最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

演習

2007年11月30日 05時16分09秒 | Weblog
数学系の演習でいろいろな式を変形や計算をさせる。変数をまとめてΣで書き直す、log を取る、微分(偏微分)するなど本当に基本的な作業になる。大学1年生で試験で入ってきた学生はまだ受験のときの記憶も残っているので結構できる。と言うよりも、忘れてしまわないように1年生から反復して学習させる必要がある。出来ない人は出来ないというよりも、今までやったことがない(やらなくても済んできたというべきか)。というわけで出来ても出来なくても多くの課題を与えて反復的に解かせることが重要で、能力差とかゆとり教育の弊害と言うよりも、続けていれば多くがある程度のレベルに達する。問題は難し過ぎても駄目だが、絶対これよりも下げてはいけないというレベルもある。
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CPU のラインナップ

2007年11月29日 00時06分45秒 | Weblog
業者の方から Intel と AMD の今年から来年にかけての CPU のラインナップや具体的な商品等について説明を受けた。現在の予定では、来年の第二四半期ぐらいまでは画期的な新製品が出そうもなく、FSB や CPU クロックが少しずつ上がっていく感じだろう。AMD のクアットコアの Opteron にしても、当分 3GHz 台の製品は出てきそうもない。Intel も本物のクアッドコア?は来年の 5,6 月までには出てきそうもない。
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センサーネットワーク

2007年11月28日 04時44分54秒 | Weblog
センサーネットワーク系の最適化問題はたくさんあるが、センサーなどは物によっては安く、簡単にシステムが作れるので実際に作ってモデルを検証したら良いと常に思っている。個人的にセンサー系のメーカ等から多くの情報をもらっているということもあるので、現在のモデルと計算機上でのシミュレーションによる検証のみだと実用とのギャップを感じることが多いが、他の研究者にも聞いたら概ね同じ意見だった。
今月のトランジスタ技術(2007年12月号)は加速度センサに関する特集で、特に 147 から 151 ページは要点が巧みにまとめられている。センサは個人的には加速度、温度、圧力(フォース)が主流だと思っていたが、以下も全部主流のようだ。
1:圧力(フォース)センサ
2:光センサ
3:加速度(速度)センサ
4:温度センサ
5:化学物質センサ
6:バイオセンサ
7:匂いセンサ
8:味覚センサ
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HPCS 2008 と SACSIS 2008

2007年11月27日 04時51分06秒 | Weblog
一応関係者なので紹介を。でも両者とも論文やグリッドチャレンジ等の仕事をしてきただけなので、実際に参加したことがない。

HPCS2008
2008年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム
東京工業大学 大岡山キャンパス 西9号館 ディジタル多目的ホール

SACSIS 2008 - 先進的計算基盤システムシンポジウム
日時:2008年6月11日(水) - 6月13日(金)
会場:つくば国際会議場

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905iシリーズ

2007年11月26日 00時29分36秒 | Weblog
パソコンは最新物が気になるが、携帯電話についてはそこそこ使えれば良いと思っているので、いつも2、3世代ぐらい前の古い機種を使っている。それでも今度の DoCoMo 905i シリーズは気になる点が幾つかあるので、8年ぶりに最新機種にしてしまうかもしれない。
1:国際ローミングサービス「WORLD WING(3G+GSM)」に対応
以前の904i シリーズも WORLD WING (3G)に対応していたが、北米、中国で使用できないという大きな欠点があった。そのため今までは海外出張のときはだいたいレンタルの海外携帯電話を借りて使っていた。今度は主力機種で 3G+GSM 対応なのでカバーする国に関してはほぼ問題が無くなった(でも滞在国から滞在国への発信等はかなり高め)。
2:緊急速報「エリアメール」の受信に対応
最近始まった緊急地震速報を受けることができる。でも地震に間に合うだろうか?
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有機 EL テレビ

2007年11月25日 00時12分10秒 | Weblog
液晶が嫌いではないが、自らが発行しないということで有機ELなどには画質で劣っていると思いこんでいる(液晶メーカーは否定しているが)。先日の CEATEC Japan 2007 で試作品を見てからは、やはり有機ELの方が良いと感じるようになった。確かに大型化は難しいので、ノートパソコン用の有機ELからでも良いので見てみたい。

<ソニー>世界初の有機EL超薄型テレビ発売 厚さ3ミリ

ソニーは22日、最も薄い部分の厚さが3ミリの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビを世界で初めて発売した。「超薄型時代」の幕開けと言え、先行予約は品切れとなった。ただ、現時点で大型化は難しく、主流になるかは未知数だ。一方、他社は有機ELに対抗する形で、超薄型の液晶テレビを12月から相次いで投入し、競争は激しさを増しそうだ。ソニーの有機ELテレビは、電圧をかけると自ら光る発光体を採用した。液晶テレビにあるバックライトが不要で、超薄型を実現した。高精度の映像も売り物だ。価格は20万円だが、まだ月産2000台と生産台数が限られていることもあり、ソニーがインターネットで14日に受け付けた先行予約は1時間あまりで品切れになった。ソニーは発売日を12月1日としてきたが、商品を入荷した一部の家電量販店が22日、前倒しで販売を始めた。東京・秋葉原の量販店では大半が予約客向け。ただ、11インチと小型のため、展示品を見た近くの自営業の男性(69)は「映像が美しく、薄いのは魅力的だが、画面がもう少し大きくなってほしい」と話した。
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ボトルネック

2007年11月24日 14時43分41秒 | Weblog
前回の講演でも何故かなり疎な SDP を解いたときに DGEMM(行列積)の実行時間が多くなるのかと言った質問があったが、このような問題では Schur complement 行列の計算(表中の ELEMENTS) では行列積の計算は使用されない。よって Other O(n^3) parts と CHOLESKY において行列積が使用されて、特に前者がボトルネックとなる。この場合は全体の1反復における計算量も O(n^3) になるが、これ以上計算量が落ちることはない(一種の理想状態)。
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高速化その2

2007年11月23日 14時24分00秒 | Weblog
前回の続きで、今度は同じマシンで SDPA 2.01 と 7.0.4 を比較してみる。 マシンは CPU Intel Xeon E5345 2.33GHz, メモリ 16GB, OS CentOS Ver. 5 (64bit)。

1: 700.7 秒; SDPA 2.01 + Meschach 1.2b
2: 8.2秒; SDPA 7.0.4 + Lapack(BLAS) 3.1.1
3: 5.5秒; SDPA 7.0.4 + GotoBLAS 1.19(1スレッド)
4: 2.2秒; SDPA 7.0.4 + GotoBLAS 1.19(8スレッド)

というわけで計算機の高速化という要因を外しても、二桁ぐらいの高速化が達成されている。荒く見積もっても、計算機による高速化数百倍でそれ以外の要因による高速化も数百倍で両者併せて数万倍というところだろうか。
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高速化

2007年11月22日 02時11分07秒 | Weblog
先日のセミナーでの講演を聞いて知ったが、線形計画問題(LP)を解くための世界初のソフトウェアが出てきたのが 1951 年である。これはすごいと言うか、1951 年のコンピュータでは本当に小さい問題しか解けなさそうだ。1960年には石油産業などで LP が使われるようになり、1970年には混合整数計画問題(MIP)の商用ソルバー MPSX/370 や UMPIRE が登場している(ほとんど解けなかったと思うが)。
また CPLEX による求解の高速化について良く引き合いに出されるのが以下の例である。
1988年から2004年の間に
1: アルゴリズムは 3,300 倍高速になった。
2: 計算機は 1,600 倍高速になった。
よって 3,300 × 1,600 = 5,300,000 倍高速になった。つまり1988年には2か月かかった計算が 2004 年には 1 秒で終わるようになった。

個人的にはアルゴリズムと計算機の高速化比率を分けることには、それほど意味があるように思えないが、例としてはこれでもよい。
これに対抗して? SDP でも同じようなことを調べてみると、点数 500 の最大カット問題に対して以下のようになった。

1: 1996年; 133892.5 秒; SDPA 2.01 + Meschach 1.2b (マシンは SONY NEWS-5000WI, CPU MIPS R4400 133MHz, メモリ 128MB; 速度は 135MIPS, 71 SPECint92, 77 SPECfp92 感覚的には良く分からない指標)
2: 2007年; 2.2秒; SDPA 7.0.4 + GotoBLAS 1.19(8スレッド) (CPU Intel Xeon E5345 2.33GHz, メモリ 16GB)

というわけで、この11年間で 約 60,860 倍の高速化になっている。アルゴリズムはほとんど変更していないので、そちらの方の高速化はあまり無いと思われる(ただし精度面での向上は著しい)。それ以外の実装面での変更は結構効いていると思う。
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勾配

2007年11月21日 01時26分46秒 | Weblog
2次元的な平面地図を見ても日本のような土地だと特に山岳部分の道路や鉄道などの把握が難しい。碓氷峠は交通の難所として知られているが、普通に地図で見ていると国道18号線旧道を通るのが近くて有利に見えるが(カーブはかなり多い)、実際に走ってみるととんでもない勘違い。この本の 58 ページから 65 ページあたりに碓氷峠の過去の鉄道路線案が掲載されている。横川駅と軽井沢駅の間の直線距離は 9km で標高差は 550 m なので、単純に計算しても約 61.1 パーミルの勾配になる。すでに新幹線開通のため廃止になっているが、信越本線のこの区間は勾配が 66.7 パーミルもあった(国道18号線旧道は 80 パーミル)。いずれにしても3次元の模型等を見ればこの鉄道と国道の凄さが実感できる。
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木造住宅の修復

2007年11月20日 01時10分45秒 | Weblog
能登地震の被害によって常識的にはほぼ全壊と見られる木造住宅の修復に成功した資料を見せてもらった。先日の NHK の 9時のニュースでも取り上げられていたが、これには少しトラブルもあったようだ。木造住宅は修復する気になれば相当壊れてしまっても可能であり、全壊とは言っても部分部分が割れたり曲がったりしているだけで意外と屋根などは壊れずに残っている場合も多いので、あとは価格との相談で修復できるそうだ。マンションもピロティ部分がほぼ完全に破壊されて1階部分が無くなり、2階以上が大きく傾いたような場合でも、ジャッキアップしてピロティ部分を新しく作り直すこともできる。先日の名古屋で事故を起こした F-2 もあれだけ燃えて破壊されても直せないこともないようだ(これも価格の問題か)。
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Fedora 8

2007年11月19日 00時57分28秒 | Weblog
Feodra 8 の正式版がすでにリリースされている。昔と異なりサーバにも計算ノードにもほとんど Fedora を使わなくなったので、個人的にデスクトップ環境を試すだけになった。頻繁に update されるのは良いが、すぐに update サービスが止まってしまうのでサーバ用には敬遠されるところがある。OS の upgrade のインストールでもうまくいくことが多いのだが、サーバは中身を変えていることが多いので、やはり怖いことには変わりない。
Fedora も 8 になると中身も充実して安定してきているので、基本的に Linux マシンでデータ交換や互換性維持のために Windows マシン(それも XP)が 1台あれば十分。ただ日本語&TeX 関係はいまだに Vine Linux の方がはるかによい。
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クラスタとグリッド技術

2007年11月18日 10時07分07秒 | Weblog
PC 1台の性能も飛躍的に上がり CPU もマルチコア化していることもあるので、京都での講演のときに、クラスタやグリッドなどの並列計算技術ではなく、1台の PC の世界に戻り、まず1台で出来ることをやろうという趣旨の発言をしたところ、多くの賛同を得ることができた。クラスタやグリッド技術を一通り試した人の発言なので、それなりに説得力があったのではないか(お前が言うかという感じもするが)。
最近、GotoBLAS の話を聞いたり、論文を読んだり、ソースコードを見たりして、まだまだ 1CPU の世界でも出来ることがあるがたくさんあると言うか、複数台の並列計算に持っていく前にやらなければならないことが多いことを実感した。聴衆は数学、数値解析系の方なので並列計算に魅力は感じていても、力任せ、金任せで大規模並列計算に持ち込む情報系の文化的な違いには違和感を感じることが多いようだ。私も以前から本当に1台で限界を感じるまでは並列計算しない方が良いと言ってきたが、最適化を含む、アルゴリズム、数値解析系の世界ではスパコンでしか解けなかった問題を1台で解けるようにするのが本道であろう。そして本当に1台で解くことの限界に達したときにクラスタやグリッドなどの技術が生きてくることになる。
一方かなり努力しても限界に近づいているのが精度の問題。この辺にも議論が集中した。とにかく任意精度計算には興味を持っている人が多いが、これも導入には慎重になる必要がある。
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センサー

2007年11月17日 02時33分48秒 | Weblog
某大手の自動車部品メーカーの方に30チャンネルのセンサー接続装置と Windows 側での計測用のソフトウェア(当然 Vista では動作保証なし)などの試作品を見せていただいた。センサー自体は加速度や温度センサーなどで通常は自動車で用いられている本物である。30チャンネルあるので、予め複数のセンサーやケーブルを用意しておけばはんだ付けをして容易に増やすことができる。
これらのセンサーをクラスタ計算機のノードに付けてデータを取ることを考えている。データを取ってどう使うかについてはいろいろな案があるのだが、実際にうまくいくかは設置してデータを取って検証してみる必要がある。
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大学訪問

2007年11月16日 02時14分00秒 | Weblog
研究室訪問や情報交換のため吹田の関西大学を訪問した。Suica が使えると思っていたのだが、大阪市営地下鉄も阪急もまだ未対応だった。吹田キャンパスは立地もそこそこ良く、学生街付きの奇麗なキャンパスで文系理系学部が一緒になって学年割れもないので、多くの大学の中でも恵まれている方ではないかと思う。
ここも総合大学の中の理工系学部なので実験実習費などは潤沢にあり、科研費などは面倒なので応募しない先生が多いそうだ。文科省から強く保護されている一部の国立大学はともかく、地方の国立大学では上位の私立大学と比較して意思決定に関する時間も長く、自由に使える資金も少ないので、今後は差が開いていくのではないかと思う。もちろんその他多くの私立大学はさらに厳しい状況になっている。いろいろな情報を総合すると、上位の私立大学の動きは
1: 医学部や薬学部の新設は非常に難しいので、既存の医歯薬系大学との合併を目指す。慶大と共立薬科大が合併するように、いろいろな話が動いているようだ。特に生命科学系の学科の新設、強化のために薬学系に興味を持つところは多い。
2: 付属の中学校、小学校の新設。これは現在の公立校に対する不信感が続く限りは大きな需要が見込める。
3: 専門職大学院、社会人大学院の新設、強化。法学部の偏差値は直接関係なくてもロースクールの司法試験成績と連動するので。

肝心の情報交換については、ほとんどがブログに書けない内容。大学からの帰りに天六駅を通貨するが、さすがに学生さんは若いので、こんな事件については誰も知らない。阪大の医学部の先生の話ではインターン時に緊急出動で現場に行ったが、表現できないくらい壮絶だったそうだ。
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