雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
2019年~Instagramへ移行しました 

柳絮(りゅうじょ)

2017年06月08日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 柳絮(りゅうじょ)、をご存知でしょうか。

 職場の敷地内にある池のたもとに川柳の大木があって、毎年5月の下旬ころになるとたくさんの綿(これを絮という。白い綿毛のついた柳の種子のこと)を飛ばします。初夏の空のもと、まるで雪が降りしきるようなふしぎな光景です。「やなぎ」と聞いてすぐに思い浮かぶのは枝の垂れた糸柳ですが、日本においては糸柳の柳絮はあまり見られないそうな。

 柳絮‥ とても詩的な表現だけれど、風に吹かれるままにふわふわと飛んでゆくそのさまから、中国では移り気なようすをたとえるときに使われるそうです。


 7日、関東は梅雨入り。体調をくずしやすい季節です。
 みなさま、ご自愛くださいませ。
 

早苗唄

2015年05月11日 | 季節を感じて ‥一期一会
 

機織りの稽古場へ向かう道中に出合った風景。

ひと苗、ひと苗、腰を曲げて手植えするときの水音や鳥の声が、早苗唄になる。

おもわず、手を合わせる。

 

春風駘蕩

2015年04月02日 | 季節を感じて ‥一期一会
 

里山は春らんまん。どこにいても花に出合うし、すこし車を走らせて、田んぼや畑の広がりの中から、かすむ山々を彩る花の色に目を楽しませたり、鳥たちのさえずる桜堤や池のほとりに車を停めて、しばしうっとりと花を愛でる日々。

今日は機織り教室を出たあと、桜堤の花のもとで風にあたりながらお昼を食べた。こんなぜいたくを、東京ではできなかった。

 

花下忘帰

2015年03月23日 | 季節を感じて ‥一期一会
 

さくらさくら 弥生の空は
見わたすかぎり 霞か雲か
匂ひぞ出づる
いざや いざや 見にゆかん



安行寒桜を見にゆく
花曇り花冷えの昼さがり
うぐいすが春を告げて
めじろは花蜜をもとめて飛び交う

花下忘帰 因美景



かくれんぼ?

 

ひみつ基地

2014年05月07日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 電車の車窓から見える、緑につつまれたちいさな沼。ずっと行ってみたいとおもっていたので、この連休中に探し当てました。自宅からすこし自転車を走らせればたどり着くところにあったのですが、想像どおりのステキな場所で、木々の緑を映す水面はまるで絵画のようだし、こだまする鳥のさえずりや、カエルの合唱も聞こえます。すこし上を国道のバイパスと私鉄が走り、周辺は新興住宅地であることを忘れてしまう、奇跡のような空間です。


水縁のベンチにこんなものが‥。
木彫の魚のオブジェもありました。

 子どものころの遊び場だった野山に、誰にも教えたくないお気に入りの場所ってありませんでしたか。当時はそれを“ひみつ基地”なんていいましたけど、この沼はわたしの“ひみつ基地”です。
 

里山の春

2014年04月14日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 
 この春は住まいの近くにて里山の春を楽しんでいます。

 桜はソメイヨシノ、山桜と順に咲きそろい、カタクリ、椿、雪柳、レンギョウ、つくし、花もも、たんぽぽ、ニリンソウ、すみれ、オオイヌノフグリ、山吹、新緑‥と、日々色とりどりに染まってゆく野山を歩き、河鹿鳴く小川のせせらぎや鳥のさえずりに耳をかたむけていますと、自分もまたこの大自然の一部なんだと感じます。



 友人と、母と、主人と、桜樹の下でお弁当を広げたり、田んぼや林の中のちいさなカフェでくつろぎます。
  
 

十六夜

2011年09月13日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば
 (藤原道長)

 平安期の中秋に、道長が藤原家繁栄の絶頂をこう嘯いたのは、じつは十五夜でなく(月の欠けはじめの)十六夜であったと、永井路子著『この世をば』に記されていたと記憶しています。史実はともかく、盛者必衰は世の常。やがて平家の台頭とともに藤原家は衰退します。


 ことしの十五夜は望月とかさなり、無欠の月でした。煌煌とあまりに神々しく、つい目をそらせてしまうほどの輝きでしたけど、円相は悟りの境地といいますから、望月イコール仏さま、と解すならば、頭を垂れ手を合わせたくなります。

 仏さまとか、望月とか富士山のような、完全無欠の美の前に、人は対峙するにも“真正面をはずす”こころをこそあらまほしけれ‥と、そんな趣旨のことを白洲正子さんがどこかで述べていたとおもいます。

 そんなわけだから、望月の写真撮影は控えて、今宵虫の音をBGMに十六夜の月をこころゆくまで見上げています。

 ‥というのはいいわけで。
 昨夜はあまりに涼やかな良夜だったため、うかうかと○いおまんじゅうをほおばりながらすごしてしまったのでした ^^ゞ
 

虹色のさんぽ道

2011年06月21日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 母といっしょに神奈川の「開成あじさい祭」へ行ってまいりました。

 紫陽花のお花見はたいてい寺社の境内や公共の公園だけれど、ここは広々とした水田の農道沿いに色とりどり、さまざまな紫陽花が咲きます。若苗の緑も清々しい田んぼをわたる風を肌に受けながら、すてきなお花見さんぽができるんですよ。きっと、地元の人たちが時間と手間をかけてたいせつに育ててきた紫陽花なのでしょうね。

 田に水を張って紫陽花あかりかな (山上樹実雄)

 夏もなほ心は尽きぬあぢさいのよひらの露に月も澄みけり
 (『夫木抄』 藤原俊成)

 お祭の期間中はところどころに出店があり、食事や紫陽花にちなんだ和菓子もいただけて、みな好きな場所で憩いつつおもいおもいにすごせます。母とわたしは山菜のおこわと紫陽花をかたどった麩まんじゅうをいただきました ^o^

 下の写真は、カメラを向けたひとりひとりにきちんとカメラ目線を向けてくれた、律儀でおりこうなわんこ。かわいかったな~。


 長い梅雨になりそうですが、紫陽花はあちこちでうれしそうにつやつやしています。
 

春めく

2011年02月25日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 昨日の東京は日がなお天気雨でした。空に冬と春が同居して、不安定な空もようをもたらすのでしょうか。お天気雨は「狐の嫁入り」「細照雨(そばえ)」などと風雅な表現もしますけど、俳句では初夏の季語のようです。


 菜の花、つぼみ菜、たらの芽、ふきのとう、スナップえんどう‥ 店頭に春の味覚がたくさん並んで、若菜色が目にしみるように鮮やかです。

 先日、ふくら雀さんから届いたふきのとうの墨彩画です。みずみずしい色、清々しい香、はちきれんばかりの若菜の精気、そして湿った土の匂いまでいっしょに春風にのって運ばれてきたよう。


 こういう絵が“ほんもの”なんだなぁと、多少の自嘲を混じえながらしみじみと感じられたことです。

 わたしはいつになったらこんな絵が描けるようになるかしら。


 二月は逃げる‥ 早いものですね。
 まもなく桃の節句です。
 

メリークリスマス

2010年12月24日 | 季節を感じて ‥一期一会