鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

さまざまな「夏色の思い出」を、甘くほろ苦いカクテルに託して…

2015-08-23 22:09:36 | 日記
チビッ子たちにとって一年のうちで最も楽しい時間ともいえる「夏休み」も最終盤。オトナの人たちにとっても、夏の終わりをそこはかとなく感じつつ、少々感傷的な気持ちに包まれゆく今日この頃。ふと作陶の手を休めた時、何処からともなく荒井由実さんの「14番目の月」というLPアルバムに収められている「晩夏(ひと夏の季節)」という曲の「♪ゆく夏の 名残る暑さは夕焼けを…」から始まる詞歌が耳の奥に響いてきます。今から約40年近く前に「14番目の月」というアルバムがリリースされて以来、毎年8月下旬ともなると、甲子園回顧とともに「♪ゆく夏の…」に包まれながら、去りゆく夏を惜しむ日々を過ごすこととなります。何歳になっても「上手な夏の仕舞い方」が見つけられません。

つたない記憶をたどれば、昨年のこの時期の当ブログでもやはり「♪ゆく夏の 名残る暑さは夕焼けを…」と記しながら過ぎ行く夏に「トホホ‥」とため息をついていたような気がします。ちっとも成長しない自分を見ているようで、なんとも恥ずかしい限りでもあります。

ふと気がつけば陶芸教室の時間が終わりを告げる夕刻の頃、カーテンに映る木々のシルエットにも心なしか秋の気配が…。

陶芸教室での会話も、9月中旬に巡ってくる「シルバーウイーク」と呼ばれているらしい5連休の話題が花盛り。気分はすっかり「秋モード」に包まれ始めています。

ことほど左様に、秋といえば「抒情」や「紅葉」といったしっとりとしたイメージが連想されます。されど視点を変えると、「ジューンブライド」という言葉に代表される6月と並ぶ「ブライダルシーズン」。名残る暑さの中、陶芸にやって来た若いカップルさんもこの秋に「ゴールイン!」の予定とか。ちょっぴり緊張しながら、結婚披露の際に交換する指輪を載せる「リングトレイ」の制作にいそしんでいました。

このお嬢さんは今から5年ほど前にお友達とともに体験陶芸に来てくれた経緯があります。今回、結婚するにあたり、式の準備を進めている折にウチの陶芸教室を思い出してくれて「リングトレイ」制作の運びとなった次第です。

この地で陶芸教室を主宰して以来6年余を経て、これまで訪れてくれたお嬢さん方が結婚の報告や披露宴の記念品作りでワタシと「再会」というシーンがつとに多くなってきました。このところ、秘かに「花嫁の父」に似た気分に浸ることしきり…。これもまた、陶芸教室を開講していればこその「感慨」でもあります。

陶芸教室の会員さんの中には「いつかはゴールイン」を夢見るお嬢さんが、あちらにも、こちらにも。会員さんから仕事やプライベートの話を聞きながら、最寄りの駅西口のお馴染み「六弥太」さんあたりで大将の笑顔を眺めつつ、ふと気がつくと、そこは小町界隈のほの暗いバーのカウンター。

日頃は吉田類さんの「酒場放浪記」よろしく庶民的な居酒屋さん巡りにいそしんでいますが、時には小粋な雰囲気のスペースに身をゆだねることもあるのです。ホントに稀れに、ですが…。ワタシは迷わず「ニッカの余市12年」をオーダーして、ひたすら酔っ払いの「迷宮の扉」を開けたり閉めたりすることになります。

ウチの同居人さんもこのバー・タイムにサクッと顔を出し、マスターから「何をお飲みになりますか?」と言問われて「この夏は大切なものを無くしたので、心が休まるグラスを…」と所望した末にカウンターにそっと置かれたこのショット。

ペティグラスに注がれた珈琲ベースのカクテルをそっとひと口飲ませてもらいましたが、その甘くほろ苦いテイストは、あらためて「この夏 無くした大切なもの」を思いおこしてくれたのでした…。

ややあって、ワタシとしては「余市」を心ゆくまで堪能した末に、ほろ酔い気分で小町から帰途へ。

夏の終わりの小町通りに吹く風には、すっかり秋の風情が漂っていました。

時あたかも本日、二十四節気の第14「夏の盛りを越えて、暑さが収まる侯」たる「処暑」を迎えました。当地も、華やぎに満ちた「海街」から「薄暮は紫に」彩りを変える秋の気配がついそこまで。

秋風に 揺れる紅は 葉鶏頭…
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