大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評17・『天地明察』

2016-08-25 06:08:52 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評17
『天地明察』


この春(2016年4月)に逝ってしまった滝川浩一君を偲びつつ


これは、悪友の映画評論家滝川浩一が、個人的に身内に流している映画評ですが、面白いので、本人の承諾を得て転載したものです。


 今、まさに原作を読もうとしている人は本を閉じていただきたい。

 既に読んだ人は…無無無無~ 柱に頭ぶつけるなりして(???)忘れて下さい……。
 無理だよ~ 悪かぁないんですけどねぇ。こらぁ生殺しってか、尺足らずってか……ただ、後10分やそこらあってもどないもならん、せめて後1時間……て事は3時間半 「七人の侍」や「赤ひげ」クラス。
 緻密に書かれた原作に息づく登場人物達(殆ど総て実在)を命有るリアルな存在としてスクリーンに描くには せめてその位の尺は必要だった。

 映画は本と違って「画」で見せるという手法をフルに活用、さすがわ滝田監督、見事な手腕と言える……のだが、残念!
 時間が無さ過ぎた。どうしてもショートカットして流さざるを得ない。人物が薄い、周囲が薄いと算哲の人物像も薄くなる。残念です、面白く見ましたけど、見たかった映像では無かった。本作は、原作の読書体験が強烈だったので自分の中に完璧なイメージがありました。それとのギャップが大き過ぎました。こういう場合はもう一度読み返すとええんですが、現状宿題山積みなのでいつになるやら、しばし 欲求不満と付き合いますわい。
 本作には、原作者がカメオ出演しています。さりげなくしているおつもりのようですが、なんせ長身・男前、目立つ目立つ…映画に納得出来ていればこんなお遊びも楽しめたんでしょうけどねぇ。男女入れ替わりの「大奥」がまた作られるそうです、こんなクソ映画を作る予算が有るなら本作をもっと重層な作品に出来ただろうに、残念無念!

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