Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「はだしのゲン」を「持っているかどうかをチェック」

2014-03-05 | Weblog
広島への原爆投下や戦争の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」について、宮城県教育委員会が、仙台市以外の公立小中学校に所蔵されているか各市町村教委を通じて、それぞれの地区の何校に所蔵されているか、学校名を尋ねず調べているという。現在は集計中で、県教委は「結果は県議に知らせる。公表することはない」としている。

「はだしのゲン」所蔵校の数を調べる?
何のため?
その県会議員の名前を公表すべきだ。

「はだしのゲン」については、「新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部」が、県条例で定める「有害図書」への指定や、小中学校の図書室など公教育現場で閲覧する場合には、児童や生徒の発達段階に応じて配慮をするよう求める陳情を県議会に提出していた。
これを産経新聞等が報道すること自体が「宣伝」で「推進」みたいなものだから、黙殺していたが、結局これが宮城県のような反応に繋がってしまうのなら、さすがに看過できないと思った。
陳情によると、「はだしのゲン」には国歌の否定や天皇制に対するネガティヴな表現があるほか、残虐なシーンが描かれており、県青少年保護育成条例に抵触するという。
そんなこと言ったら私の本は全部「有害図書」だ。

「それぞれの地区の何校に所蔵されているか」を調べている宮城県では、教職員組合などが、調査の中止や集計結果を公表しないことなどを県教委に求めている。
いうまでもなく、調査は学校が所蔵することを萎縮させる。
「持っているかどうかをチェック」って、かなり異常なことだ。

「はだしのゲン」が平和教育のための貴重な作品であることは間違いなく、平成生まれのうちの子も読んでいる。
「残虐なシーン」はそれこそ巷のあらゆる表現物に溢れており、それが「本当のこと」であることにショックを受けるというなら、早々にショックを受けてしかるべきだ。
「戦争の残虐さをこそ伝えるべき」という言い方が当たり前でなくなる世の中って、いったい何だ?
他の都道府県が追随しないよう、宮城県教育委員会は監視され、批判されるべきだ。

この件、犯人が不明の「アンネの日記」焚書よりも、深刻だと思うのだが。
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1 コメント

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現場に対するひどい嫌がらせですね (L)
2014-03-05 23:10:22
 こんばんは。先日、”ゲン問題”についての集会に行きました。
 そこで、伺ったことは、
・練馬での右翼による閉架攻撃には、ネットと街頭での署名運動が効果的であった。ネット中継で、関心を呼ぶことが出来た。
・右翼は直接学校に行くぞと脅してくる。松江では、議会と教育委員会が右翼の要求を断ったにもかかわらず、教育長が校長会に指導したのは、そのため。また、井荻中で英訳者の講演が潰れたのも、(いろいろな話が飛び交ったけど。実態は)脅しの電話が繰り返され、校長がベルが鳴ると怯えて手が震え受話器が取れなくなったため(屈した)。*こちらのビラ配りや行政への抗議は、道路交通法だの、対行政暴力だのとすぐ警察が出てくるのにねえ?
・ゲンへの攻撃は、第2の教科書攻撃だ。報道では「残虐だから」と言う口実だが、実際は南京大虐殺や従軍慰安婦はなかった、天皇の戦争責任、日の君反対でけしからんと言うのが理由で、都教委と同じ考え。実際、双方の陳情を否決した後、都教委は「読書指導は児童生徒の発達段階に応じて適切に 行われなければならない」と介入を示唆。
とのことでした。ますます、視界は茶色いですね。
 残虐だといい募る人たちは、残虐なフィクションは避けるようには見えませんし、残虐な犯罪の報道も正義ぶったり、悪ぶったりしながら偉そうに賢ぶって娯楽として消費していそうです。それでいて、蝗軍の戦争犯罪を否認したり、どこでもやっているから罪は問えないと開き直る。そして、新たに残虐なことを誰かにしでかそうとしており、しかもその累は自分には及ばないと信じていて、かつその責任を取るのは嫌だと抜かすのですから、最悪な連中です。
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