雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
2019年~Instagramへ移行しました 

限定版

2009年07月28日 | 本の森
 
 この夏の「新潮文庫の100冊」の中から、10冊の限定スペシャルカバーが出ているのをご存知でしょうか。書店で見つけたらおもわず手にとってしまいそうな、モダンな色使いとデザイン。文庫好きなら、全10冊まとめて大人買いしたくなるかも。


 写真は、太宰治の『人間失格』。ショッキング・ピンク色のカバーが目を引きます。学生時代、国文学を専攻していた友人から「読んでごらんよ。すごーく、暗い気持ちになるから!」とすすめられて以来、手にとるのを避けてきた小説ですが、今年生誕100年を迎え、あらためて注目されている作家の代表作とあって、これを機会にいまさら読んでいます。ええ、気分はとっても、重~く、暗ーくなります‥。みなさまも、いまいちど太宰文学に親しんでみてはいかがでしょう。


 昨年の春、太宰が晩年をすごした東京の三鷹に「太宰治 文学サロン」が開設されました。太宰が山崎富栄とともに身を投げた玉川上水は、施設のすぐそばを流れています。涼しくなったら、きもので出かけたい場所のひとつです。
 

ふみの日

2009年07月23日 | くらしの和
 
 7月23日といえば‥ そう、ふみの日です ^^
 今年のふみの日特殊切手も、もちろん「光琳かるた」から五首が選ばれています。人気商品なので、お求めはお早めに、忘れずに。


 ついでに、暑中お見舞いはがき用の切手も購入。これで準備万端!なのに‥、(送り先の)梅雨が明けてくれません ^^;
 

コンフィチュール 二種

2009年07月21日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 梅雨の間にたっぷりとつくっておいたプラムとあんずのコンフィチュール。(手前味噌だけれど)どちらもさわやかなお味のソース・タイプで、プレーン・ヨーグルトやアイスクリームにもよく合います。プラムもあんずも酸味のつよい果実なので、砂糖の量をいくらか多めにするのがコツ。でも、食べすぎには要注意ですね。


 こちらもすこしずつおすそ分けです。色和紙とリボンをかけて‥ コンフィチュール・ギフトのできあがり ^^



 関東地方は、梅雨明け後も降りみ降らずみの空もようがつづいています。暑中見舞いはがきの準備をしています。
 

きものが教えてくれること

2009年07月13日 | きもの日和
 
 定期的に着付けの練習ができるようにと、きもの好きの仲間たちが月に数日、公民館の和室を予約してくれます。賃料は無料で冷暖房は完備、畳は青々として清潔なので、とくにこのような暑い季節に有難い施設です。

 女性ばかりでおしゃべりをしながらのお稽古ですから、上達するとはおもえないけれど、情報を交換したり、きものでお出かけ企画を立てたり、練習後のランチも楽しみになっています。


 冷房はきいても、まだ袷のきものを使う気になれないので、明日は木綿のお単衣で練習です。きものは白茶色、全体に細かな絣で無地に近いため、チョコレート・ブラウンの帯揚げでアクセントをつけて。きものと帯をつなげるのは、きものと同系色の帯締めです。このコーディネート、秋単衣のころにそのまま使えるかしら。


 着付けをしていますと、自分がよく分かります。不器用で、のろまで、詰めが甘くて、根気がなくて‥。情けなくて、自己嫌悪におちいることも。でも、何事もそうでしょうけど、ひとつひとつを大事に、こころを入れて(できるだけ迅速に)行うこと、さらにそれを習慣として身につけることのたいせつさを教えてくれるのです。

 工芸に置き換えて言えば、ものづくりのたくさんの工程のうち、ひとつのお道具や工程でもおろそかにしたり、飛ばしてしまったら、そこからけして美は生まれないように‥ きものもまた、それと同じかもしれないな。と、つくづくおもうのです。
 

おうち日和

2009年07月08日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 雨の予報がはずれて、さわやかな夏空が広がりました。ここぞとばかりに洗濯にふとん干し、雨具や靴のお手入れ、買いものついでに図書館にも寄って‥と、つい欲ばって大忙しです。梅雨の間の貴重なひと日は、おうち仕事に精が出ます ^^

 お隣さんが分けてくださった釣果をさばいたり(魚をさばくのは苦手だけど‥)、階下に住む奥さまが、留守中にドアノブに掛けておいてくださった袋入りのトウモロコシを茹でたり。

昨年もいただいたトウモロコシは、甘くてジューシィ。半分に割り、茹でてからラップにくるみ冷凍庫へ。主人に茹でたてを食べさせてあげられないのが残念です。階下のご夫婦は、主人と同じくJリーグの横浜F ・マリノスのファン。
海釣りがご趣味のお隣さんは「今日は江ノ島で、たくさん釣れたんですよ」とうれしそう。えっ、江ノ島でサバとかアジとか、釣れるんですか‥と、主人もわたしも半信半疑。でも、身がしまっていて美味でした ^^


 主人の里の庭で収穫した実山椒で、塩煮をつくったり、

実山椒ひと粒ひと粒についた小枝をとりのぞくのを、主人が手伝ってくれました。指先はアクで黒くなるし、山椒の香はしばらくとれません。塩煮にした実山椒は、おじゃこと煮てちりめん山椒をつくったり、昆布の佃煮にまぜます。


 かぼちゃを煮たり。

夏の間、毎週のようにつくるかぼちゃの甘煮。水、砂糖、みりん、お醤油で落としぶたをして煮含めるだけの超お手軽レシピなので、ちょっとした合間にできる便利な一品です。面取りも不要、煮くずれしません。


 台所仕事って「~しなくちゃ」とおもうと苦痛だけれど、「~しよう!」と気を入れたら楽しいもの♪ 保存食づくりはそろそろ終えて、これからは夏野菜で何をつくろうかな~と思案中です。


 ひと仕事終えて‥ 先日つくったプラム・シロップのソーダ割りで、ほっとひと息 ^^


 

水芭蕉

2009年07月03日 | 筆すさび ‥俳画
 
 ○○の横好きで描いているわたしの俳画に、いつも励ましのお言葉を寄せてくださる boa!さま が、ブログ「もののあはれ」の物語の更新を止めてから三ヶ月がすぎました。当初は、めざすものをひとつ失ってしまって落ちこみましたけど、その後も変わらずおつきあいをさせていただいています。


 boa!さまのメールに、「水芭蕉」と「枇杷」の絵が添付されており、わたしの先月の画題が偶然「水芭蕉」だったため、不躾なことを承知で「ブログ上で、ふたり展をさせてください」とお願いしましたところ、ご快諾いただきました。

 するどい観察眼で、どんなものも自在に表現される boa!さま の墨彩画(左の絵です)と、先生のお手本を写すだけのわたしの俳画では、まったく比べものになりませんけど、構図の同じ水芭蕉を、異なるフィルター(と技術?)を通して絵にすると、こうなる‥と見ていただければ、おもしろいかもしれません。わたしのは、俳句でごまかしていますね ^^;

 ご協力いただいた boa!さま に感謝します。わたしと同じように「もののあはれ」の物語を楽しみにされていた方々のために、ブログでなくても、何かのかたちでまた boa!さま の世界を公開してほしいな、と願っています。

     


 ちなみに、水芭蕉はサトイモ科で、白い部分を「仏炎苞(ぶつえんほう)」、黄の部分を「花穂(かすい)」というそうです。この「花穂」が花で、「仏炎苞」は花を保護する包葉(ほうよう)です。