最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

作業内容

2005年11月30日 04時55分12秒 | Weblog
相変わらず新学部新学科の名称で学内での足の引っ張り合い。別に呆れるということも無いのだが、予想の範囲内。他の大学でもっと高度で悪質な闘争を見ているので、偏差値の低い大学は足の引っ張り方もやはりレベルが低いと感じる。
それとは別に新学科での科目や担当などもほぼ固まってきた。やはり各科目も他と連動させるべきで、特に大学院の何とか特論とかいうのは、各先生の自己満足でほとんど意味の無い科目である。実際には六年一貫コースに近いので、4年次と5年次(修士1年)の科目の間には壁を設けないことにする。
昨日の続きだが、Fedora Core 4 (Opteron 270)上で、Globus Toolkit 4.0.1 のビルドを行うが、恐るべきソースファイルの数であり、make が数時間ぐらいかかっている。幸い何もトラブル無くビルドの作業が完了。
現在 AIST Super Cluster での実験準備を行っている量子化学の SDP 緩和問題だが、これも今までに例を見ないほどの大きな規模である。これは現時点で解ける可能性があるのは SDPARA だけだろう。
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Ninf & Globus

2005年11月29日 05時03分25秒 | Weblog
x86_64 系の CPU(Opteron や Xeon)で Globus 2.4 を make しようとしたが 64bit であることが影響してエラーが発生してしまう。OS は Fedore Core 3 & 4 であり、別に 64bit OS でも 32bit で make したら問題ないと思うのだが、これ以上調べるのも面倒なので、Globus 4.0.1 に以降しようと考えた。
いろいろと問い合わせてみたが、現在では
Ninf-G 2.4 & Globus 4.0.1
の組合せが最適ではないかということである。確かに Globus 4.0.1 は最初から 64bit 対応なので、make も普通に進んでいる(ただし時間がかかるのでまだ終わっていないが)。とりあえず background に作業を移行してしばらく放っておこう。
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Itanium

2005年11月28日 03時06分42秒 | Weblog
量子化学分野のエネルギー関数を計算する問題で SDP を用いることが出来る。今度のこの種の問題で非常に大規模な問題を解くことになった。普通の計算機では到底無理なので、産総研の AIST Super Cluster の M-64 を使用することになっている。M-64 の CPU は Itanium 2 の 1.3 GHz であり、同じ 64bit でも Opteron などとはバイナリの互換性は無い。実際に SDPARA と SDPARA-C を実行するわけであるが、ATLAS, LAPACK, BLACS, SCALAPACK などを make するのに大変苦労した。Opteron 270(2GHz)と速度を比較すると問題によって勝ったり負けたりする。
Opteron や Xeon などの 64bit CPU が普及してきて、Itanium も存在価値が薄くなってきたと思っていたが、日経コンピュータ 2005/10/31 号の 137 ぺージを見ると、アイテニアム・ソリューション・アライアンスというサーバー・ベンダー8社によるアイテニアム連合が出来て、インテルが Itanium の開発、生産をギブアップしないように頑張っているらしい。理由はいろいろあるが、Itanium ではインテルがプロセッサを提供するだけなので、チップセットや RAS の仕掛けなどで大きな利益が得られる可能性があるからだという。確かに x86 系はライバルも多いので利益を上げるのは大変だ。
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あの事件のその後

2005年11月27日 22時38分11秒 | Weblog
話題の欠陥マンションについて調べていたら確かに柱の太さが相当細かった。また相当コンクリートのクラッキング(ひび割れ)も発生しているようで、地震で倒れるというよりも建物の自己破壊が進行中ということなのだろうか。慌てて自分のところのマンションを確認してみたら、柱や梁の太さも十分あるようだし、クラッキングも発生していなかった(当然だが)。以前内覧会の時に図面等で確認したが、杭の深さや太さ、コンクリートの強度や帯筋の巻き方も問題なさそうだった(作られてからでは確認のしようがないが、頻繁に役所の立ち入り検査もあったようだ)。
しかし、素人的にも柱の太さや鉄筋の数が少ないとわかるのに施工業者にわからなかったのかという疑問が残るが、図面通りに作成するのが業者の仕事なのだろうと思う。いろいろと言うと仕事をもらえなくなる可能性もあるので、わかっていても言いにくいのだろうと勝手に推測した。
探査機はやぶさに関しては、一応ニュースで扱ってはいるもののベタ記事扱い。ニュースを見ていたら日韓交流イベントと同じぐらいの扱いだったり、中国の有人宇宙飛行館れのニュースよりも短い時間だったりした。相変わらずのどこの国の放送局かわからない某テレビ局。月の石の怪しさを考えると、これが初めての地球外からの岩石採取になるのではないか。無事に帰ってくるのも大変だが、大変貴重な資料なので大気圏に突入したカプセルがどこか他の国に盗まれそうだ。それにしてもミサイルだかロケットだか何かを日本越しにたかだか数千キロ飛ばして楽しんでいる某国とは雲泥の技術力の差だ。

地震だけでなく相変わらず大変な状況になっている。

中国で河川汚染相次ぐ、湖南省や重慶でも

 【北京=竹腰雅彦】中国吉林省の石油化学工場の爆発事故で松花江汚染が国際問題化したばかりだが、国内ではほかにも事故に伴う河川汚染が相次いでいる。

 27日の華僑向け通信社「中国新聞」(電子版)によると、湖南省冷水江市(人口約35万人)では24日、化学工場の廃液貯水池が決壊し、大量の窒素化合物が河川に流入。25日正午までの12時間、全域で給水を停止した。
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PCサーバの仮想化

2005年11月26日 22時02分16秒 | Weblog
SC05 で入手した Windows Compute Cluster Server 2003 のベータ版をとりあえずインストールしてみようと思ったが、x86_64 限定なので Dual Core の Dual Opteron マシンに入れてみた。結局インストールには成功したものの、ネットワークカードが認識されなかった。ドライバを入手してインストールするといった様々な方法が考えられたが、そこまで頑張るほど気合いと魅力が無かったので、インストールはこれでおしまいにした。最近では VMWare GSX Server 3.1 や Virtual Server 2005 などを用いて、PC サーバの仮想化を行っている事例が増えてきた。Linux クラスタで各ノードに VMWare 等をインストールして Windows Compute Cluster Server をその仮想マシン上で動作させるぐらいならやっても良いと思った。クラスタ計算機を Windows Compute Cluster Server だけで使用するのは明らかにもったいない。
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SDPA Online Solver 増強

2005年11月25日 02時08分06秒 | Weblog
少しずつユーザーが増えている SDPA Online Solver だが、やはり課金されるかどうかを気にしているユーザーも多いようだ。もちろん課金はされないが、もう少し明確に記述した方が良さそうだ。またシステム的な問い合わせもあるので、システムの概要やジョブマネージャーなどの動作も書いた方が良いだろう。
以前注文した Dual Core の Dual Opteron マシンがやってきたので、SDPA Online Solver を強化することにした。近々(おそらく今年中)には、現在の OPT クラスタに加えて、Xeon や Dual Core の Opteron クラスタなども SDPA 実行用の計算機として稼働することになるだろう。
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あまり報道されない大事件

2005年11月24日 21時45分52秒 | Weblog
マンションの耐震偽装問題などは大ニュースなので大きく報道されるのは当然だが(どう考えてもマンションより一戸建ての方が欠陥が多そうだが)、あまり報道されない大事件というのがある。一つ目は探査機はやぶさがイトカワに着陸成功していたというものである。ミッション達成度によると、すでに200点に達している。全部成功しないと失敗と言われそうだが、すでに十分目的を果たしているわけである。電気推進エンジンやそれによるスイングバイ、また自立航法によるハヤブサへの接近と着陸である。普通ならば一面トップの記事であり、海外のメディアの方が注目していたりする。
二つ目はハルピンでの化学工場爆破事故である。単なる爆破事故ではなく、これは水源確保の問題である。公害大国日本と言われた日本の60年代でもここまでひどくは無かった。これも大きく報道してもらいたい。

はやぶさ:20日イトカワに着陸 岩石採取はできず

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、人類初の小惑星への着陸、岩石採取を目指していた探査機はやぶさが20日午前6時10分ごろ、地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワへ着陸していた、と発表した。小惑星に探査機を着陸させ、離陸させたのは世界初の快挙。しかし、着陸直前にはやぶさが障害物を検知して姿勢が乱れたため、最大の目的だった岩石を採取するための装置は動かなかった。

 JAXAは、当初、「高度約10メートルまで降下したが、着陸には至らなかった」と発表していた。しかし、22~23日にはやぶさが記録したデータが地球へ届き、解析した結果、着陸が確認された。

 また、秒速約10センチという速度で着陸した衝撃によって、イトカワ表面の砂が舞い上がり、機体内のカプセルに取り込まれた可能性もあるという。

 プロジェクトを率いる川口淳一郎・JAXA宇宙科学研究本部教授は「着陸が分かった瞬間、プロジェクトチームは大喜びだった。今後の惑星探査の手本になってくれると思う」と話した。

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)11月25日(金)
     通巻第1312号   
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中国吉林省の猛毒ベンゼン、松花江へ流れだしハルピンを恐怖のどん底へ
 流れはアムール川からハバロフスクへ注ぎ込み、ロシアも警戒にはいった
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 日本の一部の新聞でもハルピンの市民400万人が恐怖に顔を引きつらせてミネラルウォーターの買い出しに走っている風景を伝えた。市民の一部はすぐさま列車、長距離バス、飛行機を利用して上流地域の安全地帯へ逃げた。

 化学工場の爆破事故は11月13日に起きたのだが、北京政府がこれを認めたのは十日後の22日になってからだ。しかも事故の詳しい説明をせず、軍を投入していた。じつは事故直後から汚染を確認していたのだ。松花江の水が悪影響を受ける可能性が高いとして、11月22日から4日間、ハルピン市は水道供給を停止した。
 
事故直後、現場に近い吉林市の松花江から基準の100倍もあるベンゼンなどを検出ており、この汚染がハルビン市に到達するのは23日、汚染水がなくなるのは25日午後になる見通しだと政府が事後に発表したのだった。

 ともかく吉林省の化学工場の爆発は猛毒ベンゼンを松花江へと注ぎ込み、汚染水は川の流れにのって380キロも下流域の大都市・ハルピンへ達した。
 おりから札幌の雪祭りとならぶほど有名なハルピンの氷祭りは、中国から数百万の観光客を呼び寄せるシーズンでもある。これでは観光業は壊滅の恐れさえある。

 ハルピンでは小学校が11月30日までの閉鎖が決まり、15ある総合病院は緊急体制にはいる。中央政府は水供給の臨時部隊を派遣した。

 もとより中国の水不足は深刻なうえ、主要な44の河川は汚染されており、多くの都市では水道水として使えない。急ぎすぎた工業化が公害対策をおざなりにしてきたからで、この被災は人災でもある。
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SDP の他のソフト情報

2005年11月23日 11時50分39秒 | Weblog
サンフランシスコでの INFORMS に参加した同じ SDPA グループの方から SDP の他のソフトの情報を頂いた。

1. CSDP
主双対内点法で HKM 方向を採用していて、OpenMP を用いた並列版も作っているため、全体の方向性は SDPA と SDPARA に似ているようだ。ただし OpenMP なので SDPARA や SDPARA-C のように 256 や 512 CPU での実行は出来ない。C 言語で開発されたソフトウェア。

2. SeDuMi
開発者が病気で亡くなるという事情でしばらく開発が行われていなかったが、評価の高いソフトウェアで新しいグループが引き継いだ。新バージョンになったことのアナウンス。数値的安定性を高めることを重視していて、そのために前処理を重点的に行っている。MATLAB 上で動作する。

3. SDPT3
SDPT3そのものではなく、目的関数に半正定値行列の2次関数を取り入れている。これも MATLAB 上で動作。

発表資料も頂いているので、もう少し詳細に検討したい。ちなみに SDPA では、500 以上の CPU で動作する SDPARA, SDPARA-C と SDPA Online Solver が注目を集めたようである。
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キャンパス移転と再開発

2005年11月22日 20時31分15秒 | Weblog
SC05 で九大の方と話をしたときに九大も現在の箱崎地区からかなり西の郊外に移転するという話を聞いた。広島大学などもそうだが医学部だけが現在の都心地区(馬出)に残ることになる。東大の柏キャンパスにしろ、京大の桂キャンパスにしろ郊外に移転して成功したという話をあまり聞かない。現在では例えば東洋大学のように都心にキャンパスを戻す動きが加速している。バブルの時代には狭い都心のキャンパスを売却するなどして郊外の広いキャンパスを入手する大学が多かったが、ここに来て受験生の減少から各大学とも方針転換を迫られている。受験生の立地をかなり重視しており、大学の中身だけでは学生を集められない傾向が顕著になっている。
現在では都内でも都心でなければそれなりの立地の空き地を見つけることは困難ではないので、都心と下町あるいは山手の2キャンパス制も候補に挙がるだろう。

以下は都心の芝浦工業大学の例である。2006年4月に豊洲キャンパスを開校した後で現在の芝浦地区を再開発することになっている。

芝浦工業大学・芝浦校地の再開発に向けて芝浦工業大学、新日鉄都市開発、日本土地建物、戸田建設により「芝浦キャンパスまちづくり協議会」が発足
(2005年11月15日)
 
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耐震偽装問題

2005年11月21日 23時02分48秒 | Weblog
耐震強度の偽装問題はさらに大きくなって、建設中のマンション解体や営業中のホテル営業停止の事態まで発生している。建物の強度も少し足りないのではなく、最悪の建物の場合では基準値の三分の一ぐらいしかないと言われている。強度が足りなければ当然必要な資材も少なくで済み、また安く速く完成することが出来る。そのためこの建築事務所に発注した場合が多かったようだ。しかし専門家の先生に聞いてみたところ、いくら図面に書いてあるとは言っても、強度が通常の三分の一しか無ければ施工時に気がつくのではないかと言っていた。施工者にしてみればまさか耐震強度が偽装されているとは思わないので、盲点を付かれた感じだ。

<耐震偽造>建設中のマンションを解体へ 千葉・白井

 耐震構造計算書の偽造問題で、千葉県は21日、同県白井市に建設中の分譲マンション「ラ・ベルドゥーレ白井駅前」について、12月3日から解体が始まる予定と発表した。設計・施工者の建設会社「木村建設」(熊本県八代市)が千葉県に報告した。姉歯秀次・1級建築士(48)による計算書偽造が発覚した21棟で、具体的な解体計画が明らかになったのは初めて。

五反田のホテルも営業中止=姉歯事務所が担当-京王プレッソイン

 マンションなどの耐震強度が偽造された問題で、「京王プレッソイン」は21日、東京都品川区にあるホテル「京王プレッソイン五反田」も姉歯建築設計事務所が担当し、建築基準法に違反する疑いがあるため、営業を中止したと発表した。

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欠陥マンション

2005年11月20日 22時38分32秒 | Weblog
シアトルにいる時からインターネットで見ていて日本で欠陥マンションが大問題になっているのは知っていたが、まさか震度5強程度で崩壊するほど脆弱とは思わなかった。それどころか、自壊する恐れのあるマンションもあるという(10年ほど前の韓国でのデパート自壊事件を思い出した)。巨大地震でもすぐに来てもおかしくない状況だが、震度5強ぐらいの地震の危険性はさらに高いので住民は即時退去しなくてはならない。姉歯建築設計事務所が構造計算書を偽造していたのも信じがたいが(いずればれてしまうので)、それに気付くことなく実際に建ててしまった建設業者の行動も大いに疑問である。仕事が速いとか、ここに頼むと安くあがるといった理由でこの建築事務所に発注していたようなのだが、自己チェック機能が働かないと大変なことになる。詳細は続報待ちである。

耐震性偽装、倒壊の恐れ新たに5棟…全棟の強度公表へ

 首都圏のマンションなど計21棟の耐震性が偽装されていた問題で、新たに東京都港区や新宿区などのマンション5棟の強度が不足し、震度5強の地震で倒壊する恐れがあることが20日、国土交通省などの調査でわかった。

 強度不足と判明したマンションは、すでに発表されている千葉県船橋市と川崎市の2棟と合わせ、計7棟となった。同省は21日にも、全棟に関する強度の再計算結果を公表する方針で、強度不足の建物はさらに増える可能性が高い。

 国交省の調べで強度不足が新たに判明したのは、いずれも船橋市内にある建設中のマンション3棟。このうち、「グランドステージ船橋海神(かいじん)」は、建物自体と家具や住民などの重量にも耐えられない構造。地震などで外部の力が加わらなくても倒壊する恐れがあり、「基礎的な計算をしただけで、強度不足が分かった」(国交省関係者)という。
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SC|05 帰国

2005年11月19日 22時37分22秒 | Weblog
シアトルは寒かったが、湿気があるので日本の冬よりは過ごしやすかった。メジャーリーグが開催中のシアトルは日本人が多いそうだが、シーズンオフなので SC|05 に参加以外の日本人はほとんど見なかった。治安が良い街だと聞いていたが、実際に今まで行った中ではハワイのホノルルに次いで良かったと思う。
SC|05 の展示では、良く言えば成熟したというか、反対に悪く言えばみんな同じように見える印象を持った。どこも高性能計算やグリッド、それにCG技術を駆使した可視化などを行っているが、全体的に目玉となる新技術が少なかったように思う。前のブログにも書いたように 10Gb Ethernet などが普及価格帯まで下がってきたことは非常に良いニュースなのだが、TOP500 で上位を独占した IBM Blue Gene/L にしても既存技術のスケールアップであり(それ自体は大変なことだが)、画期的な新技術が投入された訳ではない。TOP500 が LINPACK を採用していることから LINPACK 専用計算機を作ったらと言ったような皮肉も聞かれた。その点でも汎用+専用チップ搭載の京速計算機システムというのは今後の方向性としては面白い所だ。
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鳥インフルエンザに関する関心

2005年11月18日 17時17分15秒 | Weblog

CNN を見ていると中国での鳥インフルエンザの話題や日本で発生した治療薬タミフルの副作用についてはこちらでも関心が高いようだ。

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)11月18日(金曜日)貳
     通巻第1303号
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 これは本当か、いや真実に近い情報だ
 中国国内では既に鳥インフルエンザによる死亡者、300人を突破している?
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中国の公式発表は出鱈目であることは世界周知の事実だが、どうやら鳥インフルエンザの犠牲者も三百人をかるく越えており、隔離された者は五千人以上に達したという内部情報がある。

これは「博訊ネット」(11月14日)に「投書」のかたちでリークされたもので、
05年11月12日までに鳥インフルエンザの犠牲者は中国全土、十三省にまたがって310人、何らかの理由で隔離された患者が5554人。

いや、これさえも当局の命令で低めに抑えられた数字ではないか、と投書者は告発している。博訊ネットは、一覧表を掲げたが、たとえば青海省で死亡143,感染131,隔離961,失踪13となる。 遼寧省では死亡69,感染237,隔離2076,失踪2。 新彊ウィグル自治区で死亡18,感染35,隔離340,失踪6。 内蒙古自治区では死亡28,感染9,隔離149,失踪2。 湖北省で死亡25,感染297,隔離1524,失踪4(公式発表では中国の死者わずか二名)。

二年前、世界を恐怖のどん底に叩き込んだSARSさえ、その情報隠匿が勇気ある医師によって告発され世界に伝播されるまで、中国はひたすら情報を隠した。それほどひどい経済成長のひずみ、その中国の不衛生の実態も世界に暴露されたが、ともかく情報隠匿は独裁政権にとって体質的悪政のキーなのだ。

 今回の鳥インフルエンザ伝染情報も、この隠匿体質が、危機をさらに危険にしている。とくに感染地域には軍が投入されて戒厳令同然の情報封鎖、病院および医師の管理主導権を握り、情報管制が強化された。また中国衛生部の情報処理ならびに発生状況の公表さえ、軍の顔色をうかがって綺麗事しか並んでいない。

 内部指令書によれば当局が「鳥インフルエンザの疑似感染者および感染者を直ちに指定医療機構に収容し、上級政府に報告せよ。国務院の許可なく感染情報を公開してはならず、違反責任者は懲戒免職などの罰則を適用する。感染者が死亡した場合、死亡原因に「鳥インフルエンザ」やH5N1などと記述をしてはならない」という滅茶苦茶な指示をしているという。
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SC05 11月17日

2005年11月17日 22時40分51秒 | Weblog
昨日は京速計算機に触れた MD(専用計算機)の部分だが、MDGRAPE よりも汎用的な演算が出来るように変更され、LINPACK などは動作させる予定だそうだ。やはり将来的には LINPACK で 10 Peta Flops 以上を狙い 1 位を目指すことになる(そうでないと予算が取れない)。汎用計算機の部分は昨日触れたように 1 Peta Flops が目標である。
Windows Compute Cluster Server 2003 のジョブ起動や遠隔操作のツールなどを見学、ベータ版をもらったので試しにインストールしてみようと思うが、現在の Linux ベースのクラスタ計算機よりも良いと思えないので、乗り換えることはないだろう。
他に見学した感じでは Apple もグリッドやクラスタ計算を力を入れているようだ。高速ネットワークデバイスでは、Myrinet よりも InfiniBand のほうが評価が高くなっている。個人的には 10 Gb Ethernet の普及待ちである。
夕方からのパーティはボーイングの航空博物館で行われた。例年よりも(競馬場、水族館、牧場など)面白い場所だった。
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SC05 11月16日

2005年11月16日 23時57分12秒 | Weblog
今日は展示(Exhibition)をじっくりと見た。今年は目玉が少ない(はっきりしない)ような気がする。はじめに理研で FPGA の研究を見る。昨日 Technical Paper のセッションで見た研究と比較すると理研の方が問題選択、性能、インテグレーションの度合いでは明らかに上回っている。やはり行列の積を現時点で FPGA を利用して解くのは少し無理があるのではと感じる。
FUJITSU のブースでは、10Gb Ethernet のスイッチ、ケーブル、NIC などを見る。現在ではスイッチの価格も1ポートあたりで10万円程度になってきている。NIC も1枚10万円ぐらいには下がるそうだ。ただし日本でこの値段で買えるようになるのはまだ先とのこと。実機のデモでは 5Gbps ぐらいの速度が出ていた。これは PCI-X の限界に依るので PCI-Ex. の対応になれば 8Gbps ぐらいまで行くとのこと。Myrinet の Myricom 社にも聞きにいったが結局はイーサネットカードが別に必要になるのだから 10Gb Ethernet だけで十分である。
また SCore も 5.8.3 にバージョンアップして Kernel 2.6.11 対応になっている。具体的には Fedora Core 3 がバイナリインストールの対象になっているが、ソースからコンパイルすれば、Fedora Core 4 でも動く可能性があるとのことである。
理研には京速計算機の情報が掲示されていた。かねてからの報道の通り、Vector と Scalar と MD(専用計算機)の混合計算機になる(一部には FPGA ノードも搭載)。性能は Vector + Scalar で 1 Peta Flops で、MD 部分で 10+ Peta Flops である。Vector と Scalar の比率は 2:1。使用電力は 25MW in peak で、エアコンを含むと 50MW である。ただし現時点での仕様と予定なので今後どうなるかはわからない。
マイクロソフトが Windows Compute Cluster Server 2003 のリリースに向けて積極的に宣伝を行っている。この Windows は普段開発&研究でクラスタを使用しているプロ向けではなく、アプリケーションで並列計算の恩恵を受けたいユーザーが対象になる。ライセンスは1CPU で 1万円以下になる予定である。あまり自分で開発などを行うことがなく、市販の並列化対応のアプリケーションを使ってみたいユーザーには良い選択かもしれない。MATLAB の並列対応版も発表されていた。
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