サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

ありのまま

2015年11月24日 | サカタだよ
発売日の1か月以上まえに取材や撮影を終えないと締め切りに間に合わない雑誌の場合、
テレビや新聞、ウェブのような速報性がないので、記者発表に出かけてもネタになることは
あまりない。1か月後、2か月後に誌面が出るとき付加価値をつけられる見当がなかったら
雑誌の取材にならない。見当のつけかたが編集なのかも、と出かけるたびに思う。


ホンモノです

オノ・ヨーコが数分間コメントするというので、江東区の東京現代美術館まで出向いたのは
ありのままではなく、付加価値をつけられる気がしたから。12月25日に記事が出るまでに
コメント内容はとっくに他の媒体で引用されるはずだけど、それはそれとして別の切り口が
ページに生かせるなら出かけていく意味がある。


あんなふうに笑うんだな……!

ということはコメントを全文掲載するわけじゃないので、記者発表で聞いたことを起こしても
ネタバレする心配はない。たぶんもう拡散してるわけだし、たまには一言一句ここに載せて
みようかなと。


2月までの展示についての会見

「まぁ、館長さんがわたくしの、そのアートをここであれしてくださる、見せてくださることになったんで本当にありがたいと思います。だけど……ナオコさん(※学芸員)が風邪をひいてコンコンしたりして(笑)、大丈夫なのかしら? なんて思ってたんですよ。すごく苦労して、よくやってくだすったと思います。それであの、ちょっと顔つきが変わったんでないの? なんて(笑)。やっぱしあの、東京とそれからニューヨークと行ったり来たりして、やってくだすったわけですから大変だったと思います、うん。やっぱし自分の国でもって、こういうことができるというのは、とってもうれしいと思うんですね。“やっぱし東京は懐かしいでしょう?”なんてみなさんおっしゃるんですけれども、わたしの最後に覚えてる東京ってのは、爆弾でもって全部、燃やされちゃって、わたくしの家だけは助かったみたいなんですけれども、それが記憶に残ってますね。それから、あんまり食べるものがなかったとか、そういうこと。そういう東京なんですよね。その前の東京がまたすごく素敵だったんですけど、だからここへ来て、爆弾で全部やられた東京じゃないってことが、すごく新しい……新しい国みたいなんですよね。それがとってもわたくしにはね、なんかこう……面白いと思う。面白いと思うんです。こういうふうになるとは思ってなかった。やっぱし、あの、こう外を歩いたりなんかしてても、木がね……みんな、焦げたような木があったんですね。その焦げたような木から、若葉が出てきたりしてた、そういう時代だったんですね。だから、そのことをよくわたしは覚えてますから、そのことがみんな、そういう経験がわたくしのアートの中に出てきてると思います。で、わたくしが思ったのは、ああ……やっぱりわたくしも普通のまともなアーティストだなと。自分の作ったものを大事にしてたんですね。だけど、あるとき、あっそうじゃなくて他の人から何かちょっと介入してもらう。それも面白いんじゃないかと。それをわたくしはその……まあ、理論的に思ったんですね。ところがやっぱしそれを自分でやるってことがが、ああ、やだなあ、やっぱり一所懸命作ったものに人が介入したりするのが、やだなあと思ったわけ。だからわたくし、自分がそれを考えて自分がそれをやだなあと思うぐらいだから、それはきっとすごく面白くなるんじゃないかと思って(笑)。やっちゃおう! って思って。それで、人がどんどん介入してくるようになって、アートを作ったわけなんですね。それがね、非常に面白いのは、いろんな意味でもって今、広がってってるわけですね世界で。というのは、一方では一所懸命、戦争のない地球を作ろうとみんな思ってるわけでしょ。それにはみんなが一緒に何かしなくちゃなんない。それと、そのアートの中に他の人がタッチしてもらっちゃやだ! と思ってる、それがこう、なんていうの? まあしょうがないからどんどん入れてくってことになる、それとつながっちゃうんですよね結局はね。だからね、Let's stay together! We can do it together! なんていうでしょ? 自分で思っていってるでしょ? それじゃそれでわたくしはそんなこと考えたんだなって思ったんです。人の介入できるアート。それを作るときに、地球を大事にしようとか一緒にやろうとか、そんなこと全然考えてなかった。ただその、アーティストとして理論的に、これは何か面白いことしなくちゃ。今までわたくしのアートは、リピートがないんですよね。だから、繰り返しっていうのは何か無駄だっていう意識がすごくあったんです。繰り返しなんてしなくて、ただ、それがよかったらその先に何か新しいものを……新しいものをいつも作らなくちゃ。そういう意味のアーティストの責任があるんじゃないっていうふうにわたくしは思ってた。だからその、介入ってのは面白いって思った。で、やっちゃおうと思ったんです。それがだからわたくし、非常に面白いと思うのが、自分ではあんまり考えてなかったんですけど、何か運命的に地球の上でみんなが一緒にやる……つーところにつながっちゃったわけですよね。だからありがたいと思ってます。ありがたいというのは、えっと、運命がそういう運命だったっていうのをありがたいと思ってます。で一方で、わたくしが自分でやだなあと思うようなことを一所懸命やったっていうことが、やっぱしねえ、わりと、なんていうのかしら、いいことしたと思ってんのよ。ていうのはなんだってば、人っていうのはみんな謙譲でなきゃいけないってのが、自分がいいことしたっていう……そういうことあんまり、いわないでしょ? けどわたくしはもう、いうことにした。ていうのはやっぱし、いいことしたってことは自分でいいことしたっていうんでなくて、運命的にそこに何か、させられたっていう感じ。そういうことをちょっと、ここに来たときにお話したいと思ってました」  (2015.11.9)
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