雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
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水無月

2011年06月30日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 六月尽の今日は夏越の祓え。午後は激しい雷雨になりました。天地に轟く雷鳴を聞きながら、ことしも「水無月」のお菓子をつくりました。晩ごはんの後にいただけるよう、ちいさなひとくちサイズに。

 一年のあと半分を、みなが無事にすごせますように。

 被災地の方々のご健康を祈ります。


 ‥雨あがりの、涼しい夕です。
 

氷水出し煎茶

2011年06月28日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 神楽坂の喧噪をすこし離れた路地に日本茶カフェ「茜や」さんがあります。築50年の古民家を生かしたカフェは、ひっそりとしたたたずまい。まさに“市中の山居”です。(ご存知の方も多いかも)

 先日お訪ねした折に、店主のあかねさんから教えていただいた氷水出し煎茶をいれてみました。

 急須に茶葉と氷を入れ、お茶碗一杯分の水を注いで5分待ちます。冷水でゆっくり抽出するため、渋みのない深い味わいに。二煎目以降は、水を注いですぐにいただけます。熱いお湯でもかまいません。


 久しぶりの晴天、気温は30度を超えました。おいしい冷茶をいただきながら「あぁ夏が来たんだな」とまばゆい空を見上げています。

 あかねさん、次回はふだんきものでうかがいますね ^^
 

紫陽花のゆびわ

2011年06月24日 | くらしの和
 
 初夏から雨季にかけてたびたびつけるビーズのゆびわです。

 四年ほど前に知人がつくってくれたもので、小指にちょうどよいピンキーリング。雨のしずくに輝く紫陽花のようだから、「紫陽花のゆびわ」と名づけてたいせつにしています。和装にも合わせます。

 やんちゃな男の子ふたりを育てながら「ビーズは気分転換になるんですよ」と話してくれた彼女。最近はお目にかかる機会がないけれど、元気にしているかしら。
 

虹色のさんぽ道

2011年06月21日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 母といっしょに神奈川の「開成あじさい祭」へ行ってまいりました。

 紫陽花のお花見はたいてい寺社の境内や公共の公園だけれど、ここは広々とした水田の農道沿いに色とりどり、さまざまな紫陽花が咲きます。若苗の緑も清々しい田んぼをわたる風を肌に受けながら、すてきなお花見さんぽができるんですよ。きっと、地元の人たちが時間と手間をかけてたいせつに育ててきた紫陽花なのでしょうね。

 田に水を張って紫陽花あかりかな (山上樹実雄)

 夏もなほ心は尽きぬあぢさいのよひらの露に月も澄みけり
 (『夫木抄』 藤原俊成)

 お祭の期間中はところどころに出店があり、食事や紫陽花にちなんだ和菓子もいただけて、みな好きな場所で憩いつつおもいおもいにすごせます。母とわたしは山菜のおこわと紫陽花をかたどった麩まんじゅうをいただきました ^o^

 下の写真は、カメラを向けたひとりひとりにきちんとカメラ目線を向けてくれた、律儀でおりこうなわんこ。かわいかったな~。


 長い梅雨になりそうですが、紫陽花はあちこちでうれしそうにつやつやしています。
 

和菓子の日

2011年06月16日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 6月16日は「和菓子の日」です。
 いただきまーす ^o^
 

クレーの実験室

2011年06月15日 | 雪月花のつぼ ‥美との邂逅
 
 東京国立近代美術館にて開催中の「パウル・クレー展」へ出かけました。

 自由でやわらかな線描、つい触れたくなるカンバスの質感、まるで和色の見本帖のような色彩‥ いつもながら引きこまれます。さらに今回の展観は、絵を回転させたり、写したり、切って・分けて・貼ったり‥という、さまざまな試みから作品が生まれるまでの過程を追う興味深い構成で、会場はさながらクレーの実験室のよう。画家自身の風貌も、芸術家というより科学者みたい。クレーの意外な一面を見るようです。

 クレーとの出会いは、ちょっと変わっています。
 ある図録に、梶川芳友氏(何必館・京都現代美術館館長)が茶室の床にクレーの「舵手」を飾り、魯山人の織部の籠花入を取り合わせているの見たとき、クレーと魯山人が響き合い、なまなましい土の質感が伝わってくるのをとても不思議におもいました。以来、パウル・クレーから目が離せません。(このことは、以前このブログに書きました

 いっしょに鑑賞したのは、昨年の紬塾で知り合った友人ふたり。そのせいか、アースカラーを基調とした作品の多くが着尺や帯地に見えてしまうという楽しさも。三人の紬のきものと帯もしっくりと場になじみ、眼福のひとときでした。


 ちなみに、上の絵はクレーの作品ではありません。クレーの作品に影響を受けた日本の銅版画家・駒井哲郎氏(1920-1950)の「Nature Morte(静物)」です。「え。クレーじゃないの‥」という方。ふふふ、だまされましたね ^^
 

梅しごと

2011年06月10日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 芒種の候 梅しごとの季節をむかえました。

 1Kgの青梅をもとめ、半分を氷砂糖とりんご酢に漬けシロップに、半分は冷凍しておきます。黄色くなった南高梅が手に入ったら、ジャムに。

 いつもの梅しごとだけれど、先月末に襲来した台風2号の影響で青梅の落下被害が甚大と聞いたので、なおいっそうひと粒ひと粒が大事におもえます。

 俳画の画題も「青梅」でした。
 俳画はまた後日に。
 

クラフトフェアまつもと

2011年06月04日 | くらしの和
 
 毎年、五月最終週の土日に松本のあがたの森公園にて開催される「クラフトフェアまつもと」。全国から応募した1,400組もの出展希望者の中から、審査を通過したおよそ300組の工芸家さんたちが作品の展示即売を行います。

 木工、漆、陶磁器、皮革、ガラス、染織、食料品、手工芸用の素材や道具‥等々、全国のあらゆる手仕事があがたの森に集います。その魅力は、なんといっても、つくり手と使い手が直接ふれあえること。素材や道具へのこだわり、制作の苦労、ものづくりへの熱いおもいに耳をかたむけて手にする品々は、まるでいのちを吹きこまれたようにいきいきしています。納得して手に入れた品々を使うとき、つくり手の顔が浮かべば、おろそかには扱えません。

 クラフトフェアだけでなく、「工芸の五月」の五月いっぱいは「暮らしと工芸」をテーマに松本のあちこちでさまざまな催しが行われます。町全体が日常を楽しむ工夫にあふれ、ゆたかな自然と人と美しいモノをゆるやかにつないでいます。きらきらした時の破片がふりつもるように、松本は日々ゆっくりと歴史を刻んでいるよう。

 工芸の町・松本で出合ったくらしの道具とともに、わが家にも松本時間が流れはじめました。

ガラス工芸家・前田一郎さん(長野市)のグラス。かたちも大きさも厚みもすこしずつちがうので、たくさんの在庫の中から2つを選びました。やや黄みがかったガラス全体に星をちりばめたように気泡が。ほどよい厚みがあるのに軽みを感じる、不思議な手ざわりです。

陶芸家・佐藤崇さん(北九州市)のパン皿。陶のパン皿を長い間探しもとめていたので、ようやく「これだ」とおもうものに出合えてうれしかったです。毎日活躍中。

麻専門の工房「青土」さん(宇治市)のかや布のテーブルセンター。食卓のまん中に自然布があるとほっとします。「青土」さんはきもの通で布好きな友人のおすすめ ^^

陶芸家・田中一光さん(松本市)のフリーカップは、マットな藍の濃淡色が気に入って主人が購入したもの。本来は蕎麦猪口だけれど、主人はお湯呑みとして使っています。


 2011年10月15日(土)16日(日)には、あがたの森公園にて「クラフトピクニック」が開催されます。(雨天決行)