ほおずき ［478］

　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　ほおずき　　水彩　　F３


　　　　　　　　　三宮駅の雑踏の中で、いかにも不慣れそうな人が、小さな紙切れや地図帳を
　　　　　　　　見ながら迷っておられるのを見かけたときに、声を掛けることがある。
　　　　　　　　　そんな時、どうにか役に立つことが出来て、お礼を云ってくれる相手に、
　　　　　　　　「お気をつけて」とか「さようなら」と云って別れることにしている。

　　　　　　　　　小学生の頃だったか、母親から「道を訊ねられて、別れる時に、さようなら
　　　　　　　　と言え」と言われたことを覚えているからである。

　　　　　　　　　数々の云いつけを守れなかった自分でも、一つ二つくらいなら、今も守れて
　　　　　　　　いることがある。
　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　目を通してくださりありがとうございました

　　　　　　　　　　　

大沢の棚田 ［477］

　　　　　
　　　　　　　　油絵　　　Ｆ１０　　　神戸市北区大沢町

　　　　　　毎日通る三宮駅のコンコースにそこそこの在庫をかかえる書店が有って
　　　　　重宝している。
　　　　　　まるで週刊誌でも買うかの気軽さで、車内で読める文庫本を手に入れている。
　　　　　　数日前には高峰秀子の「にんげんのおへそ」で楽しんだ。
　　　　　　楽しんだと云うより驚きの連続であった。
　　　　　　タレント本ぐらいにしか意識していなかったのは大きな誤りであった。
　　　　　　素晴らしい随筆の書き手であったのだ。

　　　　　　今は禅僧の書いているものに移ったが、その中で三つの大事なことを薦めて
　　　　　くれている。
　　　　　　むさぼるな、おこるな、モラルをまもれ・・・である。
　　　　　　最近、他人（ひと）を責めるのに、自分の怒りがどれだけ大きいかを知らせる
　　　　　ために、過激なことばを使ってしまって、しばらく気が重く、情けなかった。
　　　　　　書いてあることがよく分かる。

　　　　　　掲載の絵は、この春、水彩スケッチしたものを油にしたものである。
　　　　　　９月に開催の、仲間内の作品展に出展しようと思っている。

内村さん ありがとう ［476］

　　　　　
　　　　　　　（再掲）　　水彩　Ｆ４
　
　　　　　　　　８月２日の朝は、テレビ、ラジオが声高に内村航平の体操男子個人総合の金メダルを
　　　　　　　伝えていた。
　　　　　　　　この朝、自分は大きな黒いショルダーバックを両肩に掛けてコンコースを急いでいた。
　　　　　　　　一つはいつもの仕事に使う図面やノート類を詰め込んだもの、もうひとつには８号と
　　　　　　　６号の水彩画の入った額を入れていた。
　　　　　　　　そのバックは帰路、作品展の会場へ届けるべく、コンコースのコインロッカーに入れて、　
　　　　　　　改札口へと急いだ。
　　　　　　　　途中、配られていた優勝を伝える号外を貰い、車中でゆっくり読もうと、肩に残る
　　　　　　　仕事用のバックの外ポケットに入れようとしたが、（？）。ポケットが無い。
　　　　　　　　そこで気が付いた。
　　　　　　　　コインロッカーに入れたのは逆のものであったと。
　　　　　　　　まだらボケの失敗を内村さんが救ってくれた。
　　　　　　　　そうでなかったら・・・・・・。
　　　　　　　 1時間半も電車に乗っての先で気がついて・・・・・・。
　　　　　　　　内村さん　ありがとう。


　　　　　　　　　　　　　　　目を通してくださりありがとうございました