明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

侮れない「茨城豚骨」 八王子『美しょう』

2024年06月27日 | ラーメン、つけ麺など
前回、立川近隣の駅チカにある、九州・福岡スタイルの豚骨ラーメン店を紹介したとき、一応、3つ先の八王子駅周辺も探索していた。
『六角堂』ナンたらというお店に行ってみたら、なぜか営業しておらず、どうやら先日閉店した模様。
豚骨ラーメン店はもう一軒あったけど、そこは「博多じゃない、久留米でもない」と非九州をアピールしていたので除外。
そのお店は『美しょう』という屋号で、コンセプトは、個人的には初耳の「茨城豚骨」
外壁に貼ってあるポスターでは、提供商品やポリシーについて説明しているのだが、


上記部分には「茨城豚骨」の大文字のあとに、さきほど記したように、


“博多じゃない。久留米でもない。鹿児島でも、熊本でも、長崎でもない。 これが茨城の男たちがつくった「茨城豚骨」です”のコピーが躍る。
茨城が全国有数の養豚地であることを語り、業務用スープやインスタントラーメンがはびこる現勢を嘆き、
そんな世に訴えるべく、日々努力し作り上げたのが、地元茨城県産の食材で作る「感動の一杯」=こちらのラーメンのようだ。

美しょうというお店は、ここ八王子店だけのようだが、母体の会社は茨城で、別名のラーメン屋を数店舗経営している。
初の東京進出店ということで、茨城豚骨を全面に押し出す宣伝文句も理解できるが、提供しているラーメンを調べてみたところ、
麺は細麺で、具材はチャーシュー・ネギ・キクラゲ、薬味に高菜、紅生姜、ゴマなどを使い、麺を食べ終えたら替玉…と、
「博多じゃない~(略)」と言いつつ、内容はほぼ、九州・福岡の豚骨スタイルを踏襲・模倣している。
唯一、福岡系との違いを感じたのが、一番安いラーメンが900円もすること。
「替玉」は100円で、券売機には以前、「このご時勢にこの値段」と記されていたが、ラーメン自体が高いので割安感はない。 

HPを見てみると、「麺は完全自家製 スープは15時間掛けて炊き上げた~(後略)」という白文字が目に付くが、
すぐ下の説明では、「茨城産の豚頭を丸1日以上かけて炊き上げ丁寧に仕上げた」と、いきなり齟齬が生じている。
文章を書くのが不慣れな個人店のHPや、頭の悪い食べロガーの雑文ならまだしも、数店舗経営している会社で、このような食い違いは珍しい。
HPは制作会社に丸投げしたのかもしれないが、任せっきりではなく依頼者側も文面はチェックすべきだ。チェック漏れの可能性もあるが。

資本系やチェーン店、高価なラーメンを好まず、誤字誤記にうるさい(自分の文章はさておき)私には、このお店に魅力を感じなかった。
一応、愛読しているラーメンブログで、美しょうの最新情報をチェックしていたところ、  ※HPは更新が途絶え、新情報はなし
私好みの新商品を発売したことを知り、先日初訪問してきた。いつもと同様、前置きが長くてスマン。

お店の場所は、JR八王子駅北口から歩いてすぐ。繁華街ゆえ、いかがわしい呼び込みもうろついている。
まずはお店メニューを紹介。さっきのポスターでは判読不可能だろうから、券売機の画像を掲載したが、これも縮小しているので見づらいか。


こちらの主要メニューは、基本の「まる」、辛口の「かく」、味は不明の「新味」の3種のようで、


さらに具だくさんバージョンの「特製」などがあり、あとは餃子、ご飯もの、ドリンクも用意。
あとから加わったのが、「うめとんこつ」「つけ麺」「まぜそば」に「チャーハン」、そして、私の目当てである「鬼濃厚」である。
愛読ブログによると、かなり濃厚らしく、以前私も食べた、『天下一品』の「こってりMAX」をも凌ぐとか。
いきなり鬼濃厚から食べてもいいのだが、まずはベーシックのまるラーメン900円を試してみることに。

店内にはカウンター席がいくつかあり、さらに奥まったところに、個室のようなテーブル席もある。


あと、白いノレンの向こう側にも座席があるのだが、訪問時は従業員の休憩所になっていた。


厨房は綺麗で豚骨臭は皆無。働いているのも、既出の「茨城の男たち」ではなく、若い女性ふたり。
母体がある茨城の工場か店舗で炊いたスープを、八王子の店舗で再加熱していると思われる。
ラーメンが届く前に、卓上のニンニクの皮を剥き、クラッシュの用意をする。皮つきで置いてあるニンニクは珍しい。


数分後、まるラーメンが登場。福岡系よりもスープの色が濃い。


さっき、「具材はチャーシュー・ネギ・キクラゲ」と書いたが、ネギは万能ネギと長ネギの2種を使用し、さらに海苔も入っている。
まずは豚骨スープを、レンゲですくうと、ポタージュのような粘度があり、


ひと口すすってみたら、やっぱり濃い! なので細麺ともバッチリ絡む。


ここまで濃い豚骨スープはなかなかなく、しいて挙げれば、奈良発祥の濃厚豚骨ラーメン『無鉄砲』に近いか。
もっとも、無鉄砲よりは獣臭を抑えており、マイルドで食べやすいといえる。
具材は、万能ネギはいいけど、普通のネギはいらない気もする。あと、薬味の紅生姜が、妙に乾いていた。


ただし、上記画像でわかるように、茨城豚で作ったチャーシューは、分厚くてなかなかイケる。
もう一軒立ち寄るつもりだったので、替玉はしなかったが、もっと食べたいと思わせる私好みの味で、
主張どおり九州とは異なるが、じゅうぶん満足できる豚骨だった。「資本系」と侮って申しわけない!
“八王子一濃厚”と自称していた、西八王子『かなえ』は閉店したが、代わりになりうる濃厚ラーメンのお店が見つかってうれしい。

数日後、茨城豚骨の神髄である(?)、鬼濃厚ラーメン1050円を味わうために再訪問。
チャーシューごはんマニアゆえ、「叉焼丼セット」400円も注文。セットということは、麺類と一緒に頼まないとダメなのだろう。
前回と同様、ラーメンが提供される前に、ニンニクの皮を剥いておく。正直メンドくさいので、市販のおろしニンニクの方がいいな。


まずは叉焼丼が登場。細切れチャーシュー、佃煮風チャーシュー、ネギに、万能ネギと糸唐辛子を少々。


細切れチャーシューは、炙ってあるので温かいが、佃煮の方は冷蔵庫から出したばかりなのか、冷たかった。
普通のネギは辛く、できれば万能ネギだけにしてほしいが、原価の問題もあるからね。
その後、メインの鬼濃厚ラーメンが登場。さっそくニンニクを絞り、食べ始める。


見た目は、前回のまるラーメンと同じだが、レンゲですくうとスープの違いは歴然。
とにかく粘度があり、レンゲを傾けても、スープがこぼれるのが遅い。


「まる」スープは一応液体だったが、鬼濃厚のスープはほぼ固体。たとえるならば「フルーチェ」か。
濃度は確かに、テンイチのこってりMAX以上で、大阪の堺筋本町で食べた、『どろそば将』の「鬼どろ」レベル。
これまた画像では伝わらないだろうが、麺にもねっとり絡みつき、スープがどんどんなくなっていく。


あと、前回は気付かなかった(折りたたんだのかな?)が、横幅の長い海苔は、切れていないので食べづらい(苦笑)。


麺を2/3ほど食べ進めたところで、店員さんに百円玉を渡し、「替玉」をカタで注文。


上記説明によると、切り刃26番を使用とのこと。26/30=約1.15ミリだから、替玉麺は最初の麺より細いようだ。
すぐに替玉が届いたので、さっそく丼に投入したのだが、


ただでさえ麺がスープを吸うのに、叉焼丼にもレンゲ2杯分乗せて食べたりしていたら、


丼のスープがなくなってしまい、見てのとおり油そばのようなビジュアルに。


わずかに残ったスープと旧麺を、替玉と混ぜて食べていく。
左が替玉麺で右が旧麺。確かに替玉の方が細いね。なお、さっきから普通に使用しているが、「旧麺」なんて言葉はない。


水分を補給するため、ダメ元で紅生姜と一緒にラー油も加えてみる。ラーメンダレもあったが、しょっぱそうなのでやめておいた。


結局、食べ終えたときは、レンゲ1杯分の豚骨フルーチェ(?)が残ったのみ。


よくない見栄えなので、読者の皆様は、「ナニを見せられているんだ!」とご立腹だろうが、
撮影していた私も、「オレはいったい、ナニを撮っているんだ…」とウンザリしていた。
見た目はともかく、味自体は悪くなかったが、やはり濃すぎるのも困るので、鬼濃厚はしばらく遠慮しようと決意(笑)。

多摩地区屈指の濃厚豚骨ラーメン店として、美しょうさんには今後もお世話になりたいのだが、
私が訪問したのは、初回が平日19時台、2度目は日曜18時台だったが、とにかく客がいない
お陰で、券売機や麺リフトの撮影が堂々とできたし、白ノレンの向こう側を休憩場所にしているのも納得。
駅チカゆえ家賃も高いだろうし、私が訪問した日以外も、さみしい客入りが続いているとしたら、ピンチのはず。
母体があるので、即閉店とはならないだろうが、もう少しお客が増えてほしいので、
このブログの読者の皆さんにも、どうかお店に足を運んでください! とお願いしておく。
ついでに、退店直後の私をおっぱいパブに勧誘した呼び込みの男、お前もたまには美しょうでラーメンを喰え!



茨城豚骨 美(み)しょう
東京都八王子市三崎町2-7
JR八王子駅から徒歩約3分、京王線京王八王子駅からも歩ける
営業時間 11時~22時、金、土は翌1時まで営業
定休日 なし
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立川近辺・駅チカの豚骨ラーメン

2024年06月22日 | ラーメン、つけ麺など
年齢とともに食べる量が減った私だが、最近なぜか、飲んだあとのラーメンが復活しつつある。
ただ、以前のような濃厚豚骨醤油の家系ラーメン+ご飯何杯もお替わり、はキツいので、普通の豚骨ラーメン+替玉程度。あまり変わらないか。
この場合の豚骨ラーメンとは、乳白色のスープに、細麺、チャーシュー・ネギ・キクラゲが入り、薬味としてゴマや紅生姜を使い、
麺を食べ終えたら替玉を頼む、博多、長浜、久留米をルーツにする、九州・福岡スタイルのラーメンだ。


上記画像は、この系統の店で私が一番気に入っている、南阿佐ヶ谷『萬福本舗』の「とんこつラーメン」。
最近は、南阿佐ヶ谷付近で飲むこともなく、閉店が21時半と早まったため、ご無沙汰しているが、「豚骨欲」が覚めないうちに食べに行くつもり。

ここから、私が最近食べた豚骨ラーメンを紹介していくが、お店は、最近飲む機会が多かった○国分寺駅と、
私の地元○立川駅にあり、飲んだあとということで、○駅からさほど歩かない距離の5軒だ。
最初の1軒を除き、このブログでは紹介したことがなく、私自身も初訪問のお店ばかりである。

1軒目は、このときにも紹介した、立川駅ビルのルミネ内にある、有名チェーン店『一風堂』。
注文はタッチパネル方式になっており、前回は基本の「白丸」を頼んだから、今回は「赤丸」を選択したつもりだったが、


帰宅後に確認したら、前回も赤丸を食べていた(驚)。食欲の復活は喜ばしいが、記憶力の低下は悲しい。
前回「ちょっと高い」と感じた920円の「赤丸新味」は、980円とさらに値上げ。
ただし、チャーシューが1枚減り、キクラゲがなくなる、「赤丸シンプル」890円という新商品があったので、そちらを注文。
タッチパネルの注文が伝わっているのか不安だったが、すぐに下記のラーメンがやってきた。


前回載せなかった横アングルも撮影し、さっそく食べ始める。


前回は、麺の画像も載せていなかったので、リフトも撮影。


価格はともかく、味に不満はないので、再びタッチパネルを操作し、替玉と無料のニンニクを追加発注。
普通の「替玉」は150円とお高い(注:私基準)ので、ハーフサイズと思われる「小玉」100円にしておいた。


ニンニクをクラッシュし、半替玉と、卓上のピリ辛もやしも一緒に丼へドボン。
よく見ると、あとから加えた麺の方が少し細い。白丸や替玉=細麺、赤丸=やや細麺と、味によって使い分けているようだ。


ラーメンの感想は、以前も書いたように、脂分が増え味も濃くなり、私好みのテイストだった。
麺1.5玉と、スープも残さずたいらげ、レジでお会計。次回こそは、基本の白丸をオーダーしよう。

次のお店も立川市から、駅北口から少し歩けば着く『長浜や』。


以前紹介した、九州・長浜とは無関係らしい『NAGAHAMA』とは別のグループである。
長浜やは、HPによると「笹塚の総本店を始め、都内を中心に19店舗」と説明しているが、笹塚本店が閉店しており、信用できない。
私が最後に利用したのは、10年ほど前の阿佐ヶ谷店だが、そこでは麺類を頼んだ客に、「チャーハン」を50円で提供していた。
しかも、半チャーハンでなく全チャーハンで、作り置きではなく、注文のたびに中華鍋で作られる。 ※半チャーハンの注文も可 
下記画像は、阿佐ヶ谷店の「ラーメン」+「チャーハン」で、価格は確か600+50円。


味は悪くなかったが、50円で売られるチャーハンを、なんだか不憫に感じたものである。
立川店はラーメン、チャーハン、餃子の他、「麻婆豆腐」や「エビチリ」などの中華料理や、酒類も揃っている。
「チャーハン」は550円で、「半チャーハン」は300円だが、麺類とのセットだと、それぞれ300円、180円になる模様。
さらに、基本の「博多ラーメン」680円と半チャーハンのセットは850円と、さらに10円安くなるので、それを選択。
入店したのは18時台だったが、ふたりいた店員の片方が、休憩だか勤務時間終了なのかは不明だが、いなくなってしまいワンオペに。
そこそこ客も入っていたが、ひとり残った店員はあわてることなく、まずは博多ラーメンを完成させた。


キクラゲはなく、チャーシュー、ネギ、海苔が乗る。麺は、一般的な福岡スタイルよりも、少し太いか。


すぐに食べ終わったが、半チャーハンがまだ来ていないので(苦笑)、やむなく「替玉」100円を追加。
遅れた理由は、私のあとに来店した、4名客の食券購入を待ち、半チャーハンの注文があるのを確認してから、私の分と一緒に作り始めたから。
ワンオペならではの合理的作業ではあるが、店員の「メンドくせえ。マジだりぃ」という心の声が、思いっきり態度や表情に出ているため、
待たされた側としては結構イラっとくる。過去に何度も書いてきたけど、立川のチェーン飲食店で働くヤツって、こんな輩ばっかりだよな(嘆)。

数分後、かったるそうに作った半チャーハンが完成し、


さらに数秒後、替玉も到着。卓上にあったおろしニンニクや紅生姜、そしてラーメンタレも使ってみることにした。


他店のラーメンタレは、もっと薄い褐色なのだが、ここのはピーナッツバターのような色をしている。
味わってみると、異様にしょっばい! ラーメンだけでなくチャーハンにもかけたのは失敗だった。


ラーメンの感想は、以前の印象と同様、「無難な豚骨ラーメン」であり、嫌いな人はそんなにいないと思う。立川店の接客はさておき(笑)

ここからは国分寺のお店を注文。まずは、南口を出てすぐの場所にある『福や』。
池袋に支店があるみたいだけど、母体は不明。メニュー構成は、一品料理や酒類が豊富で、長浜やの立川店と似ている。
驚いたことに、今回ブログの執筆にあたり、ネット検索してみたところ、
長浜やも福やも、白、黒、赤のラーメン3種を、「三種神器」と称しているポスターを掲示しており、
しかも赤ラーメンは→「多種類の唐辛子を組み合わせ、コクと旨味が増して、ほどよい辛さが楽しめる自信の一杯です」と、文面もまったく一緒。
実は同じグループ、あるいは友好関係があるのか。そうではなく、勝手にポスターを模倣しているのはマズいぞ。
まあポスターなんて、ほとんどの客が真剣に見てないから、問題ないのかな。私自身も、酩酊状態だったので、ポスターの記憶がない。
注文したのは、「博多ラーメン」730円と「餃子」300円のセット。950円と、定価より80円お得になる。
まずはラーメンが登場。チャーシュー、ネギ、海苔でキクラゲなしと、長浜やと同じ構成。やはり同系列なのか!?


こちらが横アングル。丼は長浜やと異なり、渦巻状の模様(雷紋)がある。


麺が福岡風ほど細くなく、クセがなく無難な味、というのもそっくりだが、福やは店員がふたりいて、どちらもマジメに働いていた。
しばらくすると、セットの餃子が到着。見ただけでわかる、無個性な業務用餃子だ。


ただ、こちらのお店は「替玉1回無料」だったので、ありがたく注文させていただいた。


卓上の紅生姜やおろしニンニクを投入し完食。替玉付きで730円なら、現在では安い方になるのかな。

別の日に、今度は国分寺駅の北口にある、お目当ての店舗に向かったところ、
数日後に「替玉10円セール」をやると判明したため、その日はやめておき、


駅から少し歩き、人気食堂『だるまや』さんの脇を北進したところにある、もう1軒の候補店『木村亭』へ。
この場所は一時期、ラーメン店が何度も入れ替わったが、木村亭は過去のお店と違い長続きしており、
私が愛読しているラーメンブログでは「2015年5月26日開業」、食べログや別ブログでは「2014年5月開業」と記されている。
反食べロガー主義の私としては、愛読ブログの2015年開業、今年で9周年説を支持したい。
初訪問なので、基本の「豚骨ラーメン」650円の食券を購入。愛読ブログによると、9年前からまったく値上げしていない。
お店はカウンター席のみで、メニューはラーメンの他は、ライスに酒類と少数精鋭。店主は一見コワモテ(失礼)だが、応対は丁寧だった。
数分後には豚骨ラーメンが完成。具材はチャーシュー2枚、キクラゲ、ネギ。


横アングルも含め、長浜や・福やと見た目は似ているが、スープを飲んだら全然違った!


不快にならない程度の豚骨臭を感じる、ちゃんと濃くてウマくて、早く麺が食べたくなるスープだ。
壁の貼り紙によると、麺には果汁などが含まれていると説明してあったが、バカ舌の私にはわからなかった。


けれども、スープを吸った細麺は期待どおり美味しく、なので「替玉」100円をオーダー。


いつものように、紅生姜とおろしニンニクを加え、当然のようにスープまで残さず食べ切った。
価格も手頃で味も良く、今まで未訪だったのを悔やむ、すばらしい豚骨ラーメンだった。

最後の1軒はさっき掲載した、替玉10円セールを実施していた、国分寺北口出てすぐの場所にある『一竜』。
博多中洲に同名の有名店があるようだが、国分寺店の母体は、エセ家系ラーメンや、すた丼のパクリ商品のチェーン店などを手掛けるグループ。
このグループの店には入らない方針だったのだが、替玉10円に目がくらみ、ついに利用してしまった。
グーグルの書き込みでは、「店員の態度が悪い」「遅い」「ぬるい」「店内汚い」などなど批判が多く、
中でも苦情が多かった、小太りの店員も働いていたけど、とりあえず、私の訪問時は不快なことはなかった。

ここも、「焼きめし」や「餃子」の他、「鶏から揚げ」などのつまみもあるようだが、
注文したのは、基本と思われる「とんこつラーメン」。近年はたびたび値上げしており、820円になっていた。
それほど待たされることもなく、ちゃんと温かいラーメンが到着。


具材はチャーシュー、キクラゲ、ネギ。そして、『一蘭』や一風堂の赤丸と同様、中央に赤いタレが添えられる。
中洲にあった一竜のラーメンには、赤いタレはなかったようだが…。
タレを溶かす前にスープを飲んでみたが、あまり豚骨らしさは感じられず、麺との絡みもイマイチ。


ただ、濃くないスープでも、赤いタレの辛味が加わると、そこそこ満足できてしまい、
すぐに麺を食べ切り替玉をオーダー。壁には、下記のような注意書きがあったが、


周囲の客は誰も従わず、店員に直接10円玉を渡し「硬めで」などと伝えているので、私もそうさせていただいた。
替玉も待たされることなく、横長の容器に盛られて登場。


サクッと食べ終え、2度目の替玉を注文。ついでにおろしニンニクももらう。


酔っていたとはいえ、まだまだハシは止まらず、ついに3度目の替玉。


いくら10円とはいえ、私は以前、無料で替玉が無制限にできた頃の府中『節』でも、2回しかできなかった。
母体が嫌いなので認めたくはないが、数年ぶりに3度も替玉をしたということは、私好みのテイストだったようだ。
さすがに計4玉食べたところで退散。820+10+10+10で総額は850円。普段の替玉は110円なので、たぶん3度もしないと思う。

以上、5軒の豚骨ラーメンを紹介した。どこもアクセスは良好なので、近隣の方はぜひ行ってもらいたい。
ただ個人的には、味、接客、価格も含め、木村亭が断トツ。混んでいるのも納得のお店であった。
私の「飲んだあとラーメン」及び「豚骨ラーメン」ブームが終わっても、木村亭には通う気がする。


※追伸 木村亭について、後日ブログを書きました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愉快な五目チャーハン 高尾『つるや食堂』

2024年06月19日 | 中華食堂
一風変わった五目チャーハンを出すお店が、高尾にあると知ったのが数年前。
最近は山歩きをしなくなり、高尾駅で下車するのは、このとき語った日野駅と同様、酔って寝過ごしたときだけ(苦笑)の私ゆえ、
なかなか行く機会がなかったが、今年ようやく、高尾にもう1軒気になるお店があったので、まとめて訪問してきた。  ※もう1軒のお店はこちら

お店の名前は『つるや食堂』。私の好きな外観のお店である


61-と電話番号がふたケタから始まるのが、長年営業を続けている証明である。 ※現在は3ケタの661-

ドアを開けて入店すると、おばちゃんから「いらっしゃい」と声がかかる。店内はカウンター席はなくテーブルのみ。
卓上にメニュー表などはなく、壁の商品札を見て注文する。こんな写真しか撮れなくてゴメン。


いつものように、メニューの詳細は、食べログなどで各自確認してほしい。

このあと、もう1軒寄るので酒類は頼まず、大好物の「ギョーザ」500円と、お目当ての「五目チャーハン」900円を注文。
オーダーを聞いたおばちゃんが、自ら厨房に入り調理を開始し、中華鍋でチャーハンを作り始める。
しばらくすると、出前に行っていたらしいおじちゃんが戻ってきて、
大きな岡持ちをテーブルに置くと、すぐに厨房に入りおばちゃんとチェンジ。


店主兼料理長兼出前運びと、ひとり三役のおじちゃんが仕上げた、五目チャーハンと餃子が同時に提供された。


これが噂の五目チャーハン。大胆かつ斬新、というか愉快な盛り付けである。


横アングルも撮影。チャーハンの上に、チャーシュー、ナルト、カマボコ各2枚に、茹で玉子半分が、そのままの形状で乗っている。


だいぶ前に紹介した、「玉子を切るのがメンドーだからそのまま出した」説がある、神楽坂『龍朋』の冷やし中華を思い出させる。

※商品名は「冷中華」。以前はGW明け、現在は6月から販売開始

味も一応説明すると、チャーシューはしっとりとした歯触りの薄口で、ナルト、カマボコ、茹で玉子は、まあごく普通の味だ。

下のチャーハンは、刻んだチャーシューにナルト、炒り玉子とネギという構成。カマボコを合わせれば確かに五目だ。


チャーハン自体は、適度な塩コショウと炒め具合で、上の具材がなくても(笑)じゅうぶん美味しい。
スープは醤油味で、「ラーメン」と同じものかな。煮干しが効いた塩分控えめのさっぱりテイストだ。

餃子は一人前5個で、大きさは標準。自家製だと思われる。


具材の野菜は細かく刻まれており、老舗中華屋さんでは珍しく、しっかり味付けされており、醤油ナシでもOK。


卓上には、各種調味料の他にマヨネーズも用意されているので、


五目のアタマ部分と一緒に、マヨを付けて食べることに。こうして見ると、酒のつまみみたいだね。


おじちゃんは、私の注文した二品を仕上げると、すぐに別の料理に取り掛かり、再び配達に出ていく。
おばちゃんも接客・配膳だけでなく、出前電話の応対や調理補助と、これまた結構忙しそう。
一瞬手が空いたのを確認し、お会計をお願いしたら、おばちゃんがわざわざ入口まで見送ってくれて感謝。

数日後に二度目の訪問。オーダーしたのは、大好きな麺類のひとつ「五目そば」800円。
この日は先客がいて、近隣住民と思われる、お年寄り4名が酒宴を開いており、なかなか賑やか。
さっきの卓上写真に灰皿が写っていたように、こちらは非禁煙店でもあり、酔客やタバコが苦手な方は、行かない方がいい。
こちらのお店だけでなく、長年営業している食堂は、お店と常連客との信頼関係や独自のルールがあって当然だし、
それを理解しようとせず、匿名でネットに文句を書き込むような一見客は、訪問を控えるべきである。
そもそも、批判と採点ありきの客、たとえば食べロガーたちは、絶対に来ないでほしい。
空腹や心を満たす幸福な時間であるべき食事を、不満を探す機会にするなんて、哀れな人生だよな。

さて、私の幸福な時間がやってきた。五目そばの完成である。


予想はしていたが、一般的な五目そばの上に、例の愉快な彼ら=チャーシュー・ナルト・カマボコ各2枚・茹で玉子半分が乗っている。
スープは、塩味というか、独特のテイストをした、やや濁りのあるタイプ。


中細の縮れ麺とも好相性で、多彩な具材の風味が溶け込み、さらにウマくなる。


具材は、先述の4種の他、白菜、きくらげ、人参、竹の子、ピーマン、豚肉、玉ねぎなど。


チャー・ナル・カマ・玉(略称)は、普通の五目そばに入っていてもおかしくない具材だ。
ひょっとして五目チャーハンは、五目そばを食べた常連の「これのチャーハン版を作ってくれ」という要望から誕生したのかも?
飲んでいる先客がうらやましかったので、次回は私も一杯やろうと決め、この日は退散。
帰りは健康のため、隣の西八王子駅まで歩くことに(結構かかるよ)。
お店の反対側、中央線の南側ルートを選んだのだが、数年前に紹介した『リバティ』が、跡形もなくなっていたのが悲しかった。

3度目の訪問は、別の店で軽く飲み、腹六分&酩酊状態で訪問。
「焼酎 ウーロン割」400円と、飲み食いしてからシメ、は無理そうなので、食事とつまみを兼ねそうな「五目固やきそば」800円を注文。
まずはウーロン割が、お通しのポテトサラダと一緒にやってきた。


焼酎は甲類で、居酒屋より濃いめ。ポテサラは逆に、お通しらしく薄めの味付け。
スポーツ新聞を読みながら待っていると、既視感のある愉快なビジュアル(笑)の五目固やきそばが登場。


「つるや五目アタマセット」(←勝手に命名)の下には熱々の中華アン、そして香ばしく揚げ焼きされた麺。


具材は、モヤシが加わる以外は、五目そばとたぶん同じ。中華アンが冷めず食べるのが遅れたため、麺がアンを吸って膨らむ。
というわけで、腹六分状態で挑んだ五目固やきそばは、ウーロン割も2杯飲んだためか、完食までかなりの時間を費やしてしまった。
なお、五目固やきそばの味自体は、具だくさんでもあり、アンの旨味を吸った麺が、硬い&柔らかいの双方が楽しめて、
空腹でなかったにもかかわらず、かなりウマかった! と報告しておく。

食事中は、近くに座った常連客のおじいさんと、手が空いていた店のおばちゃんと、店内TVの野球中継を一緒に観戦。
ふたりとも巨人ファンらしいので、アンチ巨人であることを隠し、私も一緒に応援…のフリ(笑)。
おじいさん「なぜ大城を使わないんだろうな」 私「今、二軍なんですよ」 ※訪問当時
おばちゃん「今、打ったのは誰?」 私「萩尾っていう若手ですよ」などと、持論を述べず解説に専念。一応、スボーツライターなので(笑)。
まだ三度目の訪問なのに、野球を観ながらくつろいでしまった。それだけ、お店の雰囲気が気に入ったのだろう。
お会計を済ませ、おばちゃんに「また飲みに来ますね」と告げて退散。

帰りはこの日も、酔い覚ましを兼ねて西八王子駅まで歩くことに。今回はお店を出てそのまま東進する、中央線の北側ルートを選択。
「カレーライスもあったので、あのアタマセットを乗せた“五目カレー”とか作ってもらえないものか…」
なとど妄想しながら歩いていたら、下記画像の気になるお店に遭遇。次回はここに寄ってみようかな。


もちろん、つるや食堂さんにも引き続き通うつもりである。皆さんも、高尾山登山の帰りにでも、ぜひ寄っていただきたい。

おまけ
つるや食堂さんの店内では、カレンダーを6つほど掲示している。常連客や関係者からもらったのかな。
そのうちひとつが、なぜかヌードカレンダーである(苦笑)。おじちゃん店主の趣味か?


いつもどおりヘタクソな撮影だが、鮮明な画像だとgooブログに怒られそうなので、ちょうどいいか。



つるや食堂
東京都八王子市東浅川町986
JR高尾駅北口から徒歩約7分、西八王子駅からは約29分
営業時間 11時~14時、17時~20時くらいまで、夕方の常連はたぶん、17時前から入っている
定休日 月曜
※出前もやっているので、商品提供が遅れる場合もありますが、のんびり待ちましょう
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鶴龍決戦の最高峰 -1989年6月5日 日本武道館-

2024年06月05日 | プロレス
記念日などの知識が乏しい私は、「○月○日は何の日?」と聞かれても、回答できないケースが多いが、
本日6月5日については、「天龍が鶴田に初めてシングルで勝った日!」と即答できる。 ※ピンフォール勝ちは初
プロレスを真剣に見なくなってから何年もたち、当該試合が行われたのは1989(平成元)年と、もう35年もたっているし、
当日、私が観戦していたのは、武道館の二階席(実質三階席)後方という、決して良好ではないポジションであったが、 
それでも、あのときの感動と興奮は、今でも脳裏に焼きついている。
私は以前、「プロレスの東京ドーム・ベスト興行は、90年2月10日の新日本」と断言したが、
日本武道館ならば、「89年6月5日の全日本プロレス」こそ、史上最高興行であり、
7年前のREBECCAを体験するまでは、ベスト・オブ・武道館ライブでもあった。

さきほど、「あのときの感動と興奮は、いまでも脳裏に焼きついている」と記したのだが、
改めて振り返ってみたところ、いろいろと忘れていたことや記憶違いがあったことが判明(苦笑)。時の流れを痛感させられるね。
たとえば、「入場者数が15200人」だったこと。私はてっきり、その後の全日・武道館では恒例となった、超満員16500人だと思い込んでいた。
ただし、客席の埋まり具合は、自身が経験したりTV中継で観た過去の武道館とは違い、二階席まできっちり客が入り、
メインのジャンボ鶴田-天龍源一郎の試合では、両者のファンの大声援が重なり合う、史上最高レベルの盛り上がり。
週刊ゴングの連載企画「河口仁のワンポイントパフォーマンス」でも、“こんなの初めて!”と記していたように、
長年、プロレス会場に通っている河口先生ですら、驚くほどの大歓声だったのだ。

この日の武道館大会は、「スーパーパワーシリーズ」の第18戦に該当。ちなみにシリーズは全20戦で、最終戦ではなかった。
当時の全日本プロレスの流れを、ごく簡単に説明すると、前シリーズの「チャンピオンカーニバル」で、
鶴田がスタン・ハンセンを破り、インターナショナル、PWF、UNの全日本シングル3大ヘビー級ベルトを統一。
三冠王者として天龍の挑戦を受けるも、試合途中、鶴田が天龍にパワーボムを仕掛けたところ、汗で滑り急角度で落としてしまい、
首を負傷した天龍がピンフォール負け。鶴田にとっても、不本意な防衛戦となった。
このアクシデント、天龍の攻めにイラついた鶴田が、あえて危険な落とし方をしたという説もあるが、定かではない。

スーパーパワーシリーズ最大の見どころは当然、鶴田と天龍の決着戦であった。
他にも、未知の強豪スティングの初来日、ブリティッシュ・ブルドックスvsカンナム・エキスプレスの五番勝負なども注目された。
リベンジを狙う天龍は、負傷の影響で前半戦を欠場。一方の鶴田は、谷津嘉章との五輪コンビで世界タッグ選手権も保持しており、
ダニー・スパイビー&ディック・スレーター組と、ブルドックス相手に防衛戦をこなし、好調を維持して武道館決戦に臨んだ。
また、負傷中のタイガーマスクと、海外遠征中のジョン・テンタと北原辰巳は、シリーズを全休した。
今、タイガーマスクと書いたが、本稿では各選手の表記は、当時のリングネームを記載している。

当時、プロレスファン歴約1年半だった私は、鶴田を応援すべく一番安い二階席のチケットを前売りで確保。
武道館入口でパンフレットを購入し、その日の対戦試合を確認すると、未発表の好カードが2試合組まれており、喜んだものだった。
ジャイアント馬場社長の挨拶文の見出しも、「今考えられる最高のカードを用意しました」だったと記憶している。

以下で、当日観戦した全11試合の結果を転記し、感想を簡単につづっていくが、
その前に、ここまで画像がなかったので、当日の武道館大会を報じた、週刊プロレス増刊号の表紙スクショ画像を掲載。
 (C)BBM

無断転記は禁止だろうが、私だって、とある興行の後楽園ホール大会で観客席にいたときの様子を、
週プロに無断掲載されたことがあったので相殺である(?)。怒られたらすぐに謝罪・削除するけど。

スーパーパワーシリーズ第18戦 1989年6月5日 日本武道館

第一試合 15分1本勝負
○小川良成 10分59秒 体固め 菊池毅× ※菊池がショルダースルーを交わそうとしたところを押し潰す

それまで、第一試合を担当していた百田光雄が、突如ファンの支持を集め、前シリーズでジュニア王者になったため、
新日本プロレスではよくあるが、全日本では希少な若手同士のシングルマッチを実施。キャリアで上回る小川が順当に勝利した。

第二試合 20分1本勝負
○小橋健太 11分15秒 フィッシャーマンズスープレックスホールド ジョニー・スミス×

デビュー後は百田らに連戦連敗だった小橋だが、このシリーズでミッチ・スノー相手にシングル初勝利を挙げ、武道館ではスミスにも快勝。
なお、週プロではフィッシャーマン~(後略)と、技名をカタカナで表記するが、週刊ゴングは網打ち式原爆固めと、昔ながらの日本式表記。
私もそちらの方が好きなのだが、現在では問題になりそうな名称なので、以下も週プロ風の表記にしておく。

第三試合 20分1本勝負
○マイティ井上 7分35秒 エビ固め 鶴見五郎× ※鶴見に担がれた井上が、後方に回転し丸め込む

元国際同士の対決。長年共闘していたラッシャー木村が、馬場とタッグを組んで以降、鶴見は連日シングルマッチを強いられるハメに。
特にテーマのない戦い(失礼)だが、井上のテクニックと鶴見のラフファイトが噛み合い、内容自体は悪くなかった。

第四試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
○仲野信市 高木功 田上明 13分13秒 ジャーマンスープレックスホールド
ディック・スレーター ドン・ムラコ ×ミッチ・スノー

決起軍と外国勢の対戦。スレーターとムラコはかつてのメインイベンターだが、格下スノーが狙われ敗退。
なお、決起軍はこの直後、「全然決起しとらん」という明白な理由で、馬場社長により強制解散させられた。

第五試合 世界ジュニア・ヘビー級選手権 60分1本勝負
○百田光雄 14分27秒 首固め 寺西勇×
 ※トーホールドを丸め込んだ寺西を、さらに百田が切り返す
第8代王者百田が2度目の防衛

普段は15分や20分の試合に出ている、ベテラン同士による60分マッチ。当時百田が40歳、寺西が43歳と、年齢的に仕方ないとはいえ、
獣神ライガーや佐野直喜らで盛り上がっていた、新日本ジュニアと比較すると、スピードに欠ける試合であった。
寺西は入場直後、珍しくコーナーに上って観客席に吠えており、ベルト奪取への意欲を感じさせた…ような。
寺西はこれが全日本最後のタイトルマッチとなり、百田も次のシリーズで王座転落した後は、ノア移籍までタイトルに縁がなかった。

第六試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
○ジャイアント馬場 ラッシャー木村 ザ・グレート・カブキ 14分14秒 体固め ※ランニングネックブリーカードロップ
×渕正信 大熊元司 永源遥

このシリーズから突如組まれるようなった6人タッグマッチ。個人的な印象は、カブキの無駄遣いである。
その後、渕らは「悪役商会」を名乗り、ピンクタイツ着用やツバ攻撃を武器(?)に、馬場+木村+αと休憩前に戦うようになった。
木村のマイクは、「独身・渕の嫁さん募集」ネタだったと思うが、次シリーズの後楽園大会だったかな?

第六試合終了後、休憩に入ったので、拙ブログも休憩代わりに、以前読んだプロレス書籍の画像を掲載しておく。


奥様である嶋田まき代さんの遺稿を、娘の紋奈さんが引き継いだ、天龍ファン必読の書籍である。
休憩からの再開後は、この日2度目の選手権試合。

第七試合 アジアタッグ選手権試合
ダグ・ファーナス ○ダニー・クロファット 19分35秒 片エビ固め ×川田利明 サムソン冬木

※タイガードライバー 第46代王者フットルースが4度目の防衛に失敗し、カンナム・エキスプレスが新王者となる

川田のピンチをカットすべく、コーナーの冬木が飛び出そうとした途端、観客から大きなブーイングが飛ぶ。
当時は理不尽キャラではない冬木は戸惑い、カットをためらう中、川田のダメージが蓄積され、最後はクロファットに仕留められてしまった。
そもそもフットルースは、米国のロックンロール・エキスプレスあたりを意識したらしいけど、冬木と川田じゃ荷が重いよな。

第八試合 45分1本勝負
○谷津嘉章 9分35秒 片エビ固め ×高野俊二 ※バックドロップ

先述した、パンフレットで判明した好カードのひとつで、実質、全日正規軍ナンバー2と決起軍ナンバー2の対決。
ただ、谷津が攻撃するたびに、大勢の客が「オリャー」と叫びゲラゲラ笑う、選手が戦いづらい空気となり、案の定凡戦に。
のちの川田への「シャー」など、このような掛け声ではしゃぐ全日ファンの幼稚さを、私は心底軽蔑していた。
敗れた高野は試合後、週プロ記者に不満を述べていたところ、通りかかった谷津に「(お前ごときが)バカヤロー」と一喝された模様。

第九試合 スペシャルマッチ60分1本勝負
○ダニー・スパイビー 7分39秒 首固め ×スティング ※サソリ固めを丸め込む

初来日の強豪スティングの対戦相手として、ファン投票で選出されたのは、全日外国人の次期エース候補だったスパイビー。
無論、スティングにとっても、米国時代ライバルだった(らしい)スパイビーは、相手として不足はなく、
試合開始から、ダイナミックな動きでリングを躍動。特に、リング中央からのノータッチブランチャは凄かった。
最初で最後の全日登場となったスティングだが、このあとも継続参戦していれば、三沢光晴や小橋のライバルになったのだろうか。

第十試合 スペシャルタッグマッチ60分1本勝負
○スタン・ハンセン テリー・ゴディ 14分36秒 体固め ダイナマイト・キッド ×デイビーボーイ・スミス ※ウエスタン・ラリアット

第八試合と同様、前発表されていなかった好カードのひとつ。ひと昔前の全日ならば、ブルドッグスの価値を下げないよう、
こんな試合は組まないし、組んでも両者リングアウトなどの不透明決着にしたはず。やや大げさだが、新時代の到来(笑)を感じたよ。
容赦なくスミスをKOしたハンセンの力量は当然ながら、キッドの高速ブレーンバスターを受けきった、ゴディの巧さも光った。
勝ったニューミラクルパワーズはもちろん、惜敗したブルドッグスの評価も、下がることはなかったと記憶している。
なお、週プロのウェブサイトでは、この試合のフィニッシュを「ラリアット」と記載。
ハンセンの大ファンとしては、他者と区別すべく、「ウエスタン・ラリアット」と正式名で書いてほしい。

外国人同士のスピーディーかつダイナミックな試合に、場内の雰囲気が最高潮になったところで、いよいよメインイベントを迎える。
まずは、控室での直前インタビューで、「まあ見ててください」とだけ告げた、挑戦者の天龍源一郎が、「サンダーストーム」とともに入場。


続いて、何かアピールしたいけれど言葉が出てこないため(のように見えた)、「…頑張ります」とだけつぶやきリングに向かう、
三冠ヘビー級王者のジャンボ鶴田が、テーマ曲「J」で入場してくる。


上記2枚とも、とある動画のスクショ画像である。無断掲載だが、元々は日本テレビの映像の無断投稿だろうしね。

冒頭で記したように、鶴田と天龍がリングに上がってからも、互いのファンの声援が、いつまでも収まらない。
試合内容の詳細は、私が語るよりも実際に見るべし! 「鶴田 天龍 1989年 6月5日」で検索すれば、動画がヒットするはず。
最近プロレスファンになった若い世代の方も、この試合は絶対に見た方がいい

試合中の私は、二階席からリングに向かって、「つるたー!」と叫び続けていた。こんなすごい試合を生で観ていて、よく泣かなかったな。
結果も知っていて、何度も見たはずなのに、いまだに動画を目にすると泣いちゃう、涙腺の弱い35年後の私。
負傷している天龍の首を、情け容赦なく攻める鶴田、そんな鶴田の猛攻を避けることなく受け、すかさず反撃に出る天龍…
と、文字に綴っているだけでもう…(泣)。あの時代にプロレスファンで良かった。

一進一退の攻防の中、天龍がついに得意技のパワーボムを決めるが、カウントツー。
場内の声援が絶叫になり、リングサイド最前席、天龍ファンらしきメガネのねーちゃんが半狂乱になった(動画で確認できる)直後、
天龍が立ち上がり鶴田を起こし、再度パワーボムを仕掛けるが、当然鶴田も踏ん張る。


信じてもらえないだろうが、場内が騒然としている最中にもかかわらず、二階席にいた私の耳に、
「いいいやあああっ!!」という、魂のこもった天龍の咆哮が、確かに届いた。
次の瞬間、鶴田の巨体が宙に舞うと同時に急降下し、和田京平レフェリーが、左手で3度マットを叩く。
天龍が三冠王座奪取、そして対鶴田シングル戦、初のピンフォール勝ちである。

第十一試合 メインイベント 三冠ヘビー級選手権 60分1本勝負
○天龍源一郎 24分5秒 エビ固め ×ジャンボ鶴田

※パワーボム 初代王者鶴田が2度目の防衛に失敗、天龍が新王者となる

和田レフェリーと、セコンドについていたハンセンらが支え、なんとか立ち上がり勝ち名乗りを挙げた天龍だったが、


その後再びコーナーにしゃがみ込む。翌日から、天龍は再び欠場に見舞われたように、満身創痍の勝利だったようだ。

一方、負けたはずの鶴田だったが、しばらくすると立ち上がり、コーナーの天龍に歩を進める。
乱闘を警戒するハンセンを横目に、鶴田は天龍に向かって右手を伸ばし、握手を求めた。


これは、互いの健闘を称える握手…ではなく、「こういうのって、お客さんも喜ぶでしょ」といわんばかりの、
師匠テリー・ファンク譲りの余計なパフォーマンスだと思われる。鶴田ファンの私も、名勝負に水を差す行為に呆然。
天龍が握手に応じないと判断した鶴田は、手を引きとっととリングを降り、「オー」のポーズを見せたのちに退場していく。
雑誌で読んだ天龍インタビューでは、「ジャンボとはまだ、(今後も戦っていくので)握手するわけにはいかない」のようなコメントを残していたが、
このとき天龍は内心、「鶴田の野郎、負けたくせにすぐ立ち上がって、さらに握手だと…?」とムッとしていたに違いない。
最後のやり取りはともかく、この鶴田-天龍戦は、1989年の年間最高試合に選ばれた。
彼らは、若手時代も合わせると計9度対戦したが、この試合こそが鶴龍決戦の最高峰だったと思う。

この日、私の印象に残ったのが、初めて見た武道館の大観衆と、初めて聞いた大歓声、そして、天龍の「いいいやあああっ!!」だ。
蛇足だが、私はその後、体育の授業で懸垂をやる際、腕を上げるたびに「いいやああ!」と叫び、体育教師に「うるせえ」と叱られたものである。
最後は本当に蛇足だったが、1989年6月5日に、全日本プロレスの日本武道館大会があり、
鶴田と天龍が素晴らしい激闘を繰り広げたことを、記憶していただければ幸いである。

※追記 私のブログらしく、ダラダラと冗長になってしまったが、
これでも「ミッチ・スノーは、ダイナマイト・キッドに日本とカナダの両国でイジメられていた」、
「全日のファン投票は、元から結果が決まっている出来レース疑惑も何度かあり、信用してはいけない」、
「カンナムの入場曲“Welcome To The Jungle”はよかった」などなど、削った文も多かったんだけどねえ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする