小雨降るカテドラルには集合時間の三十分前、十時半に着いた。
さて、どこかで本でも読んで時間を潰そうかと持ったが、硝子越しの部屋のなかでは、すでにブラザーやシスターたちはミーティングをしていた。
彼らに少し頭を下げ、挨拶すると、何だかホッとした思いと喜びを身にまとった。
集合場所に行くと、普段私が通っている調布教会の人たちにも会った。
マザーのことを慕い、手伝いに来てくれたんだと思うと嬉しかった。
多くの信者がいる調布教会では私はなかなか知り合いもまだ少ないので、同じ教会の人と話す機会が持てて、これもまた嬉しかった。
そして続々と知り合いのボランティアたちが集まって来ると、一人ひとりと握手をして「おめでとうございます」と微笑みのうちに言い続けた。
するとマザーの列聖を喜ぶ、その一人ひとりの比類ない喜びが何層にもなって厚みを増し、感謝と喜びが私の全身を微かな緊張とともに満たしていくようだった。
読書する時間などはなった、時間はあっという前に流れ、11時になり、ボランティア全体のミーティングが始まった。
MCやドン・ボスコ、サン・パウロとボランティアの団体はわかれ、それぞれの責任者のもと、仕事がわけられた。
私を含め、背の高いMCのボランティアはマザーのパネルの展示を行うことになった。
{つづく}