雪月花 季節を感じて

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黄鮒(きぶな)

2008年10月21日 | 小魚庵だより ‥日々の拾遺
 
 主人と栃木の宇都宮まで日帰りの電車の旅をしてまいりました。写真はそのときのお土産。宇都宮のうつわのお店 「たまき」 のオリジナル郷土菓子「黄鮒最中(きぶなもなか)」です。

 このもなかは、雑誌 『ミセス』 のコラム 「かくれた味うまい味」 で紹介されました。栃木は主人の出身地ですし、いつか食べてみたい!とおもっていたのです。パッケージもかわいいし、包装紙は宇都宮付近を詠んだ詩歌、名所、郷土玩具などの版画でデザインされています。

 まちなかの小橋のほとりひややけき風流れゐて桜散るなり
 (大正九年四月十九日 釜川にて 若山牧水)

 古庭に鶯鳴きぬ日もすがら
 (寛保四年宇都宮歳旦帖より 蕪村)

 法の道あとふむかひはなけれどもこれも八十路の春にあひつゝ
 (蓮生法師)

 箱の中には愛らしい魚のカタチをしたもなかが ^^ 皮はサクサク、あんはツヤツヤで小豆に歯ごたえがあります。三口くらいで食べられちゃうサイズです。


 むかし疫病が蔓延したとき、田川(JR宇都宮駅前)で釣った黄色の鮒を食べたところ病が治ったという言い伝えがあり、以来宇都宮では、初市で売られる黄鮒の張り子をお神酒とともに神棚に祀り、無病息災を祈るようになったそうです。

 「たまき」さんは原材料にもこだわって、北海道産の氷砂糖と小豆に和三盆を使い、特注した木型でひとつひとつ手づくりしています。ひとつ 100円で、箱入りは5個(500円)・10個(1,000円)・20個(2,000円、要予約)があります。地方発送もしていただけます。


 楽しかった旅の思い出は、さっそく消しゴムはんこに。主人とおそろいのしおりにして、楽しんでいます。これでわが家も、無病息災 ^^




 新年用に、たまきさんで黄鮒の夫婦箸を購入。「この箸を使いおろす際は一度神棚に上げてから‥」とあります。
 南宇都宮には、たまきの和食処 「了寛」 があります。大谷石造りの元倉庫を利用したモダンな和の空間で、季節感ゆたかなおいしいお昼膳をいただきました。

 車窓には稲刈りの済んだのどかな田園風景が広がっていました。たまにはこんな日帰り列車の旅もいいものですね ^^