雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
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東北の手仕事(三) 南部鉄器

2009年01月28日 | くらしの和
 
 しばしばうかがううつわのお店に陳列されていた、美しい鍋敷き。南部鉄器の鈴木盛久工房製です。

 ほんとうは鉄瓶をさがしていたのに、その美しい意匠と肌合いにひかれて、鉄瓶の“おざぶとん”を先に購入することに。

 お台所に、美しい鍋敷きがふたつ。いつの日かのる鉄瓶を待ちつづけています。
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 各地から梅のたよりがちらほら。わが家のそばの梅林の白梅も、ひとつ、ふたつとほころんでいます。すばらしい手仕事の数々にふれながら、遠く北国の春をおもいます。
 
 

東北の手仕事(二) 米沢絣

2009年01月22日 | きもの日和
 
 北国や雪深い国の織物が好きです。素朴であたたかな風合いの生地に、自然のきびしさと、その土地に生きる人たちの辛抱強く、謙虚な暮らしぶりが表れているように感じるのはわたしだけでしょうか。

 写真は、経糸に絣糸を使って織り上げられた米沢絣八寸帯。
 山形米沢の織物の歴史は江戸時代初期までさかのぼります。領民が自家用として織っていた青苧(からむし)や麻布を、関ヶ原の合戦後に初代米沢藩主となった上杉景勝の重臣・直江兼続(今年のNHK大河ドラマ「天地人」の主役ですね)が産業として整備したことに始まります。 そののち、藩の産業振興を図るため、婦女子の手内職として推奨し、本格的な米沢織の開発に取り組んだのが、藩中興の名君・上杉鷹山でした。


 若い職人さんがインドネシアに古くから伝わるイカットの柄をアレンジし、二ヶ月をかけて織り上げたもの。風通織のため、裏面は反対色の同柄です。


 小物とのとり合わせを考えるのも楽しく、しなやかで、「身にまとう」という言葉の意味をつくづく実感する帯です。
 

東北の手仕事(一) つがる刺しこぎん

2009年01月17日 | くらしの和
 
 「小魚庵よりお知らせ」コーナーでご紹介中の「東北の手仕事展 ~ゆずりは東京展~」では、雪国の生んだ美しい暮らしの道具や織物が会場いっぱいに展示されています。(25日まで) 写真は、「津軽刺しこぎん」の丁寧な手仕事にひかれて購入した針刺し(針山)です。

 民芸の創始者・柳宗悦が「地方工芸の最たるもの」と絶賛した津軽のこぎん刺し。その特徴は、刺し手の自由な発想で刺繍する山形の刺し子とちがい、麻の布目にそって刺繍してゆくこと。そのため、独創的で美しい幾何学模様が生まれます。むかしは、藍で染めた自家製麻布に、意匠と布の強化をかねて白綿糸で刺繍をほどこし、衣服に仕立てて着用しました。(詳しくは「弘前こぎん研究所」をご覧ください)


 先日、お世話になった方から加賀の伝統的な和裁針を分けていただいたので、半襟付けがやっとの不器用なわたしも、針仕事が楽しくなりました。


 藍染めの麻布にこぎん刺しが清々しいブックカバーは、主人と兼用です。


 

和菓子かるた

2009年01月11日 | くらしの和
 
 東京ミッドタウンの虎屋さんで見つけた「和菓子かるた」です。大正時代の『御菓子見本帳』に描かれたお菓子の意匠をもとにつくられた「いろはかるた」になっています。

 菓銘の書かれた読み札と、お菓子の絵が描かれた取り札が、それぞれ48枚ずつ。色とりどり、季節感あふれるお菓子とみやびな菓銘にうっとりします。


 たとえば、いまの季節ならこんなお菓子。(太字が菓銘です)

 冬はこたつで蜜柑餅(みかんもち)
 春を夢みて冬籠(ふゆごもり)
 神々しい富士高根羹(たかねかん)
 百花のさきがけ寒紅梅(かんこうばい)
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 季節のお菓子の読み札と取り札をならべて額に入れ、飾っておこうとおもいます。
 

七草

2009年01月07日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 今日は七草。松飾りをとり、ゆがいた七草をきざんでおかゆに入れます。いただきもののホタテのふくめ煮をそえます。

 ♪ 七草なずな 唐土の鳥が
   日本の土地に 渡らぬ先に
   ストトン ストトン ストトントン‥


 漆器は、一昨年の暮れに京都でもとめた蓋付きのお椀に家紋を入れたもの。今年のお正月から活躍しています。外側も内側も朱漆のものを主人が、黒漆に内朱のものをわたしがつかいます。


 この一年、無事にすごせますように。
 

新年のごあいさつ

2009年01月01日 | 筆すさび ‥俳画