いま録画していた寅さんの46作目「男はつらいよ 寅次郎の縁談」を見終わった。
この作品は松坂慶子が二度目のヒロインを演じている。
この見どころは終盤にある満男と葉子{松坂慶子}の寅さんの魅力についての会話であろう。
そこで満男は好きだったら叔父さんと結婚してほしいと葉子に言う。
しかし葉子はそんなことは本人の口から直に聞きたいの、寅さんの良さを分かっていない青二才から聞いても何も嬉しくないと言って怒ってしまう。
怒って去る葉子の前に島の連中と飲んでほろ酔いの寅さんが帰って来る、その時に高揚した気持ちを治めるかのように葉子は「月が綺麗」と言って寅さんの顔を見ずに行ってしまう。
私はこの葉子の「月が綺麗」と言う言葉はどうしても葉子の愛の告白のように思えた。
この「月が綺麗」は漱石の「I Love You」ではないかと思えたからだ。
漱石は日本人は面と向かって「I Love You」となかなか言えないので、それは「月が綺麗」と言う方が良い、日本人には合っていると語った、この漱石の「I Love You」の逸話をこの場面で葉子に監督は言わせたのではないかと思えた。
ならば高揚した気持ちを治めるように「月が綺麗」と言ったのではなく、愛の告白の決心で「月が綺麗」と言い去った葉子の切なさがより一層胸に沁みた。
翌朝寅さんはその場を去り、葉子の父親と葉子の二人の場面がある。
その時、父親は家の権利書を葉子に渡す、葉子がお金に困っていたことを知らぬ間に父親に告げていた寅さんの思いやりに涙する葉子の姿は逸品の寅さんスタイルであった。
やはり寅さんはいつ見ても優しい思いに浸らせてくれた。
実は月曜の朝から身体のダルさと微熱、腹部に違和感があり、月火と仕事を無理していったが水曜は耐えられなくなり、病院に行き、昨日は仕事を休んだ。
身体の感覚が10年前にクローン病の疑いで二度入院したがその二度目の入院する前の感覚に似ていた。
CRPが高くなっているような感覚を感じた。
最初の入院ではCRPが41だった。
二度目は病院に自転車に乗って行ったがやはりCRPが高くてそのままに入院になったその不安が昨日はあった。
不安は病気ではないが病気を助長しかねない。
不安と病気を区別をする必要があった。
心まで病気になる必要はないのである。
そうした意味もあり、心に栄養を、病の薬に私は寅さんを自らに処方したのである。
そして昨年正月から始めた体幹トレーニングも初めて4日もしないでいる。
来週9日水曜はライブなのに練習にも行けないでいる。
しかしここは身体の声を丁寧に聴く必要が一番である。
ありのままを受け容れる大切さをまた学んでいる。
だからゆっくりとしている。
今日は夕方からの仕事にした。
医師からもらった薬の他に病の薬は自ら作り出せも出来る。
その気付きを知り、病の私を私が労わることにより、私はまた病の人を労わる優しさを育む過程にいるのだ。
今日は私の守護聖人フランシスコ・ザビエルの祝日に、私は病のかけがえのない祝福を頂いている。
それにしても、私もいつか誰かに「月が綺麗」と言いたいものだ。
しかし寅さんには言われるかもしれない・・・、「お前、さては、さしずめ、インテリだな・・・?」と。