雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
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染織iwasakiさん

2011年10月26日 | きもの日和
 
 きもの通の友だちから紹介されて以来、ずっと楽しみにしていた染織工房訪問が、とうとう実現しました ^^ 

 シンプルで風合いのよい草木染め手織り紬の魅力に惹かれて、わたしをふくめ四人でお訪ねしたのは、富士山のおひざもとにある染織iwasakiさんです。

 工房は、山あいの自然につつまれた閑かな場所に建つ、築120~130年という古色ゆかしい古民家。岩崎さんご夫妻のあたたかなおもてなしを受けながら、ところ狭しと陳列された美しい染織品の数々に、もう大興奮!のわたしたち。

 お邪魔するなり、染織についてご夫妻を質問攻めしたり、注文する帯や着尺の相談をしたり、ご主人の蘊蓄に耳を傾けたり、奥さまの甲斐甲斐しい割烹着姿と気遣いに感激したり‥と、きもの日和な秋の短日はまたたく間にすぎてゆきました。

風通しのよい広間で岩崎さんのお話を聴きながら、じっさいに生地にふれたり色をたしかめたり‥と、みな真剣。ひとくちに紬といっても、さまざまな糸の組み合わせにより、ひとつひとつ表情も風合いもちがいます。どれもこれもステキで、わたしたちは戸惑うばかり。

 わたしがお願いしたのは「さくらのきもの」。桜染めのきものが着てみたい‥というおもいが、まもなくかたちになります。


あまたの中から選んだ色見本


 岩崎さんのお仕事への真摯な姿勢と情熱を感じながら、すぎてゆくゆたかなひととき。作品もお暮らしぶりも、すべてがおふたりの気さくでほがらかで謙虚なお人柄そのままでした。

岩崎訓久さんと悦子さん。当日はたいへんお世話になりました。
一歩下がって控えめな悦子さんは、綾織りのおきものに割烹着姿。とってもかわいい奥さまです。次回の訓久さんの紬セミナー、みんな楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。


 染織iwasakiさんの秋の工房展は10月30日までです。また、12月3~10日は、東京・高円寺のギャラリー工さんにて展示会が予定されています。東京近郊の方はぜひお出かけくださいね。
 

ごはんが主役

2011年10月18日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 新米のおいしい季節ですね。

 わが家も“ごはんが主役”のあたたかな食卓を囲んでいます。さいしょは白米を炊いて神棚に上げた後から有難くいただき、昨夜はたっぷりのしじみとぶなシメジを炊きこみました。(写真上右)


お菜は根菜とじゃこの煮もの

 新米はお世話になった結城紬の織元さんからのいただきものです。ご親類がお米をつくっているのだとか。

 ベテランの織り子さんが三か月をかけて地機で織ってくださった結城縮は、羽のように軽くふわりと身体をつつんでくれ、まるで夢のような着ごこち。でも、九月のきびしい残暑のせいで、お単衣に仕立てたきものに袖をとおせたのは、ようやく十月に入ってから。あっという間に袷の季節になってしまい、残念です。このきもののことは、つぎのお単衣の季節に書きたいとおもいます。
 

うんどうかい

2011年10月11日 | 筆すさび ‥俳画
 
 体育の日は晴れの特異日どおりの秋晴れでしたね。各地で運動会が開催されたことでしょう。

 俳画の画題も「うんどうかい」でした。
 子どもを描かずに元気いっぱいの子どもたちの存在を感じさせるくふうをもとめられる絵なのですが‥ まだまだです ^^;

 かつて運動会は十月と決まっていたけれど、いまは五月や九月に行われることが多いようです。学校側の諸事情によるもの?でしょうか。新学年が始まってまもない五月や残暑のきびしい九月に開催することが、子どもたちにとって良いことなのかどうかはわかりません。

 楽しかったのは高校の体育祭です。毎年、紅組、白組、青組、緑組の四色に分かれた対抗戦で、抜きつ抜かれつの接戦を展開し、応援合戦も各組の応援団長を中心に白熱して体育祭をおおいに盛り上げたものでした。女子全員が家庭科の授業で縫ったゆかたを着て盆踊りを披露したことも、よい思い出です。
 

アジアの布(三) イカット

2011年10月05日 | きもの日和
 
 木犀の香る季節になると、この帯の出番です。色も風合いも“秋限定”で、しめるのは冬の足音が身近になるまで‥と決めています。

 タイのマドミーと同様、インドネシアのイカットは「縛る、括る、結ぶ」を意味する言葉ですが、いまではイカット=「絣」として世界の共通語です。

 経絣の大胆な柄が目をひくのでしょうか、「いいわね」「どこの布?」と声をかけていただきます。木綿地で信じられないほど安価だったため気軽に購入したものですが、秋のふだん着に重宝しています。

 織物をたとえて「経糸は理性と知性、緯糸は感情」などというけれど、イカットは荒削りな感じで野趣にあふれ、理知も感情もない、どこか混沌とした世界。南国の染織どうし相性の良い大島や薩摩絣のきものにのせれば、ますます自己主張をして存在感を増しますが、そのつよさに負けないきものの魅力も同時に引き出してくれる、不思議な布です。


藍の薩摩絣に合わせて


 イカットについては こちら がくわしいです。
 

栗の甘露煮

2011年10月01日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 二日がかりの栗しごとを終えて、十月です。

 栗ごはん用の栗は小分けにして冷凍し、残りはきび糖漬けと白糖漬けの二種の甘露煮に。ラム酒を加えたので、マロン・グラッセのような深い味わいです。ラム酒の香につつまれた栗の甘みがお口にひろがります。ビン詰めは義母と母と、俳画の先生に届けます。

 煮くずれてしまった栗はアイスクリームのトッピングにしたり、ペースト状にして茶巾しぼりにしたり。

さっそくアイスクリームにトッピング。栗が甘いので甘さ控えめのバニラか、ビターチョコのアイスクリームにおすすめです。あずきのアイスクリームにも合うかも‥ 栗ぜんざい、栗まんじゅうも!つくりたいな~。

 天高く馬肥ゆる秋。ですね ^^