漆工芸家の手塚俊明さんから個展来場へのお礼状が届きました。年の瀬に舞いこんだ言の葉に、ふとこころが和みました。
‥何事においても結論を急ぐ今の時代、じっくり使い込んでからその本当の良さが表れる漆器は、とても生きにくい時代です。あれもこれも、もっとゆっくり、もっとじっくり‥と思う毎日です。‥
生きにくいのは漆器だけではないことを、手塚さんは伝えているのでしょう。
スピーディで画一化された世の中で、あふれる情報を適当にコントロールしたり利用しながら、充実したくらしを送っている。そうおもっていても、じつはその環境や情報にふりまわされていることに気づいていないかもしれません。
ほんとうにたいせつなものは、くらしの速度をゆるめ、あらゆる情報をシャットダウンしたときにこそ見えてくるはず。にもかかわらず、やはり乗り遅れたら不安になるし、情報を逃してソンをした!とおもってしまうのですよね。
来年は卯年。だけど、カメさんで生きてゆきたいなぁとおもいます。
本年もお世話になりました。
よいお年をお迎えください。