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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

初めてうどんをウマいと感じた店 下高井戸『JAZZ KEIRIN』

2021年04月19日 | そば、うどん
このブログでも何度か取り上げている「うどん」
興味を持つようになったのは、今から4年前。きっかけとなったのは、吉祥寺の『うどん白石』さん。

※写真は「ざるうどん」

こちらで食事をして以来、他のお店も巡るようになり、
讃岐、武蔵野、博多に伊勢など、それぞれの地域やお店で味やスタイルが異なる、
うどんの魅力や奥深さ、なにより美味しさに感銘を受け、現在に至る。

うどんを初めて好きになったお店は、うどん白石で間違いないが、
うどんを初めてウマいと感じた店は、たぶん下高井戸の『JAZZ KEIRIN』だと思う。
屋号からもおわかりのように、ジャズと競輪を愛する店主が開業したうどん店だ。
ジャズの知識は乏しいが、競輪なら詳しい私が、吸い寄せられたのは当然であった。

初訪問は、今から10年ほど前。競輪の車番と同様、9色のうどんがあるようだが、


当時はよくわからなかったので、一番無難そうな「ざるうどん」を注文。
ガラケー画像しか残っていないが、綺麗に盛りつけられたうどんは、見た目だけでなく味もよかった。

※現在、ざるうどんの提供は中止

【東京さぬきうどん】と称するうどんは、私が体験したことのない歯応えとのど越しで、
「讃岐うどんってウマいんだなあ」と、好印象を抱いたものだった。
食後、店主にうどんの感想を述べつつ、自分も競輪好きであることを明かし、意気投合。
以後も何度か通ったが、目的は店主との競輪談義であり、
アルコールとつまみだけ注文し、うどんは食べないときすらあった。失礼だね。
その後、ジャズケイリンさんが都内屈指の名店であることを知って以降は、うどんを必ず味わい、
ときにはうどん→飲み→シメうどんと、2回食べることもある。

こちらのウリは、さっき書いたように9種・9色の「創作うどん」
メニューの一部を撮影(いつもながらヘタクソ)したが、季節によって提供商品が異なり、毎回9種揃うわけではない。




あと、メニュー内の説明にもあるように、「青ぶっかけ」は水菜やわかめが入るうどんで、真っ青ではないし、
お店では紫扱いの「温玉・冷玉ぶっかけ」や「地鶏つけ麺」なども、決してパープルではないので、念のため。
それでも、カラフルで独創的なうどんは、発表した当初は話題となり、他のうどん屋店主たちが勉強に来たとか。

以下で、私が食べたうどんを、競輪の車番とユニフォームの色→1白2黒3赤4青5黄6緑7橙8桃9紫の順で紹介していく。
まずは1番車の白から、「白カレーうどん」900円。


HPの説明では“スリランカ仕込みの辛口”とある。 ※以下も“”内は、HPやメニューの説明を抜粋したもの
店主はかつて、東南アジアでタワシの商人をしていたそうだ。うどん屋さんにしては珍しい経歴だね。
白の由来は、ストライプ柄に振りかけられた生クリームかな? 辛さが和らぐよ。
うどんはもちろん、熱々のカレースープにも負けない、なめらかでコシの強い麺だ。

お次は2番車、「黒カレーうどん」のつけ麺スタイル「ひやあつ」900円。


“和風出汁に黒胡麻の風味”のカレーうどんに、やはり黒ゴマペーストで模様づけ。


ベースのカレーも、白とは異なるらしい。仕込みが大変だろうが、さらにもう1種、
ココナッツミルクとチーズが入る、「Cカレーうどん」930円という商品もある!


私は「玉子」50円も追加し、さらにまろやかに。名前の由来は、ココナッツとチーズの頭文字「C」かな?
どのカレーも個性があり、酒のツマミとして、カレーだけもらいたいくらいだ。

続いて3番車は、冬場の人気商品「赤の煮込みうどん」930円。写真は「辛い」バージョンだ(価格同じ)。


“5種類の味噌をブレンド、肉と野菜たっぷり”の赤煮込みうどんに、唐辛子をプラス。
ほどよい辛さと野菜の甘味が合わさった味噌スープは、最後の一滴まで飲んでしまうこと必至。
店主は特にうどん店などでの修行経験もなく、すべてのメニューが自己流と聞いた。
さっきのカレーの味付けやストライプ模様もだけど、センスがあるんだろうね。
※訂正及び追記 店主はうどん店で働いたことはあるが、作り方は習っておらず、見て覚えたとのこと

4番車「青ぶっかけ」は野菜嫌いゆえ未食、5番車はさっきの「Cカレー」の他、「木の実ぶっかけ」もある。
6番車は店主一番の自信作、“野菜たっぷり煮込みました、当店一番人気”の「緑の煮込みうどん」。
数年前に食べたが画像はない。ゴメン。緑といっても、人参やカボチャなども入っていた。

7番車は、夏期限定の「オレンジぶっかけ」930円。


オレンジ色した“コチュジャンベースのすっぱ辛い出汁”に、ナスの素揚げやゴーヤの天ぷらなど、夏野菜を飾る。
水菜や鶏肉も入っており、うどんにたどり着くのが大変なくらい具だくさんだった。

8番車は、うどんでは珍しいピンク色のメニュー、「桃雪うどん」880円。最近、冬場の提供はお休み。


桃色の正体は、明太子と山芋を混ぜ合わせたもの。せっかくなので別アングル画像も。


斬新かつビジュアルも美しい商品ゆえ、数年前に某店が「新メニュー登場!」と称し、堂々とパクったらしい。
さぞ不快だったはずだが、模倣されるということは、素晴らしい商品の証明にもなるだろう。
私は大根おろしと明太子が苦手なので、あまり満足できなかった(←じゃあ頼むなよ)。

最後の9番車は、さっき触れた「地鶏つけ麺」880円。1日5食・春秋限定だったかな。


紫=醤油という発想だろうか。醤油を使用したつけ汁に、大山鶏の旨味がしみ込み、抜群にウマい。


ラーメン店の「つけ麺スープ割り」のように、ダシの入った容器も提供してくれるので、
うどんを食べ終えたあとは、つけ汁にダシを加え、余す濃くなく飲み干す。
ジャズケイリンさんでは、私は地鶏つけ麺が一番のオススメだ

もちろん、最初に紹介した「ざるうどん」もそうだが、創作メニュー以外のうどんも美味しい。
こちらは温かい「かけうどん」660円。透き通ったダシ汁に、ネギ、ワカメ、天かすが入る。


こちらは冷たい「かけぶっかけ」660円の大根おろし抜き。ざるうどん好きの私は、ぶっかけの方が好みかな。


店主は創作うどんを推すけれど、基本のうどんもウマいのだから仕方がない。
夜はおつまみも提供しているが、私が好きだった「バラ肉味噌焼き」500円は、今はやっていないようだ。残念。


ボリューミーなお肉の下には、素揚げしたナスが隠れている、ビールがすすむ逸品だったのに。


他のおつまみは、揚げた自家製豆腐を、特製タレで食べる「参豆腐」400円や、


「ちくわ天」160円や「かしわ天」270円といった、うどんトッピングの天ぷらなど。


こちらのお店の一番のツマミは、最初の方で書いたように、店主や常連客との競輪談義だね。
お酒はビール小瓶、ウーロンハイ、日本酒にお酒など。昔は「宮杯サワー」のような、競輪にちなんだ商品もあった。

店内BGMは、通常はジャズを流しているが、夜の時間帯は、ナイター競輪の中継を流すこともある。
それに対し、ネット投票で車券を買っている常連客が「差せ!」だの「バカヤロー!」だのと叫ぶことも。
なので時間帯によっては、競輪を知らないお客さんは、居心地が悪いと感じる場合がある…かもしれない。

お店HPの「能書き」というコーナーでは、店主の主張が記されているのだが、
飲食業が低く見られていること、無礼な客が多いことを問題視しておられる。
“準備中の札がかかったドアを開け「ねえ、もう終わり?」と聞く客には「終わり」とそっけなく答えることにしている”
と、相手の口調に合わせただけで、“食ベログに「接客の基本がなっていない」などと書かれてしまう”と嘆いている。
テメエの無礼を棚に上げやがって。だから食べロガーは嫌いなんだ!
実際、ネットでは「店主の態度がよくない」という書き込みは見かけるが、そりゃあ失礼な客には当然でしょ。
とはいえ、確かに素っ気ないというか、ちょっと口調が厳しく感じられるときもあるかも。
こちらのお店は基本、昼は混雑していて、夜は店主ひとり営業。声をかけるタイミングさえ注意すれば、
店主も普通に応対してくれるし、イヤな思いはしないはず…だけどなあ。
この4年間、いろんなうどん店を訪問していくうちに、ファミリー層の客が多いことに気付いたのだが、
ジャズケイリンさんは家族客が少なく、特にお子さん連れはほとんど見かけない。
まあ、私みたいな競輪客が集まるのだから、お子さんの教育上、避けるのは当然か(苦笑)。

ちょいとコワモテで、しかも競輪ファン(笑)と、第一印象はとっつきにくいと思われそうな店主だが、
基本的にはマジメな職人であり、18年間にも及ぶ営業実績があり、飲食業界や競輪界の未来を憂う常識人である。
多少クセはあるけれど、うどん好きならぜひ足を運んで、各種うどんを味わってみてほしい。
競輪好きならなおさら、である。



JAZZ KEIRIN(ジャズケイリン)
東京都世田谷区松原3-30-17
京王線下高井戸駅から徒歩約2分
営業時間 11時半~14時、18時~21時(ラストオーダーは30分前だが土日だけ45分前)
現在は20時完全閉店です
定休日 木曜、年末年始ほか
※売り切れによる早じまいあり
※詳細はお店のHPで→http://www.jazzkeirin.com/index.html
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