名南将棋大会ブログ 名古屋

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20180402今日の一手(その671);路地裏の花

2018-04-02 | 今日の一手

20180402今日の一手

1月6日の名南将棋大会から、OさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
序盤からの乱戦です。

互いに端歩を突き合っていますが、相掛かりか横歩取りかという出だしで87歩を打ちました。84飛26飛23歩ならば相掛かりです。ならば87歩を打たずに26飛23歩87歩のほうが安全に進行したのだと思いますが、先に歩を打ったら横歩を取れるか?と挑発したのですね。(先手Nさんは横歩取りが好きなのです。)
後手Hくんは小学生、怖いものなどなく76飛と取りました。22角成同銀85角

(私は横歩取りをやらないので知識が少ないのですが)端歩を突き合っていなくても定跡本には出ていないと思います。
先後が逆で87歩を打つ横歩取らせに比べて、先手番ですから24歩同歩同飛が入っています。だから78飛成同銀72銀とか74飛同角同歩では後手がつまらないと思います。
横歩取らせというのは

後手が23歩を打って34飛と取らせる定跡です。34飛に88角成同銀25角

32飛成同銀38銀33銀

あるいは32飛成のところで36飛

で飛角交換する定跡です。これらは一応先手よしになっています。

さて戻って78飛成ではなく33角

としたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。でも持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとみます。(こういう戦型では持ち歩の数も大きいのですが、今は考えないでおきます。)
玉の堅さはほぼ同等です。左銀の位置が違うだけで、先手が堅いとも言えないです。
先手の攻め駒は24飛85角の2枚。
後手の攻め駒は33角76飛の2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

飛車取りに飛車取りで返された図で、取り合って良いかどうか。
それがまずければ飛車を逃げます。それ以外にも飛車を切ることができますね。これらの比較です。派手な展開で玉も薄いですから読んでみるしかありません。ちょっと悪いなあと思えば打ち切って、それ以外の手を読む方が良いでしょう。


× 実戦は76角24角の取り合いでした。

この図は後手だけ57角成があるので後手を引きます。だから先手が思わしくない感じがします。68銀26飛85角72金

29飛成と84歩が残っています。先手の角が追われるだけというのが痛いです。やむなく84飛83歩34飛で先手を取り返したのですが33角

23銀~99角成と29飛成が残っています。33同飛成同銀35角29飛成53角成62銀

ここで手がなくて駒損でははっきり悪いです。


△ 22飛成はどうか。

これは横歩取りの45角戦法

で出てくるような手順で、24飛23歩77角に88飛成

と切って88同角24歩11角成33桂36香

に似ています。これは先手よしとされる定跡ですが、問題図ではどうでしょうか。

もう一度22飛成の図から

22同角76角99角成33桂には74香

45角戦法では65角の位置(さらに82銀86歩でした)でしたが、角の位置が違うので74香がかなり厳しいです。先手は77桂と逃げるわけにはいかず


23銀と打つしかないです。23同金31飛なら勝負になります。33馬と引かれて32銀成(ここで82銀の形ではないので84飛~34銀成が利かない)同馬

という図は一応駒得です。それでも74香が残っていて76角が不安定なのでやや先手悪いのですが、選択肢に残しておきましょう。


△ 28飛と逃げると

飛車取りと63角成が残っています。だから78飛成同銀99角成63角成、というようなのは歓迎です。怖いのは飛車を取りなさいと88歩です。76角89歩成68銀99角成

飛と桂香の二枚換え、と金と馬を作られていて74香があるというのは忙しいです。77銀79と68金74香22飛成同金43角成

馬筋を止めて飛車を切り強襲するのが勝負手です。(43角成から22飛成もある。)後手は41飛と受けて手が続くかどうか(46飛42歩・・・)、という勝負です。

あるいは88歩の時に同銀と自重できるのですが27歩38飛を決めて88角成

と後手に強襲されます。88同金79飛成69角74銀

ここから78飛同竜同金85銀83飛82飛

というのが銀損なので

74同角同竜

は竜を作られて自陣角だから作戦負け。どちらも面白くないです。


△ 25飛と逃げると

今度は88歩を取ることができず、76角89歩成68銀99角成

この時に74香には75歩があるというわけです。77銀79と68金24歩85飛82香


飛車を追われてちょっと苦しいけれど先は長いという図です。


○ 34飛だと

33角の移動をけん制しています。88歩や99角成などとはできないので、26飛63角成29飛成81馬

桂馬を取り合います。63桂があるので後手は42玉(41玉は45桂、72銀には91馬)64飛62歩34桂41玉22桂成同角

というくらい。77桂55角34飛・・・などという展開で形勢互角です。


☆ まとめ

端歩の影響がないとして、

先手から87歩はちょっとした趣向です。相掛かりにならないで乱戦もあり得るから、定跡重視ならば(34飛が多いけれど)26飛のほうが無難だと思っておけばよいです。
でもこんな家の近くに路地裏があって小さな花が咲いていた、という感じです。残念ながら誘った先手がはっきり良くなることがなかったのですが、時には寄り道も面白いです。

結論では34飛が互角で26飛63角成29飛成81馬という図

が互角で最善ではないか。

28飛と引いて88歩を見つけられたら76角89歩成68銀99角成77銀79と68金74香22飛成同金43角成

という順を覚えておいて、ちょっと無理をしているけれど、後手が間違えたら優勢になるかもというのを楽しんでもよいでしょう。

実戦の飛車の取り合いは後手を引くのです。乱戦の序盤で妥協すると簡単に悪くなることがあります。


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