淡彩スケッチ ひとりあそび

  へたはへたなりに 楽しんでいます    ( by satoyama )
  

薬師寺の 東塔   [249]

2010-12-30 16:17:22 | 淡彩スケッチ

 

                  1228日に、このブログに掲載の東塔(国宝)のスケッチはこの位置から描いた。 

                  左側は金堂、右側に少し見えるのは西塔である。 

                  

                  各層に裳階(もこし)をつけた三重のこの塔(国宝)は、飛鳥の地に建てられていた

                 他の堂塔と共に平城遷都にともないこの地に移され、この塔のみが今に残ると、

                 寺で貰った案内書に書かれている。 

 

                  各層の本体の幅は裳階の幅より狭いのに、軒の出は裳階のそれより大きくなって

                 いるために、いかにも深ぶかと覆いかぶさっているように見えている。

                  また、屋根の勾配が緩く、厚みが薄いので、建物全体が軽快に見えていて、

                 しかも、その出入りに変化があるから、ある種の響きとリズムを感じる。 

                  スケッチをしていても、紙面から目を塔に戻した時、どの部分を描いていたのか

                 ふっと分からなくなるくらいである。 

 

                  いろんな言葉でこの塔は称えられているが、“凍れる音楽”は広く知られている。

 

        

 

                 右側の西塔は昭和56年に再建されている。

                 左側の東塔の伝える白鳳様式に則っているが、色彩については創建時のものに

                 復元しているので、ぐっと華麗な姿となっている。 

              

                 西塔の各層には連子窓がついていて、その色がこの塔を一層華やかにしているが、

                 東塔はいつの頃からか、塗りつぶされている。

 

 

    

            

                 軒組みである。

                 飛鳥時代のものから進展して、天平時代の三手先組み物の様式にほとんど到達

                 している。

                 天井も着いて、2種の垂木(角、丸)も見えている。

 

 

            

 

                 東塔の上に立つ相輪の頂上に取り付けられている水煙である。

                 自分が所持するカメラで、三脚を使いもせず写したものだから、この程度にしか

                 写し撮れなかった。

                 まるで魚の骨かとしか思えないような水煙の多い中で、地上の人からは見えないような

                 水煙のなかに、楽器を演奏する飛天を透かし彫りされているのである。

                 華麗な塔にふさわしいロマンである。4枚の水煙の中に、24体が舞っているそうである。

 

 

    

       

                 金堂の前に立つ燈籠の浮き彫り。

                 穏やかな姿である。

 

 

     

 

                 金堂薬師三尊像(国宝)の本尊、薬師如来の台座模型。青龍である。

                 

                 本当に見どころの多いお寺である。

                 それだけでなく、このお寺で特筆したいことは、参拝者に対する心遣いのすばらしさである。

 

         

 

                 目を通して頂きありがとうございました。

                

<colgroup span="1"><col style="width: 91pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 3872;" span="1" width="121"></col><col style="width: 28pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 1184;" span="2" width="37"></col><col style="width: 57pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 2432;" span="1" width="76"></col></colgroup>
                                                                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 


薬師寺 東塔     [ 248]

2010-12-28 18:20:54 | 淡彩スケッチ
                       サイズ F4

                  薬師寺を訪れたのは、暮れも押し詰まった、風に風鐸の鳴る寒い日だった。
                  ニュースや天気予報が、第一級の寒波襲来を告げていた。
 
                  前回来た時は、創建時の西塔は消滅したまま、その場には古い心礎が半分土に
                 埋もれて残されていた。
                  この石の中ほどにあるかっては塔の心柱を受けていた窪みに雨水が溜まっていて、
                 東塔を眺め見るときに、水面に映る東塔の影も合わせ見ることができて、絶好の
                 撮影ポイントとして好かれていた。

                  薬師寺で、創建時の遺構を残しているのは東塔だけで、1300年を経ているこの
                 塔の保存、修理の為に、年明けから解体修理が行われ、10年程はお目にかかれない
                 そうである。
                  回廊で囲われた広いスペースの内に建つ、金堂、大講堂、西三重塔をはじめ
                 中門まで、既に改築されていて、それらは東塔の伝える白鳳時代の細部デイテール
                 に則っとっているものの、連子窓の青(あお)色、扉、柱の丹(に)色そして飾り
                 金物の金ピカと、華やいでいる。
                  その中で当の東塔だけが連子窓まで白壁に塗りつぶされたりしながらも懸命に
                 白鳳の姿を今に伝えてくれている。
                  今回の修理が、創建当初への復元改修になるのなら、10年後に逢う東塔は、
                 別人の顔をしていることだろう。

                  裳階(もこし)をつけ、緩やかな勾配の大きな屋根を持つ東塔のスケッチを
                 ほぼ終えて気がついたら、体を痛めるほどに冷え切っていて、吐き気までしていた。
                  やっと落ち着いたのは、西大寺駅まで戻って、熱い立ち食いそばにありついて
                 からであった。



                     目を通してくださりありがとうございました

                     日記@BlogRanking




尾道水道    [247]

2010-12-26 17:15:16 | 淡彩スケッチ
                                   油絵  P10 

                 今年の9月、熱中症騒ぎの時期に尾道へスケッチに行き、その時に描いたものを3枚、
                このブログに掲載したことがある。
                 この度、そのうち9月18日付け [196] のものから改めて油絵に描き起こした。
                 何が主題なのかよく分からない絵になってしまったが、描きながら、あの時の気分に
                もう一度浸ることが出来た。



                     目を通してくださりありがとうございました

                     日記@BlogRanking

山頭火  [246]

2010-12-24 18:22:06 | 淡彩スケッチ

                       最近のデッサン講座で (タオルとグラス) サイズ F6

          「放浪の俳人 山頭火」 村上護 著 (講談社刊)を読んでいる。

           この人の句の内
            けふもいちにち風をあるいてきた
            塔をめあてにまっすぐまゐる
          が前から好きだったけれど、この度読んでいるこの本の中に出てきた
            焼き捨てヽ日記の灰のこれだけか
            何を求める風の中ゆく
          に強く引かれた。

           前句には、2年前に、その前15年ほどの日記をばっさと焼却した時の感慨が
          蘇ったのだ。
           自分の人生の軽さを思っている時期だった。
           その頃は、燃え尽きて、自信のかけらも残っていなかった。
           後句があてはまる。


               目を通してくださりありがとうございました

                     日記@BlogRanking

きんかん    [245]

2010-12-22 20:07:04 | 淡彩スケッチ

                   納屋  サイズ F4

                田舎道を走行していて、ちょっと気になる集落が見えて、中に入って行ったら
               格好の納屋に出くわした。
                周辺の畑には、猪が出没するのか、その対策らしき電線が張りめぐらされていた。

                今夜はひとりなので、晩飯の惣菜でも買おうとスーパへ行ったら、「名前の中に
              “ん”の字が二つ入っているものを、冬至の日に食べると、病気にならないという言い
               伝えがあります」との張り紙の下に、20個ほどのきんかんが袋に入れられて並べられていた。
                何の変哲もない暮しの中の、これも自分に似合いの遊びかと、買って帰った。



                   目を通してくださりありがとうございました

                   日記@BlogRanking

ミカン  [244]

2010-12-20 20:22:46 | 淡彩スケッチ

                
                 知合いがミカンをくれた。
                 まるで絵に描けと云わんばかりに、葉のいっぱい付いているものを。

                 新聞に安野光雅さんが、各地の素敵な風景画とエッセーを載せているシリーズがある。
                 先日の由布院についての時、東勝吉さんの名前をあげておられたので、どんな人かと
                検索してみて驚いた。
                 この人のことを知らなかったのは私だけだったのかもしれない。
                 若い頃から林業にたずさわり、この人は自分のことをきこりと言っていたそうだが、
                特別養護老人ホームへ入所してから、83歳で初めて絵を描きだし、99歳で亡くなるまで、
                素晴らしい絵を描き続けておられたという。

                 このような、生きた絵を目指さねばと思う。

                                     東勝吉さん の こと
                 



                    目を通してくださりありがとうございました

                    日記@BlogRanking



ゆめ     [243]

2010-12-18 20:41:45 | 想い
                   デッサン講座で    ラジオ F6

                今朝、起床直前に、ゴルフをしている夢を見た。
                コンペに参加していて、汚いどぶのような溝に打ち込み、そこからの脱出に難渋
               している場面をである。

                少なくとも月に3度はプレイしていたけれど、10数年前の或ることをきっかけに、
               それ以来きっぱりとやめている。
                目覚めて、不思議なことと考えていたら思い当たることがあった。

                昨日、長い間、使わずのままになっていたゴルフのバッグやクラブの2セット分を、
               他の不要家具類と一緒に粗大ゴミとして処分したのである。

                その時点では、自分には未練はもう何もなかったけれど、嬉しかったことも悔しかった
               ことも、共に過ごしたクラブには、心の底のどこかに思いが残っていたのかも知れない。  



                   目を通してくださりありがとうございました

                          日記@BlogRanking

ゆず  [242]

2010-12-16 18:32:39 | 淡彩スケッチ
                                ゆず サイズ F3

                 12月度の、絵仲間の集まりに参加した。
                 いろんな花や野菜、果物が持ち込まれていたが、この度は来年のお世話係を決めたり、
                予定の相談もしようということになった。
                 描く時間は2時間しかとれないので、それなら年賀状の挿絵にでもと、自分は沢山
                広げられていたゆずを描くことにした。
                 夜、早速賀状に加工してみたが、あまりいいものにはならなかった。
                 残念だが、何か他のものを探さねば。

                    


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                    日記@BlogRanking

淡路岩屋の漁港   [241]

2010-12-14 19:02:14 | 水彩画
                 漁船の停泊している所はあちこちに有ったが、車の留めやすそうなところを見つけて
                入って行った。
                 日曜だからであろうか、働いている人はほとんど見受けなかった。
                 防潮堤の上で釣りをする人が時々通り過ぎるだけであった。
                 呼びかけたら猫が近づいて来てくれたが、残念ながら餌になりそうなものの
                持ち合わせは無かった。 
                                  サイズ F6

                       

                       


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淡路 岩屋   [240]

2010-12-12 18:38:32 | 淡彩スケッチ
                  神戸淡路鳴門自動車道 淡路インターを出て、海岸への道   F3

                この前の日曜は、たった1週間前のことだけれど、本当に暖かかった。
                昼食の後、あまりの好天に釣られて、思いつきで淡路島の岩屋へ行って来た。

                海の碧さは、12月とは思えなかった。
                道の駅には人出があったが、たこフエリー休航で、乗り場への侵入路にはバリケードが
               張られていて、一帯は寂しくなっていた。
                日曜の漁港も静かで、猫があちこちで昼寝していた。


                      目を通してくださりありがとうございました

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明石の弥生人    [239]

2010-12-11 17:32:52 | 想い
                    ご近所の方のお勧めで、その方の奥さんが加入されている絵画グループの合同展を観に、
                   明石市立文化博物館へ行って来た。
                    奥さんが絵を描いておられるとは知らなかったのだが、指導を受けている藤原向意さんの
                   影響か、拘りの無い、思いのままの発想が大きな画面に描き出されていて、あの奥さんが
                   この作品をと驚いたり、刺激を受けたりした。


                    その後、併設されていた「明石の弥生人」も見て帰って来た。
                    長らく調査されていた玉津田中遺跡のものが沢山出品されていて、興味を引かれたのだ。
                    弥生時代の始まりは、紀元前6世紀、約2500年前のことだそうである。
                      全身人骨と着けていた指輪
                      食品貯蔵用の壺、煮炊き用の鍋
                      タコツボ、飯蛸ツボ
                      石包丁、片刃石斧
                      磨製石斧、銅剣形石斧
                      銅鐸鋳型 
                    などなどが、整然と理解しやすいように展示されていた。

                    また、常設展示場には、地元で発見されていた明石原人化石やアカシゾウ化石のことに
                   ついての関係資料もあり、実に面白いひとときを持つことが出来た。

             

                      目を通してくださりありがとうございました

                           日記@BlogRanking

つわぶき   [238]

2010-12-09 19:22:31 | 淡彩スケッチ

                    今年一番の寒風が吹いた。
                    そのうちにと思っていたつわぶきが、いかにも寒そうにしていたので、帰宅するなり、
                   慌てて道具を持ち出して描いたが、やはり花弁は少々弱っていた。ちょっと遅かった。


                    商業ビルなどへの出入りの時に、後に続く人の為に、開き戸にちょっと手を添えていると、
                   感謝の気持ちをさりげなく態度に表す人と、大きなお世話と言わんばかりの人と。
                    どこで違ってくるのだろうかと思う。
                    自分は、果たして・・・。


                         目を通してくださりありがとうございました

                         日記@BlogRanking

法華寺   [237]

2010-12-07 18:33:55 | 淡彩スケッチ
                 所用が済んでの帰途、奈良駅へ戻るいつものバスをやめて、西大寺廻りで帰ることにして、
                反対方向へ行くバスに乗った。
                 このルートには、不退寺、法華寺そして平城宮跡等があるが、この日は法華寺前で途中下車した。
                 前に拝観したのは学生時代であったから記憶はもう何もない。
                 美貌の光明皇后の姿を写したという本尊十一面観音立像を拝し、懐かしい気持ちが湧いて
                きたけれど、写真集などで、何度も何度も観ていての知識としての記憶である。
                 この日、目にした像は分身造で、国宝の本尊は来春の特別公開の時まで厨子の中に祀られている。
                 どれほど克明に摸して造られたものであろうとも、脇に立つ他の像の方に気は執られた。
                 次の機会を待とう。

                 光明皇后ゆかりの「からふろ」も外観を見るだけであった。
                 境内庭園、茶室、移築された民家(光月亭)など興味をひくものが数多くあったけれど、
                立ち入り禁止とか、これ以上前へ進むとセンサーが働くとか、拒絶掲示があちこちに目立っていて、
                十分に見ることが出来ず残念な思いがしたが、しかたがない。

                 スケッチした門は赤門で、通用門である。
                 南面しているけれども、正規の南門はこの少し西にある。
                 後ろにみえるのは鐘楼である。
                                         サイズ F3


                      目を通してくださりありがとうございました

                      日記@BlogRanking

鉛筆デッサン 大根   [236]

2010-12-05 16:20:15 | デッサン
                 夜のデッサン講座で大根を描いてきた。
                 円筒形の物の陰、どこが一番暗いか、奥方向への回り込み、影のつけ方で、物体のテーブルからの
                浮き上がりの表現、これが今回のトレーニングのテーマーであった。
                 もう何度もやっているのだけれど・・・・・。

                 モチーフの大根は各自が持ち寄ることで、スーパーで手に入れたが、同じ大きさでも、
                生産者の顔写真が貼ってあって、ラップしてあるものが260円。
                 その他に180円のもの、泥の汚れのついているようなものが100円。
                 貧乏人の私は100円を選んだ。
                                      サイズ F8


                 つわぶきの花があちこちで賑やかである。
                 今年も描いてみようかと思う。

                    つわぶきや 故郷(ふるさと)の花 母の花 (坪内稔典)


                 目を通してくださりありがとうございました

                 日記@BlogRanking

里の家   [235]

2010-12-03 15:05:47 | 淡彩スケッチ
                もう馴染みになっている茅葺の住まいの前を素通りするのが惜しくて、車を留めて田圃の畦道から描いた。
                今までにも記したことがあるが、数年前まで、仕事場への道すがらいつものように眺めて通り、
               時には写真にも、絵にもさせてもらっていた。

                妻入り、曲がり屋のこの民家の姿はよく、周りには視線をさえぎる物も無い。
                庭先に置かれた農耕機に懸けられたシートの色も面白いアクセントになっていた。
                最近、屋根の傷みも激しく、ひょっとしたらという気がかりもある。

                このあと、天気の良い日に出直して110枚もの撮影をした。
                少しでも記録として、今の姿を残しておきたいと思ったのである。
                周囲の畑には何も植わっていないシーズンであるから、好みのアングルから写すことが出来たが、
               残念なことに、雨戸は締め切られ、声を掛けても住人の姿は見えなかった。
               ひとり暮らしらしいご主人は、元気にされているのだろうか。

                                      サイズ F3


               

               


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