最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

リニア新幹線

2007年12月31日 04時52分40秒 | Weblog
すでに東京ー名古屋間の建設を決めていた JR 東海だったが、リニア新幹線の建設費の自己負担を決定した。以前 JR 東海の元取締役の方にお聞きしたときに、すでにリニアの研究、開発に多大な資金を投入しているし、実際に建設しなければ特に現場の士気にかかわるということだった。反対に、今後もし建設を行う可能性がゼロであれば、今のような研究、開発体制は即時中止か大幅縮小ということになる。もちろん実際に建設、開業して失敗するようであれば、さらに傷を広げることになるので、JR 東海としては勝算あってのことだが、むしろ成功するように他にも様々な策を考えているといった方が正しい。今の日本には増税や構造改革が必要なのではなく、国内での需要や投資がかなり不足していることに問題がある(国内での需給ギャップを見れば明らか)。明らかに無駄のものは要らないが、基本的に国内のインフラ投資は完全に無駄になることはないので、金は国外で使うよりも国内で使う方が賢い。以前東北地方に行ったときに年配の方が戦前もあれだけの日本の金を使うならば台湾、朝鮮に投資するよりも東北、北海道地区に投資して欲しかったと言っていた。


JR東海、自己負担でリニア新幹線整備へ 東京ー名古屋

 JR東海は25日、東京圏と名古屋圏を現行新幹線の約半分の時間で結ぶ超伝導リニアによる新たな「中央新幹線」の建設費約5兆1000億円を全額自己負担することを決めたと発表した。これを受け、財源問題からめどが見えなかった「夢のリニア新幹線」の商用化が実現に向けて、大きく動き出す見込みとなった。全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づき、国の予算措置で推進している整備新幹線の事業費を民間が自己負担するのは初めて。JR東海は今後、平成37年の開業を目指し全幹法の適用や具体的な路線区間などに関し国土交通省と調整する。
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建築基準法改正

2007年12月30日 05時08分51秒 | Weblog
以前にこのブログでも取り上げた建築基準法改正に発した建設不況の件だが、ここにきて大手のマスコミでも報じられてきた。少し前までは6月以前の飛び込み需要があったので、改正の影響が目立たなかったが最近ではその大きな影響が隠しようもなくなっている。以下に”混乱を予想せずに、打つべき手を打たなかった”とあるが、それはその通りだと思うが、聞いた話では発端については報道されているのと異なるように思う。

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不動産経済研究所の福田秋生企画調査部長は「審査段階で滞ると、建築現場にしわ寄せがいくのは確実。違法建築を排除するための法律なのに、逆にそうした建物を呼び込むことになりかねない」と指摘し、「いまの様相はまさに“官製不況”だ。混乱を予想せず、打つべき手を打たなかった」と批判する。
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家が建たない 「国交省が引き起こした官製不況だ」

 耐震強度偽装事件を受けた6月の建築基準法改正により、全国の建築現場で大きな混乱が続いている。二重チェック制の導入など着工前の審査(建築確認)が厳格化され、手続きが著しく滞っているためだ。住宅着工数は落ち込み、国内総生産(GDP)を押し下げる要因にもなっている。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題の波及や原油価格の高騰などと並び、いまや国内景気を揺るがす懸念材料の一つに。「官製不況」の声を振り払うべく政府は対応に重い腰を上げたが、先行きはなお不透明だ。
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この1年

2007年12月29日 04時01分53秒 | Weblog
最適化の世界ではいろいろと進歩等があった1年だが、パソコン等の世界では、あまり目ぼしい進展のない一年だった。昨年は Core2 の登場や PS3(Cell) の発売などがあったが、今年は Windows Vista が不発(というか災難)で身の回りには1台だけ Vista Home Premium のマシンがあるが、ほとんど電源を入れる機会すらない。パソコンでいろいろな新製品が出てきても、Vista が入っていると思うだけで購買意欲がなくなる。次世代 DVD もほとんど普及しない一年だった。やはり需要もないのに企業の都合だけで無理やり普及させようと思ってもうまくいかない。
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イーモバイル

2007年12月28日 09時59分52秒 | Weblog
2002年の夏からずっと契約していたウィルコムの PHS を解約して、今度はイーモバイルの無線通信を使うことにした。ウィルコムのデータ通信は通信速度がかなり遅く、現在のインターネットの Web コンテンツではかなり辛いものがある。また電車などでの高速通信ではほとんど繋がらない。また PHS 同士の通話は定額だったものの、PHS では相手がいないので結局ほとんど使えなかった。ウィルコムは次世代サービスの認可も受けたことだし、次のサービスに期待したい。
イーモバイルの方は通信速度最大 3.6Mbps になっているが、室内でも下りは 1.5 から 1.6 Mbps は出ている(上りは 100 から 200kbps くらいか)。思ったよりも高速で普通にインターネットする分には十分であり、VMware を動作させて Linux から外部のマシンに ssh ログインして作業するのにも使える(多少もたつくが)。
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NetBurst & Core アーキテクチャ

2007年12月27日 00時31分08秒 | Weblog
以下のようなマシンがある(NetBurst & Core アーキテクチャ) 。

マシン1: (Netburst)
CPU: Pentium4 (3.9GHz)
メモリ: 2GB
OS: CentOS Ver 5 (64bit)

マシン2: (Core)
CPU: Core2 (2.4GHz)
メモリ: 2GB
OS: Fedora 8 (64bit)

両者を比較すると、これだけのクロック周波数の差があるのにマシン2 (Core) の方が優勢である。
Netburst が失敗だったのか、Core が成功だったのかはともかく、正直前者のマシン1 は
発熱量、消費電力が大きく、ファンの騒音もうるさいので買って損したという気分になる。

1: SDPA 7.0.5 + ATLAS 3.8.0
問題1: mcp500-1
マシン1 (8.30s)
マシン2 (7.53s)
問題2: mater-4
マシン1 (14.51s)
マシン2 (13.73s)

2: SDPA 7.0.5 + GotoBLAS 1.20
問題1: mcp500-1
マシン1 (7.47s)
マシン2 (5.99s)
問題2: mater-4
マシン1 (13.57s)
マシン2 (13.80s)
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Intel X5460

2007年12月26日 06時45分15秒 | Weblog
インテルの最新のクアッドコアの CPU X5460 (3.16GHz, FSB 1333MHz, 2 × 6MB L2 キャッシュ)が非常に高速という噂を聞くが、実際には見たことがない。デモ機を貸してもらえるかもしれないが、4-Way 用の X7350 (2.93GHz, FSB 1066MHz, 8MB L2 キャッシュ) もいいですよと薦められている。でも 4-Way クアッドコアだと1台で 16 コアになるので、さすがに一つのソフトから 16 個のコアを使いこなすのは今のメモリでは難しいのではないかと思う。これもデモ機で試してみるのが良さそうだ。
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停電とサービス停止

2007年12月25日 06時50分24秒 | Weblog
停電とそれに伴うネットワーク停止によって、以下の期間はメイルサーバ、Web サーバ、SDPA Online Solver が全て停止します。

2007年12月25日(火) 15:00 ~ 12月27日(木) 15:00 (予定)

この期間の連絡は gmail の方に下さい。
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GNSS(Global Navigation Satellite System)

2007年12月24日 06時19分56秒 | Weblog
GNSS というと、アメリカの GPS が現在では一番有名で広く使われているが、現在ではロシアの GLONASS も稼働しているのでアメリカ独占ではなくなってきている(ただし GLONASS は信号方式が FDMA)。また資金調達の問題があるが、EU が Galileo、中国が Compass などの稼働を目指して準備を進めている。インドも計画があるが、こういった衛星を用いた測位は仰角の問題から低緯度の地域が有利で、反対に高緯度の地域の方が不利になる。だから低緯度の地域でだけ使用するならば、それほど多くの衛星は必要ない。
日本はいろいろとお誘いもあったようだが、いつものように共同開発も自主運用も出来ない状況になっている。ただし GPS などを補完するという名目で準天頂衛星(QZSS)の打ち上げと運用が予定されている。
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パーソナルナビゲーションシステム

2007年12月23日 06時02分15秒 | Weblog
パーソナルナビゲーションシステム(PND)は、簡易ナビとして車載したり、持ち運んだりもできるようになっている。実際に持ち運びながら使うことはあまりないと思われるので(最近の携帯にはワンセグやGPS機能が搭載されているので)、多くの場合は車載用として使用されるためワンセグ機能搭載が強く望まれている。現在の日本ではレンタカーのカーナビ搭載率は非常に上がっているが、操作に慣れるのに時間がかかったり、いつも登録している情報が使えなかったりしていると不便なので、PND を持って行ってレンタカーに付けるという方法もあるだろう。
以前に業者の方にサーバの5インチベイに搭載可能な GPS 受信装置がありますと言われたが、用途が思いつかなかった。そもそも常時受信可能な衛星の数が多くないと測位精度が大幅に落ちるので、室内での精度はかなり落ちる(数十メートル以上)。だからカーナビもビルなどの陰に入ると測位精度が落ちてしまうので、通常は FM 波や慣性航法などで補正をかけている。現時点での測位精度ではソニーの nav-u の評判が良いようだ。
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ホモトピー法と内点法の関係

2007年12月22日 23時32分49秒 | Weblog
ホモトピー法と内点法の関係については、例えば以下などの文献に書かれている。

水野眞治, "ホモトピー法と内点法", 統計数理, 第46巻, 第2号, 335-343, 1998.

かなり前に半正定値計画問題(SDP)に対する内点法(実際には半正定値線形相補性問題(SDLCP) に対する内点法)の実装方法をあれこれ考えているときに、内点法も一種のホモトピー法ではないかと思っていたが、上記の文献によるとホモトピー法とは独自に内点法が生まれて発展してきたからこそ、現在のような単体法と同等以上のアルゴリズムになったという見方が紹介されている。多項式方程式系に対するホモトピー法の実装にも関わったことがあるので、ホモトピー法の感触もわかるのだが、確かにホモトピー法から内点法が生まれてきていれば、現在のアルゴリズムよりも高速性、収束性、安定性などで劣っていたような気もする。


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Computer Architecture

2007年12月21日 00時16分38秒 | Weblog
Computer Architecture (Forth edtion) を購入して読んでみた。MIPS の命令を使って説明しているのが気になるが、昔の版を知らないのでもともと RISC 関係の本だったような気もする。MIPS も慣れれば IA32 よりも読みやすいかもしれない。中身は平易で大変読みやすいが一般論が基本なので、実装についてはインテルの IA-32 インテルアーキテクチャー最適化のリファレンス・マニュアルの方が参考になる。ここで使われている最適化と我々の分野で普段使っている最適化とは少し意味が違う。

P.S. 後藤さんの紹介ですが、 AMD の最適化マニュアルも以下にあります。

http://www.amd.com/us-en/assets/content_type/white_papers_and_tech_docs/40546.pdf
http://www.amd.com/us-en/assets/content_type/white_papers_and_tech_docs/25112.PDF
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SDPA-GMP 7.0.5 の configure & make

2007年12月20日 23時58分27秒 | Weblog
SDPA-GMP 7.0.5 の configure & make についても極めて簡単で以下の通り。ただし、予め gmp や gmp-devel がインストールされていることが必要。

●CPU : Intel Xeon 2.8GHz(nocona) ; OS Fedora 8 64bit

1: gcc-4.2.2

./configure
make clean
make

SDPA-GMP については、様々な理由で当分公開できない。どうしても欲しい人には個人的に配ることはあります。
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SDPA 7.0.5 と configure & make 確認

2007年12月19日 15時26分33秒 | Weblog
SDPA 7.0.5 の configure & make の確認済環境は以下の通り。


1: Intel Xeon 5160(Core2) + Fedora Core 6 64bit
2: AMD Opteron + CentOS 5 64bit

SDPA 7.0.5 + LAPACK(BLAS) 3.1.1 or GotoBLAS 1.20 or ATLAS 3.8.0 or Intel MKL 9.1.023


3: Intel Xeon (nocona) + Fedora 8 64bit
4: Intel Pentium D + RHEL4 32bit
5: Intel Core2 (E6600) + Vine 4.1 32bit

SDPA 7.0.5 + LAPACK(BLAS) 3.1.1 or GotoBLAS 1.20 or ATLAS 3.8.0


6: IBM Cell (PS3) + Fedora 7 64bit

SDPA 7.0.5 + LAPACK(BLAS) 3.1.1 or ATLAS 3.8.0
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AMD クアッドコア

2007年12月18日 14時57分44秒 | Weblog
以前、パソコン大手の D 社の方に AMD クアッドコア(通称 Barcelona) 搭載のサーバマシンはいつ発売されますかと聞いたところ、様々な理由で安定していないので、来年の前半ぐらいになりますという話だった。実機は社内にはあるのだが(現行のサーバの CPU を差し替えるだけなので)、発売はできないようだった。Core2 系の発表と発売以来 AMD の CPU を購入する人は相当減ってしまったと思われる。事実こちらのクラスタ計算機でも以前は Athlon や Opteron が圧倒的多かったが、今は Core2 系の Xeon に切り替えている。ただ、1台ぐらいお試しで Barcelona を購入しようと考えていただけに少し残念である。


AMD、クアッドコアプロセッサの失敗認める


 米AMDは12月13日、ニューヨークで開かれたウォール街のアナリスト向け説明会で、年内にクアッドコアプロセッサを市場に出すのが困難な状況であることを明らかにした。しかしヘクター・ルイズCEOや同社関係者は、来年は製品ポートフォリオを刷新し、黒字転換を果たすと言明した。
 年次アナリスト説明会でルイスCEO以下経営陣は、サーバとデスクトップPC向けクアッドコアプロセッサの2007年内投入には問題があることを繰り返し認めた。しかし2008年第1四半期以降はこれら問題を解決すると約束している。「失敗したことは非常に屈辱的だ」とルイズCEOは言い、クアッドコアのOpteronとデスクトップ向けPhenomの同時発売には予期せぬ問題があり、準備が整っていなかったと説明した。AMDは先週、同プロセッサに関する技術的問題、具体的には変換索引バッファの問題が見つかり、現在対応中であることを認めている。
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PS3 と SDPA 7.0.5

2007年12月17日 14時44分36秒 | Weblog
以前のブログに書いたように、PS3 では IBM SDK 3.0 に所属の BLAS を諦めて、素直に Fedora 7 の LAPACK (lapack-devel-3.1.1-1.fc7) と BLAS (blas-3.1.1-1.fc7)とリンクさせるようにした。結局 PS3 上で 以下の二つの SDPA 7.0.5 の make に成功した。

1: SDPA 7.0.5 + LAPACK(BLAS) 3.1.1
2: SDPA 7.0.5 + ATLAS 3.8.0

1 ならば yum install lapack lapack-devel blas blas-devel の後で
configure
make clean
make

でおしまい。

もちろん 2 の方が 1 よりも速いが、Intel Xeon 5160 (3.0GHz) 上での SDPA 7.0.5 + ATLAS 3.8.0 と比較すると 3, 4 倍遅くなっている。
部屋が寒いので、さすがの発熱マシン PS3 でもあまり熱くならない。
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