「フウセントウワタ と ゆり」 F6
中学時代の同窓会へ行って来た。
中学と云っても、小学校と同じ校区だったから9年間の同窓である。
3クラス、合わせて100名ほどで、少なくとも2度や3度は同クラス
だった仲間である。
急激な都市化に揉まれながらもその50%が同じ地区内に今も住んでいる。
住所の分らなくなっている人が9人、22人が既に死んでいた。
卒業以来初めて会う男も居た。
前々回の幹事役が、ガンで亡くなっていた。
昨年妻を亡くしたと云う男も居た。
小学2年の時にした喧嘩で、俺だけが先生に叱られたと、喧嘩相手だったという私に
その不満を云う男も居た。
こちらは喧嘩のことも覚えていないが、よほど悔しかったのかと問うと、そうだと
笑っていた。
学業的には落ちこぼれていて、影の薄かった男が、まるで先生に報告するかのように、
その後の人生をしみじみと、あるいは誇らしげに話しかけてもきた。
就職先の寮から、相談事を度々書き送ってきていた人も参加していた。
「幸せ」の意味を思う日であった。