雪月花 季節を感じて

2005年~2019年
2019年~Instagramへ移行しました 

松本はおいしい

2011年05月31日 | 小魚庵だより ‥日々の拾遺
 
 信州松本の旅からもどりました。
 城下町散策と食べあるき、クラフトフェアめぐり。幸いお天気にめぐまれて、もりだくさんの二日間でした。

 二十六夜神を祀る瀟酒な松本城(国宝)、古きよき城下町の面影をのこす家並み、清らかな水のせせらぎ、見晴るかすアルプスの山々‥ 見るもの、触れるもの、感じるもの、口にするもの、すべてがおいしい松本に魅了されてしまった主人とわたし。帰宅後、おみやげを広げたり食べたりしながら、また行こうね、と約束しました。

 松本の魅力を教えてくれた友だちとスタイリストの伊藤まさこさん(松本在住)に、あらためて感謝です。

 「クラフトフェアまつもと」のようすは次回また ^^

宿泊した松本ホテル花月のそばにあるパン屋さん「パンセ小松」のロシアケーキ。子どものころおやつによく食べた「たまごパン」のような、サクサクの甘い生地にチェリーやレーズンがたっぷり。また食べたい♪ ホテル花月はこのお店のパンを仕入れています。

 

紺絣(一) 薩摩絣

2011年05月25日 | きもの日和
 
 「ジャパン・ブルー」と敬称される日本の藍。畳紙をひらいたときの藍のにおい、藍地にうかぶ飛白(かすり)の味わい、ふくふくとした木綿の風合いにつつまれるしあわせ‥。紺絣のきものになつかしさや郷愁をおぼえる人はすくなくないでしょう。その感覚こそ藍の木綿ならではの魅力とおもいます。


 主人のふだん着の一枚は木綿の薩摩絣です。深い藍の地にならぶ精緻な亀甲絣が、すっきりと潔いきものです。

 極細番手の木綿糸で手織りされる綿薩摩は、すべらかでつやがあり、同じ工程を経て絹糸で織られる大島紬とくらべても遜色がないのですが、木綿ならではのぬくもりはすこしも損なわれていません。それなのに、お単衣にすると布を風が通り涼やかで、南国の織物であることを実感します。

 もとは野良着として日本人が長い間親しんできた紺絣。それを洗練し品格のあるきものへと改良した、つくり手の執念すら感じます。本来「草」であったものを「真」のレベルまで引き上げることは日本のお家芸ですから、紺絣を着ることは日本のこころを身にまとうことといえるでしょうか。


 かつて武者小路実篤から「薩摩絣 手織絣 誠実無比」と愛され、いまも「木綿のダイヤモンド」「大島や結城紬を着尽くした人が最後にたどりつくきもの」といわれる薩摩絣。でも、どんな言葉を尽くすよりも、さりげなくさらりと着て、その着ごこちをこっそり楽しみたいきものです。

 薩摩絣については こちら がくわしいです。
 

工芸の五月

2011年05月19日 | くらしの和
 
 毎年五月いっぱい、長野県松本市で開催される「工芸の五月」。かつての民芸運動に刺激され、くらしに寄りそう美しいものと「用の美」を追究しつづけているつくり手やその使い手さんたちが、工芸の町・松本に集います。

 以前からずっと行きたかった松本。数年前までは松本城(国宝)のある自然ゆたかな城下町というイメージでしたけれど、「工芸の五月」のことを知ってから、がらりと印象が変わりました。

 五月の最終土曜日と日曜日の「クラフトフェアまつもと」では、たくさんの工芸家さんたちの作品が展示即売されます。


 初夏の城下町を散策し、おいしいものをいただいて、クラフトフェアをのんびり見てまわる‥。あたためてきた計画が、まもなく実現します。

 クラフトフェアにくわしい友だちからステキな松本情報をたくさんもらって、旅の準備は万端。あとは、お天気に恵まれますように‥と祈るばかりです。
 

『日本のきもの』

2011年05月16日 | きもの日和
 
 すこし前に古書店で見つけた浦野理一さんの『浦野理一染織抄 日本のきもの』という豪華本を、時おり手にとり眺めています。

 浦野理一さんといえば、鬼しぼちりめん、友禅染、経節紬(たてぶしつむぎ)などがよく知られますが、ほかにも型染め、紅型、更紗、唐棧織‥等々、多岐にわたる染織のお仕事をされていたことを知りました。著書も多く、きものの発展のために精力的に活動されたのですね。

 浦野さんならではの経節紬は、太めの紬糸でざっくりと織られ、色がすみ、柄ゆきは無地やすっきりとした縞、格子。とても軽く、あたたかそう。見ていますと、「ほんとうに結城(紬)を好きな人は、『太めの糸で、ざっくりと織って』と言いますよ」という、結城紬の織元さんの言葉をおもいだします。
 

麦 と おりづる蘭

2011年05月12日 | 筆すさび ‥俳画
 
 今月の俳画は「麦」と「おりづる蘭」です。
 「五風十雨」とは「五日にしてひとたび風ふき、十日にしてひとたび雨ふる」のこと。気候がおだやかで順調なことを表し、豊作への祈りをこめた言葉です。

 週末に主人と歩くさんぽ道に麦畑があります。青々とまっすぐに伸びていて、先端の芒(のぎ)にふれると痛そう‥。


おりづる蘭

 麦もおりづる蘭も、筆に黄草色をたっぷりとふくませるので、描きながら目に清々しく、初夏を感じます。


 先月の画題は「ハナミズキ」、先々月は「お花見」でしたが、更新する機会を逸してしまいました。来年の春までおあずけです。
 

筍づくし

2011年05月09日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 主人の里へ帰省した折、りっぱな筍をいただきました ^^

 持ち帰ってさっそく筍ごはんと筍のかか煮をつくり、ごちそうさま。
 残りは、お味噌汁の実に、青菜とともにごま和えに、焼きそばの具に‥
 わが家は“筍づくし”です。