雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
2019年~Instagramへ移行しました 

『手作りの消しゴムはんこ図案集』

2011年03月07日 | 和楽印 めだか工房
 
 今月、ブティック社から『手作りの消しゴムはんこ図案集』が発売されました。本書は、既刊の『消しゴムはんこのかわいい図案集』(2008年11月発売)と、『改訂版 消しゴムはんこちいさな図案集』(2010年8月発売)の二冊から、人気の図案と作品を集めて再編集されたダイジェスト版です。定価も500円と、さらにお手ごろ価格になりました ^^

 『手作りの消しゴムはんこ図案集』には「和楽印 めだか工房」の和テイストの図案と作品が6ページ分掲載されています。書店に立ち寄ったら、ぜひ手にとって見てくださいね!
 

久しぶりの消しゴムはんこ♪

2011年01月14日 | 和楽印 めだか工房
 
 昨春から受講していた染織家のN先生による紬を学ぶお教室が、まもなく最終回をむかえます。先生の貴重な教えと、毎回いっしょに楽しく深く学んだみなさんへ感謝のきもちをこめて、消しゴムはんこではがきとしおりをつくりました。

 先生の分をふくめて8セット。こんなにたくさんつくったのは久しぶりです。楽しくて、時間を忘れてしまいました♪

 こちらは新作の「抹茶茶碗」と「リーフ(葉っぱ)」を意匠化したはんこです ^^

 新たに彫りたい図案もいくつかたまっているので、今年はまた消しゴムはんこにいそしもうかな。

 今後、和楽印めだか工房の作品を掲載した本のダイジェスト版が発売予定です。詳細が分かりましたらお知らせします。
 

改訂版、出来。

2010年08月23日 | 和楽印 めだか工房
 
 ブティック社さんから「『消しゴムはんこ ちいさな図案集』の改訂版を作ることになりました。消しゴムはんこ、人気がありますね!」とうれしいメールをいただきました。数日前にその改訂版が届きました ^^


 二年前に発行された初版『消しゴムはんこ ちいさな図案集』の売れゆきが順調で、その後すぐに続編の『消しゴムはんこのかわいい図案集』が出来(しゅったい)、昨年の夏には関西系テレビで初版が紹介されました。
 初版時はわたしのささやかなWeb書店「さくら書房」から10冊あまりをみなさまにご購入いただき、昨年までたくさんのご注文もいただきました。ほんとうに有難うございました。(現在はご注文を受け付けておりません)


 改訂版は8ページの増補です。和楽印めだか工房の担当ページについては変更や増減はありませんけど、今後もひきつづき図案集を手にされた方のご参考になればうれしいです♪
 

阿修羅

2009年04月26日 | 和楽印 めだか工房
 
 三月に片づくはずのお仕事が四月にずれこみ、ブログをお休みしている間に葉桜となり、新緑の季節をむかえ‥ ひと雨ごとに緑濃くなってゆきますね。みなさま、お変わりありませんか。


 わが家は幸運にも「国宝 阿修羅展」の招待券二枚をいただいて、伝存の八部衆像と十大弟子像全14体が一堂にそろう期間に東博へ出かけました。

 半世紀ぶりというすばらしい展観の感想など、わざわざここで述べるまでもありません。予想していたとおり、阿修羅のフィギュアも在庫切れです。しかたなく受付で予約注文をしましたところ、係の方が半券にステキなはんこを押してくれました。


 うふふ、阿修羅はんこ。かわいいですね ^^ 主人が「このはんこ、売ってくれないかな」というので、それなら消しゴムはんこにするね、とその場でお約束♪


 さて、仏さまを彫るのははじめてなので、輪郭を傷つけないよう、緊張しながらの作業です。最後にお顔のあたりを一心に彫りすすめ‥ 二時間をかけて彫り上げたときには、なんだかとても清々しい気分になりました。

半券の阿修羅像はんこに少々手を加えてみました。法衣に宝相華文様をほどこし、頭髪の線を入れて。表情がやさしすぎる気がするので、眉毛はきりりと上向きにしたほうがよかったな‥とおもっています。


 めだか工房製、阿修羅はんこのできあがり!


 ホンモノの阿修羅像は理想的な八頭身だけれど、こちらは 3.5頭身というところでしょうか(笑 頭上の記号は、梵字で阿修羅を意味する「阿」。足もとの「久」印は、古典画を手がける友人作の篆刻です。(ツルちゃん、有難う ^^)


 わが家では、この阿修羅クンを親しみをこめて「阿っくん」と呼んでいます。さっそく、「阿っくんはんこ」でおそろいのしおりをつくりました。はがきもつくりたいし、いろいろなところに押しちゃおうっと♪



 仏像好きの友人夫妻や友人たちにも、(押し付け?)プレゼント ^^


 予約した阿修羅像のフィギュア二体も届き、ただいま家の中は阿修羅でいっぱいです ^^;


 すてきなゴールデンウィークをおすごしくださいね。
 

文様印(17) 麻の葉

2008年12月12日 | 和楽印 めだか工房
 
 「麻の葉文様が大好きです」という方から、消しゴムはんこのご注文をいただきました ^^

 ご依頼により、大小ふたつの麻の葉文はんこを制作。大きいはんこ(10cm×6cm)は、印影をすっきりさせるため、線を残す彫り方です。線の周囲のちいさな三角形をひたすら彫ってゆく単純作業で、根気がいりました ^^; でも、甲斐あってさわやかな麻の葉文様に仕上がりました。上の画像は、そのはんこでデザインしたメッセージカードとぽち袋です。(淡い色目のインクを使用したため、画像はちょっと見づらいですね。ごめんなさい)

 小さいはんこ(3cm四方)はポイント柄ですから、目立つように線の部分を彫りました。


小さいはんこの完成品


 麻の葉文は、正六角形を基調にした幾何学文様のひとつで、大麻の葉に似ていることからこの名がつきました。麻は古くから神聖な植物として「魔除け」の力があると信じられ、平安時代後期から仏像の装飾意匠として用いられました。

 庶民のくらしに麻の葉文様が浸透するのは、江戸時代になってから。現在も和服や和装小物の意匠に多く見られますし、麻がすくすくとまっすぐに育つことから、赤ちゃんの健やかな成長を願って産着の文様に用いる風習が残っていますね。

 来年は、この麻の葉文のような、連続模様のはんこもいくつか彫りたいとおもっています ^^

長年愛用している木綿のふろしきは、表が黒の鮫小紋、裏は朱の麻の葉文様のリバーシブルです。みなさまの身のまわりにも、麻の葉文がありませんか。
江戸小紋も大好きなので、代表的な「鮫小紋」や「大小あられ」のような文様はんこにも挑戦してみたい!のですけど、細かすぎてムリかなぁ ^^; (ちなみに、まだ老眼ではありません)

 

雪輪文

2008年12月03日 | 和楽印 めだか工房
 
 師走に入り、東京はようやく紅葉の見ごろをむかえています。小春日和がつづいている間に大そうじを始めておいたほうがよさそう‥とおもいながら、ぽかぽか陽気に誘われてついのんびりとすごしてしまいます ^^ゞ


 今月は「雪輪文」です。
 これまでにめだか工房へいただいた消しゴムはんこのご注文でも、「雪輪」は人気柄のひとつ。上の画像の雪輪は 5辺ですが、雪が「六花(ろっか、むつのはな)」という異称をもつように、本来は 6辺です。(納品させていただいている雪輪のはんこは、すべて 6辺) 秋冬はもちろん、春夏のよそおいに涼感をそえる雪輪文は、一年をとおして使えます。
 雪輪の微妙な曲線を彫るのは難儀ですが、大・中・小とスリーサイズのはんこをつくり、重ねたり色を変えて押しますと、模様に表情が生まれます。

 今月のカレンダーは こちら です。聖夜をイメージして背景を渋い色目にしました。


 きもの用のコートを誂えたくて、呉服屋さんで最初に見せていただいた反物が、黒に近い濃紺地にちいさな雪輪文をところどころに散らしたものでした。その着尺は結局わたしのコートになりませんでしたけれども、いつ見ても新鮮でかわいい雪輪文のすぐれたデザイン性に感心します。
 

めだか工房の図案集 第二弾

2008年12月01日 | 和楽印 めだか工房
 
 「和楽印 めだか工房」 からお知らせです。

 めだか工房の消しゴムはんこ図案集・第二弾 『消しゴムはんこのかわいい図案集』 が、11月28日から書店に並んでいます。

 今回は消しゴムはんこ作家11人が参加してパワー・アップ。前回よりかな~りタイトなスケジュールだったため苦労しました‥ ^^; でも、仕上がりは第一集目以上に気に入っています♪ 

『消しゴムはんこのかわいい図案集』
 ブティック社
 レディブティックシリーズ no.2782
 定価 950円 (本体 905円)

 わたしが担当したテーマは、「はんなり和のはんこ」・「和の花と植物」と、今回は年賀用のはんこ図案も担当しています。これから消しゴムはんこで年賀状をつくるご予定の方、ぜひ参考にしてくださいね!


 本のご購入は ↓こちら からどうぞ。(「うめつる」をクリック!)

本の詳細へ
うめつる
(掲載図案)


 このたびもお世話になったブティック社さんと、いつも全面的に協力してくれる主人に、感謝します ^^
 

文様印(16) 龍田川

2008年11月01日 | 和楽印 めだか工房
 
 ちはやぶる神世もきかず たつた川から紅に水くくるとは
 (『古今集』 在原業平)

 紅葉前線がすこしずつ日本の野山を染め上げながら南下しています。今年は各地とも色づきが鮮やかできれいですね。これからしばらくの間、竜田姫の織りなす錦の絵巻を楽しみましょう。


 今月のカレンダーは「龍田川」。先月と同じ流水文に、楓の紅葉を散らしました。春は桜で「花筏」、夏は千鳥、秋は菊で「流れ菊」、紅葉なら「龍田川」‥と、流水文との組み合わせで季節のうつろいを表現できます。流水文をはがき大くらいでつくっておくと、いろいろと使えて便利です。


 毎朝主人と楽しみに見ている「日めくり万葉集」で、先日こんなすてきな歌が紹介されました。

 経(たて)もなく緯(ぬき)も定めず
      娘子(をとめ)らが織れるもみぢに霜なふりそね

 (『万葉集』 大津皇子)

 たて糸もよこ糸も定めないまま、娘たちが織る紅葉に、どうか霜よ、降らないでおくれ。 ‥天武天皇の崩御後、謀反の疑いで捕らえられ、24歳の若さで自害した大津皇子。のこされた四首の万葉歌にふれますと、皇子の繊細でやさしい御心が伝わります。



吹きよせ


 年賀はがきの販売が始まっています。めだか工房にも、賀状用の消しゴムはんこのご注文をいただいています。もう新年の準備を始める方もいらっしゃるのですね。何ごとも、早め早めが日本的なのかもしれません ^^
 

文様印(15) 流れ菊

2008年10月03日 | 和楽印 めだか工房
 
 十月七日は旧暦の九月九日、重陽の節会(せちえ)を迎えます。新暦の九月九日は「救急の日」としてすっかり定着していますから、旧暦で菊の節句におもいをはせましょう。

 菊花は、長寿と若返りの象徴として季節を問わず用いられる意匠です。菊水、菊慈童、着せ綿など物語として伝えられたり、水、露、酒と結びついて、神秘的な力をもつものとして古くから尊ばれてきました。「菊水」の家紋や皇室の紋章である十六花弁の菊文は、みなさまも目にしたことがあるでしょう。流水に菊をあしらった「流れ菊」は、時のうつろいをも表現した情緒的な文様です。


菊水紋

 「流れ菊」のカレンダーは こちら です。


 源氏物語展を開催中の横浜美術館にて、源氏研究家で歌人の尾崎左永子先生の講演を聴いてまいりました。テーマは「王朝びとの恋」。『源氏物語』においても、菊花が重要な役割を果たしていることを教えていただきました。

深き秋のあはれまさりゆく風の音、身にしみけるかなと、ならはぬ御ひとり寝に明かしかねたまへる朝ぼらけの霧りわたりけるに、菊のけしきばめたる枝に、濃き青鈍の紙なる文つけて、さし置きて去にけり。今めかしうもとて、見たまへば、御息所の御手なり。
「聞こえぬほどは、おぼし知るらむや。

 人の世をあはれときくも露けきにおくるる袖を思ひこそやれ

ただ今の空に思ひたまへあまりてなむ。」とあり。

(『源氏物語』 「葵」 より)

菊のけしきばめたる(枝に)‥」というのは、白菊がしおれて紫色に変わりつつある状態をいうそうで、そんな菊のひと枝に添えた六条御息所の文にある歌にも、「あはれときく(聞く、の意に「菊」をかけている)も露けきに‥」とあり、露にうつろう菊花が詠みこまれています。

 『源氏物語』は、花も人のこころも、そのうつろいをもっとも大事にした物語なのですね。


 時折主人がとらやさんで生菓子を買ってきてくれます。うす紅色の菊の花弁がみごとなこのお菓子、銘を聞くのを忘れてしまったそうです。おめでたい気分をこめて「菊寿」としました ^^

 重陽は秋の収穫の時期にあたるため、「栗の節句」ともいわれます。とらやさんでは、この菊のお菓子といっしょに「栗鹿の子」も販売しています。

 

文様印(14) 露芝文

2008年09月02日 | 和楽印 めだか工房
 
 先週から各地でゲリラ雨の被害が相次いでいますが、みなさまのお住まいの周辺は大丈夫でしょうか。東京は三日三晩豪雨や雷雨がつづき、多少の被害がメディアで報道されたため、みなさまから温かいお見舞いのメールをいただきました。有難うございました <(_ _)>
 雨は激しく屋根をうち、雷神さまは地響きをともなって何度も駆け抜けてゆきましたが、幸い交通機関のダイヤが乱れる程度で済みました。これから台風の季節と重なりますから、まだしばらく油断は禁物です。みなさまもお気をつけておすごしくださいますように。まもなく収穫期を迎える農作物への影響も心配です。


 今月は「露芝(つゆしば)文」です。芝の葉に露がおりたようすを意匠化したもの。季節を問わない模様ですが、とくに涼感を添えるため夏の和装に取り入れられることが多いようです。また、色をおさえて不祝儀としても使われます。
 「露芝文」のカレンダーは こちら です。

 「しば」「しばふ」という言葉は万葉の時代からあるそうですから、露芝は古くから親しまれた身近な模様だったのでしょう。雨上がりのあと、露にぬれた芝や草叢の美しさは格別です。日常のささやかな美を愛で、ここまでみごとに単純化し意匠化した先人のセンスに脱帽です。


 折しも、7日から白露の候。「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也」(暦便覧)。

 草木まで秋のあはれをしのべばや野にも山にも露こぼるらん
 (『千載集』 法印慈円)

 白露の宿る芝草の風情も、昨今の豪雨では台無しですね。



 最近ご注文をいただいて制作した四季の消しゴムはんこです。春「さくらさくら」、夏「うちわ」、秋「月にすすき」、冬「雪輪」。彫り上げたはんこには、サクラ材の持ち手をつけて仕上げます。

 めだか工房は、ご依頼主と相談をしながら制作してゆきますので、納期は長めです。ご注文品のはんこや小物に簡単な解説書をつけて発送します。手もとを離れてゆくのを少々さみしくおもいつつ、送り出しています ^^