雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
2019年~Instagramへ移行しました 

大小あられ

2008年12月27日 | きもの日和
 
 大好きな江戸小紋の着尺で誂えたコートです。待つことふた月、ようやく仕立て上がり、わくわくしながら畳紙をひらいて‥ 羽裏はかちん染めの花もようで、よく見ますと椿のようです ^^ お店の方のすすめで、残布でショールをつくっていただきました。

 江戸小紋五役(鮫、通し、行儀、あられ、縞)のひとつ「あられ」は、芸州藩浅野家と薩摩藩島津家(島津は「大小あられ」)の裃の定め柄です。はらはらと粉雪の舞うようす、あるいは宇宙にまたたく無数の星をうつしたような「あられ」は、じつは赤穂の塩を意匠化したものとか。(赤穂藩浅野家は芸州浅野家の傍流です) 師走といえば忠臣蔵、今年のNHK大河ドラマ「篤姫」も大人気でしたから、偶然とはいえこの柄を選んだのは何かのご縁かもしれません。


 今日は主人の仕事納め。今宵は横浜で加賀料理をいただきながら「一年間、お疲れさま」会です。これまで暖かな日がつづいていたためせっかくのコートも出番がなかったのですが、寒波襲来で役に立ちそうです。
 大荒れの天気の地方にお住まいの方へ、くれぐれもお気をつけておすごしください。


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 この一年も「雪月花」と「めだか工房」におつきあいいただき、有難うございました。
 みなさま、どうぞお健やかによいお年をお迎えください。
 

クリスマス・ムース

2008年12月24日 | 小魚庵だより ‥日々の拾遺
 
 冷凍庫のおそうじ中に発見した残りもののお抹茶で、抹茶ムースをつくりました。きざんだホワイトチョコレートをのせ、クリスマス用のお飾りをそえて、クリスマス・ムースにしたてました。お抹茶の苦みにホワイト・チョコレートの甘さがとてもよく合います。

 じつは、クリスマス・ケーキは別に用意したので、このムースはクリスマス前に主人と食べてしまったのですけど ^^ゞ


 すてきなクリスマスを ^^
  

冬至

2008年12月21日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 あたたかな師走のせいか、冬至をむかえても一陽来復のよろこびに欠けるような気がします。でも、節目をだいじ。冬至かぼちゃと柚子湯ははずせません。

 とはいえ、かぼちゃは毎週のように甘煮するのでいまさら冬至かぼちゃでもなく、主人の里の柚子はみなジャムにしてしまったから、ひとつ98円(!)で購入せざるをえませんでした。

 湯船にうかべるため、まるごと袋に入れかけたものの‥やっぱりもったいない。こんなに大粒だし、これもジャムにしようとおもいなおし、外皮と果汁をすっかりとったあとの残りを柚子湯に使うことに。


 柚子は、その外皮に柚子本来の香のもと(これを「ユズノン」とよびます)が含まれることを最近知りました。これまで、横半分に割った柚子を、外皮のほうを手にとり果汁をしぼっていたのですが(北半球しぼり)、そのしぼり方ですと、ユズノンは指の間から逃げていってしまいます。断面のほうを手のひらでつつみ、外皮側を受け皿に向けてしぼれば(南半球しぼり)、ユズノンがうまく受け皿に入るのです。その効果は、北半球しぼりに比べてなんと17倍! さらにたいせつなのは、ユズノンを含む外皮も捨てずに使うこと。くわしくは こちら を見てくださいね。


 残りものの果物で少量のジャムをいつでもつくれるように、ホーロー製のちいさなミルクパンを買ったので、さっそく柚子ジャムを炊くつもりです。
 

初霜

2008年12月16日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 昨日東京に初霜が降り、家並は雪化粧をしたように白一色に染まりました。短日の寒空にかかるお月さまも凍るようです。ようやく冬らしいひと日となりました。おこたのぬくもりが身にしみます。


 三週間前にはちみつに漬けこんだかりんの実を取り出し、かりんエキスたっぷりのはちみつをお湯で割っていただいています。きれいなはちみつ色の液体をながめるだけで、ほぅっとくつろいでしまいます ^^

 とろんとした甘さの中にほんのり感じる酸味。(あたりまえだけれど)お味はかりんエキス入りののど飴と同じで、のどにうるおいを与えてくれます。ゆず茶、ホット・カルピス、シナモン・チャイ‥ わが家の冬の飲みものに「ほっと・かりん」が加わりました。かりんの実を分けてくださった大家さんは、毎年焼酎に漬けこむのだそうです。

 かりんの実そのものは、ものすごく苦いのだとか。(なので、こわくて口にしたことはありません) それなのに、どうしてエキスはこんなにやわらかなお味なのでしょう、不思議です。手ごわいかりんの実をなんとか食べられないだろうか‥と考えた人が、工夫を重ねて得た味なのでしょうね。

 これまで、「まるめろ」はかりんの異称とおもっていたのですけど、調べてみますと、どうやら別もののようです。


 ようやく賀状を書き始めています。
 新しい出会いや、久しぶりの再会がすくなくなかったため、昨年より枚数が増えました。この一年のご厚情に感謝しつつ、拙い俳画に近況報告などを添えて送ります。

 両面印刷の可能なプリンタも開発されて、手書きの賀状は減る一方かも。でも、せめて一筆だけでも、手書きの言葉を添えてほしいな‥と願います。
 

文様印(17) 麻の葉

2008年12月12日 | 和楽印 めだか工房
 
 「麻の葉文様が大好きです」という方から、消しゴムはんこのご注文をいただきました ^^

 ご依頼により、大小ふたつの麻の葉文はんこを制作。大きいはんこ(10cm×6cm)は、印影をすっきりさせるため、線を残す彫り方です。線の周囲のちいさな三角形をひたすら彫ってゆく単純作業で、根気がいりました ^^; でも、甲斐あってさわやかな麻の葉文様に仕上がりました。上の画像は、そのはんこでデザインしたメッセージカードとぽち袋です。(淡い色目のインクを使用したため、画像はちょっと見づらいですね。ごめんなさい)

 小さいはんこ(3cm四方)はポイント柄ですから、目立つように線の部分を彫りました。


小さいはんこの完成品


 麻の葉文は、正六角形を基調にした幾何学文様のひとつで、大麻の葉に似ていることからこの名がつきました。麻は古くから神聖な植物として「魔除け」の力があると信じられ、平安時代後期から仏像の装飾意匠として用いられました。

 庶民のくらしに麻の葉文様が浸透するのは、江戸時代になってから。現在も和服や和装小物の意匠に多く見られますし、麻がすくすくとまっすぐに育つことから、赤ちゃんの健やかな成長を願って産着の文様に用いる風習が残っていますね。

 来年は、この麻の葉文のような、連続模様のはんこもいくつか彫りたいとおもっています ^^

長年愛用している木綿のふろしきは、表が黒の鮫小紋、裏は朱の麻の葉文様のリバーシブルです。みなさまの身のまわりにも、麻の葉文がありませんか。
江戸小紋も大好きなので、代表的な「鮫小紋」や「大小あられ」のような文様はんこにも挑戦してみたい!のですけど、細かすぎてムリかなぁ ^^; (ちなみに、まだ老眼ではありません)

 

さつまいもとりんごのおやつ

2008年12月08日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 四国にすむ伯母の畑から届いたさつまいもは、とても甘くてほくほくしています。鶏肉といっしょに煮たり、きんぴらにしていただき、残りはりんごといっしょに煮ておやつに。水と牛乳で煮くずれるまで煮て、干しぶどうを加え、シナモンパウダーで香りづけしてできあがり‥のかんたんおやつ。甘味料を足さなくても、さつまいもとりんごの甘みがお口に広がります ^^ りんごは水分補給、さつまいもは食物繊維の補給と疲労回復に役立つそうです。


 この素朴なおやつから、ふと幼いころの記憶がよみがえりました。風邪をひいた熱っぽい体を起こして、枕もとで母が食べさせてくれたさつまいも入りのおかゆ、りんごのすりおろし、はちみつレモンのお湯割り。体が弱っても、絶対的な安心感につつまれていた記憶は鮮明です。


 みなさまも風邪やインフルエンザ予防をしっかりとして、せわしい師走をのりきってくださいね ^^

「雪月花」を長年見守ってくださっている方からいただいたお菓子「柚篭(ゆずかご)」です。ひとくちサイズのまぁるい柚子まんじゅうは、東京の奥座敷・青梅(おうめ)の「紅梅苑」のもので、わたしの大好物。「紅梅苑」は、戦中戦後にかけて青梅に疎開した作家・吉川英治の奥さまが長い間経営していた茶店で、いまも梅の里・青梅産の梅や柚子をつかったお菓子や軽食をいただけます。吉川英治記念館がすぐ近くにあります。

 

雪輪文

2008年12月03日 | 和楽印 めだか工房
 
 師走に入り、東京はようやく紅葉の見ごろをむかえています。小春日和がつづいている間に大そうじを始めておいたほうがよさそう‥とおもいながら、ぽかぽか陽気に誘われてついのんびりとすごしてしまいます ^^ゞ


 今月は「雪輪文」です。
 これまでにめだか工房へいただいた消しゴムはんこのご注文でも、「雪輪」は人気柄のひとつ。上の画像の雪輪は 5辺ですが、雪が「六花(ろっか、むつのはな)」という異称をもつように、本来は 6辺です。(納品させていただいている雪輪のはんこは、すべて 6辺) 秋冬はもちろん、春夏のよそおいに涼感をそえる雪輪文は、一年をとおして使えます。
 雪輪の微妙な曲線を彫るのは難儀ですが、大・中・小とスリーサイズのはんこをつくり、重ねたり色を変えて押しますと、模様に表情が生まれます。

 今月のカレンダーは こちら です。聖夜をイメージして背景を渋い色目にしました。


 きもの用のコートを誂えたくて、呉服屋さんで最初に見せていただいた反物が、黒に近い濃紺地にちいさな雪輪文をところどころに散らしたものでした。その着尺は結局わたしのコートになりませんでしたけれども、いつ見ても新鮮でかわいい雪輪文のすぐれたデザイン性に感心します。
 

めだか工房の図案集 第二弾

2008年12月01日 | 和楽印 めだか工房
 
 「和楽印 めだか工房」 からお知らせです。

 めだか工房の消しゴムはんこ図案集・第二弾 『消しゴムはんこのかわいい図案集』 が、11月28日から書店に並んでいます。

 今回は消しゴムはんこ作家11人が参加してパワー・アップ。前回よりかな~りタイトなスケジュールだったため苦労しました‥ ^^; でも、仕上がりは第一集目以上に気に入っています♪ 

『消しゴムはんこのかわいい図案集』
 ブティック社
 レディブティックシリーズ no.2782
 定価 950円 (本体 905円)

 わたしが担当したテーマは、「はんなり和のはんこ」・「和の花と植物」と、今回は年賀用のはんこ図案も担当しています。これから消しゴムはんこで年賀状をつくるご予定の方、ぜひ参考にしてくださいね!


 本のご購入は ↓こちら からどうぞ。(「うめつる」をクリック!)

本の詳細へ
うめつる
(掲載図案)


 このたびもお世話になったブティック社さんと、いつも全面的に協力してくれる主人に、感謝します ^^