Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「オリンピック開催は2020年であって今年ではない」

2013-09-04 | Weblog
国際オリンピック委員会(IOC)の委員は103人。7日にブエノスアイレスで開かれる総会で、2020年五輪開催都市決定の1回目に投票権を持っている委員は97人。会長と立候補都市のある国の委員、計6人には投票権がない。
候補地の一つ東京は、まったく解決していない福島の原発事故問題から逃れられるはずもない。しかし五輪招致委員会の竹田理事長は、投票権を持つIOC委員に手紙を送り、福一原発の汚染水漏れ問題について「東京は影響を受けておらず、安全だ」と訴えたらしい。安倍首相は「政府が前面に出て完全に解決していく。抜本的な措置を断固たる決意で講じており、7年後の20年には全く問題ないとよく説明したい」と、IOC総会で訴えるという。
安倍の言う「抜本的な措置」とは何なのか、具体的に言ってもらいたいものだ。そんなにいい方法があるならなぜとっくに実践していないのか。そしてそれを国民に教えてくれないのか。子供だましもいい加減にしてほしい。世界からの非難が目に浮かぶが、どうせ日本では報道されないのだろう。
そもそも汚染水だけが問題なのではない。事態はあらゆる方向から刻々と悪化している。万が一、東京に決まったとしても、大きな不安を抱えたままになる。そのストレスに政府と関係者が、そして国民が、耐えられるわけがない。海外選手の出場ボイコットもありうるし、その頃には、更なる汚染も予想される。いや、2020年に、我々は東京に住んでいられるのか?
IOCの委員の一人はインタビューに答え「オリンピック開催は2020年であって今年ではない」と言う。これをこの国の誘致派の人たちは吉報と捉えているらしいが、逆だろう。開催地を決める人たちにとって、「2020年に起きているかもしれない事態について、まったく責任を持てない」という意味でなければ、筋が通らないからだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする