雪月花 季節を感じて

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雪が育むきもの

2015年11月13日 | きもの日和
 

雪中に糸となし、雪中に織り、
雪水に洒ぎ、雪上に晒す
雪ありて縮あり
されば越後縮は雪と人と気力
相半ばして名産の名あり
魚沼郡の雪は縮の親といふべし

(鈴木牧之著 『北越雪譜』 より)


※ 写真は塩沢の真綿紬

 手織教室の研修旅行に参加し、新潟の塩沢、十日町、小千谷を訪ねました。十数年前に『北越雪譜』のこの一文に出合って以来の、越後の織の里を訪ねたいという願いがかないました。

 越後の織の里はどこも雪深い町。そのきびしい風土からじつに美しい布が生まれることを、じっさいに見て、肌で感じることができ、感激もひとしおです。主人のきものが訪問先の織物工場の証紙の付いた塩沢紬だったことを思い出し、残布(上の写真)を持参して織り子さんのお名前を調べていただくことに。二週間後、織元から丁寧なお返事が届きました。紬、お召、夏塩沢など、何でも織れてたいへん丁寧な仕事をされる現役の女性とのこと。その方のお顔や、毎日根気よく機に向かっておられるお姿などを想像しながら、ますますこのきものを大事にしたいとおもうのです。

 旅で学んだことひとつひとつを、これからのお稽古と機に向かう姿勢に活かしたい。
 


塩沢の星野織物さん。
訪問当日は貴重なお時間とたくさんのご教示を賜りました。有難うございました。