明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

西東京大会、間もなく開幕! -日大三高野球部2022-

2022年06月30日 | 高校野球
6月18日、高校野球東西東京大会の抽選会が開催され、組み合わせが決定。
同21日、使用球場と開始時間も確定。7月10日から各球場で、1・2回戦が行われる。

今年は18日だったが、東京の抽選会はだいぶ前から、6月の第3土曜に固定されている。
かつての私は、翌日の日曜に母校グラウンドに行き、日大三の練習試合を観戦していた。
昨年と一昨年はコロナ禍でグラウンドに行けず(一昨年は試合自体がなかったはず)、
今年は高松宮記念杯競輪の決勝戦と重なり、競輪を選んでしまった。※諸橋愛から勝負もハズレ
なので今年は珍しく、第4土曜の練習試合を観戦することに。母校に行くのは19年秋以来となる。
対戦相手は、愛知の伝統校である享栄。同校のHPには野球部の試合日程が載っており、
第4土曜の6月25日には、「日大三高 日10:00W」と記載。
これは「日大三と、日大三高グラウンドで10時からダブルヘッダー」の意味である。

ここでちょっと中断し、拙ブログの今後の方針を説明をさせていただく。
過去の「高校野球」記事では、母校野球部の練習試合を何度かリポートした。
私のような、三高野球部の近況を知りたい読者には、喜んでいただけるかと楽観視していたが、
野球部関係者にとって、練習試合の内容や詳細を拡散されることは、
ライバル校にも情報が伝わりかねない、迷惑極まりない行為なのである。

私の知人が作った(現在は別の管理人に譲渡)、三高野球部応援サイトには、閲覧者用の掲示板があるのだが、
ある試合の前日、「明日の試合、○○君が投げます♪ 本人に聞いたから間違いありません♪」のような、
現役女子生徒からの投稿があり、数分後には対戦相手の掲示板にも、「三高、明日の先発は○○らしい」の投稿が。
バカJKの軽率さにあきれるとともに、三高の応援サイトを、対戦相手のファンも見ていることに驚かされた。
この騒動をきっかけに、掲示板では選手・関係者のプライバシーなど野球に無関係な事柄や、
野球関係のことでも、翌日の先発投手など、公にされていない情報の投稿は禁止となった。
「公にされていない」とは要するに、三高野球部が未公開で、マスコミや第三者も発表していない情報のこと。

わたくし正田の望みは、あくまで母校野球部の勝利であり、迷惑をかけるのは不本意だ。
なので今後は、練習試合も含め、公になっていない情報はなるべく載せないことにした。
数少ない愛読者には申しわけないが、こんな無名ブログでも対戦相手の関係者が絶対に読んでいない、とは断言できないため、
各選手の長所や短所、最近の好不調、あるいはケガなども、明かすわけにはいかない。
なので、「富塚のヤロウは相変わらず守備がヘタで、サードに転がるたびに不安になる…」
のようなボヤキは、今後は書かないようにする。上記はどうせ、大会が始まればバレるからいいでしょ(苦笑)。
ただし、「なるべく」にしたのは、ここでしか読めない情報を、期待している方もいると思ったので。
秋や春の都大会では、観戦時に気付いたチームの問題点などを、指摘することもあるだろうが、
もっとも気合が入る夏の大会前は、それらの事柄は絶対に明かさず、大会終了後に軽く触れる程度にする。
よって、前回の高校野球ブログで予告した、「個々の選手の魅力や特徴は、夏大会までに改めて紹介」も、取りやめる。
なお、享栄高校との練習試合があったことは、相手校のHPに載っていたので、紹介させていただいた。

閑話休題。6月25日の享栄との練習試合について。10時開始予定なので、母校には9時45分頃到着。
試合開始が早まることもあるので、もう始まってるかな…と思いきや、
試合どころか練習もやっていない。というかグラウンドには誰もいない!


三高ナインが陣取る一塁側ベンチ、そしてさらに奥の合宿所も、洗濯物は干してあるが人の気配がない。


享栄HPの「日大三高 日10:00W」が、10時に来た私をW=(笑)=あざ笑っているかのように思えてくる。
今日の予定を再確認すべく、某所に電話してみる。いつもは別の人間が出るのだが、
この日は珍しく、聞き覚えのある温かい声の主が「開始時間は13時半頃になります」と教えてくれた。
要するに、2試合やる予定が急遽1試合に変更になった模様。相手が遠方からやって来る場合は、たまにあることだ。
電話の相手は明かさないが、通話中の私が背筋を伸ばし、電話を切る前に最敬礼していたことだけは記しておく。

試合開始まで約3時間半。とりあえず、メシでも喰って時間をつぶそうと、淵野辺駅へ徒歩で移動。
ただご存知のとおり、この日の東京は今年初の猛暑日で、気温35度を超えた。
約1時間とはいえ、猛暑日での歩行は死を招くということを実感。※帰路はさすがにバスを利用
この日のランチは、駅南口側にある『梅吉』のラーメン。こちらのお店は、近日中に紹介しよう。


日焼け対策をせず、顔や腕が真っ赤に焼け、意識も朦朧とする中観戦した対享栄戦は…現時点ではどこも発表していない。
なので、先述したように勝敗や内容の説明などは控えるが、相手のことは遠慮なくバラす(←いいのか?)。
享栄は藤本→安藤→磯部→東松と、4投手の継投。藤本と東松が左腕で、球のキレは東松がナンバーワン。
さすがはカネやんこと金田正一さんの母校の後輩、4投手ともレベルが高く、ひとりくらい三高に譲ってほしい(笑)。
あとで調べたら、享栄は140キロ超の投手が4人もいる、スゴイ投手陣だったらしい。
とにかく、今年の享栄はかなり強い!
ただし、そんな強力投手陣に対し、三高打線も健闘したことは伝えておきたい。

夏大会の試合予定も記しておこう。今年も第一シードで3回戦からのスタート。
3回戦 7月15日 9時
4回戦 18日 10時
5回戦 21日 10時 ここまではすべて八王子球場


初戦の相手は、聖徳学園vs桐朋の勝者。3年前の夏にも、桐朋と初戦で当たり4-1、2戦目が聖徳学園で5-1。
失礼ながら、圧勝の予想を裏切る辛勝だった。桐朋にはかつて、秋大会でコールド負けの経験もあったりする。
「江戸川の屈辱」と称される(注:称しているのは私だけ)この事件については、いつかくわしく解説したい。

2戦目は悪いけど、どこが勝ち上がっても楽勝のはず。秘密兵器の起用はあるか?

3戦目の相手はおそらく、2回戦の都日野vs創価の勝者になるだろう。
創価のエース杉下は昨夏も三高戦で先発し、7回を投げ1失点(最終スコアは三高3-0創価)。
ただ杉下は、秋大会が登板なし、春大会は帝京に打ち込まれており、大丈夫かな、という気もする。
一方の都日野は、秋大会が国学院久我山に2-9の7回コールド負け。3-14で5回コールド負けの三高よりマシだ(嘆)。
だが、春は日大鶴ヶ丘に2-4と惜敗。三高は同大会で日鶴に11-4で勝っており、こちらもなんとかなりそうだ。
三高は現在、夏の西東京では21年連続、ベスト8以上の戦績を残している。
今年のチームは少々危なっかしいが(苦笑)、この記録を継続してくれるはずだ。

準々決勝 26日 10時 ここからはすべて神宮球場
準決勝 29日 10時
決勝  31日 10時 
※三高はすべて一塁側

第一シードは必ず第一試合なので、通勤ラッシュと重なるのが不満だが、気温が上がる午後の試合よりは好条件か。
準々決勝の相手は、都狛江や桜美林もいるけど、たぶん佼成学園だろう。
春は初戦で日体大荏原に2-3と惜敗し、ノーシードになってしまったが、
秋には日大鶴ヶ丘と駒大高という、今夏のシード校を撃破。日鶴にはコールドで勝っており、実力はある。
2年前の大会では、準々決勝で苦杯をなめているので(三高2-3佼成)、リベンジを果たしたいね。

準決勝の相手は、今名前を出したシード校の日大鶴ヶ丘と駒大高以外は、有力校が見当たらず。楽なブロックだなあ。
しいて挙げれば、都立の星・昭和かな。その理由は昨年8月、たまたま通りかかった昭島球場での練習試合。
実にわかりづらい画像だが、昭和は都小平南を、8回終了時で13-1と圧倒。

※昭和と小平南の試合を報じているのは(たぶん)当ブログだけ!

小平南も、昨夏は5回戦まで進出し、秋と春の本大会にも出場しており、決して弱いチームではない。
昭和は2004夏と2010年秋に、双方とも三高に敗れたが、ベスト4進出の実績もあるチームなので、軽視は禁物。

決勝の相手となる、トーナメント右側はやはり、第二シード東海大菅生と国学院久我山が有力だろう。
準決勝で対戦し、互いに死力を尽くす激戦を演じ、疲労困憊の状態で三高と決勝戦…というのが私の理想(笑)。
この2強以外では、エース星野を擁する八王子や、春に三高と接戦の早大学院が、久我山のライバルになるかも。
第三シードの早稲田実業は、個人的に嫌いなのでどうでもいいが、準々決勝では菅生を苦しめてほしい。

以上を踏まえ、競輪風に予想印を付けてみた。
◎日大三 ○東海大菅生 ×国学院久我山 △佼成学園 「注」都昭和

本命は当然、精鋭揃いでOBも優秀な日大三。下記画像は、先日撮影した母校の外観。


垂れ幕「祝放送部全国大会出場」と「祝テニス部インターハイ出場」の間のスペースに入るのは当然、
「祝硬式野球部 第104回全国高等学校野球選手権大会出場」の垂れ幕だ。
選手諸君、どうか小倉全由監督を、甲子園に連れて行ってくれ!

対戦相手だけでなく、コロナや猛暑とも戦わなくてはならない、過酷な今年の夏大会。
甲子園と栄光を目指し、頑張れ高校球児たち!
毎年書いているけど、日大三と対戦するチームは、あまり頑張りすぎないようにな(笑)。
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お土産に最適の厚焼玉子 千歳烏山『祖仁』

2022年06月24日 | 玉子
今年2月に初めて利用した、世田谷区の図書館
当初は、粕谷図書館でしか借りられない「日本大学第三高等学校野球倶楽部七十年史」が目当てだったのだが、
後日調べてみたところ、同区の図書館は他の自治体と比べ、プロレス関連の書籍が異様に充実しており、
下記のような、マニア垂涎の書籍を予約して借りては、返却時にはまた別の書籍を借りて…を繰り返し、

※左「東京12チャンネル時代の国際プロレス」流智美著 右「実録・国際プロレス」Gスピリッツ編 どちらも辰巳出版

自宅から一番近い、千歳烏山駅前の図書館には、ほぼ毎月足を運んでいる。
世田谷区には、新日本プロレスの道場(野毛)があり、かつては全日本プロレスの道場(砧)もあった。
確か用賀にも、UWFの事務所があったはずで、プロレス業界と結びつきの深い区なのかもしれない。

世田谷区の財産である書籍を、立川市民がタダで読むのは申しわけないので、
行き帰りには必ず、千歳烏山駅の周辺で飲食や買い物をし、お金を落とすことにしている…というのは、
駅から徒歩30秒の場所にある、ラーメン店『榮じ』を紹介したときに記した。
飲食店は、榮じさんの他にもいろいろ利用しているが(『世田谷餃子』とか)、
必ず立ち寄っているお店が『祖仁』さん。自家製厚焼玉子のテイクアウト専門店だ。

場所は、駅北口改札を出てすぐの商店街メイン通りを北進して、1分くらいの距離。
ただし、上記情報だけで向かうと、店舗を発見できずさまよう可能性もある。初訪問時の私がそうだった(苦笑)。
目印はメイン通りの右側、商品見本と看板が置いてある木製の台。


「只今の時間 階段奥で 営業中です」のお知らせに従い、階段の奥へ歩いていくと、


玉子焼きのお店らしい、黄色いノレンと旗、そして店舗を発見!


窓口にたどり着いた私に、店主らしきおばちゃんが気付き、「いらっしゃ~い」と挨拶してくれる。
商品は「厚焼玉子」の(小)400円と(大)800円のみ。最初なのでとりあえず小を購入。
これまた黄色い用紙で玉子焼きを包みながら、「持ち帰り用の袋はある?」と確認され、ハイあります、と返答。
「ありがとうございま~す」の声とともに玉子焼きを受け取り、ペコリと頭を下げて退散。
帰宅し、母親に「お土産買ってきた」と告げて渡したところ、いつの間にか切り分けられ、別容器に保存されていた。


切る前の状態を撮影したかったのだが、ひと口食べたら抜群にウマく、「また買うからいいか」となった。

居酒屋では「出し巻き玉子」をよく頼み、出来立て熱々を頬張るのが好きな私だが、
祖仁さんの玉子焼きは、冷蔵庫に入った冷めた状態でも美味しく、出汁の旨味と、砂糖やみりん由来の甘味を感じた。
こちらのお店は元々、お寿司屋さんに卸すための厚焼玉子を作ったのが始まりらしいが、
冷やした玉子焼きと酢飯を合わせたら、最高の玉子握り寿司になりそうだ。

とある日の土曜日に再訪したところ、残念ながら休業日。まあ、私にはよくあることだ(泣)。


3度目はまず、さっき載せた店頭画像では写っていなかった、屋号の看板が入った店頭を再撮影し、


前回同様、階段奥の店舗で、おばちゃん店主から購入。


そういえば、とあるブログ記事で“包み紙には「嶋 祖仁」、これが屋号か?”という記述があったが、
これは嶋ではなく、「烏山 祖仁」と読むのである。※嶋の字だと一本足りない

シールには原材料と消費期限が記載されており、期限はだいたい、購入日の翌日までと短め。


理由は原材料にあり、「鶏卵・醤油・味りん 植物(※だと思う)油・塩・砂糖 だし(かつお・さば)」と、
添加物を一切使っていないため、長持ちしないのである。

スーパーで売っている玉子焼きなんて、原材料を見れば添加物だらけだし、
某プロデューサー兼タレントの実家として有名な、築地の玉子焼き専門店も、
HPでは「余分な添加物は一切加えず」と説明しているが、通販の商品には還元麦芽糖水飴だの増粘剤(加工澱粉)だの、
怪しげなモノがいろいろと混ざっており、賞味期限は「届いてから5日間」だと。
某タレントには申しわけないが、ワタミと組んで商売したのがムカついたので、悪い例として挙げさせていただいた。
※ワタミ系列『から揚げの天才』、最近閉店ラッシュの模様

この日は小をふたつ購入しており、ひとつは近所の知人にプレゼント。
美味しいだけでなく、無添加で安心な祖仁の厚焼玉子は、贈呈品にも最適である。
今回はちゃんと、包装紙から出すところも撮影。お肉屋さんで使われるような薄紙に包まれており、


紙を剥がした状態がこちら。上から見てもウマそうだが、


横から見ても、やっぱりウマそうであり、食べてみたら実際にウマいのである。


なお、倍の大サイズも何度か購入しており、のちに上からのアングルを撮影した。


たくさん食べられるのはありがたいが、さっき書いたように、消費期限は短いため、すぐに食べなくてはいけない。
大きな玉子焼きを、ガバっと3~4口で食べてしまうのは男の夢だが(?)、みみっちい私には無理。
おいしいモノ、特に祖仁の玉子焼きのような、おばちゃんが丁寧に手作りしている食べ物は、少しずつじっくり味わいたいよ。

以降も、千歳烏山に行くたびに祖仁さんに立ち寄ったが、あるとき、厚焼玉子以外の商品を売っているところに遭遇。
その商品とは、やはり玉子や砂糖を使って作る、「シフォンケーキ」200円であった。


この日は「プレーン」しか残っていなかったが、「バナナ」や「チョコ」もあるそうだ。


厚焼玉子と一緒に買い、すぐ近くの広場に座る場所があるので、シフォンケーキだけそこで食べることに。

※上から見ると三角形

世田谷区民の皆さんがくつろいでいる空間で、洋菓子をムシャムシャと喰うおっさん…
オウム真理教の残党がおり、常に警察の目が光っているとされる千歳烏山だが、とりあえず職質は受けなかった(笑)。

別の日には、店頭窓口にシフォンケーキが置いてあり、バナナ味も売っていたので購入。価格は同じ200円。


さっきのプレーンの写真が、我ながらヒドいと思ったので、バナナも改めて撮影したのだが…


今度もやはりダメ画像だった。どの角度で撮れば、美味しそうに見えるのだろうか!?


味については、プレーンは厚焼玉子からダシを抜いたような、玉子と砂糖のやさしい風味で、
バナナは甘さは控えめで、スポンジ内に果肉は含んでいなかったが、バナナの香りが強かった。

さすがに月1~2で通っているので、おばちゃん店主には顔を覚えてもらった…はず。
奥で休憩しているときもあるし、銅鍋で厚焼玉子を焼いているときもあった。
あるとき、このお店は何年前から営業してるんですか? と質問してみたところ、
おばちゃんは照れ笑いを浮かべながら、「もう50年以上やってます」と答えた。
失礼ながら、おばちゃんが10代から始めたとして…そんな年齢には見えず、もっと若いと思っていた。
※追記 おばちゃんは二代目でした。まあ当然である

近年はお寿司屋さんとの取引はなく、お客は私のような、お持ち帰りの一般人だけ。
最近は、シフォンケーキの他、ちらし寿司などを売るときもあるそうだが、商品はほぼ厚焼玉子のみ。
しかもメイン通りから奥に入る目立たない場所で、半世紀以上もお店を続けてきたということは、
祖仁さんの玉子焼きが、多くの人々に支持されていることの証左であろう。
築地やデパ地下などで、添加物まみれで値段も高く、味も素っ気もない玉子焼きを買うならば、
千歳烏山駅の祖仁さんで安心・美味な厚焼玉子を買うべきだと思うよ。

≪おまけ≫ 私が一番ウマいと思う祖仁厚焼玉子の食べ方→「ちょっと温めてから、少しだけ醤油を垂らす」



厚焼玉子 祖仁
東京都世田谷区南烏山4-12-8
京王線千歳烏山駅から徒歩約1分
営業時間 10時くらい~18時くらい 13~14時中休み 売り切れ早じまいあり
定休日 土、日、祝、その他不定休あり
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「星降る街角」のラーメン店 立川『鴨福』改め『アンズノ木』

2022年06月22日 | ラーメン、つけ麺など
居酒屋やバーが閉まっている、定休日や昼間の時間帯に場所を借りて、営業する飲食店がある。
都内にはそのような、間借り営業の人気店が多いようで、以前紹介した『平日昼だけ』も、
当初は東高円寺の骨董品屋兼カフェバー、最近は荻窪駅近くのバーで、「平日昼だけ」間借り営業をしている。

昨年11月には、私の地元立川にも、昼間のスナックを間借りしたラーメン店『鴨福』が登場。
店主は以前、八王子で同名のお店を営んでおり、人気を博していたものの、諸事情によりやむなく閉業。
数年の時を経て、立川市で間借り営業ながら、鴨福を再開することになったそうだ。

お店のツイッターで再開が発表されると、待ちわびていた客が殺到したのか、連日行列ができた。
私が訪問したのは再開から数日後。開店直後の時間だったが、すでに満席&行列客数名。
店内着席まで20分ほど待ったが、女性従業員が丁寧に応対してくれたので、不満はなかった。
待っている間に、店頭に掲示されている、看板代わりのペナント(って呼称でいいのか?)を撮影。


屋号に「鴨」とあるように、ここは自家製麺と無添加がウリの鴨だしらーめんのお店である。
こちらは「主なメニュー」と「お知らせ」。個人的には、営業時間のコロンが半角:と全角:なのが気になった。


着席すると卓上にも、食材などの説明付きメニューが置いてあった。


この日は「鴨醬油らーめん」と「鴨塩らーめん」の二択なので、塩+味玉をオーダー。
「天然羅臼昆布黒走」、「ゆめちからrevolution」、そして「ハンガリー産マグレ・ド・カナール」と、
私が聞いたことのない食材を多数使用してあり、食べる前から期待が高まる。
男性店主の作業を見ていたが、スープは別の場所で炊いたものを、ジップロックに一人前ずつ保存し、注文ごとに再加熱。
間借りで不慣れな厨房に苦労しながらも、一杯ずつ丁寧に調理しているのがわかった。
席数自体も少ないし(カウンターのみ7席)、行列ができるのは仕方ないのかもしれない。

注文から約15分後、鴨塩らーめん800円+味玉100円が完成。


変わった形状の丼で、スープが熱々だからか、お皿を敷いて提供される。


実は私、鴨肉を食べる機会が少なく、若い頃にたまたま食べた鴨鍋が脂臭くてマズかったため、
鴨出汁ラーメンもあまり期待していなかったのだが、ひと口スープを飲んだだけで不安は解消。
さすがはハンガリー産マグレ・ド・カナール(←この日初めて知った言葉)。脂臭さは一切なし! 
むしろ、煮干し由来の風味に、鴨肉から出たダシとコクのある脂分が加わり、次から次へと旨味が押し寄せる。
透明だが上品ではなく、けれども決して下品ではない。こんな塩スープは初めてだよ。
ちなみに「マグレ~」とは、フォアグラを採取する品種だけが名乗ることを許される、最高峰の鴨胸肉のことらしい。 
自家製の麺は、私の大好きなモチモチの平打ちタイプで、噛み応えもすすり甲斐もある。


麺自体の風味もよく、さすがは上質小麦粉ゆめちからrevolution…ってのはもういいか。
具材はチャーシュー代わりの鴨ロース、鴨肉ワンタン、三つ葉、ネギ、追加の「マキシマムこい味玉」。
鴨ロースはピンク色の半生タイプ。食べやすいよう、切りこみも入っているのが親切。
鴨肉のロースとワンタンは、風味が淡泊なので、個人的には豚肉の方が好きかな。
「マキシマムこいたまご」は以前、『ビーフキッチンスタンド』でも紹介した、黄身の色が濃いのが特徴の玉子。


スープまで飲み干し、「美味しかったです」と店主に告げると「ありがとうございます」と返答してくれた。
売り切れる時間帯を質問したところ、「完売することはまずないですよ」と謙遜。女性店員だけでなく、店主も好人物だった。

帰り際、入口脇に置いてあった、店舗を貸しているスナックの看板も撮影。


スナックの正式名は『和風bar 星降る街角』。ロマンチックな屋号である。なので今回のブログタイトルにした。
さらに、鴨福ペナントの下に貼ってあった、スナック店主のポスターも撮影。


店主(プロデューサー?)は宍戸マサルさんという俳優で、「超力戦隊オーレンジャー」のレッド役を演じた方らしい。
ガキの頃は特撮番組が大好きだった私だが、オーレンジャーは最近の作品らしく、さすがにわからん。
※調べたところ、オーレンジャーの放映は1995~96年で、「最近」でもなかった

約1ヶ月後に再訪し、お店ツイッターで紹介していた、限定ラーメンが気になりオーダー。
卓上メニューは写真付きのもの変わっており、わかりやすくなった。


こちらが、限定メニューの「イベリコ豚バラとニラの辛味噌らーめん」900円。


丼にスープ、麺、大量のニラを盛りつけたところに、炒めた豚バラから抽出された油を注ぎ、あとから豚肉も乗せる。
熱々の油でニラが焦げるときの音が、実にウマそう。その瞬間に立ち上る香りも嗅ぎたかった。
ニラの下には、前回気に入った平打ち麺。丼の縁に添えられた辛味噌も、スープに溶いて混ぜる。


味はなかなか良かったが、味噌の風味とイベリコ豚が強すぎて、鴨のダシはあまり感じられなかった。
この日は、厨房内に貼ってあった、スナック店主関連のポスターも撮影。


宍戸マサルさんは、「新☆敏いとうとハッピー&ブルー」の一員として、歌手活動も行っているようだ。
店内には純烈のサイン色紙もあり、オーレンジャーの広い交友関係がうかがえる。

このときにも書いたが、大晦日にも訪問し、これまた限定メニューの「年越し蕎麦」1000円を食べた。


内容について、当日のお店ツイッターを引用すると、
「鰹の効いた鴨だしスープに甘めのカエシ、具材は炙り鴨、イベリコ豚の肉かすと天ぷら、麺には蕎麦粉を含有」とのこと。
炙り鴨が途中でなくなり、いつも使っている、レア仕様の鴨ロースに変更。
申しわけないが、私は半生肉は苦手なので、熱々スープに沈め、加熱してから食べた。


イベリコ豚の天ぷらや、鴨+鰹のスープ、そして蕎麦粉入りの細麺は、なかなかウマかった。いい年越しになったと思う。

年が明けても、鴨福さんの行列は途切れることはなく、並ぶのが嫌いな私は、なかなか入店できず。
一応、お店のツイッターはチェックしており、年明けからいろいろと変化があった模様。
1月下旬には鴨肉の価格高騰により、麺類を100円値上げ。ついでに、鴨以外のダシを使うラーメンも出すため、
看板を「鴨だしらーめん 鴨福」から「中華そば 鴨福」に変更。
店主は引き出しが多く、いろんなラーメンを発表しており、確かに鴨ダシに限定しなくてもよさそう。
だがその後も、海外で鳥インフルエンザが発生したことで、鴨肉の仕入れが減り続け、
ついに鴨ダシラーメンは、5月一杯で提供中止となり、6月からは『アンズノ木』に店名変更。
「果実の杏子の実のように、美味しく栄養価の高いラーメンで、お腹も心も満たしたい」の意が込められており、
アンズ出汁のスープや、アンズ入りラーメンなどは作っていないので、珍品マニアはご注意を(笑)。

先日、新店舗のラーメンを味わうべく、約半年ぶりの訪問。たしかにペナントが変わっていた。


書き忘れたが、最近は席に設置してある注文用紙に、客がチェックし提出する。会計も先払いだ。


鴨ダシから煮干し風味に変更しており、注文したのは「醤油煮干し中華そば」900円+ワンタン(2個)100円。
数分後、提供されたのがこちら。ツユの色が濃いね。


スープは、まず煮干しを感じたあとに、動物由来の脂と旨味がやってくる。鴨らーめんとよく似た構成だ。
塩味と醤油味の違いもあるだろうが、今回の方が荒々しいテイストで、私好みである。
そういえば、以前と同じく今回も「無化調」らしいが、風味はしっかりしている。

隣の先客が食べていたつけ麺は、中太のストレート麺だったが、ラーメンには太くちぢれた麺。


スープだけでなく、麺も新たに作り直したようで、濃い醤油味のスープとよく絡み、口内で存分に暴れる。
2個のはずのワンタンは3個入っており、サービスかと一瞬喜んだが、元から1個入っていたことを思い出した(苦笑)。


淡泊な鴨肉より、味がわかりやすい豚肉の方が、ワンタンには適していると再確認。
他の具材は、イベリコ豚のチャーシュー2枚と刻みネギのみ。チャーシューは厚めで、今回も切れ目が入っていた。
撮影はしなかったが、レンゲでスープをすくうと、溶け込んだ脂分=小さな泡が多数浮かぶ。
クドさは感じなかったが、なんとなく後ろめたい気持ちになり(←悲しい中年)、スープは少し残した。

6月から心機一転、再スタートを切った鴨福改めアンズノ木であったが、
今度はなんと、貸主のスナックの移転にともない、6月29日で一時閉店することに!
現在は、立川周辺で間借りができる店舗を探しているそうだが、いちファンとしては、
場所はどこでもいいので、一刻も早い再々出発(八王子時代を合わせると再々々?)を願ってやまない。
あと、スナックは興味のない私だが、『星降る街角』はちょっと気になるので、移転後には足を運んでみる…かも?



アンズノ木(旧鴨福)
東京都立川市錦町2-2-19
JR立川駅から徒歩約6分、モノレール立川南駅から徒歩約4分、JR西国立駅も徒歩圏内
営業時間 11時半~15時
定休日 日、月、現店舗は6月29日まで
※6月29日以降については、お店のツイッターを参照してください
追記 八王子に移転し、間借り営業していたお店も、2022年9月で閉店しました
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ルーツは吉祥寺の名洋食店 高円寺『ニューバーグ』(後編)

2022年06月16日 | 洋食屋さん
かつて吉祥寺に、『バンビ』という洋食店があった。
同名の洋食店は、現在も新宿や茗荷谷にあるが、関係はわからない。
創業は1961(昭和36)年で、1999年に店名を『シャポールージュ』に変更。
2017年に閉店するまで、看板には「旧バンビ」の文字が残っていたようだ。
こちらが、最近撮影したシャポールージュ跡地。バッテンマークは以前のままの様子。


私は残念ながら、お店の存在を知らず、入店したことはなかった。
2000年頃に発行された、中央線沿線ガイド的な書籍を、最近読み返してみたところ、
まったく記憶になかった、シャポールージュの記事が掲載されていて驚く。
紹介文の一部を転記すると、「情報誌常連の店」
「休日の吉祥寺デートをここからスタートという人にもいい感じ」
「昭和通りにある懐かしい洋館の雰囲気を感じさせる一軒家の洋食屋」
だって。
どうも、記事の記憶がなかった、というか興味を惹かなかった理由は、この紹介文が原因かもしれない(苦笑)。
特に3番目は、読点がなくて読みづらく、食べロガーと同レベルの駄文だよ。

文章も稚拙だが、「情報誌常連」で、「デートに最適」な、「洋館の洋食屋」と聞いたら、
吉祥寺にありがちな、高くて気取ったおしゃれメシ屋かと思い、行く気は失せる。
縁のないお店だったが、詳細を知りたくなりネットで検索。不本意ながら、食べログの投稿にも目を通した。
いろんな方のバンビ&シャポールージュ評を読んでみたら、称賛の意見が大半。
洋館風の店舗は三階建てで、落ち着いた雰囲気の中、高級メニューだった洋食を、お手頃価格で提供。
「おいしい御馳走」と「ぜいたくな気分」の双方を味わえる、ちょっと特別な社交場だったようだ。

主な人気メニューは、オムライス、シチュウ、デザートのババロア、そしてハンバーグ
食べログで見た限り、老舗洋食店にしては安く、ファミレスと同等か、ちょっと高い程度。
ランチメニューの最初に記載されている、「デミグラスハンバーグステーキ」は993円と、千円札でお釣りがくる。

ここまで、吉祥寺のバンビ&シャポールージュについて、私が知る限りの情報をつづってきたが、
今回のテーマは、タイトルでもおわかりのように、高円寺の『ニューバーグ』である。
吉祥寺で愛されて56年。お値段以上の価値がある、洋食メニューで人気を博したバンビ&シャポールージュと、
高円寺で愛されて今年で53年目。早い、安い、そこそこウマいハンバーグで、カルトな(?)人気を誇るニューバーグ。
お店の方向性は明らかに異なるし、かつてのバンビで青春時代を過ごしたファンの中には、
「そんな安っぽい店と一緒に扱わないでほしいザマす」などと不満を抱く方もいるはず。
だが実はこちらの2店、かつては同グループだったらしい。言い換えると、
ニューバーグはバンビの支店だったようなのだ!
↑久々に最大フォントを使用したが、個人的にはそれくらい衝撃の事実だったので。

上記の情報を知ったのは、古いマッチ箱などを紹介するブログの記事。
無断転記はマズいので掲載はしないが、「マッチ箱 バンビ ニューバーグ」で検索すれば、該当ブログがヒットするはず。
開店から間もない頃のバンビが、人気商品のハンバーグだけを提供する支店を出すことになった。
メニュー数を絞り、接客なども簡略化した分、値段を安く抑え、誰でも気軽に利用できるハンバーグ専門店を、
吉祥寺、そして高円寺に出店したのが、ニューバーグの始まりだそうだ。
吉祥寺店の開業年は不明だが、高円寺店は前編で記したように、バンビ開店から8年後の1969年オープン。
当時、「マルシンハンバーグ」は魚肉などを含んでおり、「イシイのハンバーグ」販売は翌1970年で、原材料も鶏肉。
牛肉と豚肉を使用したハンバーグは、庶民には手が出なかった時代に、ニューバーグは誕生したのだ。
お店には連日、大勢の客が詰め掛けたが、中でも熱心に通っていたのが、とある3人組親子。
のちにバンビから権利を買い取り、ニューバーグ高円寺店を経営することになる父の平井氏と、現店主の息子兄弟である。

さっき触れたブログで紹介された、ニューバーグのマッチ箱の脇には、支店名と連絡先が載っており、
当初は吉祥寺店、高・中通り店、高・東通り店、高・申庚通り店と、と4店舗が存在していたことがわかる。
「高・」は高円寺の略で、中通り店は現存するお店で、東通り店は、私が初めて利用したあづま通りにあった店舗、
申庚通り店は、庚申通りの誤りと思われ、数年前まで餃子の『赤天』のそばに『MASH』という系列店があったのだが、
同じ庚申通りの別の場所にも、かつてニューバーグがあったことを、平井兄弟の弟・仁さんに教えてもらった。
仁さんとは、他にもいろいろ会話させていただいたのだが、まずは、そのとき食べたメニューを紹介。
注文したのは、ハンバーグが2枚の「ダブル」750円に、+30円で片方のソースをデミグラスからメキシカンに変更。
完成したダブル+片方メキシカンソースのセットがこちら。当然、ライス、味噌汁、目玉焼き付き。


ダブルハンバーグだけアップ。オレンジ色の方が、ピリ辛風味の自家製メキシカンソース。


ラード、タバスコ、トマト、コーンなどを5時間じっくり煮込んだソースだ。追加料金30円は安すぎる!
パン粉を付けて、あらかじめ揚げ焼きしておくハンバーグは、バンビの味とは異なると思うが、
このメキシカン&デミグラスの両ソースは、バンビから受け継いだ調理法を守っているとのこと。
伝統のソース2種を残さぬよう、ハンバーグだけでなく、炒めスパゲティとも絡めて、味わい尽くした。

食後、珍しく客足が途絶えたので、先述したように、店主兄弟の仁さんと会話させていただいた。
マッチ箱に記載された以外にも1軒あり、最盛期は高円寺だけでニューバーグが4店舗あったこと、
今年4月に値上げしたけど、食材などの値上げ幅が大きく、ほとんど儲けが出ないこと、
それでも、来てくれるお客さんのために、安価を守るべく奮闘していることなどを語ってくれた。
以前と変わらず安くて美味しいです、と告げたところ、仁さんはちょっとさみしそうに、
「高円寺もずいぶん変わったからね。昔はもっと、個人店がいっぱいあったんだけど…」とつぶやいた。
私の地元立川駅周辺よりはマシだろうが、確かに高円寺も、チェーン店が少しずつ増えてきている。
お店がある中通りも、店舗の顔ぶれがだいぶ変わり、昔から残っているのは、ニューバーグを含め数店しかないはず。
コロナ禍など、個人店ならではの苦労を乗り越え、味と安価を守り続けてきた、平井さん一家に感謝したい。

最後に、一番聞きたかった「ここって、元々はバンビというお店がやってたんですよね?」と質問。
仁さんの返答は、「…ウチの父親が、先代から引き継いだんです…」であった。
前回も記したが、最近、ニューバーグを称えるネット記事をいくつか見かけたのだが、
いずれの記事も、創業者については「先代」「前の経営者」「初代オーナー」などと表記し、バンビの名前を出さない。
【吉祥寺の人気洋食店の流れを汲む】というエピソードは、お店のイメージアップに繋がるはずなのに、
店主も雑誌記事も触れようとしないのはなぜだろう。バンビの関係者に口止めでもされているのか?
さっき紹介した、シャポールージュのデミハンバーグランチは、スープ、ライス(orパン)、目玉焼きに温野菜で、
ニューバーグの基本メニュー「Aセット」は、デミハンバーグ、味噌汁、ライス、目玉焼きにミックスベジタブル。
ほぼ同内容だし、両者はやはり、関係があるとしか思えないのだが。

最後に、つい最近食べてきた、「黒カレー」サラダ付き660円を紹介。
カレーライスは近年加わったメニューで、発案者は店主兄弟の兄・誠一さんの奥様らしい。
黒カレーの食券と一緒に、「ハンバーグを追加してください」と告げながら、現金170円を渡すと、
受け取った店員さんが、「追加ハンバーグ」と記された食券を置いていく。


ちなみに、トッピングなどの追加メニューはこちら。前回の店頭画像と同様、お店のHPから拝借。


上記以外にも、「目玉焼き」50円、「チキンカツ」80円、「キリン瓶ビール(小瓶)」350円などもある。
まずはサラダ(左端)、そして黒カレー+追加ハンバーグがやってきた。


別アングルからもう1枚。こんもり盛られたご飯と黒カレーの間に、ハンバーグが隠れている。


普段はナイフとフォークだけだが、カレーにはさすがに、スプーンも提供される。


八坂の『宝来屋』で出てきたスプーンによく似ている。実は、あまり使いやすくないのだが(笑)。


カレーの味は、野菜由来の甘味と、香味野菜由来と思われる苦みのバランスがいい、欧風タイプであった。
目玉焼きの黄身を溶かしたり、ハンバーグと絡めたりして、例のスプーンでガツガツと食べ切った。
そういえばこの日は、あらかじめ仕込んで厨房内に重ねてある、ハンバーグの撮影に成功。


1日に200枚くらい仕込むらしいが、いかんせん安価なので、これだけ売ってもあまり利益は出ないんだろうな。

以上、前後編にわたり、高円寺の名店ニューバーグについて語ってみた。
一部、失礼な表現もあったかもしれないが、愛するあまりの発言ゆえ、どうか許してほしい。
繰り返しになるが、【ニューバーグ、起源はバンビ】説が、世に出回っていないのが不思議。
どちらも知名度抜群の飲食店なのに…ひょっとしたら、私は表沙汰にしてはいけないタブーに触れたのかも。
今後もし、このブログの更新が途絶えたら、私が何者かに消されたと思ってほしい(笑)。



ニューバーグ NEW-BURG
東京都杉並区高円寺北3-1-14
JR高円寺駅から徒歩約90秒 ※信号次第
営業時間 11時~22時
定休日 年末年始
※バンビとニューバーグの関係について詳しい方、情報をお待ちしております
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大魔王も愛した激安ハンバーグ 高円寺『ニューバーグ』(前編)

2022年06月11日 | 洋食屋さん
今から25年前、私がまだ勤め人であった頃、高円寺に数日間通ったことがあった。
ランチは当然、会社周辺の飲食店を利用するのだが、どのお店も安価なのに驚かされた。
居酒屋を含め、飲食店の価格は今でも、中央線沿線では高円寺が最安だと思う。
その中でも特にバカ安だったのが、『ニューバーグ』というハンバーグ専門店。
はっきりとは覚えていないが、「ハンバーグセット400円」などと書かれた店頭の看板に誘われるように入店し、
本当に400円程度(380円だったような記憶も)で、ハンバーグ定食が食べられて、感激したものだった。

それから数年後、高円寺で飲み歩くようになり、シメに何度かニューバーグに立ち寄った。
最初に食べた、あづま通り近くの店舗はなくなっていたが、駅近くの中通り内にある店舗は、今も残っている。


上記画像は、お店のHPから拝借。今さらながら、自分のヘタな写真より、公式の画像を載せた方がマシだと気付いた。
店内はカウンター席のみで、時間帯によっては混雑するが、回転が早いため待たされることは少ない。

25年前、400円くらいだった、もっともスタンダードな「Aセット」は580円
デミグラスハンバーグ、味噌汁、ライス、目玉焼きにコーン(ミックスベジタブル)が付く。しかも、3月までは530円だった。
下記は店頭に貼られたメニューの写真。ホラ、やっぱりヘタでしょ(泣)。ちなみに「A」は、左段の一番上。


現在、『松屋』のハンバーグ玉子定食(そんな名前ではないが)でさえ720円だし、学食だって、もう少し高いのではないか。
他にも、ハンバーグ2枚の「ダブル」が750円、揚げ物2種とサラダが加わる「日替わり」は、680円とやっぱり安い。
数ヶ月前に久々の入店を果たし、日替わり=サービスセットを食べてきたので、以下で紹介しよう。
まずは、店内の券売機で食券を購入し、カウンターに置く。プラスチックの食券が懐かしいね。


すぐにナイフとフォークとナプキンが用意され、まずはミニサラダが登場。


キャベツのコールスローに、ポテトサラダも添えられる。オレンジ色のドレッシングはお店自家製だ。
しばらくすると、ハンバーグに目玉焼き、揚げ物2種や炒めたスパゲティなどが鉄板に盛られ、熱々の状態でやってくる。


最後に、ライスと味噌汁がやってきて、「日替わりサービスセット」(←正式名)が完成! このときは630円だった。

※サラダは当然、食べかけ

久しぶりに食べたニューバーグのハンバーグは、以前よりウマくなった気がする!
後述するが、昔は「肉以外のナニか」(笑)が印象に残ったのだが、この日のハンバーグは、肉の旨味をしっかり感じた。
若い頃は、目玉焼きとハンバーグ数切れとデミソースだけで、最初のライスをたいらげお替わりをしたものだったが、


もうトシなので無理せず、付け合わせのスパゲティで、残ったオカズを片付けることに。


スパゲティは塩コショウだけのシンプルな味付けで、デミソースと絡めてもおいしい。
揚げ物は日替わりで、この日はチキンカツ。付け合わせのポテトフライはさつまいもであった。


630円では申しわけないオカズの量とボリュームに感激しながら、久々のニューバーグを食べ終えた。
相変わらず客足が絶えず、終始忙しそうだったけれど、シェフは元気そうであった。

現在も地元で人気のニューバーグだが、安価ゆえに悪評を聞くこともある。
実際、高円寺在住の方に「味について語るのは野暮」と告げられたことがあるし、
かくいう私も、「味はともかく、この値段でハンバーグ定食が食べられるのはスゴイ」と、やや失礼な評価をしていた。
そんなニューバーグ関連の伝説(ややオーバー)を、賛否合わせていくつか記してみよう。
1.ハンバーグには肉以外のナニかが入っている
2.かつては、高円寺から吉祥寺までの中央線各駅に支店があった
3.売れる前のとんねるずがよく利用していた
4.バブルガムブラザースのブラザーコーンは、現在もたびたび来店している
5.「これがハンバーグかよ!?」と不満をぶちまけた客に、
シェフが「ウチのはハンバーグじゃねえ、ニューバーグだ!」と言い返した
6.元々は有名洋食屋の支店だった


一番多いのが、1のハンバーグの中身について。私が聞いたことのある噂では、
段ボールや犬・猫など荒唐無稽なモノから、オカラなどの大豆類、魚肉ソーセージ、小麦粉や片栗粉などの澱粉類、
さらに、「カップヌードル」に入っている謎肉など、いろんなモノが入っていることにされていた。
安価すぎるゆえ、「ナニかインチキしてるんだろう」という誤解が生じたのかと思われる。お店には迷惑だろうね。
今年に入り、TVや雑誌でニューバーグが何度か取り上げられ、「散歩の達人」サイトでは、
「豚肉3、牛肉7の合挽き肉を丁寧に練り込んだハンバーグは、肉汁たっぷりふっくらしたおいしさ」と紹介。
豚と牛の3:7は事実だろうが、他にもナニかが入っているのは、食べた人ならわかるはず。
あと、「肉汁たっぷりふっくら」という表現は、絶対にウソである。このライター、実際に食べていないのでは?
つい先日、夕方のニュースでもニューバーグが特集され、仕込み風景を放映していたのだが、
牛豚合い挽き肉の塊に、たっぷりのパン粉を付けて、開店前に多めの油で揚げ焼きしていた。
どうやら、ナニかの正体はパン粉だったようだ。他にも、企業秘密のモノを混ぜているかもしれないが。

余談だが、アニメ「ハクション大魔王」では、大魔王の好物はハンバーグという設定なのだが、
放映初期の見た目は、明らかにコロッケなのである。作中では実際に、油で揚げているシーンもあったらしい。
 (C)タツノコプロ
※上記画像はなぜか、「オムロンヘルスケア」のツイッターで発見

どうやら、作画担当はコロッケを描いたのだが、番組のスポンサーがハンバーグでおなじみ『マルシン』だったため、
コロッケの画のまま、ハンバーグに変更したらしい。※大魔王の声優・大平透氏らの証言あり
だが、作品中で描かれたパン粉を付けて揚げるハンバーグは、高円寺に実在していたのである。
偶然だろうが、ハクション大魔王の放映開始は1969(昭和44)年で、ニューバーグの開業も1969年である。

オーダーが入ると、あらかじめ焼き置きしてあるハンバーグをレンジで再加熱し、
その後は鉄板に乗せて、目玉焼きなどと一緒に提供するのは既述した。
この「レンジでチン」に、苦言を呈するバカが、「食べログ」などネットには意外と多いのにあきれる。
ハンバーグをレンジやオーブンで再加熱する店なんて、世の中にいくらでもある。
目の前で行うか否かの違いだけで、ニューバーグは目の前でやるけど、その分価格に反映している。
価格とのバランスも考慮せず、評論家気取りで「2度と行きません」なんて投稿している輩は、
ニューバーグだけでなく、飲食店自体を2度と利用しないでほしい。

ハナシは戻って。噂の2は、私が調べた限り、阿佐ヶ谷の店舗は確認できなかったが、
荻窪、西荻窪、吉祥寺にはかつて、支店が存在したらしい。最大で7店舗あったそうだが、現在は高円寺の1店舗のみ。
なお、ニューバーグは『MASH』という系列店があり、荻窪や高円寺の庚申通りにあった店舗がそうであった。
私は未訪なのだが、ニューバーグとの違いは「MASHの方が少しだけ高い」らしい。
先述した高円寺在住の方に、「要するに、『叙々苑』と『游玄亭』のような関係ですか?」とたずねたら、
「そんな立派なモンじゃねえ」だって。あ、やっぱり(笑)。

3と4については、私は目撃経験はないが、芸能人が多く住んでいる高円寺ならありえそうな噂だ。
ブラザーコーン氏は、名前入りステッカーが券売機に貼ってあるので、近年も利用しているのかもしれない。
5の噂はさすがに、お店の方に聞くワケにもいかず、謎のまま。

実は今回、ニューバーグについて書こうと決めたのは、6の噂「元々は有名洋食屋の支店だった」を知ったから。
すでに長々と雑文を重ね、読者の皆さんも飽きてきたと思うので(反省)、ここで中断し、次回の後編で改めて語りたいと思う。

※次回紹介予定の画像



ニューバーグ NEW-BURG
東京都杉並区高円寺北3-1-14
JR高円寺駅から徒歩約90秒 ※信号次第
営業時間 11時~22時
定休日 年末年始
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日本最古かもしれないラーメン店 立川『福来軒』

2022年06月05日 | ラーメン、つけ麺など
前回紹介した、恵比寿『長命うどん』の本店は名古屋にあり、創業は大正2(1913)年。
実は、私の地元立川市にも、同じ時期に開業した、老舗の飲食店が存在する。
そのお店とは、昔から地元民に親しまれてきた、中華食堂の『福来軒』
創業は、長命うどんより1年早い大正元(1912)年。今年で110周年だ。

「ラーメン店 日本最古」でネット検索すると、浅草の『来々軒』が1910年オープン。
こちらのお店は、だいぶ前に閉店しており、現存する店舗では、兵庫県尼崎市の『大貫(だいかん)本店』が最古とのこと。
ただ、そちらの開業は1912年。福来軒と同じ年ではないか!
大貫本店は知ってか知らずか、HPで「日本最古の中華そば」と大々的に宣伝している。
一方の福来軒は、HP自体がないし、「日本最古」とは主張していない様子。
地元民としては、競艇場があるガラの悪い街(※あくまで個人の意見です)尼崎市の飲食店に、
競輪場がある品のいい街(※あくまで個人の戯言なので、本気にしないように)立川市の飲食店が負けてほしくないので、
「福来軒も日本最古かもしれない」説を新たに唱え、拡散したい。

ここで、現在の福来軒の外観を紹介。長い歴史を誇る割には、そんなにボロくないだろう。


お店の歴史を簡単に振り返ると、1912年に初代店主が、立川駅の北口で屋台を引き始める。
戦後、店舗を構えたところ、1964年、米軍車両の事故が原因の大火事に遭い一時閉店。
跡地に建てられた第一デパート内で営業を再開し、1976年に南口に移転。1993年に全面改装し、現在に至る。
外観が古くないのは、現店舗は29年前に改装したから。私は別の店になったのかと勘違いしたよ。
こちらが現在の店内の様子。老舗中華食堂独特の乱雑さはなく、落ち着いた喫茶店のようであろう。


ここ数年はご無沙汰していたが、コロナ禍で地元の飲食店を巡る中、久々に訪問。
現在は4代目の若い男性が軸となり、ご家族でお店を守っておられる。
この日注文したのは、メニューに(一番人気)と記されていた「炒飯と餃子3個」のセット980円。
炒飯は普通or「コーン炒飯」が選択できるので、コーンにしてみた。
まずはキムチとナムルを盛った小皿やスープと一緒に、コーン炒飯が登場。


横からのアングルはこちら。山盛コーンの中央に添えられた、枝豆のグリーンが鮮やかである。


続いて、そこそこ大きめの餃子3個が焼き上がる。


さらに、最初に冷水をいただいたのに、あとから温かい緑茶もやってきた。いろいろ付いてきて嬉しいね。


炒飯はコーンも普通も単品800円。餃子は3個だと240円。セットにすると少しお得だ。
餃子の具材は、お肉が多めの「肉まん」みたいなタイプ。醤油より、お店自家製のラー油が合う。
炒飯は玉子、ネギ、ほぐしチャーシュー、ナルトに、乾燥した小エビも入る。
コーンと枝豆は完成後に加えたのだろうが、コーンは一緒に炒めて、甘味をメシ粒に加わてもよさそう。
溶き玉子と玉ねぎが入るスープは塩分控えめで、炒飯自体もしょっぱくないので、いいコンビといえる。
食後もすぐには退店せず、ゆっくり緑茶を飲み、くつろがせてもらった。

久々の訪問から数ヶ月後、緊急事態宣言が解除され、酒類提供が解禁。福来軒さんでも軽く飲んだ。
メニューも撮影したので、以下で掲載。まずは【ラーメン・餃子】。


こちらは【その他メニュー、セット類】。


最後が【ドリンク・テイクアウト】。


以前は「マーボナス」や「あんみつ」、さらに大昔には「納豆ラーメン」という珍メニューもあった記憶がある。
また、北口に店舗があった頃は、「アイスキャンディー」も提供していたらしい。
戦前は珍しくなかった、食事もデザートも出す、ミルクホールのような業態だったのかもしれない。

この日は「ハートランドビール」500円に、おつまみ兼食事として「揚げ焼きそば」850円を注文。
小瓶からグラスにビールを注ぎ、お通しのモヤシナムルで飲み始める。


しばらくすると、炒飯にも付いてきたスープと一緒に、揚げ焼きそばが運ばれてきた。


見てのとおりの具材がてんこ盛りで、数えてみたところ、白菜、キャベツ、玉ねぎ、人参、ニラ、モヤシ、
竹の子、木耳、シメジ、コーン、枝豆、プチトマト、エビ、イカ、豚肉、味玉と計16種類。


熱々のアンの下には、一般的な揚げそばより太めの自家製麺が隠れている。


提供まで少々時間かかったけど、待った甲斐のある商品であった。
この日は、入口近くのテーブルに座れたので、レジ周辺も撮影。


レトロなピンク電話の隣には、会計時にサービスされる、アメちゃんが置かれている。
このときハッカアメをもらい、次の回ではパインアメをいただいた。


次の回=つい最近の訪問では、久しぶりに「ラーメン」をオーダー。
デザートとして「クリームソーダ」も頼んだのだが、例の緑色のソーダ水を切らしているそうで、
「コーラフロート」ならできる、とのことなので変更してもらった。
しばらくすると、110年の歴史を誇る、「ラーメン」620円が運ばれてきた。


スープをひと口すすると、以前は感じなかったゴマ油の香りがする。
しかし、スープ自体の味は以前と変わらず、動物と野菜をベースにした、軽やかな風味の醤油味だ。
具材はチャーシュー2枚、ノリ、ネギ、メンマ、ナルト、青菜。以前はカイワレ大根が入っていた。
特徴はやはり、自家製の麺。揚げそばに使用したのと同じ、腰のある縮れ麺だ。


スープとの絡みはよくないが、噛み応えやのど越しが抜群にいい、上質の麺である。
創業時の大正時代とは、味が異なると思うが、時代に合わせて少しずつ改良を加え、進化を遂げているのは間違いない。
福来軒のラーメンは、決して古臭くはなく、しかしどこか懐かしい、洗練された一杯であった。

その後、メニューに載っていない「コーラフロート」が登場。価格は、クリームソーダと同額の420円。


ラーメンを食べている途中だったので、コーラをひと口飲んだだけで放置したら、アイスが溶けてしまった。


私はそうでもないが、半分溶けた状態が好きな方もいるし、「フロート類のアイスをいつ食べるか」というのは、
「月見うどんの生玉子をいつ崩すか」と同じくらい、難解なテーマである…というのは大げさか。

今の時期は、下記画像の窓から、涼しい風が入り込み、なかなか快適である。


この窓を外から見たアングルがこちら。改装前はこちらに出入口があり、店内はコの字カウンター席だった。


小学校低学年のとき、旧店舗でラーメンを食べたのを覚えている。
店主らしきおじちゃんに、「坊や、ウマいかい!?」などと話しかけられながら、
カウンター席で大人たちと肩を並べて、夢中ですすったラーメンは、すごくおいしかった。
あれからウン十年たった今も、同じ場所でラーメンが味わえることを、素直に喜びたい。

何度か繰り返したように、現存するラーメン店では日本最古かもしれない福来軒さんだが、
取材などはあまり受けていないようだし、老舗であることも特に強調していない。
あえて探し出せば、入口のノレンに記された「創業大正」の文字と、
箸袋の裏に刻まれた「ひとつのことに 心をかさねて 創業大正元年」のコピー。


箸袋の裏というのが、お店の謙虚さを表している。迷惑かもしれないが、私は今後も勝手に、
「立川市の福来軒は、日本最古のラーメン店…かもしれない!」と訴え続けるつもりだ。



福来軒
立川市柴崎町2-18-7
JR立川駅から徒歩約8分
営業時間 12時~19時半ラストオーダー
定休日 不定休だけど月2~6日 入口に掲示してある
※提供まで時間かかるときもありますが、のんびり待ちましょう
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