Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

藤原 亮司 著 『ガザの空の下――それでも明日は来るし人は生きる』

2024-09-03 | Weblog
藤原 亮司 著 『ガザの空の下――それでも明日は来るし人は生きる』 dZERO(インプレス)

8年前の本である。昨年からのイスラエルの本格的な侵攻で、もうガザの四万人の命が奪われたが、パレスチナへの不当な攻撃は、イスラエルの建国以来、長く長く続いてきた。
8年前の状況だって、無茶苦茶だし、過酷である。
この本の続篇の執筆が難しいのは、ガザに、ジャーナリストは、なかなか入ることができないからである。いま現在はまったく不可能だ。

著者と、この本に出てくるサミール一家との交流は、今も続いている。
関心のある方は、藤原さんのTwitterを見てください。支援してください。

シリアで亡くなった、山本 美香さんとは、ジャパンプレスの同僚であり、彼女が亡くなったとき、藤原さんもシリアにいた。

藤原さんと安田純平氏との共著「戦争取材と自己責任」も、読んでほしい。

藤原さんは、ウクライナにも何度も行っている。私の最新作『地の塩、海の根』で、すっかりお世話になった。どこに行っても藤原さんは、人々の深い悲しみと強い怒りを、共有するのだ。

この本の表紙の、鮮やかな青い空と海、砂浜に遊ぶ子供たちは、ガザから奪われたものである。


『ガザの空の下――それでも明日は来るし人は生きる』  
内容
序章 一九八〇年代、大阪・在日の街
第一章 二〇〇二年冬、パレスチナ
石を投げる子ども
「こんな場所でどう生きればいい?」
「テロリスト」の家族
狙撃された少年
ガザに生きる現実 他
第二章 二〇〇五年冬、メディアに飽きられた戦争
メディアに飽きられた戦争
「大人になるまで生きていたら考える」
空の見える監獄
取り残された人たち
終わりゆく抵抗 他
第三章 二〇〇六~二〇〇八年、ユダヤ人の声
フリージャーナリストの困難
奪われるパレスチナの土地
「ゲットー・メンタリティーだ」
兵士たちの葛藤
ユダヤ人の前から消えたパレスチナ人
典型的なシオニストの考え
ホロコースト・サバイバー 他
第四章 二〇〇七年夏、レバノンのパレスチナ難民
「生まれたときからずっと難民のまま」
挫折した革命家
故郷のかすかな記憶
「どんな国でもいい、祖国が欲しい」 他
第五章 二〇〇八年、大阪市生野区
一世が築いた街
二世が背負ったもの
「生まれてくる場所は選べない」 他
第六章 二〇〇八年夏、停戦中のガザ
トンネル掘りの密輸業者
ガザにも健康ブーム
イスラム原理主義組織ハマスの男たち
夢の犠牲者、パレスチナ人 他
第七章 二〇〇九年冬、ガザ戦争
イスラエル軍侵攻
「こんな無残な殺され方をするんだ」
破壊された村で
人工透析の子
目の前で父を撃ち殺された少年
砂に描いたファレスティーン 他
第八章 二〇一四年夏、ガザからの電話
それでも人々は生きている
感情を見せなくなった少女
「これが人間の暮らしか?」
カッサーム小隊長の回想
国家による子殺し
共産主義者の嗚咽
援助による支配
見えない相手との「戦争」
「金のなる木」ガザ 他
終章 二〇一五年、目覚めたらまた始まる一日
コメント
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