ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

釜石市の客

2008年07月02日 | 巡礼者の記帳
どこの誰でも良いのに、大抵の御仁が名乗るのは何故かな。
はじめの釜石の客は、『山目駅』で降りてしまったのがまずかった。
たしかに住所は山目というが、彼は歩きに歩いて番地の不思議に目を回した。お気の毒でした。
その気分のよい御仁は、ジャズがとにかく好きであったから笑っておられたが。奥方は「どうせ、晩ご飯には間に合わないでしょう」と、家を出るとき申されたそうな。
次にあらわれた御仁は、ループ・タイの端を引きながら言う。
「夕刻から、あのホテルで会合があるので」と窓の外を見つつ、タンノイの好きな知人がいるので報告しなければ、と。
その次の釜石の御仁はしばらくタンノイを聴いておられたが、シャープな言葉で「このスピーカーの特長は何ですか?」とお尋ねになった。
二つのスピーカーを結んだ線の後方に音像が出来るホール・トーンが特長のユニットにもかかわらず、音が前にも出るようにしましたと、申し上げると「わかりました」と何事か理解した。
タンノイの音とは、自分の耳で彷徨う、知る人ぞ知る奇妙な約束の音であったから。








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