袴田事件の無罪判決を受けて、日本ペンクラブが声明を出しました。
【日本ペンクラブ声明】「いますぐ再審制度の抜本改正を」
これまでも冤罪事件が明らかになるたびに、警察や検察の取り調べの課題や高すぎる再審開始の壁が繰り返し指摘されてきた。再審制度のなかでもとりわけ検察官の抗告や証拠開示のあり方は、諸外国の事例に照らしても明らかに人権への配慮に欠けるものであり、大正時代のままといわれる日本の現状は看過できない。
このたびの袴田事件においても、今日の判決で裁判所が、検察側が提示した有罪の最重要証拠について「捜査機関によってねつ造された」と明確に認定したように、解明・解決されなければならない多くの問題を浮き彫りにした。
再審制度の抜本改正については問題点の整理もすでになされており、あとは政治的決断を待つばかりだ。日本ペンクラブは、国会及び政府に対し、早急に法改正に取り組むよう求める。
このたびの袴田事件においても、今日の判決で裁判所が、検察側が提示した有罪の最重要証拠について「捜査機関によってねつ造された」と明確に認定したように、解明・解決されなければならない多くの問題を浮き彫りにした。
再審制度の抜本改正については問題点の整理もすでになされており、あとは政治的決断を待つばかりだ。日本ペンクラブは、国会及び政府に対し、早急に法改正に取り組むよう求める。
2024年9月26日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 桐野夏生
もう何十年も通っている京王線新宿駅からJRへの接続地下道。西口側。
ご存じの方はおわかりのように、高さがない。天井が低い。ご存じない方のために説明すると、手を伸ばせば天井に触れるのである。
この地下道に階段でわざわざ降りて、また上がる。潜り抜けるのである。
階段である。決してエスカレーターなどは設けないのである。
高齢の方もゆっくり降りて、ゆっくり登るのである。
残念ながら車椅子の方は通ることはできない。別なルートを通ってJRに乗らねばならないのである。
京王線にもJRにも罪はない。仕方ないのである。通れるようにしてくれてありがとう、なのである。
ただ、圧迫感はある。わざわざこんなふうにしなくては乗り換えることはできないのだ、という感覚は生じる。
この何十年もの間、その感覚は、通るたび、ある。
私たちの人生は、何か、不自然なことをしているのではないか、誰かに迷惑をかけているのではないか、という疑念が過ぎる。はい、この穴を潜ります、どうかお許しください、という感覚に、なるのである。
文明なんて人間の勝手にいろいろやってきたが、所詮はこの低い天井の下を潜る感じを変えることさえ、できないのだ。高さがある方がいいなんて言うのは、我が儘なのである。
新宿駅は西口周辺は大工事中である。
だがこの地下道には何も改革の気配がない。手つかずのまま残るのであろう。
おそらくは、私たちに、教訓を与え続けるために、で、ある。