寒露の候となり、本格的な秋をむかえました。町は金木犀の香でいっぱい。銀色に輝くすすきが風にゆれています。路上を舞う枯れ葉の音も聞こえるようになりました。
明日11日は十三夜、後の月ですね。東京の天気予報はまずまず、おうちでのんびりと月の出を待つつもりです。下ごしらえしておいたゆで栗で栗茶巾をつくり、お供えしています。辰砂釉(しんしゃゆう)のこっくりとした紅色の皿にのせ、深まる秋を表現。銘はもちろん「栗名月」です ^^
栗にシロップを少量加えただけの素朴なお菓子は、ほっくりとして栗そのままのお味が真情です。粒をすこしのこしつつ栗をつぶしてゆくと、栗色の生地からいっぱいに香がたちます。手のひらでやさしく、ひとつひとつ仏さまをつくる気持ちでまるめます。
先をちょっととがらせた(キューピーさんの頭のような)形のピンポン玉大の生地をぬれぶきんでつつみ、きゅきゅっ、としぼります。転がらないよう、底をすこしへこませて。茶巾づくりのもっとも楽しい作業です ^^♪ レシピは 『私が作る和菓子』(ベターホーム出版局) にあります。和菓子づくりが楽しくなる本です。 |
400gの栗から 9つの茶巾ができました。ひとつひとつ、表情がちがいます。
準備は完了。十三夜には、また栗ごはんを炊きましょう。
後かたづけを済ませ、ほっと一服‥ 栗たちも、これで成仏したかしら。
栗一粒秋三界を蔵しけり (寺田寅彦)
栗菓子をはさみ笑顔の月夜来る (雪月花)
こちらはとらや製 「栗鹿の子」。主人のおみやげです。つやつやの栗の甘露煮であんをつつんでいます。 とらや製 「栗名月」 もあります。わたしの田舎茶巾とちがって、さすがに上品です(笑 |