各350円の「コーヒー」or「アイスコーヒー」と、「ミニサラダ」を一緒に頼むと500円になる「セット」もある。

愛国者の私は、今回はかつての同盟国である(←時代錯誤)、「ジャーマンカレー」900円を選択。
ちなみに、もうひとつの同盟国「イタリアンカレー」900円の内容をたずねたところ、
「シーフードにトマトとチーズを乗せる」とのこと。美味しいのだろうが、トマトが苦手な私は避けておこう。
具材を調理し、ご飯を盛り付け、専用の鍋で湯煎されたカレーソースをかけ、女性店主が手際よく完成させた、
ジャーマンカレーが完成。その正体は、ソーセージ&ポテトフライ付きカレー、であった。


ソーセージ(トッピング名称は「フランク」)は揚げてあり、ブリッとした歯触り。


ポテトはごく普通のものだが、じゃがいも入りカレーが好きな方にはいいかも。 ※ポテト単独トッピングはない
食べている途中、前回は気付かなかった(そもそもなかった?)豚肉がふた切れ入っていたことを発見。


豚肉の大きさやとろけ具合も、C&Cカレーに似ているんだよね。
この日は、別の店へ飲みに行く予定だったので、食べ終えたら大人しく退散。

そして昨夜、夕飯を食べるためにローレルさんに3度目の訪問。
フランス、ドイツの次に選んだのは、こちらの最高値商品である「アイドルカレー」1000円。
その正体は、深いお皿に盛られ、底に通常の平皿が敷かれる、いわゆる具だくさんカレーである。


15種類の食材が乗る、西国分寺『すぷーん』の「具だくさん」カレーほどではないが、
揚げ餃子、コロッケ、たくさんのコーンに、


茹で玉子、揚げフランク、店主が注文後に包丁を入れて成型する、カニさん型フランクと、計6種類が盛られている。


商品名の由来は、子供たちの好きな食べ物=アイドルを集めたから、なのだろうか。
前回語ったように、お子ちゃま口の私には、大歓迎のカレーである。野菜がないのもいいね!
とはいえ、野菜は皆無ではなく、コロッケにはじゃがいもとグリンピース、揚げ餃子にも少量含まれているし、


提供直前に缶パセリも振っていたし、そもそも、カレー本体にも野菜が溶けこんでいるはず…と、無駄な言い訳をしてみた。
国名メニューではないが、インド発祥のカレーに、日本の米を添え、フランスのコロッケ、ドイツのフランク、中国の餃子などを乗せるのだから、
ワールドカップ的なカレーともいえる。具材が多かったため、食後はお腹イッパイに。
なのでこの日もお替わりはしなかったが、店主さんにいくつか質問をした。
あとから来た常連風のおっさん客が、「カツカレーの中辛」と注文していたが、メニュー表には中辛などの表記はないので、
辛さは選べるんですか? とたずねたところ「中辛しかないんです」だって。中辛を頼んだおっさんは、ちょっと恥ずかしいのでは。
また、こちらのお店は、店頭入口や店内壁に、曲げられたスプーンが複数飾ってある。


昔懐かしい、自称超能力者のユリ・ゲラーが曲げたようなスプーンゆえ、
あれはどうやって曲げたんですか? というどーでもいい質問に、女性店主は微笑みながら「手でひとつひとつ…」と返答。
怪力なのか、それとも超能力があるのか。怖くなったので「ご、ごちそうさまでした」と告げて退散。 
なお、わかっていると思うが、実際の店主は、ごく普通の温厚な女性である。

世界各国のカレー(?)が楽しめるローレルさんだが、お店一番人気のふわふわ玉子が乗るスペイン風カレー800円や、
肉とニンニクの芽を炒めて醤油を垂らしたものに、温泉玉子も盛り付ける「スタミナカレー」950円など、まだまだ気になる商品も多い。
それら未食のメニューやトッピングを目当てに、これからも稲田堤に通わなくては。
最後に、お店の営業時間と定休日を掲載。初訪問時は営業終了していたが、結構遅い時間までやっている。



カレーの店 ローレル(LAUREL) 稲田堤店
神奈川県川崎市多摩区菅2-1-6
JR稲田堤駅より徒歩約2分、京王線京王稲田堤駅からは2分ちょい
営業時間 11時半~14時半、18時~22時、日・祝は15時まで営業の17時再開
定休日 土曜、第三金曜
※隣駅中野島にも支店がある
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三人がかりで挑むべき大盛カツカレー 西府『とんきち』

2024年04月24日 | カレー、ハヤシ
昨年の秋頃から始めた、【府中市内の個人食堂を巡るシリーズ】。今回は、西府駅からほど近い『とんきち』をリポート。
店舗は甲州街道沿いにあり、以前紹介した『ナミノアヤ』の並びだが、歩道橋に隠れており、車からは見えないかも。


こちらは、今回のタイトルにした、大盛カツカレーのお店として以前から知っており、何度か訪問したことがあったのだが、
定休日や満席、さらにはこのときみたいに夜だけ臨時休業だったりと、なかなか訪問できず。


あとで知ったのだが、上記看板が出ていた時期の前後に、店主兼シェフの旦那さんが、お亡くなりになったようだ。
その後は、神楽坂『五芳斉』と同様、奥様が料理長になり、営業しているそう。
そんな「お母さん食堂」を応援すべく、なにより噂のカツカレーに惹かれて、今年ようやく初入店。

店内は、テーブル席3つに、小上がり席がふたつ。カウンター席もあるが、現在は使用していない模様。
テーブルも小上がりも4人席だが、相席はさせない方針のようで、すぐに満席になる。
実際、提供する料理の器が大きく、場所をかなり取るので、知らない客同士の相席は気を遣うと思う。

接客担当である女性店員に、テーブル席へ案内される。厨房のお母さんシェフからも、「いらっしゃい」の声がかかる。
まずはメニューを紹介。なお、今回カテゴリーは「カレー、ハヤシ」だが、こちらはとんかつ屋さんである。


上の画像が定食類で、こちらはカレーなどご飯ものに、単品料理。


3年前の臨時休業時、外に貼ってあったメニュー表には、ハンバーグやホルモン焼きの定食があった。
価格は少し上がったが、量や質を考慮すれば、今でも破格である。
注文は、当初から決めていた、「カツカレー(ロース)」950円と、「クリームコロッケ」の単品580円。
カレーのサイズは、「ジャンボ!」や「ジャンボ!大盛」まであるが、最初なので無理せず、普通の量にしておいた。
メニューには酒類が見当たらないが、床にはビールの空き瓶が並んでいるので、頼めば出してくれそうだ。


先にクリームコロッケが登場。大きめサイズが2個で、付け合わせの生野菜もたっぷり。


横アングルも撮影。デミグラスソースに生クリーム、ピンク色のサウザンドレッシングなど色鮮やかである。


ハシで割ってさっそくひと口…おほっ、期待どおりの熱さ、そして美味しさ!


中のホワイトソースは、とろ~りではなくやや硬めで、臭みのない油でサクッと揚げてある。
カニよりも乳製品由来の旨味が強いと思っていたら、具材にとろけるチーズも入っていた。


直後にカツカレーもやってきた。大きさを表すため、割りバシを置いてみた。


他店より明らかに大きいのに、これでも普通サイズだ。
横アングルだと、カレーソースが、あふれんばかりに注がれているのがわかる。


さらに、カレーにはお揚げの入ったお味噌汁も付いてくる。


本来ならサラダもあるようだが、コロッケの野菜と重複するので省いたのだろう。野菜嫌いの私には問題なし(笑)。
食べかけとはいえ、クリームコロッケとのセットは、なかなか壮観である。満腹になる前に食べなくては。


カレーのソースから口に含むと、果物か野菜由来の甘さのあとに、辛味や酸味がやってくる。
先代シェフは、洋食経験者だったそうで、ジャンル分けすれば欧風カレーになるのだろう。


そもそも、とんかつ屋さんのカレーは、業務用に少し手を加えただけのような、平凡なものが多い印象だが、
とんきちさんは自家製で、手間がかかっているのがわかる、他では食べられない個性的なカレーだ。
無論、本職であるカツも手抜きはなく、ロース肉は柔らかく、火の通り方も申し分なし。


やや厚めのコロモは薄黄色に色づいており、溶き玉子をたくさん使用したと思われる、串カツ愛好家の私好みのコロモだ。
クリームコロッケは、元々のデミソースと卓上のとんかつ用ソース、そしてカレーにも付けて食べてみた。

※カツにもソースをかけた

店員さんの「コレもお使いください」の助言に従い、途中でチリペッパーも加えてみた。


女性店員は外国の方で、日本語は不慣れなようだが、仕事は真面目にこなしていた。
途中、空いたコップに冷水を注いでくれたのだが、カレーソースと同様、たっぷりと継ぎ足してくれたのがおかしかった。


量だけでなく味も良い、カツカレーとコロッケを食べ終え、「ごちそうさまでした」。
当然満腹になったが、苦しさよりも美味しいものを食べた喜びが上回り、お会計も安く大満足である。
ここのカツカレー950円がどれだけ安いか、比較のためカレーチェーン『CoCo壱番屋』で換算すると、
カレー591円+ご飯推定量450グラムで165円+味噌汁110円(注:店舗限定)+手仕込みとんかつ502円+ヤサイサラダ140円で1508円になる。
そんなロースカツカレーをとんきちさんは、3年前まで670円で提供していた。儲けが出ていたのか心配である。
次回は、隣の小上がり席で若者客が食べていた、ワンランク上のサイズにしようと決意し、この日は退散。

初入店から1ヶ月以上空いた先日、コンディションが整ったので再訪問し、「ジャンボ!カツカレー(ロース)」1350円に挑戦。
まずは、ハムが2枚入ったサラダ、味噌汁、漬物などのサイドメニュー一式が登場。


味噌汁椀との比較で、サラダの大きさはわかってもらえるはず。
ちなみに、この日の味噌汁は、前回よりダシが効いており、抜群に美味しかった。
先客の常連風じいさんは、味噌汁をお替わりしていたが、あれは無料サービスなのだろうか。
数分後、大きな楕円形のお皿に盛られた、ジャンボ!カツカレーが登場。


前回のカレー画像を再掲するが、ハシとの比較で、お皿の大きさを理解してもらえるだろうか。


とあるネット記事によると、同じサイズのチキンカツカレーが、総重量1700グラムだそうで、ロースもそれに近い量だと思われる。
ただ、カレーソースは皿全体にかかっているが、ご飯は中央部のみなので、なんとかイケそうだ。


ご飯:カレーを1:2くらいの割合でスプーンに乗せ、飲むように啜っていく。ご飯の量は650~700グラムくらいか。
合間に味噌汁・サラダを挟み、前回より大きく感じたロースカツも噛みしめていく。
途中、現店主の女将さんから、「ご飯足りなかったから足しますよ」と、まさかの提案を受ける。
「だ、大丈夫です」と遠慮しておいたが、「コイツは残さず食べそうだ」と認めてもらえたのならば光栄である、
とはいえ、クリームコロッケがなかった分、今回の方が余裕があったのも事実。
前回は試さなかった、カツ+醤油もやってみた。カレーが甘口なので、意外と合っているかも。


到着から約20分後、見事ジャンボ!カツカレーの攻略に成功! 


「ジャンボ!」を乗り越えたのならば、次は当然、「ジャンボ!大盛」に挑戦したいところだが、
店員さんが見せてくれた大盛用のお皿は、通常の倍くらいあるジャンボよりさらにデカい。
許可をもらい、私が食べ終えたお皿と、楕円形でなく完全な円形の大盛用皿を並べて撮影したのだが…
遠近法を無視し、奥に置いてしまったため、あまり差がなく見えるではないか。ああ、オレのバカ!


ここで店員さんが、「大盛はご飯4合ね」と教えてくれた。約1300グラムとは、やはりジャンボの倍量だ。
「次回頼んでみる?」という問いかけには、「あ、いや…無理です」とギブアップ宣言し、お店をあとにした。

ご飯が1300グラムということは、総重量2キロ超えは必至。興味はあるが、残すのは申しわけない。
以前紹介した、甲子園球場近くの『大力食堂』さんは、名物だった大盛カツ丼の提供をやめた。
理由は、「写真だけ撮って残して帰る客ばかりでイヤになったから」だ。店主がそう語っている映像を見たけど、本当に無念そうだった。
すでに、とんきちさんの食べログにも、「2回頼んで2回とも残した」というバカの投稿があった。2回目は「少なめ」で頼めよ!
頑張っているお母さん店主と店員さんが悲しむことのないよう、興味本位で注文し、残して帰るような迷惑客には来ないでほしい。

私が「ジャンボ!大盛カツカレー」を頼む場合は、友人とふたりで訪問…イヤ、3人は必要だな。
「とんきち」と聞けば、「ちんぺい」「かんた」と答えるのが、昭和時代の常識(そうかな?)。
近日中に、トン吉、チン平、カン太のようなトリオで訪問し、デカ盛りカレーに挑みたいものである。

※ 東映アニメーション「魔法使いサリー」サイトより拝借



とんきち
東京都府中市本宿町2-17-26
JR西府駅から徒歩約5分、分倍河原駅や京王線の府中駅、中河原駅も徒歩圏内
営業時間 11時半~14時、18時くらいから~21時 
定休日 月、火、祝日
※店のすぐそばに「本宿町二丁目」のバス停がある
※※混雑時は「準備中」の札が出る場合あり
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ハヤシさんのハヤシで一杯 上北沢『ハヤシヤ』

2023年11月27日 | カレー、ハヤシ
前回の文末でチラッと紹介した、上北沢『ハヤシヤ』の「ハヤシライス」。


この店を知ったのは、「千歳烏山 ハヤシライス」で検索したところ、
やはり前回紹介した、駅南口の『もつやき処 い志井』と一緒に、3つ隣駅のこちらがヒットしたのだ。
珍しいハヤシライス専門店、しかもダイニングバーらしいので、ちょっと気になり行ってみたところ、
「本日貸切」で入店できず。お店のSNSを確認してから向かったのに…。


「日本一臨時休業に出くわす男」を自負しているため、貸切ならば仕方ないと、気落ちはしなかったが、
さすがはオレ(苦笑)、2度目の訪問では、しっかり臨時休業に出くわした。 ※のちに店主の体調不良と判明

2度の空振りにも懲りず、数日後に世田谷区の図書館を利用した帰りに、3度目の訪問。
この日は外に看板が出ており、営業中であることを確認し、入口ドアを開けて階段を上っていく。


店内はさほど広くはなく、カウンター席と、奥にテーブルがひと席。


男性店主にカウンター席に案内され、「食事だけでもいいですか」と確認してから、ハヤシライスを注文。
店主は、ハヤシソースを加熱したのち、お皿に雑穀米を盛り付け、ソースをかけて提供…ではなく、
紫キャベツ、クミン味のレンコン、赤ピーマンを乗せてバーナーで炙り、オイルとオレガノと黒胡椒をかけてから、
最後にカイワレをちょこんと乗せ、お店の看板商品「ハヤシヤのハヤシライス」900円が完成。
冒頭とは別のアングルも掲載。他では見かけない、個性的なハヤシライスである。


まずはハヤシから食べてみると、玉ねぎ主体の甘さを感じたのち、塩味や酸味や旨味、そしてオレガノの香りがやってくる。
次に、ライスと食べてみたら、おお、ハヤシのしょっぱさが抑えられ、さらに旨味が増幅したではないか。
見た目は変わっているが、ここのハヤシライス、なかなかウマいぞ!
雑穀米にはコーンも入っていて、甘味でハヤシを引き立てていたし、


他にも、クミンで味付けされたレンコン(黄色いのはそれが理由)や、炙ったピーマンなども存在感があり、
ひと口食べるたびに、異なるテイストが楽しめるため、スプーンが止まらず。

この日は、別の店に飲み行く予定があり、ハヤシライスを食べ終えたらお会計、のはずだったが、
あまりのウマさに気が変わり、さらに単品ハヤシを追加し、軽く一杯やることに。


バーなのでなんでも揃っているが、ドリンクはいつものウーロンハイ(商品名は「お茶割」)500円を注文。
単品ハヤシは、ご飯はもちろん、野菜やオレガノなどの装飾もなく、ソースのみ。


ご飯がないので、結構しょっぱく感じてしまったのか、ウーハイがすぐ空いてしまった。
せっかくなので、店主に「ハヤシに合うお酒」をたずねたところ、下記のワインをオススメしてくれた。


こちらは、「鹿踊り」と書いて“ししおどり”と読む、珍しいオレンジ色の国産ワインらしい。


味の感想は「これは……ワインだ」である。ワイン音痴で申しわけない。
価格は、会計でハヤシライスとウーハイに1580円足されていたので、単品ハヤシが600円、ワインが980円と予想。
食事中は互いに無言だったが、お酒を頼んでからは、店主といろいろお話しさせていただいた。

お店の屋号『ハヤシヤ』は、ハヤシライスを出すからではなく、店主の名字がハヤシだったから
開店当初は普通のバーだったが、常連客から「ハヤシヤなのにハヤシはないの?」とたずねられ、
ランチだけでなく、夜もハヤシライスが食べられるお店になったそうだ。
飲食店の経験は長いが、ハヤシライスはまったくの独学だったそうで、
「【ハヤシライスはこうあるべき】という定義もないし、自己流で自由に作りました」とおっしゃる。
味だけでなく、雑穀米や野菜のトッピングなどのオリジナリティについても称賛すると、
「あと、一般的なハヤシの肉は薄切りですが、ウチのはゴロゴロしてるんです」。ああ、そういえば!

お店がある上北沢は、知らない方のために説明するが、新宿から京王線で15分もあれば着くが、鈍行しか停まらない。
似た字面の下北沢と比べると、かなりマイナーな駅(失礼!)なので、なぜこの地に店を出したのか質問したところ、
ハヤシさんは元々、この街の別の居酒屋で、8年半ほど店長を務めていたそうだ。
独立するにあたり、知らない場所で開業するよりも、顔なじみの多い、勝手知ったる街を選ぶのは必然である。

その後、「上北沢の街」に話題が変わり、この日の私は、駅反対側の上北沢図書館に寄った帰りに訪問したので、
こちら側に移動する際、駅横の踏切で何本もの通過電車を待つハメになり、閉口したことを店主にボヤくと、
「確かに、あそこの待ち時間は苦痛ですね」と同情しつつも、あの踏切が数年後に廃止されることについて、
「仕方ないとは思いますが、なくなったら、それはそれでさみしいですよ」と語り、その理由のひとつとして、
「日暮れ時に、踏切越しに眺める夕焼けが、なかなか良かったんですよ」と教えてくれた。
独創的なハヤシライスを作り上げた料理センスだけでなく、私にはない(恥)、詩的かつ純粋な感性も持ち合わせる、
そんなハヤシ店主のファンになった私は、数週間後に再訪し、今度はじっくり飲ませてもらった。

今回はメニューも撮影。こちらが主なフードメニュー。


こちらがドリンクメニュー。種類が豊富なので、画像を縮小している拙ブログでは、ほとんど見えないはず。スマン!


上記の他、日替わりメニューもある。この日は「牛ランプステーキ」もあった。


普段は居酒屋で、ウーハイやホッピーに串焼きやもつ煮ばかり頼んでいる私だが、せっかくバーに来たのだからと、
この日は「ジンリッキー」700円と、「ラ・フランスのコンポートと生ハム」780円をオーダー。我ながら、ずいぶん無理しているな(苦笑)。
こちらがラ・フランスのコンポートと生ハム。コンポートなんて単語を口にしたのは初めてだし、そもそも意味を知らなかった。

※コンポートとは、果物の砂糖煮のこと。goo辞書より

横からのアングルも撮ってみた。なお、ラ・フランスは洋梨の一種であり、社会的に用無しの私は共食いである(泣)。


食べてみたら、甘いラ・フランスとしょっぱい生ハムの相性は、メジャーな生ハム&メロンよりいいかも。
ちなみに、ジンリッキーはライムがなかったそうなので、レモンで代用。


いずれにしても、ジンが苦手な私にはツラかったので(←頼むなよ)、その後はいつものウーハイに変更した。

店主との会話を楽しみ、ウーハイを数杯飲み干したのち、シメのお食事を食べることに。
今回もやはり、お店自慢のハヤシライスを、「特製ハンバーグ付」+300円で注文。
前回同様、店主はハヤシソースを加熱しながら、ハンバーグの形成を始める。作り置きじゃないとは嬉しいね。
炊飯器から雑穀米をよそり、焼き立てのハンバーグを乗せてから、ハヤシソースが注がれ、
飾りつけは日によって変わるのか、今回は紫キャベツとカイワレの代わりに人参と大葉、そしてバーナー炙りがなかったが、
なにはともあれ、ハヤシ店主特製のハンバーグハヤシライスが完成!


ソースをよけて、ハンバーグだけアップで撮影。玉ねぎ多めのハヤシが、シャリアピンソースみたい。


まずは、ハヤシライス部分だけ食べてみる。やはりこのソースは、ご飯と一緒のほうがいいね。
続いてハンバーグをひと口かじると、中はミディアムレアで肉汁が飛び出す。


店主曰く、「以前は、つなぎに玉ねぎを入れていたが、現在はほぼ肉だけ」とのこと。
さっき書いたように、ハヤシにも玉ねぎがたっぷり入っているから、その方がいいかもね。
ただでさえ絶品のハヤシライスに、肉々しいハンバーグも加わるのだから、ウマくないはずがない。
ジンや焼酎を飲んだあとだが、今回もやはりペロリとたいらげ、「ごちそうさまでした」。

コーン入りの雑穀米や飾りのトッピング、そしてハンバーグなどを絶賛してきたが、
もっとも素晴らしいのはやはり、ハヤシさんが丹精込めて作り上げた、基本のハヤシソースである。
おツマミにある、ナチョスとの組み合わせはもちろん、メニューにはないが、パスタで食べても絶対に美味しいはず。
日替わりの「トマトソース・生ハム・ルッコラのピザ」なども気になるし、何より、話題豊富な店主との会話も楽しい。
自宅からは決して近くないが、ハヤシヤさんには今後も足を運ぶつもりである。どうか、臨時休業はカンベンしてほしい(笑)。
なお、こちらのお店は基本年中無休だが、夜0時以降は別の店主に交代し、毎週日曜は、さらに別の方が店主を務める。

※お店のインスタグラムより

ハヤシ店主のハヤシが食べたければ、火曜~土曜の昼か、月~土の夜24時までに入店すべし!

そういえば、今度の土曜日のテレ東系「アド街ック天国」は、番組初の上北沢特集らしい。
たぶん、ハヤシヤさんも紹介されると思うので、放映直後は混雑しそうだ。


※12月2日追記 アド街上北沢特集、ハヤシヤとハヤシ店主が出てました!


ハヤシヤ
東京都世田谷区上北沢4-16-10
京王線上北沢駅から徒歩約2分
営業時間 11時半~14時、18時~24時
定休日 月曜の昼と日曜、祝日
※訪問前に、お店のインスタグラムを確認してください
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ハヤシライスにもっと光を… その3

2023年11月19日 | カレー、ハヤシ
今年突然、ハヤシライス愛に目覚めた私がお届けする、【ハヤシライス・ガイド】第3弾。
第1弾から第2弾の間隔が、ちょうど1ヶ月だったのに、今回は4ヶ月も空いてしまった理由は、
ハヤシライスを提供しているお店が少ないから、に他ならない。
特に、地元の立川市は私が知る限り、常時提供しているのは第1弾で紹介した、老舗洋食店の『にゅうとん』だけである。


近隣の市もネット検索してみたが、やはり扱っているお店は見当たらず。
昨年までの私もそうだったが、西多摩地区の住民は、ハヤシに興味がないのだろうか。

レトルト商品ならば、100円ローソンで売っていた「大盛ハヤシ」は食べている。

※パッケージは捨てちゃったので、HPより拝借

過去にも何度か購入したので知っていたが、108円にしては悪くないテイストである。


ハヤシのレトルト商品は、カレーよりも当然少ないけれど、ハズレはない気がする。

固形ルーの商品では、『ハウス』の「完熟トマトのハヤシライスソース」を作ってみた。

※さっきの大盛ハヤシと同じ

実は私、生のトマトが苦手で、『モスバーガー』の「モスバーガー」もトマト抜きで注文するほど(←魅力半減では?)。
なので、トマト推しのこの商品には、やや抵抗があったのだが、いざ食べてみたところ、
確かにトマトの風味は強いが、くどくなく美味しい。意外と気に入り、お替わりしちゃったよ


断定はできないが、同じハウスが昔売っていた「ククレハヤシ」も、こういう味だったような。

一応、ハヤシライスがあるお店も探しており、たびたび図書館を利用している、世田谷区の千歳烏山では、
洋食店ではなく、駅近くの『もつやき処 い志井』で提供していることがわかり、本を返した帰りに寄ってみた。
い志井は調布に本店を構え、支店やのれん分け店が多数存在する、もつ焼きの名店である。
私も以前、本店を訪問したことがあったが、ハヤシライスを出していたとは記憶になかった。
せっかくなので、もつ焼き数本と煮込みで軽く飲んでから、シメのお食事として注文。
商品名は「東京ハヤシライス」で、価格は700円。右側のは付け合わせのスープではなく、煮込みの残りである。


飲んだあとのシメを想定しているのか、量は少なめ。ご飯は160グラムくらいかな?


トロミはなくサラサラしており、味わいは結構ビター。具材のお肉がなかなか大きいのが特徴。


酔いもお腹具合も、いい感じになったところでお会計。私の計算より429(税抜き390)円高かったが、
世田谷区の図書を、しょっちゅうタダで借りているので、それくらいはヨシとしよう。  ※下記は最近借りた本


先日は、中野に用事があったので、ついでにハヤシライス専門店の『ハヤシ屋中野荘』に寄ってみた。


開店したばかりの頃に利用したことがあったが、味の印象は「可もなく不可もなく」で、
客入りもあまりよくなかったため、飲食店激戦区の中野では苦しいだろうな…と侮っていたのだが、
お店のインスタグラムによると、今年で14周年を迎えたらしい。おみそれしました!
オムレツやチーズなどのトッピングもあるが、ここはやはり、ベーシックな「ハヤシライス」600円を注文。
開店当初は確か500円で、100円しか値上げしていないのは素晴らしいが、その分ちょっと少ない…かな。


200グラムくらいだと思われるご飯に、お玉一杯のハヤシソースが盛られる。


14年ぶりの訪問ゆえ、前回の記憶がないため、改めて味わってみる。
ソースは甘味、酸味、苦みが適度で、突出しないバランスの良さが、長年支持される秘訣なのかも。
ちなみに、屋号はハヤシ屋だが、「カレーライス」や「ナポリタン」などもあるため、
卓上のスパイスや福神漬けも使ってみたが、ハヤシとは合わなかった。


元の味に文句はなく、食後はもう少し食べたくなった。単に量が少ないからかもしれないが(笑)。

私はこの夏、甲子園に出場した母校野球部を応援するため、関西に行ったのだが、当然ハヤシも食べてきている。
訪問したのは、難波の『自由軒』。関東にも出店している、『せんば自由軒』の本家もここである。


情報満載のお店HPによると、こちらは関西初の洋食店として、1910(明治43)年に開業。
100年以上の歴史を誇る老舗ながら、気さくなおばちゃんが応対してくれるのは、さすがは関西。
カレーとご飯を混ぜて生玉子を乗せた、「名物カレー」が有名だが、混ぜないバージョンや同種のハヤシもある。


私が注文したのは、ハヤシソースとご飯を混ぜない、「別ハイシ」750円。


なぜ2枚撮ったのか覚えていないが、せっかくなので掲載しよう。


いざ食べてみると、苦みは皆無で、甘味と旨味が強く、軽やかなようで意外と濃厚。
少し歯応えが残っている具材の玉ねぎや、数個散りばめられたグリンピースも、いい脇役だよ。
ある程度食べ進めたのち、黄身ちゃんを割って混ぜたら、美味しさは増幅。


もちろん、ソースも黄身も、スプーンで残さずすくい、「ごちそうさまでした」。
明治から受け継がれている伝統の味に大満足であった。 ※ハイシが明治からあったのかは不明
東京の高級老舗店とは違う、大衆食堂っぽい雑多な雰囲気も、妙に居心地がよかった。
次回は、「トンカツ」や「海老クリームコロッケ」でビールを飲んでから、名物カレーでシメたいね。

最後にもう1軒、世田谷区の上北沢に、『ハヤシヤ』という屋号のバーがある。
こちらでは、昼も夜もハヤシライスを提供しており、ご覧のとおりアバンギャルドな外見なのだが、


食べてみるとなかなかウマいのである! お店の詳細は、数日後にアップする。 ※しました→こちらをクリック

以上、今回もハヤシライスを6皿紹介してみた。
次の第4弾は来年になりそうだが、毎回文末で触れていた、「ケンコバさんがTVで紹介したハヤシ」
=五反田『グリルエフ』のハヤシライスは、次回必ずリポートする。

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ハヤシライスにもっと光を… その2

2023年07月06日 | カレー、ハヤシ
数ヶ月前、西八王子の人気洋食店『おがわ』さんでハヤシライスを食べて以来、そのウマさに気付き、
ハヤシ応援団を自称し、様々なハヤシライスを食べまくっているわたくし。

※おがわさんの「ハヤシライス」with「カツサンド」

ちょうど1ヶ月前には、レトルトやウルトラセブンなど、全6種のハヤシを紹介したが、今回はその第2弾である。

まずは固形ルーから。業務用スーパーで売っていた、『エスビー食品』の「ゴールデンハヤシライスソース」。


“豊かに香るスパイス、トマトの旨味”のキャッチコピーどおり、ハヤシなのにカレーのようなスパイスを感じる。
HPによると、カルダモンやナツメッグなどを使用しているそうだが、なかなか面白い味である。
トマト風味が強い、ハヤシみたいなカレーは食べたことがあるが、これはカレーみたいなハヤシである。
具材は必要最低限の食材である、牛肉と玉ねぎしか入れてないが、なかなか美味しかった。

後日、飲み屋でたまたま、エスビーの男性社員と隣席になったので、彼の会社のHPで紹介していた、
「日本人は年間カレーを79回食べる」というデータを基に、ハヤシは年間どのくらい食べられているか聞いたところ、
「当社では調べてないのでわかりませんが、カレーの1/10、8回くらいでは?」とのこと。私と同意見だ。
今年の私は、すでに倍の16回は食べているはず。目標は5倍の年間40食だ。

続いては、地元立川市のハヤシを求めたが、前回記したように、洋食店『にゅうとん』以外では、扱っているお店が見つからず。
「ここならあるだろ」と、『CoCo壱番屋』に入ってみたところ、駅から近い立川駅南口店では、ハヤシを置いていない!
交通費を使ってまでココイチを利用するのもシャクなので、HPでハヤシがあるのを確認してから、
立川南口店からもっとも近い、国分寺並木町店に向かう。国分寺は隣市なので、立川駅から徒歩40分くらい。
ちなみに、八王子駅南口店ならば、立川駅から中央線に乗れば、15分くらいで着くよ(苦笑)。

初訪問のココイチ並木町店は、駐車場もある大型店舗。最寄り駅は西武線の鷹の台かな。
現在、「ハヤシライス」の普通(ご飯300グラム)は718円。基本の「ポークカレー」が591円だから、それくらいになるか…
って、最近のココイチは、カレーが591円もするのか!?
どうも、400円くらいの時代が長かった印象があるので、申しわけないけど、割高感があるよ。
注文後、少しかかってからハヤシライスが登場。ご飯を250グラムに減らしてもらったのでお会計は692円。


これはケチったのではなく、実はこの日、近くのお店で豚骨ラーメンを食べ、さらに替玉+スープ飲み干した直後で、
すでに腹八分状態だったから(笑)。ココイチでご飯を減らしたのは、人生初である。
最初のひと口めで、ハヤシ独特の濃厚な旨味と風味が口内に広がり、正直、ちょっと気持ち悪くなった。
以前書いたように、ライバルのカレーは、食欲をそそるスパイスのおかげで何杯でも食べられるのに対し、
濃厚で旨味過多ゆえ、すぐに満足してしまう(=飽きてしまう)ハヤシを、満腹に近い状態で食べるのは無謀だった。
それでも、少しずつ食べ進めていくと、気持ち悪さよりも「意外とイケるな…」に印象が変わってきた。
ココイチのハヤシは、カレーと同様万人受けするタイプなのだが、お肉がたっぷり入っているのも好感。
ただし、卓上の「とび辛スパイス」は、あまり合わなかった。


ラーメンふた玉食べたあとだが、ハヤシも無事に完食。ご飯減らさなくても大丈夫だったかな。

店舗数はカレーチェーンで日本一のココイチだが、個人的にもっとも好きなカレーチェーンは、
京王グループの『C&C』である。ここのカレー、もっと評価されていいと思うんだけどね。
基本の「プレーンカレー」は490円(新宿本店は440円)。ココイチよりは良心的な価格である。

ココイチと味比べをしようと思ったが、C&Cでハヤシを提供しているのは新線新宿店のみ。
先日、新宿御苑のうどん店『切麦や 甚六』が混んでて入れなかったとき、帰りに寄ってみた。
なお、実はもう1軒、別の場所で食事をしていた(後述)ので、ココイチと同様、今回も腹八分状態である。
入口の券売機で食券を購入し、空いている席に座る。このとき、卓上の札を「使用中」にするのがルール。


数分後、完成した「ハヤシライス」640円を、カウンターへ受け取りに行き、「いただきます」。


C&Cハヤシは、ココイチハヤシや一般的なハヤシと比べると、ちょっと甘口。
ソースは重厚というより軽快で、満腹寸前でもスプーンが止まらず食べ進められたが、
ハヤシライスとしては、ややインパクトが薄い気もする。お肉も小ぶりだったしね。


それでも、最後まで残さずたいらげ、札を「空席」に裏返し、食器を厨房に戻して退店。


ハヤシはココイチの方が勝っているかもしれないが、カレーはC&Cの方が絶対にウマい!
これは、○牛丼は吉野家 ○カップ焼きそばはペヤング ○高校野球は日大三
などと同様、絶対に譲らない持論のひとつなので反論は認めない。ただし、今夏の三高は結構ピンチだが。

市販の商品やカレー店だけでなく、居酒屋などでもハヤシを求めさまよう今日この頃。
つい先日、荻窪の『グレートスコット!』では、「新玉ねぎのおつまみハヤシ」という期間限定メニューがあったので、
当然のようにオーダー。ライスなしで650円。


玉ねぎ由来の甘味が、ハヤシ独特のビターな風味を和らげ、なかなかの美味。
ハヤシをスプーンでひと口、合わせて酒もゴクゴク…と調子に乗って飲んでしまい、途中で記憶をなくしちゃった。
あとで聞いたら、その日の私は初対面の若い女性客に、「キミかわいいね~ウヘヘヘヘ」などと絡んでいたらしい。
普段の私は、女性を「キミ」なんて呼ばないし、そもそも見知らぬ女性に話しかけない(正しくは話しかけられない)。
ハヤシには人間を狂わせる魅力があるのだなあ…って、己のミスを責任転換してはいけない。
こんなブログ絶対に読んでないだろうけど、あのときグレスコにいた女の子、本当にゴメン。

居酒屋・バーのハヤシといえば、聖蹟桜ヶ丘の『三太』でも、ハヤシを食べたことがある。
三太さんは毎週末にカレーを作るのだが、グリーンカレーにキーマカレーなど、内容は毎週異なる。
そして、昨年8月には珍しく、非カレーの「きのこたっぷりハッシュドビーフ」を提供していた。

※ライス抜きで700円くらいだった

店内のせいろで蒸されたハッシュドビーフ=ハヤシは、最後まで熱々のウマウマ。
画像でもわかるように、マッシュルームやシメジなど、本当にきのこたっぷりで、いいおつまみになる。
よく覚えていないが、完全なハヤシ寄りではなく、カレーを感じさせる香りもあったはず。
居酒屋・バーで出すカレーやハヤシって、本職顔負けの場合があるから侮れない。

本稿の最後を飾るハヤシは、本職である洋食店、新宿アルタ裏のビル5階にある『はやしや』。


ハヤシライスブログの締めに最適な屋号であるが、店名の由来はハヤシライスではなく、
創業者の名前が平三→ひっくり返してスーパー『三平ストア』などを営む【三平グループ】を設立
→三平といえば、当時人気だった落語家の林家三平(先代)から→レストランを『はやしや』と名付けた…らしい。
由来はさておき、こちらの創業は、戦後間もない昭和24(1949)年という老舗。
店頭にはメニューサンプルがある、私が愛してやまない昭和チックな洋食店である。


入店すると、これまた昭和風のウエイターさんに「いらっしゃいませ」と挨拶され、ひとり客用の窓際席へ案内された。
窓から見える景色は実に壮観…でもないか。アルタ裏の裏ゆえ、視線の先は靖国通りと歌舞伎町だし。


当初は「ハヤシライス」950円の予定だったが、奮発して「昭和のプレート」に1580円に。
こちらは、サーモンムニエル、ハンバーグ、ポークソテー、海老フライをワンプレートに盛り付け、
さらにカレーorハヤシが選べる、「昭和のおっさん向けお子さまランチ」である。選択は当然ハヤシ。
さっき紹介した、C&C新線新宿店に行く前に食べたのが、この商品であった。
注文後、あまり待たされることなく完成。期待どおりの映え商品だ。


楕円形のライスに、ハンバーグ、ポークソテー、サーモンムニエル、海老フライにレモンとタルタルソース、


さらには生野菜と、私の好きなマカロニサラダも盛られている。昭和の食堂でおなじみ、味なしナポリタンより嬉しい。
銀のお皿以外では、ハヤシソースが入ったポット、コンソメスープ、ソースの容器に、使い道不明の紅生姜。
メンドーなので、最初からハヤシを全部ライスに注ぎ、さっそく食べ始める。


ハンバーグは肉汁がなく平凡、ポークソテーは味が薄く、サーモンはムニエルではなく普通のソテー。
気に入ったのは海老フライとタルタル、マカロニサラダぐらいであった。あと、紅生姜のお皿はもっと小さくていいでしょ。
肝心のハヤシは、最初のひと口で、「いかにも洋食店!」と思わせる芳香と旨味が押し寄せる。
旨味だけでなく、甘味、酸味、苦みも包み込む重厚なコクと味わい。これぞハヤシライスだ!
ただ、ご飯の量が多くないし、他の料理を作っている間に冷めたのか、ソースがヌルかったのも残念。
他にも食べたい料理があるし、値段もそれほど高くないので、はやしやさんは今後も利用したいと思う。

ライスなしを含め、今回も6種のハヤシを紹介したが、私の探索はまだまだ続く予定。
友人・知人にハヤシの名店をたずねたところ、やはり日本橋や浅草など、都内のお店が多い。
立川市在住の私は、なかなか行けないエリアだけど、第3弾は、その辺のお店も探索するつもりだ。
また、前回最後に触れた、「TV番組でケンコバさんが紹介した、ソテータイプのハヤシライス」は、
放映からまだ日数がたってないので、訪問はもう少しあとにしたい。
最後に、タイトルと被るけれど、日本人よ、ハヤシライスにもっと光を!
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ハヤシライスにもっと光を…

2023年06月06日 | カレー、ハヤシ
先日、西八王子の人気洋食店『おがわ』で食べて以来、ハヤシライスに目覚めたわたくし。


ハヤシの美味しさは以前から知っていたつもりだが、その割には食べる機会が少なかった。
カレーと違い、専門店はほとんどないし、最近はそもそも、ハヤシがメニューにあるお店自体が希少である。
私のブログ【洋食】カテゴリーで紹介したお店も、ハヤシを提供しているのはおがわさんだけである。
カレーの大手『エスビー食品』のサイトによると、日本人は1年間で79回カレーを食べているらしい。
ハヤシのデータは不明だが、1/10の年間8回食べる人も少なそうだし、昨年までの私も、たぶん食べていない。
かつてはカレーのCMで、「ハヤシもあるでよ」と同格扱い(?)されていたのに、ずいぶん差がついてしまったようだ。
そんなハヤシを不憫に思った私は、急遽ハヤシ応援団を結成し、食べまくることにした。無論、団員は私ひとりである。

まずは自宅で作ろうと思い、地元のドン・キホーテに買いに行ったら、ハヤシの固形ルーが売られていないのにビックリ。
※2023年11月追記 すみません、よく探したら、ちゃんと売ってました
仕方なくレトルトのハヤシソースを購入。『新宿中村屋』の「ビーフハヤシ」は定価381円で、ドンキでは315円だったかな。


さすがは中村屋、“たっぷり牛肉と濃厚デミグラス”仕上げで、レトルトながらちゃんと美味しい。
なお、パッケージを撮影するのを忘れたが、『ハチ食品』というメーカーのハヤシソースは、

※HPより拝借

業務用スーパーでは84円という激安価格ながら、そこそこウマかった。


安価なレトルト商品でも満足できるハヤシだが、この満足感は諸刃の剣ともいえる。
ライバルのカレーが、辛さとスパイスで食欲をそそるのに対し、甘みと酸味、そして重厚な旨味が特徴のハヤシは、
たとえ腹八分だろうと、ひと皿で満足しちゃう、あるいはもたれてしまう方もいるはず。
『CoCo壱番屋』ではかつて、ライス1.3キロ、推定総重量2キロ超のカレーを20分で食べたら無料、という企画をやっていた。
私の友人が挑戦し、食べ切った者もいたが、そんな彼らも「ハヤシライス2キロ超」だったら、失敗していたはず。
旨味過多なゆえ飽きてしまうのが、ハヤシの悲しき宿命かもしれない。

大量には食べられなくても、適量なら美味しいハヤシライス。当然、レトルト以外もちゃんと食べている。
拙ブログで「ハヤシライス」でワード検索すると、冒頭のおがわさん以外では、
神保町のカレー店『仙臺(せんだい)』と、下井草のラーメン店『御天』が引っかかる。 
仙臺さんでは「ビーフシチュー」を食べたことがあり、ハヤシの味も想像できるため、御天さんに行ってみることにした。
入店と同時に、豚骨臭が襲い掛かる中、注文したのは「ラーメン」858円と、「ミニハヤシセット」330円。
ミニでもハーフくらいはありそうで、「ハヤシライス」普通サイズ770円を頼むよりお得である。
先にラーメン、直後にミニハヤシが登場。ラーメンの盛り付けが雑に見えるのは、数口食べたあとだからである。


前回食べたハンバーグと同様、ハヤシはたぶん自家製ではなく、業務用に少々手を加えたものかと思われる。


キノコ類も複数入っており、途中で卓上の紅生姜も加えてみた。


なんとなく予想していたが、やはりここはラーメン店であり、ハヤシは「一応メニューにある」体裁であった。
お店自慢の豚骨スープをベースに、ハヤシライスを作ったらどんな味になるのか、ちょっと興味がある。

ラーメンの感想は以前と変わらず、「臭みはあるが、豚骨由来の旨味が乏しい」であった。
具材もネギ、ノリ、チャーシューとシンプルだし、780円の税込858円は、やや割高に感じてしまった。
しかも、お会計では858円+330円で1188円かと思いきや、1298円とさらに110円増し。
メニュー表には「価格は税込表示」と記載されているし、少額とはいえ謎の加算にはガッカリ。

続いては、地元でハヤシライスを食べるべく、「立川市 ハヤシライス」でネット検索したところ、
現在は提供していなかったり、すでに閉店していたりと、ハヤシを扱っている店が、なかなか見つからず。
立川市は吉野家だけでなく、ハヤシライスもないのか…とあきらめかけた頃に思い出したのが、洋食店『にゅうとん』。
こちらのお店は、過去に何度か利用したことがあり、入口脇にはさっき触れた、「ハヤシもあるでョ」の宣伝看板が貼ってある。


ここの「ハヤシライス」は、コーヒー、サラダ、味噌汁付きで970円。とりあえず、ハヤシの画像だけを掲載。


横からのアングルも撮影。平たいお皿にあふれんばかりのデミソースがかけられている。


ハヤシライスは、カレーのように最初から一緒に煮込むタイプと、ソテーした肉野菜に、デミソースを加えるタイプがある。
こちらのは後者のタイプであり、マッシュルームや玉ねぎの他、お肉のソテーが豪快に盛られている。


肝心の味は、ウイスキーかブランデーかわからないが、洋酒のような苦みを感じた。
提供直前に洋酒で、ソテーをフランベしたのかも。「フランベ」なんて単語、人生で初めて使ったぞ。
旨味より苦みが勝ってしまい、正直私好みのハヤシではなかったが、
にゅうとんさんは他にも美味しい料理がたくさんあるので、後日改めて紹介させていただく。

最後に訪問したのは、ハヤシに目覚めるきっかけとなった、冒頭のおがわさん。
紹介記事の文末で予告したように、ハヤシライス750円と、「カツサンド」700円を同時に注文した。
まずはハヤシがやって来たので、前回とは異なる横アングルを撮影。


最初のひと口で「ハイ、美味しい!」と納得できるテイスト。やっぱりここのハヤシは絶品だ。
業務用ソースなども使っているのかもしれないが、お店独自のひと手間が、絶対に加えられている。
数分後にはカツサンドが完成。ハヤシは食べかけだが、魅惑のタッグチームとして1枚に収める。


カツサンドは、バターやマスタードを塗ったトーストに、ソースにくぐらせたカツと千切りキャベツが挟んである。

※ブレ失礼

当然ながら、トーストは焼き立て、カツは揚げ立て。洋食屋さんが作るカツサンドは格別である。
特にロースかつが美味しく、ハヤシに乗せて、カツカレーならぬカツハヤシを楽しんだりして。

※「カツハヤシ」の注文は不可であった

パンとライスで、W炭水化物摂取だったことにも気づかぬまま、満足・満腹で「ごちそうさまです」。
ロースかつが美味しかったので、次回は「ポークカツレツ(ライス付)」850円を頼んでみようかな。

最後に、私が「生涯最高! …かもしれない」と評価しているハヤシライスを紹介したい。
お店は、小田急線の鵠沼海岸駅から少し歩いた場所にある、カフェテリア『ジョリーシャポー』。
店名でわかった方もいるかもしれないが、こちらのオーナーは俳優の森次晃嗣さん。
拙ブログで勝手に使用している、プロフィール画像の左から2番目、
『ウルトラセブン』の主人公モロボシ・ダン役の御方である


こちらの名物は、森次さんがレシピを考案したとされる「ダンのハヤシライス」。
私の訪問時が700円で、現在はもう少し値上げしている。
開業当初は下記画像のように、森次さんが自ら調理していたらしい。

お店HPより拝借

調理は別の方が担当していたし、森次さんはお疲れの様子で、会話することもできなかったが、
記念撮影と握手をしていただき、サイン色紙もいただいた。 ※撮影と色紙はそれぞれ500円、現在はやっていない模様
淡々とした応対であったが、ガキの頃からの憧れのスターゆえ、まったく不満はない。
私が間抜けヅラをしている記念写真の掲載は避け、色紙の方を掲載する。


その場で書いたわけではないが、セブンのイラストも含め、素晴らしい毛筆である。

Googleのクチコミには、「応対が悪い」「ファンだったのに裏切られた」のようなクレームが多数投稿されているが、
お前ら、大スターに対してサービスを求め過ぎだ!
「こっちはお客様だぞ」と思っているのだろうが、その前に相手はウルトラセブン様だってことに気付け。

そういえば、当日私が食べた、ハヤシライス画像がまだだった。
9年前ゆえガラケー画像しかなく、見た目も普通のハヤシだろうが、これが抜群にウマかったのである。

※記憶にないがビールも頼んでいた

「カレーよりハヤシが好き」と語る森次さんが作ったハヤシソースは、野菜だけでなくフルーツも使用しており、
旨味、酸味、苦みのすべてがバランスよく、具材のピーマンや玉ねぎの歯応えも良好。
「セブンが考案したハヤシライス」という思い込みも加わっているのだろうが、
「生涯最高! …かもしれない」という感想に、ウソ偽りはない。
最近は森次さんが不在の日も多いようだが、最高のハヤシを目当てに、ジョリーシャポーさんに再訪したいものだ。

以上、過去も含め、食べたハヤシライスをいくつか紹介することで、ハヤシ愛を訴えた…つもり。
もっとハヤシに光が当たることを期待し、拙ブログでは今後も、美味しいハヤシライスを探索・掲載していく所存である。
そういえば、先日の「アメトーク!!」でケンコバさんが紹介した、ソテータイプのハヤシライスはウマそうだったなあ。

※美味しいハヤシライスの情報、お待ちしております
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27744時間かけたとんかつカレー 難波『カツヤ』

2022年08月21日 | カレー、ハヤシ
先日行ってきた、2泊3日の関西出張。
初日の夜は、翌日甲子園で試合をする、母校野球部の勝利を願い、ゲン担ぎメシの定番・カツカレーを食べることに。
お店は、大阪なんばにある『元祖とんかつカレー カツヤ』
創業は1959(昭和34)年。カツカレーの元祖とされる(※諸説あり)、大正時代創業の浅草『河金』よりは、だいぶ新しいが、
「とんかつに合うようにカレーソースを作ったのは、うちが初めてでしょう」と店主が語っている。
情報元は、店内のテーブルにメニューと一緒に置いてある、店主が取材を受けた産経新聞の記事コピー。
 

上記画像は縮小してあるため、字が小さくて読めないだろうから、元記事を発見したのでこちらをクリックしてご確認を。

記事によると、ここのカレーソースは、刻み野菜をペースト状になるまで丹念に炒めたものを、
2~3年寝かせたのち、小麦粉とスパイスを加えてルーを作り、再び2ヶ月寝かせてから、
スープで伸ばし、リンゴ、生クリームなどを加え、さらにもう1日寝かせて、ようやく完成するらしい。
2~3年がアバウトだが、ここのカレーソースは完成まで、最大で3年2ヶ月と1日もかかることになる。
私は未食だが、「100時間かけたカレー」というレトルト商品や、そのような名前のカレー店もあるようだが、
カツヤさんのは、24×(3×365+60+1)=27744時間もかかるカレーなのである。スゲエ!

お店の存在を知った20年前から、いつか食べたいと思っていたカツカレーを目指し、難波へ向かう。
関東の人間がなんばor難波と聞けば、グリコやカニや道頓堀などを思い浮かべる方が多いだろうが、
お店に一番近い、JR難波駅の南口は、なんばらしからぬ(失礼)オシャレな雰囲気が漂っているではないか。


どうも居心地の悪い閑静な街路を歩いていくと、


すぐににぎやかな場所に出て、お目当てである赤い看板が見えてくる。


老舗らしいクラシックな外観をした、『元祖とんかつカレー カツヤ』に到着。


こちらは店頭看板のアップ。謎の人物がかぶっているのは、茶色いコック帽ではなく、とんかつらしい。


「頭はとんかつ」の情報元は、約20年前に発売された書籍「ナイルさんのカレー天国!!」より。
ナイルさんとは、東銀座『ナイルレストラン』の先代オーナー、G.M.ナイル氏のこと。
カツヤさんを知ったのはこの書籍なので、ナイル氏には感謝している。最近、女性に訴えられたみたいだけど(苦笑)。

店内に入ると、カウンター席とテーブル席があり、私はテーブル席に案内された。
なお、奥には漫画コーナーもあったりする。老舗なのに庶民的でいいね。


私が着席したのは5番テーブルらしいが、「5番」と大きく記された札の裏側は、


なぜかタロットカードの「Ⅴ ジュピター」であった。


あとで、「タロットカード ジュピター」で検索してみたところ、
正位置では「慈悲深い、善良、寛容、発展、冠婚葬祭、道徳」などを意味するらしいが、
逆位置だと「行き過ぎた行為、慣例を無視する、物欲にとらわれる」などの意味になるとか。ほぼ私のことではないか。
タロットカードより、お店メニューの紹介をしよう。まずは【カレーのメニュー】の表側。


とんかつ以外にも、ビーフカツやポークなど、いろいろな具材のカレーが用意されているが、
裏側にも、エビフライ、チキン、さらには濃厚ソースを使用したスペシャルカレーなんてのもある。


カレーの価格は、一番安い「プレーン(素)カレーライス」が800円。カッコ素カッコトジルが親切である。
一番高いカレーは、スペシャルカレーの「ビフカツBW(特選ヒレ肉)」4400円。Wは特選お肉を意味するそうだ。
さらに、ABCとクラス分けされ(Cが一番上等)、具材だけでなくカレーソースも、異なるらしい。
大阪に住んでいたら、ABCの違いを確かめるため、カツヤさんに通い詰めるのに。
なお、トッピングは追加できるので、とんかつABC3枚を同時に頼み、食べ比べをすることも可能。


なお、トッピングは一品料理としても注文できるし、「ビフテキ」や「カツ丼」まである。


ビールや後述する酒類もあるし、カツなどで一杯やってからカレーでシメ、なんてこともできそうだ。
メニュー豊富で注文に迷ったが、ここはやはり、お店のウリの元祖とんかつカレーから、
メニューに「★当店おすすめ!」と書かれている、上ロース肉の「とんかつカレーB」1500円を選択。


別の店ですでに飲み食いしていたし、さらにこのあとも1軒寄るつもりだったので、満腹になるのを避け、
トリプルとんかつのような、バカな追加トッピングはせず、卵50円の半生(「生」と「ゆで」もあり)だけにしておいた。

しばらくして、半熟玉子が乗せられた、とんかつカレーBがやってきた。


横からのアングルも撮影。ご飯の量は、そんなに多くないかな。


なぜか、ラッキョウが1個だけ添えられているのが微笑ましい。福神漬けはテーブルに置いてある。


まずはカレーソースからひと口。辛さよりもまず、野菜や果物由来の旨味と甘味を感じた。
ジャンルでいえば欧風タイプになるのだろうが、私が好きな日本人の口になじむカレーである。
濃厚だけど形状はドロドロでもなく、重さは感じないので、どんどんスプーンが進む。
バターなどの油脂類はほとんど使っていないらしい。きっとカロリーも低めだろう(←カツカレーなのに…)。
とんかつに合うように作ったソースゆえ、やや薄めだが幅のある上ロースかつとの相性は、当然良好。

※黄色い粉末のように見えるのは、ゆで玉子の黄身をほぐしたもの

辛さはほどよく、辛いのが苦手な人も大丈夫だと思われるし、足りなければ、卓上のガラムマサラを追加すればいい。


適度なスパイシーさが食欲をそそり、あっという間に食べ終えてしまった。さすがは長時間を費やしたソースだ。
大阪にしては高めの価格設定だが、ここでしか食べられないカレーであり、値段相応かそれ以上の価値はあるはず。
関西にはいいお店がたくさんあるので、2泊3日の滞在では1度しか行けなかったのが残念。
味を思い出しながら雑文を書いていたら、ここのカレーをまた食べたくなってきた。
今度行ったときは、さっきも書いたように、おつまみで一杯やってから、AとCのとんかつを乗せたカレーを食べようかな。
さっき紹介した卓上メニューでは、ドリンクは「ビール大中小」と「ジュース類」しか記載されていなかったが、
壁紙のメニューで、ジュースの詳細が判明。気になるのが、「プラス100円で爆弾に出来ます」の一文。


さっき記した「後述する酒類」とは、ジュース類にウォッカorウイスキーを入れた爆弾のことである。
ここ数年、提供する店が増えてきた印象だが、関西では「酎ハイ」文化が、東京ほど広まっていないようで、
私が愛飲している、ウーロンハイやホッピーセットを、置いていない飲み屋も多い。
なので、カツヤさんに焼酎がないのも仕方はないが、ウォッカ・ウイスキーをソフトドリンクで割るとは…。
長年酒をたしなんでいるが、ファンタにウイスキーやウォッカを入れようなんて、考えたこともないぞ(苦笑)。
次回はダブルとんかつカレーだけでなく、ファンタウォッカにも挑戦…はやめておいた方がいいか。

美味しいとんかつカレーだったが、翌日の甲子園では、母校野球部は「かつ」ことができず初戦敗退(泣)。
ひょっとしたら、2500円の「スペシャルカレーのとんかつB」を食べていれば勝っていたかも?
まあ次回は母校に関係なく、カツヤさんでのんびり食事を楽しみたいな。



元祖とんかつカレー カツヤ
大阪府大阪市浪速区元町2-6-25
JR難波駅南口から徒歩約4分、他電鉄の難波駅、地下鉄大国町駅からも徒歩圏内
営業時間 10時半~20時半
定休日 日曜、不定休あり
※お店のレトルトカレーを店内で販売。2人前入り1100円

※2023年8月追記
店舗老朽化のため、近くの元町2-12-33に移転したそうです
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地価は高いのに、安すぎて心配になるお店 東京駅『アルプス』

2021年09月24日 | カレー、ハヤシ
今から10年ほど前まで、私は中央区の八丁堀で働いていた。
一応説明すると、八丁堀は東京駅からJR京葉線でひと駅、地下鉄だと、築地や茅場町が隣駅。
京橋、銀座、有楽町、日本橋、人形町、ちょっと遠いが門前仲町あたりまでが徒歩圏内。
休憩時間は、日替わりでこれらの地域に足を伸ばし、いろんな飲食店を巡ったものである。
一期一会の店が大半だが、中には複数回通った、お気に入りのお店もあった。
その中のひとつが、八重洲地下街の端っこにあるカレー店『アルプス』
東京駅を出てすぐ、という好立地ゆえ、家賃は相当高いはずだが、提供している商品は異様に安い

今、東京の地価公示価格(令和2年)を調べてみたら、1平方メートルあたりの価格だと、八重洲は2340万円。
いまいちピンとこないが、私が住む立川市は16万~535万だって。地域によって差があるが、ケタが違う。
ちなみに最高価格は、銀座4丁目の5770万円で、丸の内、新宿、大手町などに次ぐのが八重洲。
とにかく、八重洲の地価はべらぼうに高いということを頭に入れてから、以下の文を読み進めてほしい。

さっき、大文字で表記したように、アルプス最大の魅力は安さである。基本のカレーライスの価格は…いくらだっけ?
思い出せない理由は、ここで普通のカレーを、普通の価格で食べた記憶がないから。
こちらのお店は、15時~19時まではタイムサービスで、カレーが290円になるのである(初訪問時は280円だった)。
高地価の八重洲でこの価格。しかも、サービスタイムが長い!
普通はアイドルタイムの17時くらいまでで、18時台のディナータイムは含まないでしょ。

2年前、築地方面での仕事帰りに、久々にアルプスに寄ってみた。タイムサービスは継続中。


しかもこのサービスカレー、具ナシのいわゆる「プレーンカレー」ではなく、
コロッケ、チキン、チーズの3種から具材をひとつ選べるのである。


上記ポスターの「えっ!? 東京駅でこの値段???」のキャッチコピーは、言い得て妙である。

食券を厨房の店員に渡し、トレイに乗ったカレーを受け取り、席まで運ぶセルフ方式。
どんな時間帯でもどんなメニューでも、すぐに提供される。スピーディーな提供時間もこちらの魅力。
休憩時間が残りわずかだったりして、急いでいるときには大助かりだ。
この日、私が頼んだ下記の具だくさんカレーも、15秒くらいで出てきた。さすがの早さである。


入店時はサービスタイムに該当していたが、昔さんざん食べたので、ぜいたくにも上記のカレーを注文したのだ。
こちらは券売機全体図。私が選んだのは「BIGカツ」570円に、「トッピング唐揚げ」110円、


券売機にボタンがなく、店員さんに直接払う「目玉焼き」50円。「ぜいたくにも」と記したが、総計は730円。安い!
カツカレーでもこの短時間で出せるのは、万全の準備体制(要するに揚げ置き)のたまものであろう。
あと、上記券売機では、期間限定メニューだったと思われる、「カレー焼きそば」550円が気になるな。
下記の画像は、どんな意図で撮影したのか忘れた。カツの厚さを伝えたかったのか? 伝わらないけど。


ビッグなカツも唐揚げも、揚げてから時間がたっているが、温かいカレーソースと一緒に食べれば気にならない。
過去には、入店から食べ終わって退店するまで、5分かからなかったこともあるが、
この日はさすがに、具材が多かったので食べ切るのに10分ほどかかったよ。
私だけでなくほとんどの客が、とっとと喰ってとっとと帰るため、滞在時間が短い。
時間帯によっては行列ができるアルプスさんだが、回転が早いので、そんなに待たないで済むはずだ。

730円のぜいたくカレーを食べた数ヶ月後、またまたアルプスさんを訪問。
実は、別の店で食事をしたのだが、どうも物足りなかったので、デザート代わりに入店したのだ。
タイムサービス以外にも、曜日によってご飯大盛などのサービスがあり、
この日は「BIGマンデー」だったようで、570円のBIGシリーズがすべて500円。※最近は実施していない模様


前回カツを食べたので、今回は「BIGハンバーグ」を選択。なお、券売機のメニューや位置は、頻繁に変わる。


今回もやはり、10秒くらいで登場。目玉焼き付きで500円は安いよね。


カツカレーのときに説明し忘れたが、アルプスではナイフやフォークは使わず、
昔給食で使用した、懐かしい先割れスプーンを使用する。カツもハンバーグも、ちゃんと切り分けられるよ。


目玉焼きの黄身ちゃんを、ハンバーグやカレーソースと絡め、スプーンで一気に書き込んだ。

それから2年。コロナ禍もあり、なかなか行けなかった八重洲や東京駅で、先日久々に買い物をした。
せっかくなので、どこかで食事をして帰ろうと思い、目指したのがアルプスさん。
「久々の八重洲なら、もっと高い店で喰え」とツッコミが入りそうだし、自分でもそう思ったが(苦笑)初志貫徹。
テイクアウトのボタンや、新商品やトッピングも増え、既存メニューも少しだけ値上げしたようだが、
「タイムサービス」は300円と、わずか10円の値上げ。しかも14時~19時と、1時間長くなっていた。

※一番安い基本のメニューは「チキンカレー」420円と判明

購入した食券は「タイムサービス」300円のみ。「もっと金を使え」とツッコミが入りそうだし…以下同。
アルプスさんはこれまで何度も利用してきたが、サービスカレーだけの注文は、さすがに記憶がない。
女性客ならまだしも、図体のデカいおっさんが、激安カレーしか食べないのは恥ずかしいからね。
10年以上前には、サービスカレーをふた皿同時に食べたことはあったが、今思うと、あれはあれで恥ずかしいな。

カウンターで食券を渡し、選べる具材は「コロッケでお願いします」と告げると、
「福神漬けは?」と聞かれた。以前は卓上に置いてあったが、この時勢ゆえ、個別に提供するようになったのだろう。
「いりません」と応えると、数秒後にはトレイにコロッケカレーが乗せられた。
こちらが、アルプスの名物メニュー「タイムサービス」カレーだ!


横アングルはこちら。一般的なお店のカレーより、やや少なめの盛り具合。


2年ぶりのアルプスカレーは、おおっ、意外と辛い!? 
見た目は以前と同じ、ドロッとしたソースで、スパイシーさよりコクを感じるタイプだが、ちょっと辛味が増した印象。
とはいえ、ヒリヒリと残るタイプではないので、辛いのが苦手な人でも大丈夫。
ご飯はお茶碗一杯分くらい、推定200グラムくらいかな。こちらも昔より減ったような…。
なお、辛さもご飯の量も、あくまで私個人の感想なので、実際はずっと同じかもしれない。
コロッケにはグリンピースも入っていた。自家製ではないと思うが、カレーソースとの相性はいい。


いずれにせよ、300円でコロッケカレーが食べられるのはうれしい。何度も繰り返すが、ここは家賃の高い八重洲なのである。
余計なお世話だろうが、利益が出るのか心配になるよ(←じゃあ、もっとカネを落とせ)。
申しわけないので、勝手ながら、新メニューの宣伝をさせていただく。
 ※お店のツイッターより

「2色そぼろのカレー丼」、9月28日より発売開始!
まあ、このブログは閲覧者が少ないので(泣)、宣伝効果はなさそうだが…。

なお、すぐ隣には立ち食いそばチェーンの『梅もと』もある。
こちらも立ち食い店とはいえ、「かけ」や「もり」は250円と、八重洲らしからぬ低価格で頑張ってらっしゃる。
そばだけでなく、「かきあげ丼」の他、「穴子丼」や「まぐろたたき丼」など、ご飯メニューも充実している。
ただ、立ち食い店ではよくある、「カレーライス」や「カレーうどん&そば」が見当たらない。
調べたところ、梅もとの他の支店では、カレーを販売している。というか、カレーがないのは八重洲店だけ。
隣のアルプスさんに気を遣っているのか、あるいは圧力を受けたのか?
カレーが安い理由も、店主が地主の弱みを握っていて、家賃をタダにさせているとか!?
まさかアルプスの店主は、八重洲界隈を牛耳る影のボスだったりして…そんなワケないか。

私のくだらない妄想はさておき、1969年の開業以来、52年にわたって安価なカレーを提供し続けている、
アルプスさんの企業努力には、頭が下がる思いだ。
私は今後も、近くに来たときは利用させてもらうつもりだし、
次回はもう少しお金を使うので(笑)、どうか温かく迎え入れていただきたい。



カレーショップ アルプス
東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街北1号
東京駅八重洲口から徒歩約2分 JR八丁堀駅からは徒歩約20分
営業時間 月~金 9時~20時 土日は11時から ※以前は21時半までだった
定休日 元日
※土日は19時半まで?
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安くてウマくて映えるカレー 西国分寺『すぷーん』

2021年05月26日 | カレー、ハヤシ
本題に入る前に、まずはお礼から。
ちょっと前に、立川駅から徒歩60分圏内の飲食店を紹介したとき、「西国分寺の某店が開いてなかった」と書いたのだが、
先日、そのお店の常連と思われる、親切な読者の方からメッセージが寄せられ、
中休みがあること、18時~20時は入店できること、おススメ料理などの情報を提供していただいた。
メッセージを送ってくれた「名無しさん」、どうもありがとうございます。今後も拙ブログをよろしくお願いします。

実は、10日ほど前に再訪問したところ、またもや「準備中」でシャッターが下りており、※ちなみに、時間は18時10分(泣)


縁がなかった…とあきらめていたのだが、改めて再々訪してみることにする。

せっかく来たのに入店できず、半ベソかいていた私を迎え入れてくれたのは、
前回と同様、西国分寺駅至近にあるカレーのお店『すぷーん』
カウンター席のみの小さなお店だが、営業中はひっきりなしに、お客さんがやって来る繁盛店である。
なお、お店の看板は「すぷ~ん」だが、系列の国分寺店のHPは「すぷーん」なので、このブログでも「ー」表記にする。

初めて入ったのは10年以上前。いつも行列ができていたので気になり、ある日、自分も並んでみることに。
価格は想像以上に安く、けれども店員さんの接客はしっかりしており、味も本格的で実にウマかった。
どれだけ安いかといえば、こちらの基本のカレー「プレーン」は、今どきなんと440円!


カレーチェーン『ココイチ』の514円、以前紹介した神保町『仙臺(せんだい)』の500円よりも、さらに安い。

濃厚なカレーソースは、辛さよりコクを感じ、色も黄色ではなく、ビーフシチューのような茶褐色。
あえてジャンル分けすれば欧風タイプで、じっくり煮込まれて溶け込んでしまったのか、具は見受けられず。
つまり、「プレーン」カレーは本当にプレーンなので(笑)、頼んでいる客は見たことない。
安価とはいえ、こちらのお店は金欠学生や金欠オヤジ(私だ)風の客は少なく、女性客の割合が多い。
その理由のひとつと思われるのが、クリームで描かれるリーフアートだ。
ちなみに「リーフアート」とは、国分寺店HPで見た呼称。そんな言葉があること自体、私は知らなかった。
女性客のほとんどが、商品をスマホで撮影している。いわゆる「映える」ってヤツだね。
あのとき紹介した「カツ(とんロース)+玉子」カレー810円にも、ちゃんとリーフアートが描かれている。


横アングルはこちら。ロースカツは、ちゃんと厚みがある立派なタイプだ。


石川産「みつひかり」を使用した、ご飯の量は推定220グラム。300グラムのココイチより少量で、これも女性受けしそうだ。
卓上には福神漬けや唐辛子の粉末などが置いてあり、私は写真の「七味にんにく」を愛用する。


ニンニクは当然ながら、洋風のカレーなのに、和風の七味が意外と合うのが面白い。
カツ玉子カレーを食べた数日後、某店に再度振られたときに食べたのが、日替わりの限定カレー。
価格は790円で、商品名は「チーズインハンバーグ、目玉焼き乗せ」カレーだったかな。


ご飯、ハンバーグ、目玉焼きの順に盛りつけられており、上記画像では、ハンバーグが見えないではないか。
さらに、途中でとろ~りチーズ&とろ~り黄身ちゃんの2ショットを撮ろうとしたら、
先に黄身がとろけてしまい、チーズは固形のまま、という全然映えない画像を撮ってしまった。


普段、食べロガーの投稿をバカにしている私だが、撮影は明らかにあいつらの方が達者だ。チクショ~。

ここで、さっきから何度かHPを参照し、名前も出している、国分寺店で食べた分も紹介したい。
すぷーんさんは、かつては三鷹にもあったのだが、現在は西国分寺と国分寺の2店だけのようだ。
国分寺店は「プレーン」がなく、トッピングも西国分寺店と異なり、ちょっと値が張るが、
店内はテーブル席もあって広いし、酒類などドリンクのメニューも豊富で、ゆっくりくつろげる。
画像は、2年前に食べた「ソーセージ&ゆでたまご」カレー+「牛肉コロッケ」850円。


コロッケは、この日サービス価格だった記憶がある。あと、たった今思い出したんだけど、
国分寺店のご飯は黄色い=サフランライスを使用していた。食べかけの汚い画像で申しわけない。

※途中でカイエンペッパーかけた

最後に、西国分寺店で、もっとも映えると思われる商品を紹介。
さっき載せたメニュー表は、お店の外に貼ってあるテイクアウト用で、店内限定(たぶん)のメニューもある。
ひとつが「サーロインステーキ」1200円で、もうひとつが、私が食べた「具だくさん」1100円だ。
ネーミングに偽りのない、トッピング満載のヤンチャな盛り付けで、
具材が多く、ご飯が足りなくなると思ったので、推定1.5倍の大盛ライス+60円で注文。
最初にトッピングを書いておくと、エビフライ2本、コロッケ、ソーセージ、唐揚げ、ゆで玉子、あとは野菜の素揚げとして、
サツマイモ2、ナス、ブロッコリー、人参、カボチャ、ズッキーニ、じゃがいも、しめじ、緑・赤のピーマン各2。
野菜は記憶違いがあるかもしれないが、とにかく具だくさんなのはわかってもらえたであろう。
たくさんの揚げ物を、店員さんが順番に盛り付け、最後にリーフアートを描き、完成したのがこちら!


実物は本当に壮観だったんだけど、このヘタクソな写真では、伝わらないよね。ああもったいない。
参考として、こちらは横アングルの表、


そしてこちらが、横アングルの裏。


食べてる途中で、「唐揚げが見当たらない!」とあわてて探索したところ、
中央の揚げ物群の下に埋まっていた。唐揚げというよりナゲットみたいな形状だね。

※毎度毎度、ピンボケ失礼

野菜嫌い(←頼むなよ)の私だが、個々の素揚げはおいしく食べられた。カレーとの相性も良かったし。
あと、今回改めて気づいたけど、すぷーんのコロッケはウマい。これで60円は反則である。
行列のできない店だったら、まずはコロッケだけ3個注文し、生ビール2杯飲んでから、カレーで締めたいよ。
※現在は当然、酒類の販売は休止中
ちなみに、私が初めてここで食べたメニューも、下記の「コロッケ」だった。


もう10年以上前にガラケーで撮ったので、画質の悪さはカンベン。現在でも500円と破格だが、当時はもっと安かったはず。

「具だくさん」カレーにハナシを戻すと、
オカズが多く、食べるのに時間がかかったため、途中でスパイスが効いてきたのか、額から汗が出てきた。
発汗は身体にいいと聞くし、野菜もたくさん食べたので、ヘルシーな夕食となったようだ…カロリーはさておき。

以上、安くてウマくて映える、多摩地区屈指の名店『すぷーん』さんのカレーを紹介してきた。
私みたいなおっさんが、「映える」なんて若者言葉(?)を使うのは、最後まで抵抗があったが(苦笑)。
コロナ禍の今も、こちらには連日、大勢の客が押し寄せているし、テイクアウトの客も多い。
機会があったら、皆さんもぜひ、ここのカレーを味わっていただきたい。

最後の最後に、すぷーんさんの近所の店舗に貼ってあった、休業のお知らせを掲載。


書いた方の言葉を借りれば、「飲食店が悪いと言われて」1年以上経過したが、いまだに確固たる証拠は示されていない。
そんな現状に、不満を抱いている飲食店関係者は多いはず。もちろん、客側の私だって不満タラタラである。
いかんな、本来なら「打倒コロナ」で、みんなが一致団結しなければならないはずなのに…。



カレーハウス すぷーん
東京都国分寺市西恋ケ窪2-6-3
JR西国分寺駅から徒歩約20秒
営業時間 現在は11時~14時、17時半~20時
定休日 現在は土日
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安価で頑固な(?)本格カレー 神保町『仙臺(せんだい)』

2021年04月14日 | カレー、ハヤシ
夏の大会の前哨戦となる、高校野球・春季東京都大会が開幕。
母校日大三は、ここまで3勝を挙げ、ベスト8に進出しているが、試合内容は正直冴えない。
先日の3回戦では、8回までの24アウトのうち、20個がフライアウトという奇跡(?)を起こした。
フライばっかり打ち上げる野球部を嘆き、試合後のランチは揚げ物を食べまくろうと決意。発想が単純だね。
高円寺『あげもんや』は、八王子球場からはちょいと遠いので、ココイチこと『CoCo壱番屋』で妥協。
「ポークカレー」普通サイズに、「ロースカツ」「フィッシュフライ」「クリームコロッケ」を乗せた。


いいトシこいて、バカ丸出しのオーダーである。計算してみたところ、総カロリーは1766だと。
カロリーよりも気になったのが価格。1176円とはずいぶん高くなった…あ、それは追加トッピングのせいか。
とはいえ、基本のポークカレーも、現在は514円に。昔は400円くらいだったはず。
日本で一番有名なカレーチェーンでさえ514円なのに、自家製の本格カレーを、さらに安価で提供する個人店もある。
そのお店は、神保町の『仙臺』さん。「せんだい」と読むらしいが、もちろん私は知らなかった。


場所は神保町駅からほど近い、うどん『丸香』や担々麺『五ノ井』のある通り。マニア垂涎のストリートだね。
以前、この辺で日雇いをしていた帰りに寄ったが、コロナ禍もあり、最近はご無沙汰している。
以下で、過去に私が食べたメニューを、順に紹介していこう。

あるネット記事によると、こちらの店主はかつて、レストランの料理長やカレー店の社長も務めた、一流シェフらしい。
いかにも頑固オヤジ風で、眼光も鋭い(ダジャレではない)シェフとは、最低限の会話しかしたことがない。
とはいえ、店内はカウンター席のみだし、カレーだけでなく他の料理もお手頃価格なので、気安く入れるお店である。
最初の入店時、私はまず「生ビール」を頼み、「ビーフシチュー」をツマミに飲むことにした。
生ビール400円を飲みながら、カウンター越しに、頑固オヤジ殿の調理作業を見学させていただく。
ビーフシチューは、調理済みのものを温めるだけかと思いきや、
鍋にバターを溶かし、牛肉を炒め、野菜を煮込み…と、注文後に完成させるタイプであった。
数分後、手元にナイフとフォークが用意された。店構えはカレースタンド風だが、立派な洋食店のようだ。


数分後、高級店で使用しそうな、白くて四角いお皿に盛り付けられた、「ビーフシチュー」がやってきた。


第一印象は「想像と違う…」だ。なぜなら、これで980円だから。もっと取られそうなビジュアルである。


牛肉は柔らかく煮込まれていたので、不慣れなナイフとフォークは使わず、ハシとスプーンで食べた。
バターを加えたシチューのベースは、店主自慢のデミグラスソース。「ハヤシライス」も絶対にウマいだろう。
ビーフ以外の具材はポテト、人参、ピーマン、玉ねぎ、キノコ類、そしてブドウの実まで入っている。


ソースにはワインも使っているだろうから、原料のブドウを入れるのは、理にかなっているのかも。
スプーンを駆使し、余すことなくシチューをたいらげたのち、
シメのお食事として「ポークカレー」を追加。こちらはすぐに出てきた。


ハヤシライスのようなこげ茶色をした、じっくり煮込まれた欧風カレーが、なんと450円!
大きな豚肉がいくつか入っており、なかなかボリューミー。コクだけでなく、野菜由来と思われる甘味も感じた。
ご飯の量も、ココイチと同じ300グラムと、決して少なくないが、美味しかったのですぐに食べ終えた。


店主とは対照的に、温厚そうなお母さんにお会計をお願いし、「ごちそうさまでした」。

ちょっと店主は怖いけど、また食べにこよう、と決意した仙臺さんだが、
いかんせん、神保町界隈はウマい店が多いので、再訪したのは数ヶ月先となった。
この日もビールと一緒に一品料理。選んだのは、最高値の「牛たんやき」1400円。
最初の方で、お店の外看板の画像を掲載したが、そこに「牛たん」の文字があったのを覚えていただろうか。
店主は仙台出身で、屋号の「仙臺」は旧字らしいし。そして仙台といえば、牛タンが名物
値段以上の価値はあるだろうと期待し注文。今回も、店主の調理を眺めながらビールを飲む。
仕上げに、助手(息子さん?)の方が、たんに切れ込みを入れ、牛たんやきが完成!


ソテーされたピーマンとキャベツに、辛口の薬味2種、そして分厚い牛タンが4枚。


おそらく、大半の方が満足するのだろうが、貧乏性かつ、最近歯が悪くて硬い食品がツラい私は、
「タンは薄い方がいい」という結論に至ってしまった。頑固店主、ゴメン。
なお、最初にビールと牛たんやきを注文した際、店主に「お食事は?」とたずねられたので、
「あ、あとでカレーか何かを追加します」と返答したのだが、そのひと言が反映されたのか、
追加オーダー時、助手の方に「もうカレーしかできません」と告げられてしまった。
ラストオーダーの時間が近かったため、フライパンなどの後片付けを済ませてしまったようだ。
カレーか何かの「何か」には、オムライスも含んでいたのに…仕方なく「カツカレー」を注文。
牛たんやきを調理し終えた店主が、とんかつを丁寧に仕込んでいたのを眺めていたが、
自家製らしい柔らかそうなパン粉をつけたとんかつが、実にウマそうだったので。
数秒後、カツカレー680円がもう出てきた。安いのはありがたいが、カツは明らかに揚げ置きだ。


だいたい、フライパンを片付けたということは、油も落とした=揚げ物不可に決まっている。
どうやらさっきの「柔らかパン粉とんかつ」は、翌日に使う分の仕込みだったようだ。
カレーはともかく、揚げ置きのカツは、やっぱりイマイチだったね。


その後、仙臺さんを紹介した別のネット記事を目にした。それによると、
【店主は常に不機嫌】そうか、私の前だけじゃなかったんだ。
【長居する客は叱る】それは当然。私も飲食店勤務時代、混雑時は容赦なく長居客を追っ払った。
【夫婦仲はいい】店主が奥様に指示を出すときは、ちょっとドライな印象だが、不仲でないならよかった。
私が入店した時間は、そんなに混んでなかったので、ビールを飲んでゆっくりしたのだが、それもダメなのかなあ。

ネットでは、店主の態度を非難するコメントをたまに見かけるが、私はそれほど気にならない。
ニラまれたことはあるけど、理不尽に怒られたこともないし、彼のような職人気質は嫌いじゃない。
私が嫌いなのは、修行経験も料理の腕もなく、ラーメンしか作れねえくせに、妙にエラそうなバカ店員や、
調理、接客、お店の運営・経営、文章執筆などの経験もねえくせに、妙にエラそうな食べロガーだ。
店主自身も、ネット記事やTV番組などで、「頑固職人」扱いされているのは知っていたようだが、
態度を改める気はないらしい。私も今のままで、問題ないと思うよ。
あ、前回訪問時、ラストオーダー前なのに「カレー以外の注文不可」だったのは残念だったな(苦笑)。
というワケで、3度目の訪問では、「オムライス」を頼むことに。こちらが、最終訪問時のメニュー表。


昨年春頃、「さすがに安すぎた」と気付いたのか、少々値上げしメニュー数も絞った。
なお、昼と夜ではメニューが異なるが、昼は食事関係に限定しているだけで、価格自体は昼も夜も同じである。
ポークカレーは500円に改定されたが、それでもまだココイチより安い
カツカレーは730円、ビーフシチューは1200円、牛たんやきは1600円になったが、一般的には安価な部類だろう。

オムライスは、別に焼いたオムレツを、あとから乗せたり巻いたりするタイプもあるが、
こちらは、フライパンで炒めながら、オムレツでケチャップライスを包む、昔ながらの調理法だ。
数分後、頑固店主が慣れた手つきで、オムライス800円を完成させた。


この日はちょっと、包むのに失敗したのか、オムレツの中央部分が裂けたのを、ケチャップで隠し…


イヤ、これはきっと、猫舌の私が食べやすいように、密封を避けてくれたんだろう。ありがとうシェフ。
まあ、腹に入ってしまえば同じことだからね。実際、味自体は文句なかったし。
あと、付け合わせのかき玉スープが、意外とウマかったことも報告しておく。


お会計を済ませ、店主にも「ごちそうさまです」と告げると、「どうも~」と返事してくれた。
幡ヶ谷『スパイス』の親父さんと同様、こちらのシェフも、頑固かもしれないが決して偏屈ではない。
だいたい、あんな手の込んだカレーを、安く食べさせてくれる御方は、いい人に決まっている!
頑固職人の安価な本格カレー、近いうちにまた食べに行くぞ。



仙臺(せんだい)
東京都千代田区神田神保町1-64-1
地下鉄神保町駅から徒歩約5分、JR御茶ノ水駅から徒歩約9分、水道橋からは徒歩約8分
営業時間 11時~15時、15時半~21時 土曜は昼営業のみ
現在は20時閉店だと思われます
定休日 日曜、年末年始
※早めの店じまいあり
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