Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「劇団」の公演であるということ

2013-09-01 | Weblog
午前中はひたすら雑務に追われるがなんとか脱出、バスの混雑に悩まされつつ武蔵関・ブレヒトの芝居小屋へ。東京演劇アンサンブルの代表作とされている『桜の森の満開の下』を、ようやく観ることができた。
大半の時間を桜吹雪が縦横に吹き荒れる、なるほど濃密な一時間余だった。公家・原口コンビもこのシンプルだが艶やかな世界を必要充分に動き、役を手に入れた自在さを見せつける。それにしても、劇団の総合力と結束力に、あらためて感心させられる。
三十年近く前にこの劇団で二代目「山賊」役だった、今は沖縄の論客である宮城康博さんに「観たぞー」と電話。宮城バージョンからほぼ今の演出になったらしい。二十代前半でこの大役に抜擢されるとは、さすが俳優・宮城もただ者ではなかったのだなあ。
本作は今年シビウ演劇祭のオープニングを飾ったということだ。我々も四年前『屋根裏』でルーマニアには行ったが、いずれシビウにも参加したいものだ。
終えて駆け足で俳優座劇場へ。こんにゃく座『銀のロバ』を観る。こちらも好感の持てる誠実な劇だった。反戦のメッセージを親しみやすく。若い俳優たちがはつらつとしている。全国の子どもたちに見せるに価する内容をじゅうぶん備えている。
また駆け足で梅ヶ丘へ。自分のところの『屋根裏』本番を観る。最近常連の大学同期十名の強者たちが来てくださる。
そしてまた移動。湘南新宿ラインの遅延にはらはらしつつ大宮で乗り換え新幹線最終。車内で今日の自劇団本番についてのノート。ちょうど書き終えて、本当に零時、ミッドナイト新潟に着く。
そういうわけで世間の動向を知ることもなく、演劇人らしい一日を送ったのであった。
純然たる「劇団」公演を三つはしごしたわけだが、やはり「劇団」は演劇を作る基本の場だなあと、意を強くする。
いろいろ追い付かずプレッシャー多々。だが合間に複数の朗報も。どうやら、まだまだ踏ん張れということだな。
コメント
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