雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
2019年~Instagramへ移行しました 

年の瀬に

2013年12月29日 | たまゆら ‥日々是好日(随筆)
 
 主人がサッカー観戦に出かけて、ひとりですごす今年最後の日曜日。ひと晩煮汁につけておいた黒豆を朝から弱火でコトコト、じっくり煮ました。ふっくら甘い香りのただようリビングで、スローテンポな音楽を聞きながらこの一年をふりかえります。

 東京から埼玉へ、自然ゆたかな丘陵地のちいさな町に移ってからそろそろ三か月になります。昨日は長いあいだ殺風景だったリビングに、主人とわたしのそれぞれのチェアと、32インチの液晶テレビ、そしてテレビ台として購入した無垢材の板とボックスが入り、ようやく新しいわが家のカタチがととのいました。

 昼下がりのひとときの音楽は、青木隼人さんのギターによる「atelier II」。さいきん見つけたCDショップ「雨と休日」のセレクトから悩みぬいて選んだ2枚のアルバムのうちのひとつです。「雨と休日」はほんとうにすてきなお店なので(実店舗もあります)、みなさまもぜひ訪ねてみてください。

 新年がおだやかで健やかな年となりますよう、願いつつ‥。


 
  

ていねいに、ゆず茶

2013年12月22日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 ことしのゆず茶用シロップは、すこし手をかけて仕上げました。主人の実家で採れた完全無農薬のゆず30こ(‥といえば聞こえはいいけれど、じつは手入れをせず、ほったらかしのゆずです‥笑)の皮を、白わたがつかないよう、ごくうすく削って千切りしたものを、三度ゆでこぼした後、たねやうす皮をきれいに取りのぞいた果汁と合わせます(a)。煮沸消毒したビンに(a)と同量の氷砂糖を交互に入れて、一日一回かきまぜながら、氷砂糖が溶けてしまうまで待つこと十日間‥。苦みのない、すっきりとしたゆず茶に仕上がりました。白わたやうす皮を除くだけでなく、皮を数回ゆでこぼすことで苦みが消えるのだそう。(知らなかった!) 手間はかかるけれど、雑味のないお味に感激です。

 本日は冬至。
 かぼちゃにゆず湯、そしてこのゆず茶でぽっかり、あたたまります ^^
 

『犬と鬼』

2013年12月17日 | 本の森
 
 『美しき日本の残像』以来、こちらも読まなくては‥とおもいつつそのままになっていたアレックス・カー氏の『犬と鬼』。十月末から朝日新聞にカー氏が連載されたのを機に、ようやく手に取りました。『美しき日本の‥』と同様に『犬と鬼』も、エリート官僚の牛耳る土建国家・日本の荒廃を赤裸々につづった大作です。「愛するものがあるなら、怒らなくちゃだめよ」という白洲正子氏の言に触発されたカー氏の“日本たたき”は徹底しており、ところどころ凄みすら感じます。けれど、その根底に氏のこの国への悲しいほど深い愛情を感じるから、腹立たしくなるどころか、この国のゆく末に暗澹たる思いを抱かざるをえません。氏が本著に提示する膨大な資料と分析の正確さについていろいろ言う人もいるけれど、いわゆる「美しき日本」ばかりが強調され氾濫する情報化社会の中で、常識的な日本人でさえ見えなくなっている不都合な現実を、この本によって直視できるし、見たくないものを見る力、知る努力が、瀕死の状態の日本をすくうための第一歩とおもえます。でも‥ もう、間に合わないかもしれないけれど。近代化の名のもと妄信的に破壊されつづけるこの国に、健やかな未来はあるでしょうか。
 

型絵染め

2013年12月10日 | きもの日和
 
 すこし古い、型絵染めの紬のきものを安価で入手しました。手染めの味わいがあり、配色もすてき。後染めのせいか、生地がしっとりしています。なんと、しつけ糸がついたまま。なのに胴裏は黄変して八掛にうっすらシミも見られます。このきもの、いったいどうしたのでしょうね。寸法がちいさく、きものとして再生するのはムリだから、洗い張りをして帯や小物に仕立て替えるつもり。帯のたれ部分は同色の無地にしたいな~ 楽しみです ^^