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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

木久ちゃんお墨付き(?)のラーメン 聖蹟桜ヶ丘『特一番』

2022年11月01日 | ラーメン、つけ麺など
高校時代、母校野球部の応援に府中球場へ行った帰り、観戦仲間と昼飯を喰うことになった。
お手頃価格で駅の近く、ということで選んだのが、府中駅にほど近いラーメン店。
お店の名前も、何を食べたのかも覚えていないが、味は悪くなかった記憶がある。
もうひとつ記憶に残っていたのが、店内壁に飾ってあった、落語家の林家木久蔵(現・木久扇)さんの写真とサイン。
 ※Amazonから拝借した、木久扇師匠の最新著書

当時はラーメン評論家などおらず、ラーメン好きを公言していた著名人は、私の知る限り木久蔵さんだけであった。
常連客として店主と顔見知りだったのか、たまたま立ち寄っただけなのかは定かではないが、
「全国ラーメン党・党首」を名乗っていた、師匠の写真とサインは、お店のいい宣伝になったはずである。
その後、府中競馬の帰りにも寄ったことがあったが、当時の私はこのお店を、「木久ちゃんの店」と呼んでいた。

それから数年後、インターネットのおかげで、上記のお店が『特一番』という屋号だったことを知る。
さらに、何度か利用していた分倍河原駅近くのラーメン店が、特一番の支店だったことも判明。気付けよ(恥)。
分倍河原店には、「力(ちから)ラーメン」という、ちょっと珍しいメニューがあったのだが、
ある日、おっさん客が「カレーラーメン!」と誤読注文し、店員に「力ラーメンのことですか?」と指摘されると、
「あっ、イヤ、そ、そうです…」と激しく狼狽…と、どうでもいいことは覚えているのに、屋号は忘れていた失礼な私。
さっき、食べログで分倍河原店のメニュー表示を確認したところ、私が遭遇したおっさんのような客が多かったのか、
力ラーメンだけ、手書きで「モチ入りラーメン」に修正されていた(笑)。

特一番は、本店が北海道・旭川にあり、東京にはのれん分け店として、先述の府中と分倍河原、
さらには日野、三鷹、吉祥寺、中河原、和泉多摩川などにも店舗があったようだが、現在はすべて閉店。
府中や三鷹は屋号を変えて再起したようだが、特一番の屋号で営業しているのは、東京では聖蹟桜ヶ丘店のみ。
私が最後に入店したのが、もう10年ほど前の日野店。いつの間にか減っていた特一番さんの味を思い出すべく、
今年の春頃、近くの居酒屋『三太』さんで飲んだ帰りに、寄ってみることに。

『北海道らーめん 特一番』という屋号の下には、昭和44年創業という力強い文字。今年で53年目を迎える老舗店だ。


「北海道らーめん」と名乗っているが、正確には、本店がある「旭川ラーメン」の系統だと思われる。
昔、「札幌は味噌、旭川は醤油、函館は塩」と聞いたことがあるが、こちらは3種とも揃っている。


この日私が注文したのは、「味噌らーめん」680円(現在の価格、以下同)と、

※当時はらーめん全品620円

6個420円の「餃子」のハーフ、「半ぎょうざセット」220円。


私の印象では、同じ味噌ラーメンでも、札幌のはモヤシなどの野菜やひき肉が入るタイプで、
旭川はこちらのように、メンマ、チャーシュー、ネギと、醤油ラーメンと同様の具材を使う店が多い気がする。
また、麺も札幌風のように真っ黄色ではなく、標準的な色の縮れ麺だ。


肝心のスープは、味噌由来の旨味、甘味、コクよりも、ダイレクトにしょっぱさが押し寄せる!
だがこれこそが、私が若い頃によく食べた特一番の味であり、「懐かしの味噌ラーメン」である。
「コレだよコレ!」と心の中で喝采しつつ、麺を噛みしめスープを啜る、幸福なひととき。
しょっぱウマい味噌スープは、餃子タレにも使用してみた。


餃子は薄皮で、ほんのりニンニクの香り。卓上の自家製ラー油が好相性。


前のお店で結構飲み喰いしたあとだったが、味噌スープも相当飲み(苦笑)、他はしっかり完食。

数ヶ月後の再訪時は、塩味を試してみたくなり、「塩バターコーンらーめん」820円+「温玉」110円を注文。


味玉でも生玉子でもなく、温玉というのが、ソフト黄身ちゃん愛好家としてはありがたい。


麺と具材は味噌味と同じ。塩味のスープもやはりしょっぱかったが、バターの風味とコーンの甘味でだいぶ和らぐ。
通常レンゲと一緒に、穴開きレンゲも付いてきたので、コーンを残さず救うことができた。
最近は、魚介ダシや岩塩などを使った、複雑な味わいの塩ラーメンを出す店もあるが、
特一番さんのは、昔ながらの化学調味料など(笑)を効かせた、シンプルだけどじんわりウマい、塩ラーメンである。

ここで、入口の画像を再掲載。隣の看板『味道楽 留萌(るもい)』は、特一番の2階にある居酒屋で、経営者は一緒。


ランチ営業もしているが、夜メニューも注文可能なので、昼酒も楽しめるようだし、


しかも、1階の特一番のメニューも頼めるらしい


3度目の訪問は、上の居酒屋で一杯やったのち、下からラーメンの出前(?)を頼むことにした。

階段を昇って入店すると、店主らしき男性にカウンター席へ案内され、さっそくメニューに目を通す。
留萌という北海道の地名を屋号にしているだけあって、北海道直送のお刺身など、魚介類のおつまみが主体。


お店自慢の生魚が食べられず、野菜も苦手な私は、頼む料理が限られてしまう。
とりあえず、「エビスビール」の中瓶680円を注文したところ、頼もうと思っていた「ざんぎ(とりの唐揚げ)」が、
洋風ソース(ケチャップ&マヨ?)で和えられ、お通しとして出てきた。これは嬉しい。

※お通しはたぶん400円

おつまみは、店内貼紙でもオススメしていた、「手造りつくね」200円を2本と、
ひとつくらい魚介料理を…ということで、「ほたてバター焼き」680円をオーダー。
まずはつくね2本が登場。見た目どおり、濃口のタレで焼かれており、ビールが進んでしまい、お替わり。


1階のラーメンもしょっぱいが、2階の居酒屋は酒を飲ませるためか、さらにしょっぱいのかも。

ビールとほぼ同時に、貝殻を容器代わりにした、ほたてバター焼きも完成。


バターよりも、磯の香りが強く感じられる。おお、拙ブログでは珍しい表現。
お行儀が悪いのを承知で、ほたてのエキスが溶けこんだバターに、つくねも浸してみた。


つくねタレとバターが、どちらも引かずに渡り合う、先日の日本シリーズのような名勝負。※オリックスおめでとう!
ビールから「ウーロンハイ」460円に変え、それも飲み干した頃、シメの特一番ラーメンを注文。
味噌と塩は食べたので、この日は醤油味の「チャーシューめん」950円をオーダー。
さっき「下から出前を頼む」と記したが、当然岡持ちで運ばれるのではなく、厨房内のリフトで上がってくる。
数分後、チャーシューが6枚盛りつけられた、醤油・チャーシューめんが到着。


つくねタレと同じ色をした、いかにも濃そうなスープは、いざ飲んでみると、期待を裏切らぬしょっぱさ!
味噌、塩をさらに上回る、醤油由来の塩分がキツイため、提供されたお冷やをがぶ飲み。
また、味噌と塩のときは触れなかったが、横長の形状をしている自家製チャーシューは、


元々の味付けもしょっぱいのに、醤油スープが浸みこむため、これまた強烈な濃口。
念のため、残ったバターにも付けてみたが、チャーシューの味が勝っていた。


味噌と塩のときは、スープを結構飲んだが、醤油ではだいぶ残してしまった。
シメの食事なのに、さらに喉が渇き酒が欲しくなる、恐ろしいラーメンである。
昔からこの味だったのか、私がトシをとったのか…とにかく特一番さんのラーメンは味が濃い!
ただ、脂分や旨味が過剰ではなく、麺の量もそれほど多くはないので、実は食べやすかったりする。
昭和生まれの人間なら、慣れ親しんだテイストだしね。個人的には血圧が気がかりだが(苦笑)。

会計時、店主らしき男性に、ダメ元で質問を。
「こちらでは、下のお店のラーメンを注文できますが、反対に、下でこちらのおつまみを頼めますか?」
すると店主は、「それはできないんです」と即答。あ、やっぱり(笑)。ラーメン店で長居されたら迷惑だしね。
聖蹟桜ヶ丘は、それほどくわしくない私だが、昼酒飲むなら『留萌』
そして、シメのラーメンは『特一番』を推奨しておく。
林家木久扇師匠のお墨付きでもあるようだし(?)。



特一番 聖蹟桜ヶ丘店
東京都多摩市関戸1-11-5
京王線聖蹟桜ヶ丘駅より徒歩約90秒
営業時間 11時半~14時、17時~25時 日曜は昼15時まで、夜23時まで
定休日 月曜
※留萌は同住所の2階
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2 コメント

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Unknown (hobohobo)
2022-11-10 13:19:44
えっ? 府中の小金井街道のお店は「特一番」だったのでは? と一瞬思ったんですが、「新」が付きましたね。

こういう異業態展開っていいですよね。
清瀬駅前の「ラーメン そうすけ」と「喫茶エンゼル」を思い出しました。
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Unknown (日が沈む~(略))
2022-11-10 14:45:45
hobohobo様、
コメントありがとうございます。
hobohoboさんのブログを参考に、特一番に行ってきました。

清瀬駅前のそうすけ&エンゼル、なかなかいいですね。
そうすけの存在は知っていましたが、入ったことはなかったです。
ドリンクメニューが豊富で、意外と飲み客も歓迎しているようですね。

荻窪『長寿庵』も未訪ですが、高齢の方に食卓まで出前とは、いいサービスですね。
隣の『やしろ食堂』や、ソバ屋の『春木家本店』も
いいお店なので、おススメです。
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