最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

卒論発表と試験監督

2006年01月31日 23時30分23秒 | Weblog
センター試験と定期試験の監督も終わったと思ったら、2月1日から大学入試が始まる。早稲田や慶応などは試験日も少なくて試験監督も楽だと思うが、とにかくこちらの大学は驚くほど試験の種類と回数が多いので、試験監督も何回もしなくてはならない。またこの時期は卒論、修論の発表や提出等も重なっているし、新学部等の大学再編の仕事も重なっているので、まさに研究嫌いの先生方には言い訳も立つし良い時期ではないだろうか?
自分自身の卒論のときのことを思い出すと、研究室の仲間と毎日徹夜しながら実験したり論文を書いたりした。夜そのまま遊びに行ったり、ゲームをしていたことも多かったが発表練習も何回か行って一大イベントだったように記憶している。それに比べるとこちらは単純なイベントなのでやや拍子抜けしてしまう。
最近大学ネタが多いが、これも伏線を張っているだけなので、背景を知っている人はウラの意図を読み取ってください。
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OPT クラスタの変更

2006年01月30日 14時27分01秒 | Weblog
トラックバックの二つの記事にもあるように、産総研の大規模グリッド実験にこちらのクラスタを参加させるための設定の変更を行った。こちらの計算機管理には致命的な欠点があるので、1号館ではなく9号館のクラスタ計算機の方を参加させることにする。
我々の今までの管理方針では、クラスタ計算機は全てローカルIPを持たせて、一度グローバルIPを持つフロントエンドのマシンにログインしてから、クラスタ計算機にログインするという二段階ログイン作業を行っていた。やや面倒ではあるものの、この方が安全であるし、何よりも我々の今までのアプリケーションでは、この設定で特に不自由を感じていなかったのも事実だ。あとは先ほども書いたように、何と言っても計算機管理の問題があったのも大きな理由の一つだ。
そこで、クラスタの NFS & NIS サーバーにグローバルIPを持たせて、今まで Gateway 的な役割をしていたマシンをクラスタ計算機に参加させるという作業をおこなった。しかし OS を Fedora Core 3 から 4 にバージョンアップするという必要もあったので、実際には一からクラスタ計算機を構築するのとあまり変わらない手間になった。
今後は、Globus 4.x や Ninf-G, SGE(Sun Grid Engine)などをインストールするのだろうが、これは創夢の方に任せることにしよう。とりあえず PC 5 台, 10 CPU, 20 コアの陣容になる。
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入試志願状況

2006年01月29日 22時13分00秒 | Weblog
どこの大学も現在までの入試志願状況をインターネットで発表しているが、まあひどいもので今年度下がった給料が来年度はどれだけもらえるのか怪しくなってきた。給料が下がったので、年末調整で予想以上の還付金が戻ってくるというオチまで付いた。正直19年度以降の給料は考えても仕方がないので、どうでもいいが。以前にも書いたが、若手の教員は止めたがっている人が多いようだが、事務系の人でも転職を考えているそうだ。新学部や工学部関係は潰れないだろうが、その他のキャンパスは大変危険な状況になるだろう。潰れなくても今の地位に留まるだけかもしれないが。
上(幹部)の先生に聞いても、ほとんどがあと数年で定年の先生方なのであまり真剣さが感じられない。この大学はずっとこんな感じで先延ばしにしてきたのだろうと推測する。ある意味でいい勉強をさせてもらった。やはり負け続ける組織には何らかの欠陥があるということだ。運のせいだけにしてはいけないと思う。
19年度再編も結局骨抜きにされてしまったので、まあやりたいようにやってみたらどうだろうか。
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SDPの精度

2006年01月28日 01時22分39秒 | Weblog
超大規模な量子化学の SDP を解いているが、relative gap という意味でどうも精度が上がらない。精度の問題は大きな問題として捉えられており、先日のシンガポールの Workshop でもかなり大きな関心事項だった。4倍精度の変数(つまり 128bit/16byte)を使用することが一つの解決法であろうが、opteron でも直接 128bit の変数は扱えないようだ。128bit のレジスタはあるが SSE3 の 64bit + 64bit の SIMD として使うための物である。64bit 環境では long double は 128bit の変数なのだが、これを計算に用いると大変遅そうだ。
4倍精度の需要はあまり無いのかと思うのだが、科学技術計算では確かにあるだろう。しかしゲーム機の世界ではまだ単精度計算が主流だったりするので、普及は遅そうだ。精度に関してはアルゴリズムでカバーするしかないかもしれない。POP の SDP 緩和にしても SDP の精度が非常に重要になってくるだろう。
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そろそろ転機が

2006年01月27日 22時09分50秒 | Weblog
土曜日は朝からまる一日の間、新学部関係の会議になる。カリキュラムなどの文科省申請書類を作成するのが目的だが、具体的に担当する人の名前まで記入しなければならないので大変な作業である。金曜日はその会議用のスペースの確保の作業があった。机や椅子の確保、有線&無線LANの設定などかなり大変だった。しかしその会議の部屋はクラスタ部屋でもあるので、会議をしながらクラスタの設定なんていうことが出来るかもしれない。
入試の出願状況も大変厳しいが、もう厳しいなんていう言葉でも足りない。どうやっても定員割れする学科が出るだろう。だが知っている人は知っている通り、別にこんなことを心配しいなくてもいいんだが。そろそろ転機が訪れると思う。
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ビジネスグリッド

2006年01月26日 05時53分33秒 | Weblog
経済産業省というか IPA が行っている事業にビジネスグリッドコンピューティング研究開発事業がある。大きな目的はホームページにも書いてあるようにビジネスグリッドミドルウェアの研究開発と、そのシステムインタフェースの国際標準化である。具体的な内容もホームページから情報が入手できる。ただ問題は IPA ということで成果物にどれだけ縛りがあるかということだろう。詳しくは言わないが基盤研究はこういった予算で行って、実際のアプリケーションについては自主開発というのも良く聞く話だ。
ところで GridASP の研究も相当進んでいる。いずれ専用のクラスタを用意して運用をと考えている。しかし日本のOR系、経営工学系の研究室でもビジネスグリッドにたいする取り組みがもっとあっても良いと思う(自分がやればいいが)。それでもやはり箱ではなく、中身のアプリケーション重視である必要がある。
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会議の多さ

2006年01月25日 22時33分56秒 | Weblog
他の大学のことはあまり知らないが会議が多すぎると思う。今日も報告事項しかないのに関係者全員を集めて会議を行った。直接議論する必要がある議題も確かにあるので多少の会議は仕方がないが、それでも少しは会議を減らそうとする努力が必要だ。会議での質問も無理にしているとは言わないが、直接事務局に問い合わせたら良いものばかりである。事前に資料を配って、どうしても集まる必要のあるときだけ会議を行うので良いと思う。
ところが会議の好きな人、会議が無いと困る人もいるので大変だ。研究を行っておらず、業績がほとんどあるいは全く無い人も多いので、そういう人にとっては会議が多い、雑用が多いというのは絶好の言い訳になっている。こちらの大学は居心地が良いと言われるが、それは何も研究しなくても批難されない、雑用の多さで言い訳できるといった特徴があるからで、普通の研究者には不快極まりない。若手教員(助教授、講師、助手)の多くがなるべく早く脱出したがっている現実をどう考えるのか。でも出たがっている理由は他にもあるが。
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竹橋から秋葉原

2006年01月24日 22時53分04秒 | Weblog
予定通りに竹橋の学術総合センター20階で平成17年度の科研報告会に参加。非常に多くの研究が行われており、個々のレベルも確かに高い。学位を取得した学生も多く輩出しているのだが、世界的に見てトップレベルの研究はどのくらいあるのだろうか?例えば我々は超大規模な SDP の計算や POP の SDP 緩和の理論などでは世界の最先端にいるのだが、そういった発表は聞かなかった。K先生に我々の研究を発表していただいたが、質問は SDPA Online Solver に関するもので、産総研で開発されているポータルサイト用のソフトを何故使わないというものだった。これはまだダウンロードして簡単に使えるような体制になっていない。
K先生と今後の研究について議論した後に、徒歩で秋葉原産総研へ。産総研での大規模実験にこちらのクラスタ計算機を貸し出すための打ち合わせを行った。いろいろあったが、結局9号館のクラスタのみを提供し、OSは最新の Fedora Core 4、クラスタの NFS&NIS サーバのノードに global IP アドレスを与えることでとりあえず決着した。その後で東大の M.N. さんと学生の TYPE-R さんと量子化学の SDP に関する打ち合わせ。定式化を追うのはそれほど困難ではないが、やはり背景を理解するのは専門家で無いと難しい。
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24日の予定

2006年01月23日 23時54分02秒 | Weblog
研究でいろいろと書きたいことがあるのだが、時間が無いのでまた後日ということで。今日は予定通り科研の報告会があるが、新型の東工大クラスタ上でのSDPARAの実行についても相談が出来るかもしれない。その後は秋葉原の産総研にて大規模グリッド実験用に関する SDPA クラスタの設定について議論の予定で、その後は量子化学のSDP計算の権威である M.N. 氏が来てくれるそうだ。
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科研情報学の報告会

2006年01月22日 22時13分32秒 | Weblog
平成13年度から行われてきた科研の特定領域研究「情報学」だが、今年度で終了であり、1月24日、25日に成果報告会が行われる。ただしこれは平成17年度の報告会なので、全体の終了報告会は公開講演会として3月10日に行われる予定だ。いつも思うのだが、実質的に事務局を運営している部署などは常に忙しくて研究している暇がないように思う。この科研情報学の評価については内部での評価もちらほら聞かれるが、すでにこの続編である情報学2(情報爆発)が開始されている。こちらは我々の分野にはあまり馴染みの無いものになっているが、何でも情報爆発に対処するために、新型の情報検索エンジンを作成することが大きな目玉の一つらしい。
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センター試験当日

2006年01月21日 23時40分29秒 | Weblog
今日は公民、地歴、国語、外国語(筆記)、英語(リスニング)の5回の試験があった。私が受けたときはまだ共通一次だったが、5教科で5回の試験だったので試験監督の人はわかりやすくで楽だったと思う。年々理科、社会、数学そして英語までが複数に分割されてきているので、どんどん試験監督の手間が増えてきている。
何しろ今年はリスニングがあるので、一気に大変になったような気がした。何しろ分厚いマニュアルがあってICプレーヤーの故障や予想外の騒音等があった場合にはかなり複雑な対応を迫られるからだ。そのため何がなんでも再テストなしで1回で試験を終えると試験監督の方達は大変気合いが入っていた。
ICプレーヤーの故障確率は低いと思うが、50万人が受験するのだから全国で一台も故障しないことは統計学的にもあり得ないことだ。また同時に自分の担当の部屋で1台以上の故障が出る確率も極めて小さいのも事実が。以下の記事等を見ると49万2596人が受験して、425台のトラブルなので 0.08 %ぐらいの確率である。ただしまだ全国の大学全てのデータが集約されているのではないかもしれないので、もう少し増えそうだ。しかし本当に申請があった全てが故障なのだろうか?現行の方法には問題が多い。

センター試験は21日、「公民」「地理歴史」「国語」「外国語」の試験が行われ、初日の日程を終了した。

 今年から新たに英語のリスニング(聞き取り)テストが導入されたが、ICプレーヤーの故障や操作ミスなどトラブルが相次ぎ、同センターの午後10時のまとめによると、全国で約425人が再テストを受けた。

 トラブルがあったのは、東京大や東北大、北海道大、京都大など。再テストの対象者は本試験の終了後に再テストを受け、音声が聞こえなくなったところから改めて解答する。
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センター試験監督

2006年01月20日 23時39分01秒 | Weblog
明日はセンター試験の監督の仕事がある。朝から夕方ぐらいまで仕事なのだが、リスニングの再試験があったりするとさらに遅くなりそうだ。天気予報では雪になっているので、それだけでも様々なトラブルが発生するだろう。ここは今年から行われるリスニング試験の説明だが、ICプレーヤーの使用方法なども書いてある。ただでさえ受験生は緊張するのに全員が正しく動作できるのかはかなり疑問ではある。初めてということもあり、全国各地で結構トラブルが発生するのではないか。またICプレーヤーは持って帰って良いそうだ。つまり使い回しをしないで毎年新規で作成するわけだ。
ちなみにヒアリングテストというと本来は耳が正しく聞こえているのか試すテストという意味になるので、この場合はリスニングテストというのが正しい。
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危ない大学 消える大学

2006年01月19日 22時52分21秒 | Weblog
大学に”危ない大学消える大学”の2002年度版があったので読んでみた。当時Fランクだった大学が現在ではGランクに落ちていたりする。国公立は大丈夫(つまり潰れないと)太鼓判を押しているのだが、法人化された後の国立大学はそんなに呑気なレベルではないようだ(京大、東工大などの話を聞くと)。一番の問題は雰囲気が殺伐として大学のカルチャーと言うか文化が変わりつつあるということである。国立大学も定年が延長されつつあり、私立大学でも国立から天下りを取る機会も減りつつある。国立などから有名(政治的に強い)先生を私大に連れてきてCOEなどを取るといった手法が使われているが、そういった先生はだいたい部下や学生に研究をやらせて自分は社交と作文に専念しているので、一人だけ私立に連れてきても研究的にはあまり貢献してもらえないという話も先日聞いた。時代は変わりつつあるということだ。
ちなみに2006年版も出ているが、この書評が面白いというか笑える。予備校などはある大学を受験&合格した受験生全てのデータを持っているわけではないので正確な偏差値など出せない。さらにマイナーな大学になってくると人数的にほとんどデータが無くなるが、例えば二人だけデータを持っていて、たまたま二人とも合格した場合にはとんでもない低い偏差値が出ることがある。統計学的に言っても明らかだが、サンプル数の少ない統計結果など全くあてにならないのだという。さらに最終的には人間が判断して付けることが多いので、±5ぐらいの誤差はあると見て良い。
現在では多くの大学で推薦合格者の人数を増やして見せかけの偏差値を上げるという行為を行っているので、実力以上に偏差値が高いという現象もよくある。また新学部や新学科設置時には偏差値を付けるのが難しいので、大学がお金を払って高めに偏差値を付けてもらうこともあるようだ。ちなみに当大学は予備校の最低合格ラインよりは実際に合格最低点の方が高いことが多いので、実際の偏差値はもっと高いと思われる。
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Ninf-G Workshop 2006 開催

2006年01月18日 22時49分47秒 | Weblog
Ninf-G Workshop が開催されたが、他の用事とブッキングしたので、あまり多くの時間参加できなかった。その割には異様に目立って存在感があったと思うのだが、RealVideo で中継されていたので外部から見ていた人がいるかもしれない。ちなみに発表スライドは今日あたりに pdf ファイルとして公開されるそうなので興味のある方はどうぞ。
非常に中身の濃い内容だった思う(発表スライドを見ると)。外部Ninfユーザーのふりをしていたが、実は内部関係者だったことに気がついた(本当は質問する方ではなく、される方の立場であるが)。現役 Ninf ユーザーとしては最古参の一人である。随分ユーザーが増えてきて好ましい限りであるが、ライバルのソフトがあまり進展してないこともあって GridRPC のソフトとしては、Ninf-G が標準的な存在になってきている。Ninf も 1994 年から始まったそうなので、歴史的には SDPA と同じである(使った予算は比較にならないが)。
大規模なグリッドの使用には技術的、政治的、経済的、文化的にも様々な問題があり、初めて発表を見に来た人は様々な問題があって大変だと感じるかもしれないが、昔からやっている立場から見ると随分楽にいろいろなことが出来るようになったものだと思う。
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ITロードマップ

2006年01月17日 21時03分36秒 | Weblog
以前このブログで経済産業省の技術戦略マップを紹介したが、これよりは随分範囲が狭くなるが2010年のITロードマップという本が出ている。ITの世界では4年も先のことはわからないと思うかもしれないが、プロジェクトは5年ぐらいの期間で行う場合が多いので、現在推進中のプロジェクトの最終形といったような感じでもある。こういった内容の信頼性やレベルはわかりにくいものだが、自分の分野例えばグリッドコンピューティング(138ページから148ページ)の分野を見れば、そこから他の分野の記事のレベルも推定できるというものだ。やはり中身や目的あってのIT技術と思う。誰か応用分野を考えて下さいと言うのでは、ちょっと情けない。
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