12月28日に、このブログに掲載の東塔(国宝)のスケッチはこの位置から描いた。
左側は金堂、右側に少し見えるのは西塔である。
各層に裳階(もこし)をつけた三重のこの塔(国宝)は、飛鳥の地に建てられていた
他の堂塔と共に平城遷都にともないこの地に移され、この塔のみが今に残ると、
寺で貰った案内書に書かれている。
各層の本体の幅は裳階の幅より狭いのに、軒の出は裳階のそれより大きくなって
いるために、いかにも深ぶかと覆いかぶさっているように見えている。
また、屋根の勾配が緩く、厚みが薄いので、建物全体が軽快に見えていて、
しかも、その出入りに変化があるから、ある種の響きとリズムを感じる。
スケッチをしていても、紙面から目を塔に戻した時、どの部分を描いていたのか
ふっと分からなくなるくらいである。
いろんな言葉でこの塔は称えられているが、“凍れる音楽”は広く知られている。
右側の西塔は昭和56年に再建されている。
左側の東塔の伝える白鳳様式に則っているが、色彩については創建時のものに
復元しているので、ぐっと華麗な姿となっている。
西塔の各層には連子窓がついていて、その色がこの塔を一層華やかにしているが、
東塔はいつの頃からか、塗りつぶされている。
軒組みである。
飛鳥時代のものから進展して、天平時代の三手先組み物の様式にほとんど到達
している。
天井も着いて、2種の垂木(角、丸)も見えている。
東塔の上に立つ相輪の頂上に取り付けられている水煙である。
自分が所持するカメラで、三脚を使いもせず写したものだから、この程度にしか
写し撮れなかった。
まるで魚の骨かとしか思えないような水煙の多い中で、地上の人からは見えないような
水煙のなかに、楽器を演奏する飛天を透かし彫りされているのである。
華麗な塔にふさわしいロマンである。4枚の水煙の中に、24体が舞っているそうである。
金堂の前に立つ燈籠の浮き彫り。
穏やかな姿である。
金堂薬師三尊像(国宝)の本尊、薬師如来の台座模型。青龍である。
本当に見どころの多いお寺である。
それだけでなく、このお寺で特筆したいことは、参拝者に対する心遣いのすばらしさである。
目を通して頂きありがとうございました。