もう何十年も通っている京王線新宿駅からJRへの接続地下道。西口側。
ご存じの方はおわかりのように、高さがない。天井が低い。ご存じない方のために説明すると、手を伸ばせば天井に触れるのである。
この地下道に階段でわざわざ降りて、また上がる。潜り抜けるのである。
階段である。決してエスカレーターなどは設けないのである。
高齢の方もゆっくり降りて、ゆっくり登るのである。
残念ながら車椅子の方は通ることはできない。別なルートを通ってJRに乗らねばならないのである。
京王線にもJRにも罪はない。仕方ないのである。通れるようにしてくれてありがとう、なのである。
ただ、圧迫感はある。わざわざこんなふうにしなくては乗り換えることはできないのだ、という感覚は生じる。
この何十年もの間、その感覚は、通るたび、ある。
私たちの人生は、何か、不自然なことをしているのではないか、誰かに迷惑をかけているのではないか、という疑念が過ぎる。はい、この穴を潜ります、どうかお許しください、という感覚に、なるのである。
文明なんて人間の勝手にいろいろやってきたが、所詮はこの低い天井の下を潜る感じを変えることさえ、できないのだ。高さがある方がいいなんて言うのは、我が儘なのである。
新宿駅は西口周辺は大工事中である。
だがこの地下道には何も改革の気配がない。手つかずのまま残るのであろう。
おそらくは、私たちに、教訓を与え続けるために、で、ある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます