暖かな日差しに包まれて本日は春満開、まさに文字どおり「桃の節句」の良き一日でした。ここ佐助界隈も鎌倉散策に訪れる人の波が一日中、絶えることがありませんでした。
私の母とともに暮らすわが家には、約50年モノの雛飾りがあります。
この雛飾りは、今から約50年前に私の妹が生まれた際に、両親が東京・浅草橋の人形店「久月」さんにてまずはじめに雄雛様と雌雛様を買い求めたことからスタートしました。
店内にてこの二体とそのお隣に陳列してあった7段飾りのお値段はほぼ同じだったとか。両親はいっぺんに7段飾りを揃えてしまおうかと思ったのですが、この雄雛と雌雛にすっかり魅入ってしまい、「毎年、一段づつ揃えていこう」となり、以後、数年かけて揃えていったとの経緯があります。
後ろ姿も凛々しい・・?。
なんだか、舞台の袖から芝居を観てるような風情でもあります。こんな角度から撮った雛人形の写真はあまりないかも・・。
この雛飾りの最大の特徴は五人囃子ならぬ、七人楽。
笛、太鼓・・。総勢七名の奏者のお方がピーヒョロと奏でてくれるようです。私もこの段飾りとは約50年のつきあいとなりますが、この七人楽の響きを一度も聴いたことがありません。一度でいいから聴いてみたい、かも。
数年前に亡くなった父はこの雛飾りが大好きで、毎年2月半ばにリビングに飾りつけると「ボクのお雛さま・・」と楽しげにながめながら、ビールを美味しそうに飲んでいましたっけ。
昨夜までの予定稿ではこの後、お雛さまのお話は詩人・サトウハチローから始めて小説家・北杜夫さんや鉄道紀行文学の第一人者だった宮脇俊三さんあたりまでつながる青写真を描いていました。ちなみに、サトウハチローと雛人形にまつわる逸話が本日の朝日新聞に掲載されていました・・。
されど今朝、緊急事態発生。お話は、「お雛さま」から食」へとテーマを変えることにしてみました。
じつは今朝からウチの奥さんが重度の風邪で臥せってしまいました。ここ一か月来の公私にわたる無理が原因のようです。されど、いや、ごもっともというべきか、ひな祭りにダウンするなんて、ほとほと、女らしさとは縁がない人のようです。
かねてより今宵は近所に住む叔母一家とささやかに「ひな祭りの宴」をとの予定で、夕餉は市内・名越の登茂ゑ寿司さんのちらしずし!
されどウチの病人は朝目覚めるなり、風邪のうめき声とともに「ちらしずしは無理だ・・。アタシはのり巻きと鉄火巻きに変更・・」と。うーん、まだいちおう食欲はある・・。
午前、午後の陶芸教室ののち、叔母一家との「ひな祭り」。食卓のメインはもちろん
登茂ゑ寿司さんのちらしずし。きっちりと作ってくれるお寿司を食べる機会はめったにありません。一同、「美味しいね」の言葉から、食卓に笑顔が。叔母一家によると、ネタもご飯(シャリと言うのは、少々照れます)も「いいね」と高評価です。
重病人は「風邪をみんなにうつしてはいけないので」ということで、別室にて「巻もの」をゆっくりと噛みほどくように静かな夕餉。
重病人の様子を見にいった際に気がついたのですが、「巻もの」の中に注文したはずの鉄火巻きがありません。かわりにカッパ巻きとお新香巻きが入っています。「ンっ」と思っていたら・・。
重病人いわく、「たぶん、アタシの体調を察してくれて、生ものをはずしてくれたんだよ。すごい気配り・・」とか。なるほどっ。
自分勝手な思い込みかもしれませんが、「職人さんの神髄をみた」と、つとに感じ入った一コマでした。
そして今。まもなく3月4日を迎えます。
今、一階のリビングのソファの上には重病人が息絶え絶えの状態で横たわっています。この物体を、どのようにして寝室に運搬するか。それが目下の最大の課題です。
この物体は、脂たっぷりの「大トロ」・・。
登茂ゑ寿司さん、この「大トロ」をなんとか上手い具合にさばいてくれませんでしょうか・・。
私の母とともに暮らすわが家には、約50年モノの雛飾りがあります。
この雛飾りは、今から約50年前に私の妹が生まれた際に、両親が東京・浅草橋の人形店「久月」さんにてまずはじめに雄雛様と雌雛様を買い求めたことからスタートしました。
店内にてこの二体とそのお隣に陳列してあった7段飾りのお値段はほぼ同じだったとか。両親はいっぺんに7段飾りを揃えてしまおうかと思ったのですが、この雄雛と雌雛にすっかり魅入ってしまい、「毎年、一段づつ揃えていこう」となり、以後、数年かけて揃えていったとの経緯があります。
後ろ姿も凛々しい・・?。
なんだか、舞台の袖から芝居を観てるような風情でもあります。こんな角度から撮った雛人形の写真はあまりないかも・・。
この雛飾りの最大の特徴は五人囃子ならぬ、七人楽。
笛、太鼓・・。総勢七名の奏者のお方がピーヒョロと奏でてくれるようです。私もこの段飾りとは約50年のつきあいとなりますが、この七人楽の響きを一度も聴いたことがありません。一度でいいから聴いてみたい、かも。
数年前に亡くなった父はこの雛飾りが大好きで、毎年2月半ばにリビングに飾りつけると「ボクのお雛さま・・」と楽しげにながめながら、ビールを美味しそうに飲んでいましたっけ。
昨夜までの予定稿ではこの後、お雛さまのお話は詩人・サトウハチローから始めて小説家・北杜夫さんや鉄道紀行文学の第一人者だった宮脇俊三さんあたりまでつながる青写真を描いていました。ちなみに、サトウハチローと雛人形にまつわる逸話が本日の朝日新聞に掲載されていました・・。
されど今朝、緊急事態発生。お話は、「お雛さま」から食」へとテーマを変えることにしてみました。
じつは今朝からウチの奥さんが重度の風邪で臥せってしまいました。ここ一か月来の公私にわたる無理が原因のようです。されど、いや、ごもっともというべきか、ひな祭りにダウンするなんて、ほとほと、女らしさとは縁がない人のようです。
かねてより今宵は近所に住む叔母一家とささやかに「ひな祭りの宴」をとの予定で、夕餉は市内・名越の登茂ゑ寿司さんのちらしずし!
されどウチの病人は朝目覚めるなり、風邪のうめき声とともに「ちらしずしは無理だ・・。アタシはのり巻きと鉄火巻きに変更・・」と。うーん、まだいちおう食欲はある・・。
午前、午後の陶芸教室ののち、叔母一家との「ひな祭り」。食卓のメインはもちろん
登茂ゑ寿司さんのちらしずし。きっちりと作ってくれるお寿司を食べる機会はめったにありません。一同、「美味しいね」の言葉から、食卓に笑顔が。叔母一家によると、ネタもご飯(シャリと言うのは、少々照れます)も「いいね」と高評価です。
重病人は「風邪をみんなにうつしてはいけないので」ということで、別室にて「巻もの」をゆっくりと噛みほどくように静かな夕餉。
重病人の様子を見にいった際に気がついたのですが、「巻もの」の中に注文したはずの鉄火巻きがありません。かわりにカッパ巻きとお新香巻きが入っています。「ンっ」と思っていたら・・。
重病人いわく、「たぶん、アタシの体調を察してくれて、生ものをはずしてくれたんだよ。すごい気配り・・」とか。なるほどっ。
自分勝手な思い込みかもしれませんが、「職人さんの神髄をみた」と、つとに感じ入った一コマでした。
そして今。まもなく3月4日を迎えます。
今、一階のリビングのソファの上には重病人が息絶え絶えの状態で横たわっています。この物体を、どのようにして寝室に運搬するか。それが目下の最大の課題です。
この物体は、脂たっぷりの「大トロ」・・。
登茂ゑ寿司さん、この「大トロ」をなんとか上手い具合にさばいてくれませんでしょうか・・。
奥様、その後お加減はいかがでしょうか。せっかくの桃の節句のお祝いでしたのに、残念でしたね。でも、そのおかげで登茂ゑ寿司さんの職人魂に触れることが出来た?(^^)
我が家でも布団からはみ出た私のでかい腰界隈、まぐろ呼ばわりされています・・・。
ウチの同居人は病に倒れていたので、今年は雛人形を見ずじまいでした。体調はまだ本調子ではありませんが、ようやく普通の活動まであと一歩のところまで回復してきました。
とはいえ、風邪のためか、仕事に難渋しているのか、なにやら「ウンウン」うなりながらパソコンと格闘しています。
近寄りがたい威厳さえ感じます・・?。なにしろ「大トロ」ですから。