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坂越湊(兵庫県相生) F6
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/7d/7a45cc1f49e1e07feb866fdf74da7577.jpg)
坂越の町並み F3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/6d/36aab0f84750e89766d52e97c578d9ed.jpg)
坂越の甍
スケッチをしたくて相生の坂越へ行って来た。
15年ぶりくらいだろうか。
坂越の港は、坂越湾の地の利を生かした潮待ち、風待ちの港として、また
相生の塩の出荷港として、あるいは背後を流れる千種川の高瀬舟を生かしての
陸奥地の佐用等との流通で、近世まで栄えていた所である。
この町には、今もその頃の面影を残すものが沢山残されていた。
土産物を売る店も、飲食店も目立たず、客寄せのための偽物のアンテイークを装う
いやらしさの無い町であった。
スケッチをしていて、町中で気になるのぼり旗を見かけた。
「いえでたら いつも心に いかのおすし」というもので、赤穂市生活安全推進
連絡協議会の手になるものであった。
なんのことかと観光案内施設の人に聞いても分からないというから、帰宅して
からNETで検索してみたら、防犯標語で、最優秀賞を受賞した市内小学校2年生の
ものであることが分かった。
もっとも「いかのおすし」というのは、既に防犯の約束として子供達に教え
込まれているものらしい。
らしいというのは自分だけのことで、広く他の地の大人にも知られていること
なのかも知れないのだが。
「いか」 知らない人にはついていかない
「の」 知らない人の車に乗らない
「お」 「たすけて」と大声で叫ぶか防犯ブザーをならす
「す」 大人のいる方へすぐ逃げる
「し」 どんな人が何をしたか、家のひとにしらせる
おおざっぱに言うと、こういうことらしい。
子供たちが、本来守ってくれる大人を、こういう目で用心しなければならなく
なっていることは、大人として情けないというか、恥ずかしいことである。
この日、道で出会った小学生の女の子が、「こんにちは」と挨拶をしてくれた
ことは、他の観光地ででもよく経験することだが、この日は、心なしか元気の無い
子供だなと思った。
しかし、標語の意味の分った時、あれは、見知らぬ大人を探る目だったのかと
思ったことであった。
思い過しであろうか。