ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

神戸のカンタベリー氏

2013年03月04日 | 巡礼者の記帳
奈良平城京の遺跡から発見される和同開珎は、そのころ日給およそ1枚にあたって、米2升の代価であるという。
朱雀門の傍に邸宅のあった大納言『長屋王』の年収は4億円もと書かれ、現代ならば邸内にタンノイ装置などを聴く高床響所もあったはずと、雑誌から目を離したそのとき、寒気の少し緩む街路から黒ずくめの、旅の荷を背負った人が入ってきた。
室内のウエスギアンプを見て、300Bキットの組立にウエスギ氏と電話で話したと申される、静かに荒ぶる人は、山下洋輔の弾く「乙女の祈り」が午後の室内にゆっくり響いているところを聴いて、御自身も神戸で『タンノイ・カンタベリー』を楽しんでおられるそうである。
まもなく爆音に変身する有名な山下演奏を賞味されると、とても良い、と喜ばれた。
ウイーンのオーケストラが軽快にシュトラウスの「爆発ポルカ」を始めると、昨年のご旅行で、モーツァルトの「夜の女王」とムジークフェラインザールで対面された記憶を申されているが。
「むかしイタリアの古都で、しばらく勉強したことがありました」
当時をしのばれると、住まわれている神戸の地形は「入っても何でもすぐ出て行ってしまう傾向ですが一関のような盆地の地形に文化は長くとどまるようです」と面白がられるのを耳にして、御仁の都市工学の名刀が鞘走った一瞬を見た。
このタンノイの音はまったく予想していなかったと申され、このうえどのような計画が有るのかとそれは茶席むけの会話のようでもあったが、ジョバンニ・カッシーニも学んでいた古都の学問を、震災の沿岸にご尽力があるのかもしれない。





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