鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

華のお江戸の道の奥、冬空仰ぎて過去から春へと想いは巡る…

2017-01-16 00:06:50 | 日記

前回1月8日のブログ冒頭にて、

お正月三が日のお雑煮をはじめ、この七草粥、そして立春や雛祭りをはじめ、季節折々の節目の行事をきっちりとさばいてくれる御年90歳近い母には、あらためて感謝するばかり…

と記して以来、多くの方々から「お母さんはお元気で、しっかりしていて…」と声をかけられます。そんなことは露知らずながら、この母は11日には「今日は鏡開きよ」と、またもしっかり教えてくれます。

北鎌倉の知り合い宅の田んぼで収穫された貴重なお米をついて作った鏡餅は、昨年末から年明け11日までずっと我が家を見守り続けてくれました。


母は「おめでたい鏡餅を開く時に、包丁を使ってはなりませんよ。木槌が良いのだけれど。木槌は無いわよねぇ…?」と、季節の節目の行事には、甚だ意気軒高です。

果たして、母が無いと思っていた木槌はあります…。作陶の際、結構多くの場面で、この木槌が活躍するのでした。そして「開いたお餅はお汁粉に。餡子はもう、作ってあるから」と、またも母の声。何はともあれ、元気が何よりです。

追って本日1月15日は小豆粥を食する習わしのある日。またも母が甘く煮た小豆を使って作った小豆粥をいただき、慌ただしく、華のお江戸に愛車メガーヌでタ~っと向かいます。首都高横浜湾岸線から都心へ入り、お昼前に向かった先は東京都の墨東地区・新小岩にほど近い日蓮宗秋田県妙倉寺東京布教所。

毎年1月初旬の日曜日の朝、東京都江戸川区松島にある日蓮宗の名刹・秋田県妙倉寺の東京布教所で行なわれる正月祭礼に出かけることを常としています。同布教所を守る山田恵大上人とわが家との繋がりの始まりは、今から約5年前のこちらのブログから。ワタシ自身、特に傾倒する宗教は無く、「信仰」ということへの意味すらも良く理解していませんが、この山田恵大上人‥というか、山田さんはまさに心から尊敬に値する人だと思っています。ちなみに山田さんは年齢的にはワタシよりたった1歳だけお兄さん。ふり返るに、我が歩んできた道と心のなんとも幼きことか…。

この日曜日、この新小岩のお寺にて山田さん門下の檀信徒さんやワタシのような迷い多き人々総勢100人ほどの正月祭礼の後、これも例年どおり山田さんの段取りに従って、各々 昼食をはさんで千葉県市川市にある日蓮宗中山法華経寺に向います。

この堂々たる山門のはるか向こうにあるお寺の大荒行堂にて修行中の数十人の若い僧侶さんたちが唱える轟轟たるお経を全身に浴びながらわが身を引き締めるとても貴重な機会を得ることが出来ます。

手元にある資料によれば日蓮宗の荒行とは、
◇11月1日から翌年2月10日までの100日間にわたりこの大本山中山法華経寺大荒行堂にて
◇全国から日蓮宗の僧侶が多数集まって修行
◇毎朝午前2時起床、寒水に身を清める水行を1日7回(3時、6時、9時、12時、15時、18時、23時)行う
◇他の時間は、お堂の中でひたすらお経を読み、写経を続ける
◇食事は修行の合間に朝夕2回、わずかな白粥と梅干し一個だけ
なのだとか。この100日間の修行を経て、「修法師」の辞令が与えられ、全行程が終了となるようです。こうして記述するだけでも、荒行の厳しさがヒシヒシと伝わって来るようでもあります。

この15日の日曜日・午後2時過ぎ。境内の鬼子母大尊神堂という非常に立派なお堂の中にわれわれ一行の控室が用意されています。

この古い一角は、かつては荒行堂で修行する若いお坊さんの食事の場だったそうです。

午後3時過ぎ、大荒行堂の前へ向かうと中からは若い修行僧が合唱するお経が響いてきます。


われわれ一行は指示に従い、大荒行堂でのお参りに向けて参集、ならびに入堂の準備を始めます。

奥の木戸の向こう側、歴史感漂う祭壇の前にしつらえられた畳敷きの薄暗い広間にて、大勢の修行僧が唱える日蓮宗のお経を全身で浴びます。その約10分間は、俗世間と隔絶された、まさに時空を超えたひと時でもあります。

秋田県妙倉寺東京布教所檀信徒の方々やワタシ達が大荒行堂から退室して三々五々家路に向かい始める頃、山田恵大上人が浮かべる笑顔が毎年とても素敵です。


メガーヌでの帰路、ウチの同居人さんとの会話は、妙倉寺東京布教所と中山法華経寺での礼拝で久しぶりに会った古くからの友人知人の方々の話題に終始します。そして、どちらともなく「あのお店に…」ということで、東京・港区三田の輸入雑貨店イル・ヴィアッジョさんに。

同店に関してはこれまでにも当ブログにて何回かご紹介していますが、ウチの二人と同世代の女性オーナー・上村さんがセレクトするアイテムは、ワタシの目から見ても「これは素敵だ…」とただただ感心するばかりです。


店内には上村さんが世界各地から買い付けてきた商品とともに拙作も並んでいます。

ふり返ればワタシが40歳にして陶芸を再開した時、はじめて作品を取り扱ってくれたのはこの イル・ヴィアッジョさんでした。

現在、同店においては、昨秋の個展にて好評だった小ぶりの八角皿2種や定番の豆皿、ぐい呑み等が展示販売されています。

三田界隈にお出かけの折には、ぜひ イル・ヴィアッジョさんにお立ち寄りください。きっと、日々の暮らしに彩りを添える素敵な逸品に出会うことが出来ると思います。

さらに…。同店、そして日蓮宗秋田県妙倉寺東京布教所ならびに山田恵大上人と出会ったのは今からちょうど20年ほど前のこと。ともにその橋渡しをしてくれたのは、少々悔しいことにウチの同居人さんでした…。

そのようなこともあって、この1月15日はさながら「巡礼の1日」のような感もそこここに…。

家に戻り、外気温-2℃にもかかわらず、ココロはすっかり、ほのぼのポカポカ。


おりしも、この冬一番の寒さも底を抜ける気配にて、扉の向こうに「春よ 来い!」
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