雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
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書展のお知らせ

2007年01月29日 | お知らせ
 
 28日(日)に横浜(神奈川県)で梅が開花いたしました。

 東京銀座の書展のお知らせです。
 1月30日(火)~2月4日(日)まで、銀座の東京セントラル美術館にて「書壇受賞に輝く作家展」が開催されます。平成17年後期と平成18年前期に東京都美術館で開催された各書展の受賞作家による展覧会で、先日当ブログでご紹介しました冬雷さまの御作の展示があるそうです。詳細は こちら をご覧ください。
 ちょうどいま丸の内の出光美術館では「書の名筆Ⅲ 書のデザイン」が開催されています。まもなく立春です、光と色のあふれる季節を迎える前に、ふたつの書展で墨蹟の世界にひたるひとときはいかがでしょう ^^

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水仙芳墨

2007年01月24日 | 筆すさび ‥俳画
 
 みなさまへ、寒中お見舞い申し上げます。
 大寒の折柄、東京にも初雪が舞いました。週末のことで、主人の友人夫妻と会食の約束があったため小雪の中を出かけましたところ、しばらくすると牡丹雪になって、つめたい雪片が顔にあたるのもかまわず主人もわたしも傘をささずに歩きました。目的地に着いたころにはもう雨に変わり、雪は街を浄化することなく消えました。
 先日の朝日新聞にほほえましいコラムを見つけました。66歳の女性からの投稿で、帰省したお孫さんたちがコタツをめずらしがってコタツにもぐりこんで遊ぶので、女性が「コタツを背負ったカタツムリだね」というと、お孫さんが「ちがうよ、わたしたちコタツムリだよ」といったのだそうです。わが家も、冬の間中主人とわたしが猫のようにコタツにうずくまっていて、「わたしたちもコタツムリね」と笑ったことでした ^^


 埼玉県にお住まいのMさまから、一筆箋をとおしてたびたびおたよりをいただきます。毎回季節の花などのお写真をメールに添えてくださるのですが、いつもわたしひとり眼福にあずかってはもったいないと思いまして、このたびお許しをいただいていけばなの写真を掲載させていただきました。(右の写真) ひと茎ごとに白い袴をつけ、けして足もとを乱さない水仙の清らかな姿は、神仏に捧げる立花(たてはな)にふさわしい。花のみならず袴の白さにも香気がただよふようです。ご本人は「生け方がもの足りない」とのことですけれども、どうしておみごとなけしきです。わたしには、「いざ衆生を救はん」と蓮弁にすっくとお立ちになられた麗しき観音菩薩さまのお姿に見えますのですが、いかがでしょう。

 水仙の香に諭(さと)さるる心地して (松林伊世子)

 水仙の和名は雪中花。雪の中にあっても、青い剣葉に守られてたくさんの小花をつけるけなげな花を「水辺に咲く姿を仙人にたとえたのであろう」と、Mさまのおたよりにありました。日ごろのご愛顧へ感謝の気持ちをこめまして、寒中お見舞いを申しますとともに、わたしの精一杯の水仙の画を添えてお返事とさせていただきます。


 この花にたいせつな思い出を重ねています。そのことは昨年の年頭に書きました。最近は花弁が八重のものや副冠(まん中の黄色いラッパの部分)まで花弁と同じように白いものを見かけます。でも、日本水仙ならやはり一重の銀の台(うてな)に金の杯のものを、わたしは好みます。

 しろがねの台(うてな)にこがねの盃(さかずき)の
                      花はいはずと人やすいせん

 (蜀山人)

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書初め

2007年01月18日 | 筆すさび ‥俳画
 
 書初めや白地の年に染まりゆく (雪月花)

 旧年中に賀状と寒中見舞いはがき用の俳画(亥、宝船、水仙など)をたくさん描いて、筆の運びもだいぶなめらかになったかしらとよろこんでいましたのに、年が明けてからしばらく絵筆をもつゆとりがありませんでした。先日、俳画の初稽古でようやく書初めをしました次第です。
 フエルト製の下敷きに硯、水滴、絵筆、絵皿、文鎮、絵具‥と、お道具を並べながら、すこしずつこころがしずまってゆく感覚を楽しみます。墨をすり始めたら、お墨をもつ手もとに意識を集中して「の」の字にするすると硯に墨を滑らせていると、漆黒の液体の中へと意識はしずみこんでゆきます。わずかにただよふ墨の香の清々しいこと。ふと、顔をあげて意識を外界に向ければ、鳥のさえずりが耳に帰ってきます。 ‥そう、これは、和室にひとり座してお茶を点てるときの気持ちに似ているかもしれません。
 俳画の稽古を始めましてから、こんな時のすごしかたもあるのだなぁと、しみじみとした気分を味わっています。将来は、ちいさな庭に面した書斎の窓辺にささやかな文机をおいて、こんなひとときをすごしたい‥ などと、またもあらぬ方向に我欲が動いてしまいます。まだまだ修行が足りない証拠ですね。

 昨年の師走、北海道の帯広にお住まいの書家・冬雷さまにお願いして、主人とわたしの雅印をつくっていただきました。(上の中央の写真がそのひとつで、もうひとつは前記事の消しゴムはんこの左下に捺したものです) ご多用の時季にもかかわらず、わたしたちの細かな依頼まで快く引き受けてくださり、旧年中に仕上げてくださった冬雷さまの御心遣いに感謝しています。北国から届いた雅印に添えられていた冬雷さまの達筆なお手紙や篆刻のはがきもそれはみごとで、ここでご紹介できないのが残念なのですけれども、表装してわが家の家宝にしたいくらいです。
 初稽古では俳画の先生からこの雅印をほめていただきました。わたしの拙い俳画も、雅印を捺しますといくらか絵がひきしまって見えます。おかげさまで描く楽しみが増しましたし、これを励みにいずれは印に負けない絵を描けるようにならなくては‥と、稽古にも精が出ます。冬雷さま、ほんとうに有難うございました。
 冬雷さまの書、篆刻などの作品は「冬雷の書道散策」でご覧いただけます。


 主人と初詣に出かけた帰り道のこと、たまたま立ち寄った書店で閉店セールが開催されていて、なんと文具品が半額で売りに出されていましたのです。「半額」の二文字に、年明け早々わたしたちは購買意欲をかきたてられて、主人はイタリー製のボールペンを一本、わたしは半紙、和紙、そのほかこまごました書画用の道具類をたくさん買いこんでしまいました。まるで棚から牡丹餅のようなこの幸運を、「うん、これはきっと『稽古に励めよ』という書画の神さまからの思し召しだわ」と、都合よく解釈したことでした ^^

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わが家の鏡開きから 仏教を考える

2007年01月11日 | くらしの和
 
 十一日は鏡開き。わたしは三時のおやつにおぜんざいにしていただきます。
 この日、主人の里では年明けて初めて麺類を食すことが許されます。むかしご先祖が正月に火を出したことがあったそうで、どうやらそのとき台所で麺に火を入れていたのが原因だったらしいと義父母から聞いています。その出火事件以来、年明け十日間は麺を忌むことによりその年の家内安全を祈るようになりました。それにならい、わが家も十日までうどん、そば、パスタなどの麺類を避けてきましたので、十一日の晩は甲州名物のほうとうを有難くいただこうと思っています。今年の大河ドラマは「風林火山」ですしね(笑 そんなわけで、今回も消しゴムはんこで遊んでみました ^^

 主人の実家は、庭にお稲荷さまとご先祖を祀った祠(ほこら)、敷地に神社、裏山の天辺に山神さまを祀った祠があり、家の居間には神さまと仏さまが並んでおられるという、「おみごと!」というほかない神仏混淆の日本の仏教を代表するような家です。元旦に義父と主人が裏山を登って、酒、米、塩、橙(だいだい)、餅を山神さまに捧げます。そのほか、家内の神仏には六日までお神酒とお雑煮を供えるなどのこまごましたきまりがあるようなのですが、まだわたしは覚えきれていません。今後の課題です。

 お正月は、こうした家のしきたりによって神仏やご先祖にふれるよい機会ですね。おそらく主人も、子どものころは意味など知らず正月の「麺類禁忌」や元旦の「山神さま参詣」を守ってきたのだろうと思いますけれども、そんな年々の繰り返しのおこないが主人の家のかたちをつくってきたのでしょう。
 しきたりとはがんじがらめのようで、実はそのしきたりを守りさえすれば子々孫々お家の繁栄と安泰が約束される有難いものなのだと、ようやくこの歳になって分かるようになりました。

 * * * * * * *

 宗派は道元を祖とする曹洞宗(禅宗)です。いずれこの家を継ぐ主人とわたしは、家の祭事などにふれながら仏教について意識して考えるようになりました。七日から五夜連続で放映されていますNHKハイビジョンの特集「五木寛之 21世紀・仏教への旅」を主人と見ています。作家の五木寛之さんが2500年前の仏陀の生誕地・インドから世界各国に根を下ろした仏教を訪ね歩き、いまの混迷の世をどうすればよりよく生きてゆけるかを探るのですけれども、主人とわたしはインドと中国という仏教大国にはさまれた人口60万の小国・ブータンの人々の暮らしに驚き、感動いたしました。仏教を国教とするブータンでは(チベット)仏教がそのまま暮らしであり、生きとし生けるものすべてが六道輪廻(迷いの世界)から解脱できるよう日々祈りつづけています。人々にとっては生きとし生けるものすべて(「無我」)とそれらとの関わり(「縁起」)がもっとも重要で、「仏教に帰依し、仏の教えに従い、慈しみのこころをもっていまを生きること」こそ解脱に近づく道だと信じており、自我や自分自身の幸福の追求など「非常にレベルの低い話だ」と喝破します。国は近代化や経済開発に慎重な態度をとり、国民総生産(GNP)の代わりに国民総幸福量Gross National Happiness)という考えを掲げています。平均所得が日本の50分の1に及ばない国で、人々は自給自足で得た食糧を分け合い、互いに助け合い、日々祈りをささげ、おだやかな表情で暮らしている。このような理想郷がこの世に存在したのか‥ 主人もわたしも、いまだに信じられないような、でもひとすじのたしかな光を仏教に見たような、そんな思いでいっぱいになりましたのです。

 生きることそのものが修行であり、日々功徳を積むことによって輪廻から解脱することができるという自力への信頼と、京都の龍谷大学に学び、自ら仏教徒として人のこころを見つめてきた五木寛之さんがたどりついた他力の思想が、いったいどのように融合するのか、十一日夜の番組最終回に期待が高まります。

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消しゴムはんこで「春の七草」

2007年01月06日 | 和楽印 めだか工房
 
 三連休の初日は今年初めての寒波がやってきて、荒れ模様の日本列島です。東京も朝から雨ですし、しばらく冷えこみがきびしくなりますから、みなさまあたたかくしておすごしください。

 七日は七草(七種)です。七草がゆは七日の朝にいただくものだそうですから、六日のうちに準備を整えておきましょう。お店には七草セットのほかに七草を盛った七草籠や寄せ植えなどもあって、見ていて楽しい。わが家はかぶとだいこんがまだ残っているので、それに青物を数種合わせておかゆをつくります。お正月は主人の里でごちそう三昧でしたから、七草がゆで疲れ気味の胃を休ませてあげようと思います。
 この七草、平安時代まではあわ、ひえ、きび、小豆など七種の穀類を入れていたそうで、若菜を使うようになったのは平安期からです。百人一首にこんな歌がありましたね。

 きみがため春の野にいでて若菜つむわが衣手に雪はふりつゝ
 (『古今集』 光孝天皇御製)

 七草の効用は次のとおりです。

 せり‥ 消化を助けます
 なずな‥ 視力・内臓の働きをよくします
 ごぎょう‥ 吐き気に効果があります
 はこべ‥ 歯茎の腫れを抑えたり、利尿作用があります
 ほとけのざ‥ 歯痛を抑えます
 すずな‥ 消化を助けます
 すずしろ‥ 神経痛に効きます
 (広田千悦子著 『おうちで楽しむにほんの行事』より ※)


 師走に消しゴムはんこの教室に一日だけ参加しまして、さっそく『消しゴムで和のはんこ』(我那覇陽子著、雄鶏社刊 ※)という本を買いこみ、空いた時間に消しゴムを彫っています。いくつか和菓子の絵柄のはんこを作ったところ、消しゴムの切れ端がたくさんできたので、それを利用して春の七草を彫ってみました。(まだデザインカッターや彫刻刀の扱いに慣れていないためお見苦しいところが多々ありますが、どうか見逃してください) 七草すべてを彫るのに三時間かかりました。彫っているときは無心で、なりふりかまわず(?)夢中になって彫っています(笑 もちろん、手に刃物をもっているのですから、指先に神経を集中していないと危ないのです。ですから時がすぎるのを忘れて作業しますし、彫り上げたときは心地よい充実感があります。
 筆をもち俳画を描くときは真剣勝負、でも消しゴムはんこはお気楽な暮らしの趣味です。これをはがきや便箋、のし袋、シール、手製の和紙のブックカバーなどにペタペタ捺して遊びます ^^ 布用のインクをつけますと、布にも捺せます。むつかしい作法も道具も不要な消しゴムはんこ。みなさまもトライしてみませんか。

 今年はブログタイトルの背景を季節の和菓子柄の消しゴムはんこで飾る予定です。一月はご覧のとおり、「花びらもち」。来月のお菓子もお楽しみに♪

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※ 『おうちで楽しむにほんの行事』と『消しゴムで和のはんこ』は さくら書房 で紹介しています。
 
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年始のごあいさつ(おみくじ付き)

2007年01月01日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 新年あけましておめでとうございます
 みなさまにとりまして幸多き年となりますよう祈ります。


 【開運干支おみくじ】 今年のあなたの運勢を占いましょう。
 上の①~③の絵からあなたのお好みのイノシシをひとつ選んで、
 下記から該当番号のものをクリックしてくださいね!
  亥 「疾走」   土鈴 「亥」   土鈴 「うりぼう」

 ‥おみくじのお告げはいかがでしたか ^^
 猪突“盲”進にならぬよう気をつけて、
 今年も亥っ歩亥っ歩前進してまいりましょう。


 本年も「雪月花」をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 平成十九年 元旦
 下野国より 雪月花

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 ↓ 今年も「初夢用回文宝船」をぜひご利用ください ↓
 
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「おたから、おたから」 平成十九年版

2007年01月01日 | くらしの和
 
 今年は俳画で初夢のためのおまじないを描きました。
 上の宝船の絵をクリックして印刷し、二日の晩に枕下に入れておやすみください。一富士、二鷹、三茄子。みなさまの初夢がすてきな一年のスタートとなりますように。 (詳しくは 昨年元旦の記事 をご覧くださいね)

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